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『マジック:ザ・ギャザリング——FINAL FANTASY』のメカニズム

2025年5月10日
「FINAL FANTASY」シリーズに登場する、あなたのお気に入りのキャラクターやアイテム、そして名シーンを新しい形で体験しよう。『マジック:ザ・ギャザリング——FINAL FANTASY』では、この大人気RPGシリーズからメインシリーズ16作品が登場。新規メカニズムも、再録メカニズムも盛り沢山です!早速見ていきましょう。
ジョブ選択
英雄とは多くの道を歩むものですが、手にする武器は彼らの運命をも変え得るでしょう。新規メカニズムとなる「ジョブ選択」は、本セット収録の一部の装備品が持つ誘発型能力です。

「ジョブ選択」を持つ装備品が戦場に出たとき、あなたは無色の1/1の英雄・クリーチャー・トークンを生成し、その装備品をそのトークンにつけます。「ジョブ選択」を持つ装備品も、他の装備品と同様の使い方ができます。カードテキスト内の他の部分にはクリーチャーにどのような恩恵を与えるのかが記載されていますし、装備能力を使えば他のクリーチャーにつけることもできます。
「ジョブ選択」能力の解決時に装備品が戦場を離れていても英雄・トークンは生成されますが、装備品はついていない状態になります。
段階
このセットに収録されている呪文の中には、3つの異なる効果を持ち、払うマナが大きいほどその効果も強大になるものがあります。それらの呪文は新たなメカニズム「段階」を持ちます。

「段階」を持つ呪文には3つの異なるモードがあり、各モードには追加のコストがあります。「段階」を持つ呪文を唱える際、モードを1つ選択してそれに対応する追加コストを支払います。例えば、《氷魔法》をブリザドで唱えるのなら、{1}{U}を支払うだけです。ブリザラで唱えるのなら、{1}{U}に追加コストの{2} を加えた、計 {3}{U}を支払います。そして、ブリザガで唱えるのなら、{1}{U}に追加コストの{5}{U}を加えて、計{6}{U}{U}支払います。
どのモードで唱えても、その呪文のマナ総量は変わりません。呪文のマナ総量は追加で支払ったコストは含めず、マナ・コストのみで決まります。つまり、《氷魔法》のマナ総量は常に2なのです。さらに、呪文の名前も常に《氷魔法》です。3つの段階にはそれぞれフレイバー語がついていますが、あくまでフレイバーなのでゲーム上のルールには影響しません。
英雄譚・クリーチャー
「FINAL FANTASY」シリーズの召喚獣たちが、英雄譚・クリーチャーとして戦場へ顕現します。この多才なパーマネントは英雄譚で物語を表現しつつ、クリーチャーとして戦闘にも参加可能という2つの要素を兼ね備えています。また、能力を見やすくするため、カードフレームも新しいものを採用しました。

英雄譚・クリーチャーは、他の英雄譚と同様のルールに従います。英雄譚を知らない方のために、まずは英雄譚を簡単に説明しましょう。
英雄譚の各章にはローマ数字のシンボルが記されています。複数の章が同じ効果を持っている場合、章を表すシンボルが対応する効果の部分にまとめて記されます。
英雄譚は伝承カウンターが1個置かれた状態で戦場に出ます。このとき、I章の能力が誘発します。あなたの第1メイン・フェイズの開始時に、英雄譚・クリーチャーを含め、あなたがコントロールしている英雄譚すべてに伝承カウンター1個を加えます。英雄譚に伝承カウンターを加えるたびに、置かれている伝承カウンターの数を確認しましょう。置かれている伝承カウンターの数は、誘発する能力の章番号と一致します。最後の章能力が解決した後(あるいはスタックを離れた後)、あなたはその英雄譚を生け贄に捧げます。
珍しいケースですが、複数の伝承カウンターが同時に英雄譚に置かれる場合があるかもしれません。例えば、カウンターの置かれる個数を2倍する能力を持つ《倍増の季節》のようなパーマネントをコントロールしている場合に起こり得ます。この場合、最後に到達した章の能力だけでなく、その途中で通過した章の能力も誘発します。つまり、《召喚:フェンリル》が2つの伝承カウンターが乗った状態で戦場に出た場合、I章とII章両方の能力が誘発し、スタックに乗せる順番もあなたが選ぶことができます。このような置換効果は、あなたの第1メイン・フェイズの開始時に伝承カウンターを1つ加える、というターン起因処理には影響しません。
『マジック:ザ・ギャザリング——FINAL FANTASY』 で新登場となる英雄譚・クリーチャーは、英雄譚でありながらクリーチャーでもあるので、クリーチャーにできることならなんでもできます。あなたのコントロール下に出たターンには不可能ですが、攻撃できますし、ブロックも可能です。章能力以外の能力や、フレイバーテキストがある場合は、タイプ行の下にある文章欄に記載されます。英雄譚・クリーチャーは長く戦場にいることができませんが、限られた時間であっても、とてつもないインパクトを与える一助になってくれるでしょう。
変身する両面カード
変身する両面カードは、マジックではおなじみのメカニズムです。変身することで強くなることが確約されているというのには胸が踊りますよね。

各両面カードには2つの面があります。第1面にはカードの左上に上矢印が、第2面にはカードの右上に下矢印が記されています。
変身する両面カードを唱えるときには、第1面を用いるので、戦場には第1面をオモテにして出ます。唱える以外の方法で戦場に出る場合も、変身した状態で戦場に出すように指示されていなければ、第1面をオモテにして戦場に出します。
変身する両面カードがスタック上、または第1面をオモテにして戦場にあるとき、それは第1面の特性のみを持ちます。これは変身する両面カードがスタックや戦場以外の領域にある場合も同様です。例えば、《オリジナル、アシエン・エメトセルク》があなたの墓地にあるとき、これは《オリジナル、アシエン・エメトセルク》の特性のみを持ちます。つまり、これはエルダー・ウィザードのタイプを持つクリーチャーであり、アバター・クリーチャーではないのです。第2面がオモテとなり戦場に出ている場合のみ、第2面の能力が参照されます。それはどうしたら起こるのかって?もちろん変身です!
変身する両面カードの大半は、どのような条件で第2面へと変身するのか記載されています。例えば、《オリジナル、アシエン・エメトセルク》の最後の能力が解決したとき、あなたはそれを変身させるか選択できます。変身させることを選んだ場合、カードを裏返して第2面である《最古の魔道士、ハーデス》をオモテにします。
両面カードは変身後も同じパーマネントとして扱われますので、オーラや装備品はつけられたまま、カウンターも置かれたままになります。また、それに与えられている効果も継続されます。中には両面を行き来するカードもありますが、《最古の魔道士、ハーデス》のような変身能力を持たない第2面の場合は一方通行です。ただし、他の呪文や能力によって再び第1面へと戻ることもあるかもしれません。
変身する両面カードの第2面はマナ・コストを持ちません。しかし、皆さんに第2面について知っておいてほしいことが2つあります。まず1つ目は、両面カードが第2面をオモテにして戦場に出ている場合、マナ総量は第1面の点数で見たマナ・コストに基づいたものになります。これは、各面はそれぞれの特性のみを持つというルールの例外です。つまり、《オリジナル、アシエン・エメトセルク》のマナ・コストが{1}{U}{B}であることから、《最古の魔道士、ハーデス》のマナ総量も3となります。2つ目は、第2面には色指標が記されているものがあります。タイプ行の左側にある丸印で、この色がパーマネントの色を示します。例えば、《最古の魔道士、ハーデス》なら青と黒ですね。
出来事
出来事が本セットで再登場します。今回は、街サイクルという形で皆さんにお届けします。

出来事を持つカードには2つのパートが存在します。そのうちの1つである出来事はインスタントかソーサリーで、カードの左下(文章欄の左側)に記載されています。出来事は固有のカード名やマナ・コスト、タイプ行(出来事のサブタイプも含む)、ルール・テキストを持ちます。もう1つのパートはパーマネントで、今回のセットの場合は土地です。土地としての名前やタイプ行は通常通りですが、ルール・テキストはカードの右下(文章欄の右側)に記載されています。
《貴族の町、ジドール》をプレイするに際し、あなたは2つの選択肢があります。
1つ目は、パーマネントとしてプレイすることです。《貴族の町、ジドール》の場合は土地ですね。この場合、これはそのまま戦場に出ます。そして、出来事のパートに書いてあるテキストはすべて無視することになります。
そして2つ目は、出来事として唱えることです。《オペラの幕開け》はソーサリー・呪文として通常通りスタックに置かれ、対戦相手が対応したり打ち消したりできます。解決されれば、対戦相手はその効果の通りライブラリーの半分を切削します。
しかし、物語はそこで終わりじゃありません。《オペラの幕開け》が解決された後、このカードは墓地には行かず、追放されます。
出来事・呪文が解決し、カードが追放された後、あなたは追放領域からそのカードをプレイすることができます。出来事として唱えることはできませんが、土地としてプレイしても良いのです。追放領域から《貴族の町、ジドール》をプレイする場合でも、それはあなたのそのターンの土地プレイとしてカウントされ、メイン・フェイズ中かつ、そのターンにまだ土地をプレイしていないときにのみ行えます。
また、出来事を持つカードがあなたの手札・ライブラリー・追放領域にある場合、そのカードは常にパーマネント部分としての特性だけを持ち、出来事・呪文としての特性は持ちません。たとえば、ライブラリーから土地カードを探す効果で《貴族の町、ジドール》を見つけることはできますが、ソーサリーを探す効果で《オペラの幕開け》を見つけることはできない、ということです。
土地サイクリング
土地サイクリング能力は「平地サイクリング」、「島サイクリング」、「沼サイクリング」、「山サイクリング」、「森サイクリング」と記載されています。土地サイクリングを持つカードを捨てることにより、ライブラリーから該当する基本土地タイプを持つカードを探すことができます。

基本土地カードだけでなく、記載された基本土地タイプを持つ土地カードを探すことができる点にご注意ください。ゲーム終盤にたっぷりとマナが使える状態にしておきたいですから、土地を安定してプレイすることはマジックにおいてもっとも重要であると言っても過言ではありません。土地サイクリングを持つカードは、土地の供給量で相手に遅れを取らないようにあなたをサポートしてくれますよ。
『マジック:ザ・ギャザリング——FINAL FANTASY』に登場する魅力的なクリーチャー、呪文、そしてアイテムを使いこなし、あなただけの物語を紡ぎましょう。これからも心躍るカードのプレビューが続きますので、お見逃しなく。2025年6月13日発売の『マジック:ザ・ギャザリング——FINAL FANTASY』はお近くのゲーム店やAmazon、その他マジック製品を取り扱う場所にて予約受付中です。
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