• HOME
  • >
  • READING
  • >
  • 「統率者戦ブラケット」のベータテスト、始まる

READING

お知らせ

お知らせ

「統率者戦ブラケット」のベータテスト、始まる

いってつ


 みなさんこんにちは、統率者戦フォーマット委員会のいってつ(@ittetu_)です。

 「統率者戦フォーマット委員会/Commander Format Panel」(以下CFP)は昨年に発足した、ウィザーズの統率者戦にまつわる施策に対してフィードバックを行う外部組織です。これまで統率者戦のルール管理や禁止改定を行ってきた統率者戦ルール委員会の流れを汲んでいます。パウパーにおける「パウパー・フォーマット委員会/Pauper Format Panel」(PFP)に近い存在ですね。

 CFPには世界各地から17人が参加しています。ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社員やジャッジ、ストリーマーやライターなど、さまざまな形でマジックに携わり、マジックを愛する人物が在籍しているのです。統率者戦らしいカジュアルなゲームだけでなく、いわゆるcEDHとよばれる競技志向の統率者戦にフォーカスして活躍している人物もいます。日本からも私、いってつが参加しています。

 私たちはほとんど毎晩(晩なのは私やオーストラリアのAttack on Cardboardくらいかも)Discordでテキストチャットをかわし、統率者戦について語らっています。ウィザーズから提供される“施策案”に対し、「それはいいね!」「それはよくない、こうするべきだ」といった議論を行い、ウィザーズに“フィードバックを返す”のが私たちの仕事です。私たちは本当にマジックが大好きで、新セットリリース時期には「新しいカードを見た?面白そうだよね!」と、みなさんと同じように興奮しています。

 さて、そんな私たちの最初の大きな仕事──ブラケット・システムに関する発表がガヴィン(ガヴィン・ヴァーヘイ/Gavin Verhey、ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社員)から行われました。

 CFPのメンバーはそれぞれ、情報や個人意見を発信するよう勧められています。この記事の執筆もその活動の一環です。こうして、日本公式サイトに記事掲載をさせていただくこととなりました。

 この記事では昨晩の発表についてCFPのいってつが補足を交えて解説するものです。みなさんから寄せられそうな質問にQ&Aとしてあらかじめ答えておきます。正式な内容としては元の記事をご参照ください。

要約
  • 統率者戦の新しいマッチング指標「統率者戦ブラケット/Commander Brackets」――のベータ版を作ったよ
  • このシステムをはじめ、どんなシステムであっても、悪意ある人を除外することは難しいよ
  • そこには5つのブラケット(種別)があるよ
  • 自分がプレイしたいゲームの雰囲気や速度感、使いたいカードをもとに参加したいブラケットを選べば、嗜好が近い人とマッチングすることができるよ
  • ブラケットごとに「使用を控えるべきカードのリスト」、ゲームチェンジャー・リストをつくったよ
  • これはあくまでベータ版だよ(大事なので2回言いました)
  • 私たちもいきなり完璧なものを作れるとは思っていないよ
  • 2月21~23日開催のMagicCon: Chicagoでベータテストを行うよ
  • MagicConに参加できない人もぜひブラケットに合わせてデッキを組んでみたり、遊んでみたりして、意見を聞かせてね
  • 3月からはフィードバックを受けて改良に取り組むよ
  • うまくいけば4月下旬に禁止されたカードの禁止解除を含む大きな発表が行える見込みだよ

 

5つのブラケット

 日本では現在、主に「10段階のデッキパワーによる分類」や「4種別のプレイ嗜好による分類」などでマッチングが行われています。どちらを使うかはコミュニティやイベントによって違いますが、ブラケット・システムもそれと同様の新しいマッチングの方法で、統率者戦そのものに変更を加えるわけではありません。

 統率者戦はこれまで通り自由です!既にマッチングの良い方法を見つけているコミュニティやショップは従来の方法を続けることも選択できます

 本ブラケット・システムでは5つの区分が用意されています。そのうち3つはコミュニケーションを楽しむこと、のこり2つは競技性(勝敗を強く意識すること)に焦点を当てています。

 それぞれのブラケットでは期待されるゲーム体験に加え、それをより確実なものにするため、「使用を控えるべきカード」の具体例が示されています。

 このシステムも従来のシステムと同様、自分本位であったり、悪意を持っているプレイヤーを除外したりすることは不可能です。とはいえ、大半のプレイヤーは「近い嗜好の人と楽しいゲームをしたい」と考えているので、そうした人たちのためのツールを作ることを目標にしました。

 では実際に見ていきましょう。

ブラケット1:エキシビション

ゲーム体験

 これがもっともカジュアルなテーブルです!勝敗を目指すというより、自分の好きなカードを見せあったり、思いついたユニークなものを披露しあったりする場です。例えば「馬単」「叫ぶ悪役構築」「ラッキー7構築(数字の7が書いてあるカードだけで構築)」とかね!

 ここではもはや構築済みデッキですらオーバーパワーです。ゲームは非常にゆっくりと進み、長引くことでしょう。遊びやコミュニケーションを楽しむことに意識を向けましょう!

デッキ構築

  • ゲームチェンジャー・カード(後述):なし
  • 2枚無限コンボ:なし
  • 土地全体拒否(後述):なし
  • 追加ターン:なし
  • 土地を探す以外のサーチカード:少しだけ
ブラケット2:コア

ゲーム体験

 現代の構築済みデッキは統率者を中心に非常に強力なシナジーが形成され、初心者のみならずベテランも舌を巻く構成になっています。

 最適なカードが揃っているわけではありませんが、ビッグアクションや強力なシナジーが成立する可能性があり、ゲームの勝利を目指した構築がなされています。このブラケットはそれを基準として設定されました。

 ゲームが前触れもなく突然終了することはなく、おおむね9ターン以上続きますが、強力な呪文を使った派手な展開も予想されます。

デッキ構築

  • ゲームチェンジャー・カード(後述):なし
  • 2枚無限コンボ:なし
  • 土地全体拒否(後述):なし
  • 追加ターン:連続して追加ターンを得ることがないように、少しだけ
  • 土地を探す以外のサーチカード:少しだけ
ブラケット3:アップグレード

ゲーム体験

 勝利に向けて、数ある選択肢の中でどんなカードを採用するかしっかりと検討され、ゲーム展開もブラケット2よりもすこし早く、7ターン程度で決着することもあるかもしれません

 このブラケットではゲームチェンジャー・カードを最大3枚まで使用でき、エターナル・フォーマットらしい強力なカードでデッキを強化できます。もちろん、まったく使わなくてもOKです。

 6ターン以内に成立してしまうような2枚無限コンボは不似合いですが、ロングゲームの末にコンボで突然ゲームが決着することはありえます。

デッキ構築

  • ゲームチェンジャー・カード(後述):3枚まで
  • 2枚無限コンボ:6ターン以内に成立するようなコンボはなし
  • 土地全体拒否(後述):なし
  • 追加ターン:連続して追加ターンを得ることがないように、少しだけ
ブラケット4:オプティマイズド

ゲーム体験

 爆発的なスタート、強力なサーチカード、ゲームを終わらせる手軽なコンボ、土地否定、あるいはゲームチェンジャー・カードでいっぱいのデッキ!強力な統率者が選ばれ、ゲームはすぐに終了する可能性があります

 ここでは「プレイしたいデッキの最高のバージョン」をプレイできます。ただし、トーナメントのメタゲームを考慮して統率者を選択したり、デッキを構築したりするまでには至っていません。

 最適化を目指された強力なデッキは再現性も高いでしょう。ほとんどのプレイヤーにとって、ブラケット4のデッキは最強格のデッキです。

デッキ構築

禁止されていないすべてのカードが使用可能です

ブラケット5:cEDH

ゲーム体験

 高い競技性を持ち、メタゲームを重視する思想をもった、ハイパワーなゲーム。ブラケット4のように、最も強力なカードを制限なくただ使うだけでなく、念入りにゲームプランが練られます。トーナメントでの優勝を目指すので、環境を注意深く追い、統率者の選択を含め、デッキ構築を妥協することはありません。

 また、トーナメント運営に影響するような盤外での交渉(悪意あるプレイ、譲歩)に特別な注意と配慮が求められます。

 cEDHでは勝利することが自己表現よりも優先されます。好きなカードや統率者はメタゲームに対応して置き換えられてしまうことが多いため、あなたは好きなカードやデッキではなく、トーナメントで勝つ可能性が高いと思うものをプレイすることになるでしょう。

デッキ構築

禁止されていないすべてのカードが使用可能です
 

ゲームチェンジャー・リスト

 いかがでしょうか。従来の「10段階のデッキパワーによる分類」に「4種別のプレイ嗜好による分類」のエッセンスが加えられたような区分けとなっており、より具体的な「推奨される構築」が示されています。

 ブラケット1~3では少々不似合いな非常に強力なカードを「ゲームチェンジャー」と呼び、使用を控えるよう薦めています。

 これらはプレイヤーがリソースを独占したり、多くのプレイヤーが嫌うような変異をもたらしたり、ゲームを満足にプレイできなくしたり、カジュアルな方向から遠ざかる方針で組まれてしまいがちな統率者であったりと、統率者戦のゲーム性を変えてしまうカードたちです。

 もちろん、テーマの都合上や、構築済みデッキにすでに入ってしまっている……といった場合には、ゲーム前の時点で事情を説明して使ってもいいか尋ねることができます。

 では、リストを見てみましょう。

ゲームチェンジャー・リスト該当カード(本発表時点)

 いかがでしょうか。これはいわば、「カジュアルなゲームでは強すぎるが、いわゆるガチなテーブルでは問題なさそうなカードのリスト」です。

 加えて、これは一種の監視リストととらえることもできます。将来の禁止は《有翼の叡智、ナドゥ》のように新しいセットで登場しすぐに問題になったカードを除き、基本的にこのリストの中から行われることになるはずです。同じく、禁止解除されたカードもいったんはここに加わることになるでしょう。これにより、禁止カードと恒常的に目にするカードの“中間”が生まれます。また、このリストは私たちが監視しているカードを確実に把握するのに役立ち、いつか「突然前ぶりもなくカードが禁止された」と感じることがなくなるでしょう。

 また、禁止解除を試したり、禁止せずにカードを微調整したりできる場でもあります。カジュアルなゲームでは人々をいらだたせるものの、競技的なシーンでは問題ないカードが登場した際に、アップデートでそうしたカードを程よい場所に隔離することができます。

 さて、はっきりさせておきますが、現在このリストに存在するカードの大半は禁止される可能性が低いです。禁止になるのではと不安になって《ガイアの揺籃の地》をトレードするべきではありません。しかし、これらはゲームを変えてしまうカードであり、プレイヤーによってはこれらのカードと対面したくないと思っているということを共有したいと思います。
 

土地の全体拒否

 日本ではあまりプレイされることがありませんが、土地を大量に除去したり、使用不能に陥らせたりするカードの使用もブラケット1~3では推奨されません。

 すべてをここで列挙しませんが、《ハルマゲドン》や《基本に帰れ》、《破滅》や《冬の宝珠》などがこれに該当します。

 

今後のロードマップ

 さて、今後の計画にも触れましょう。

 2月21~23日にはMagicConがシカゴで開催されます。そのコマンドゾーンでは、このシステムでのマッチングを試すベータテストが行われます。

 もしこのブラケットシステムが大筋では問題なさそうなら、3月からはみなさんからのフィードバックを受けて、私たちは改修作業に入ります。あわせて、禁止解除の可能性についての議論をすすめ、4月下旬にシステム全体のリリースと禁止解除をまとめて発表したいと考えています。その後はCFPからみなさんに定期的なアップデートをアナウンスできるように取り組んでいきます(もしシステムの骨子に問題があった場合などにはこの予定は後ろずらしになるでしょう)。
 

Q&A

Q.「なぜ〇〇はゲームチェンジャー・リストに載っているのですか?」

 それぞれのゲームチェンジャー・リストのカードがなぜ選ばれたのか理由を見ていきましょう。

 ここに含まれたサーチカードは、サーチカードの中でもトップクラスの性能を持ち、コンボパーツをそろえたり、ゲームの再現性を高めすぎてしまう傾向があります。

 《ドラニスの判事》、《敵対工作員》、《三なる宝球》、《Glacial Chasm》、《The Tabernacle at Pendrell Vale》は対戦相手のカードの機能を効果的にロックし、ゲーム時間の大半を苛立たしい時間にしてしまう恐れがあります。

 《金属モックス》《厳かなモノリス》《モックス・ダイアモンド》、《魔力の櫃》、《古えの墳墓》《ガイアの揺籃の地》《セラの聖域》はゲームを加速させる、非常に強力なマナ加速カードです。

 《息詰まる徴税》《つるむ面倒》《リスティックの研究》《一つの指輪》、《ジェスカの意志》、《ボーラスの城塞》はマナ・コストに見合わない圧倒的なアドバンテージをもたらし、加速度的にアドバンテージを獲得してしまう恐れがあります。

 《飢餓の声、ヴォリンクレックス》は土地否定カードでもあります。ほかの土地否定カードと違い、土地を破壊したり永続的にタップ状態にしたりするわけではありませんが、それでもカジュアルなゲームで登場するようなことは避けたいと考え、リストで明記することにしました。

 《ライオンの瞳のダイアモンド》《死の国からの脱出》《むかつき》はすべてのデッキで強いわけではありませんが、こうしたカードの存在がカジュアルなゲームの目標の均衡を崩す恐れがあります。

 《タッサの神託者》は最強格の2枚無限コンボのパーツであり、特殊勝利以外の機能を期待して使用されることは非常にまれです。

 《召し上げ》は3つのパーマネントのコントロール奪取と追加ターンの組み合わせという非常に強力な能力に見合った重いコストを持っていますが、事実上「勝つ」カードであり、カジュアルなゲームでは強力すぎます。

 《核の占い師、ジン=ギタクシアス》はリアニメイトなどで踏み倒して戦場に出だされることも多く、対戦相手のリソースを非常につまらない形で奪ってしまいます。

 《意志の力》、《激情の後見》をはじめ、ピッチ・コストを持つ打ち消し呪文全般を議論しました。《激情の後見》は追加のコストがまったくなく、《意志の力》はあらゆる呪文に対応できます。これらのカードは対戦相手のアクションを妨害するだけでなく、自分のコンボをバックアップするのにもよく使用されます。《否定の力》も同様に強力ではありますが、基本的には対戦相手のアクションを妨害することが主な用途となるため、リストからは除外されました。

 《眷者の神童、キナン》、《虎の影、百合子》、《軍団のまとめ役、ウィノータ》、《アウグスティン四世大判事》、《恐怖の神、ターグリッド》、《最高工匠卿、ウルザ》といった伝説のクリーチャーをリストにのせると、ブラケット1・2ではプレイできなくなるため、この判断には細心の注意を払いました。これら6つの統率者はカジュアルなゲームの観点からフェアな手法で構築されることは非常にまれです。一方で、ルール0(ゲーム前の話し合い)はこれからも存在し続けていますので、自分のデッキがそのブラケットで参加者みんなが楽しめるデッキだという確信があるのなら、その旨を説明して、ゲームに参加してもよいか尋ねてみてください。

Q.「なぜ《太陽の指輪》はゲームチェンジャー・リストに載っていないのですか?」

 たしかに、これはマナ加速カードの代名詞的存在で、《魔力の櫃》などといっしょになっていても不思議ではありません。しかし、これは同時に統率者戦の代名詞的存在でもあります。統率者戦がはじまった当初からフォーマットの代表的存在で、故シェルドン・メネリー/Sheldon Menery(シェルドンについてはこちら)から受け継がれたものでもあります。


 すべてのデッキには1枚の《太陽の指輪》を入れることができます。

Q.「〇〇はゲームチェンジャー・リストに載せるべきではないでしょうか?」

 ここに掲載されていない多くのカードについても議論が進められてきました。私たちはあなた方のフィードバックを求めています。みなさんから寄せられたフィードバックは完成版へ向けた改修で非常に参考になります!

 ぜひ、公式Discordチャンネル(英語)いってつまでお寄せください。

Q.「自分のデッキにはゲームチェンジャーのカードが1枚も入っていません。ブラケット2でプレイしてもいいですか?」

 各ブラケットで説明されたゲームへの取り組み方やスピード感に沿って参加するゲームを選んでください。たとえば、ゲームチェンジャー・カードを1枚も使っていなかったとしても、デッキを極めて強力に組み上げたのならブラケット4でプレイするべきです。

Q.「なぜブラケット3では3枚のゲームチェンジャー・カードが使えるのですか」

 何枚のカードが入っていると「ゲーム中にそれを引くこと」を期待できて、かつ「ゲームチェンジャーだらけ」にならないか私たちは議論しました。

 5枚でも多すぎることはなさそうですが、40枚のリストに対してその中で5枚使えるとなると、「どのゲームチェンジャー・カードを使うか」の選択幅が狭くなるのではないかと考えています。

 小さめの数字から始めて、様子を見たいと思います。これについても、みなさんのフィードバックは大歓迎です。

Q.「自分がブラケットを適切に選べるか心配です」

 みんなで楽しいゲームをしたい、楽しいゲームを邪魔したくないという素敵な方ですね。もちろん、全員が適切なブラケットを選べることが理想ですが、多少の揺らぎは起こりえます。たとえば、ブラケット2とブラケット3のプレイヤーが意図せず同席してしまうことがときどき起きてしまうかもしれませんが、重大な問題ではありません。私たちが避けたかったのはブラケット2とブラケット4のプレイヤーがマッチングしてしまうことです。これはゲームチェンジャーのルールによってほぼ起こることがなくなるでしょう。

Q.「なぜ追加ターンに言及されているのですか」

 追加ターンは1枚だけなら派手で楽しいカードです。しかしそれがたびたび、あるいは連続して発生してしまうと、そのゲームの時間のうち多くの時間を1人のプレイヤーが独占してしまうことになります。そうなると、ほかのプレイヤーはあまり楽しくありません。また、追加ターンの連続は誰も追いつけなくなるアドバンテージを獲得し、事実上のコンボになってしまいます。

 追加ターンを連続して得ることを目標にするデッキとしては《トレストの密偵長、エドリック》が知られていますが、そうしたプランを持ったデッキをプレイするのに適切な場所は上位のブラケットです。

Q.「構築段階では意図していなかったコンボが、ゲーム中に成立しちゃった!」

 マジックには膨大なカードがあり、誰がどんなカードを使うか分かりません。

 対戦相手のパーマネントと自分のパーマネントの組合せで意図せずコンボになってしまったり(例:対戦相手の《巨怪な略奪者、ヴォリンクレックス》と自分の《献身のドルイド》)で無限マナ)、《鉄面連合の略取者、ブリーチェス》で対戦相手のライブラリーから得たカードと自分のカードでなんらかのコンボが成立してしまったりすることもあるでしょう。ときには自分ではまったく意図していなかったのにゲーム中にコンボになると気付くこと、対戦相手から指摘されることがあるかと思います。

 もしそんな事件が起きたら、マジックの膨大なカードと長い歴史に思いをはせ、みんなで笑って受け入れましょう!それもまた統率者戦です!うっかり自分のデッキに意図しないコンボが入っているとわかったら、次のゲームからは抜いておきましょう。

Q.「将来的に、上位のブラケットに向けて、ゲームチェンジャー・リストに直行する形で新カードをデザインする可能性がありますか?」

 いいえ!ウィザーズはこれをデザインの限界に挑戦するための防波堤だとは捕らえていません。あくまでマッチング用のツールで、ゲームチェンジャー・リストありきで強力なカードをデザインするといったことはありません。

Q.「CFPの全員がこれに賛成したのですか?」

 いいえ、必ずしもそうではありません。

 なにせ17人もいるので、システムの骨子にせよ、ゲームチェンジャー・リストの内容にせよ、全員がすべての施策に完全に賛成することはまずないでしょう。しかし私たちは互いの意見を述べ、質問し、時には反論し、本当に長い時間をかけて議論してきました。

 今後も議論は続きます。今後も私いってつは全世界を見据えつつ、日本のコミュニティの意見・想いを吸い上げ、日本のみなさんの声が置いてきぼりにならないよう、CFPとしての職務を遂行します。ぜひみなさんの声をお聞かせください。
 

展望

 以上、いってつから日本のみなさんに向けて、今回のリリースの内容をかいつまんでご紹介しました。元の記事ではより詳細に語られているので、ぜひそちらもあわせてご覧ください。最後に、元の記事からガヴィンのコメントを翻訳・引用して終わります。

ガヴィン・ヴァーヘイからみなさんへ

 この発表の準備ができるのを忍耐強くお待ちいただき、ありがとうございます。

 私から、統率者戦フォーマット委員会のほかのメンバーにも感謝したいと思います。彼らはウィザーズが昨年10月に発表したアイデアを、はるかに使いやすく、理解しやすく、より幅広いプレイヤーを網羅するものに発展させました。

 素晴らしい議論や討論が繰り広げられました。全員がすべての要素に同意したわけではありませんが、このシステムのどこかに一人一人の要素が根付いているのが分かります。チームがそれをともにまとめる姿を見られて、本当に嬉しく思っています。

 私たちは多くの素晴らしい議論を重ねてきました。みなさんにお試しいただけるのを楽しみにしています。

 ひとりでもできる楽しいエクササイズとして、次に統率者戦の集まりに向けてデッキを用意するときは、いくつかの異なるブラケットのデッキを持ち込んでみてください。

 きっとたくさんの記事が書かれ、動画が作られ、人々は語らい、公式Discordに投稿されるなど、様々な形で表現されるでしょう。私たちはそれを見るのが楽しみです。

 多くはシカゴでお会いできるはずです!それまでは、統率者戦フォーマット委員会を代表して、ガヴィンより締めさせていただきます。


統率者戦フォーマット委員会/Commander Format Panel
  • Attack on Cardboard
  • Bandit
  • Benjamin Wheeler
  • Charlotte Sable
  • DeQuan Watson
  • Deco
  • Greg Sablan
  • いってつ/Ittetu
  • Josh Lee Kwai
  • Kristen Gregory
  • Lua Stardust
  • Olivia Gobert-Hicks
  • Rachel Weeks
  • Rebell Lily
  • Scott Larabee
  • Tim Willoughby
  • Toby Elliott
  • この記事をシェアする

RANKING

NEWEST

CATEGORY

BACK NUMBER

サイト内検索