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今こそ『時のらせんリマスター』の時

Adam Styborski
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2021年2月25日

 

 これは、前にやったことがある。

 2006年、『時のらせん』は世界へ解き放たれた。それは『スカージ』以来3年ぶりとなるドミナリアへの帰還を告げるものだった。カードの表面は「モダン」枠へと変わっていて、そして我々はドミナリアという世界がゆっくりと死んでいく中で物事が複雑になってゆく悲惨な未来を迎えることになった。

 『時のらせん』ブロックの物語には多くのキャラクターが登場するが、最も重要なのはテフェリーであり、セット名が同名のカードから取られている『次元の混乱』と『未来予知』を通して彼の帰還とプレインズウォーカーとしての力の犠牲が描かれた。初期のマジックを思い出させるフレーバーが詰まったカードと、大量のメカニズムを備え、豪華で複雑なドラフト・フォーマットが作り出された。

 『時のらせん』ブロックはその10年後に『ドミナリア』が発売されるまではドミナリアへの最後の来訪となるはずだった。(良くなった)

 『時のらせん』を淡々と伝えることは、それを経験してきた私にとっては簡単なことだ。私はパックを開封し、古い見た目なのに新しく印刷されたカードを手にした。最も派手な選択肢ではなかったとしても、驚きがあった。

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 私は各色のメカニズムと能力のバランスを取り直して再考案されたカラー・パイに惚れ込んだ。私のマジック的直感をもてあそんだそれは、『次元の混乱』にのみ存在した。

 私は『未来予知』の一部のカードに見られた、基本的なドラフト向けコモンに見られた「未来枠」のフルアート版カードに驚嘆した。

 この時代は複雑な相互作用、興味深いコンボ、そしてマジックの最も激しい競技の時期の山場で定義づけられていた。しかし他のすべてのセットと同様に、それもつかの間のことだった。

 『時のらせんリマスター』はデジタルの「リマスター」セットに倣い、古いゲームプレイを現代の感覚に持ってきて懐かしくも洗練された体験と調和させている。

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 『時のらせんリマスター』のカードは、当時のドラフトを把握できるように『時のらせん』『次元の混乱』『未来予知』の3つのセットから選ばれている。

  • サリッド》! 3ターン待てればいいものがもらえる、と思うぞ!(これを機能させるためには「時」が必要だ、分かる!?)
  • サクリ台! サリッドが苗木を育ててもそれを食べて何か他のものを手に入れる手段がなければ何かいいことがあるのか?(ドミナリアの歴史学者は伝統的に《サリッド》本位制経済の危険性を説明することができる)
  • ライフ獲得! 《エイヴンの裂け目追い》はそこそこ効率的で打点を叩き出してくれるが、勝ち手段としては消失する運命にある。

 勝つために時間をかけることを楽しんでいる人向けの、他のおなじみの顔を見るはもう少し待ってもらう必要があるが、『時のらせんリマスター』にはもうひとつ懐かしい過去を思い出させてくれるものが入っている。

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 各ブースター・パックには、もともと現在のマジックの枠で印刷されていたカードが旧枠加工と呼ばれる加工を施されて戻ってくるボーナス・シートのカードが入っている。マジックの本来の枠を元に作られたこれらのカードは「過去が戻ってくる」という『時のらせん』の慣習を根底から覆し、私のようなマジックの見た目の逆行を好むプレイヤーを喜ばせてくれる。

 素早くライフを得ることは《アジャニの群れ仲間》がいると俄然すごく良いことに見えてくる。『時のらせん』のボーナス・シートから出てくるカードがドラフトに興奮を与えたのと同じく、『時のらせんリマスター』の旧枠カードが過去に術ちこんだおなじみの顔でその戦いに新境地をもたらすと思ってくれて間違いない。

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 『時のらせんリマスター』は3月19日に発売される。帰ってきたカードと旧枠カードを見るには『時のらせんリマスター』カードイメージギャラリーと、プロモおよびボーナスシート・カードイメージギャラリーをチェックしてくれ!

(Tr. MASUYAMA Takuya, TSV YONEMURA "Pao" Kaoru)

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