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鍛冶友浩の「デジタル・マジック通信」

第51回:PoYは誰の手に? ついにマジック・プレイヤー選手権始まる!

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鍛冶友浩の「デジタル・マジック通信」

2012.08.28

第51回:PoYは誰の手に? ついにマジック・プレイヤー選手権始まる!


 こんにちは、鍛冶です。

 新しい世界選手権こと、ワールド・マジック・カップは終わってしまいましたが、今年の夏はもう一つの大きなトーナメントが残っています。

2012マジック・プレイヤー選手権

 皆さんお待ちかね、プレイヤー選手権が明日から始まります!

 参加資格がプロツアー優勝、MOCS優勝、前年度世界選手権優勝、前年度最優秀選手にアジア、ヨーロッパなどの地域プロポイント1位といった、狭き門をくぐり抜けた世界最高峰の16名のプレイヤーが年間最優秀選手(Player of the Year, PoY)を懸けて争う、非常にプレミアムなイベントです。
 出場選手一覧はこちら。

 2012 Magic Players Championship(英語記事、写真一覧あり)

 日本の渡辺雄也、彌永淳也、八十岡翔太、そして中村修平の4名に加え、チャネル・ファイアーボールやスターシティー・ゲームスの面々はこのmtg-jp.comでの露出も多く、今までにどこかで見たことがある、というプレイヤーが多いと思いますが、ここではあえて上には属さない3名のプレイヤーを紹介したいと思います。


リード・デューク/Reid Duke(2011年 マジック・オンライン チャンピオン)

 この週刊連載でお馴染みのコーナー、「今週のイベント・インフォメーション!」にて欠かさず紹介される「Magic Online Championship Series(MOCS)」。
 約一ヶ月の期間中に、QPと呼ばれる指定のオンライン・トーナメントの勝利ポイントを15点以上集めることで参加権が与えられるトーナメントのことを指しているのですが、この数百人規模のイベントを優勝することで初めて出場可能になるのが「Magic Online Championship」です。

MOCS-QP-9

 実は昨年度の世界チャンピオンに輝いた彌永も、このトーナメントを通過して副賞にあたる世界選手権の参加権を得ることとなりました。
 彼らは世界選手権本戦6回戦を日中プレイし、夜からは違うフォーマットのMOチャンピオンシップの4回戦を戦うという食事もままならない超ハードスケジュールをこなしていました。

 それを戦い抜き優勝の座を射止めた相当なタフネスの持ち主、Reid Duke。

Reid Duke

 プレイはMOチャンピオンらしく理論派な印象で、ウェブ上で面白いマリガンに対する考察記事を見かけましたので、興味がある方は探してみてはいかがでしょうか。


サミュエル・エストラティ/Samuele Estratti(プロツアー・フィラデルフィア 優勝)

 今でこそモダンというフォーマットは競技マジックに受け入れられていますが、プロツアー・フィラデルフィアはその礎を作ったトーナメントでした。
 その初めてのモダンのプロツアーを制し、イタリアへ初のプロツアー・タイトルを持ち帰った男、Samuele Estratti。

Samuele Estratti

 その直後のプロツアーであるプロツアー・闇の隆盛では、前大会の結果が運ではなかったことを証明するかのように活躍、予選ラウンド最終戦でTop8を賭けたフィーチャーマッチをPV(Paulo Vitor Damo da Rosa)と戦いましたが、PVの9度目のプロツアーTop8を阻止するには至らず、最終成績12位でのフィニッシュとなりました。
 これはつまり、構築とリミテッドのバランスも良いことを示していますし、プレイヤー選手権でも安定した成績が期待できますね。


アレクサンダー・ヘイン/Alexander Hayne(プロツアー・アヴァシンの帰還 優勝)

 そして、選ばれた16名の中でも最も実力がわからないダークホース的存在、Alexander Hayne。
 直近のプロツアー・アヴァシンの帰還のイニストラード・ブロック構築部門では、青白奇跡コントロールを独特の構成に仕立てあげ、決勝のシングルエリミネーションでも奇跡した《天使への願い》で一発KOを見せつけてくれました。

Samuele Estratti

 しかし、後日彼のデッキについて現役プロ勢と話す機会があったのですが、このプロツアーに参加していたほとんどが青白の奇跡コントロールを試していただろう、そして調整の結果、青白奇跡コントロールというアーキタイプを諦めていただろう、という意見が多数でした。
 ではなぜHayneはイニストラード・ブロック構築を制することができたのでしょう?

 それは、環境のガンになっていた《ウルフィーの銀心》の手を止める、《戦慄の感覚》の存在でした。

 インスタントの除去に恵まれないフォーマットだったために、結魂からの大ダメージを防ぐ手段が乏しかったコントロールデッキでは戦線を維持することが難しいと判断したプレイヤーが多数いた中、Hayneらは誰も気がついていない時間を稼ぐ手段を発見していたのです。
 彼の構築してきたデッキに注目ですね。


イベントは「キューブ」で開幕!

 そして、本戦は予選ラウンド12回戦(キューブ3、モダン3、M13ドラフト3、モダン3)の後、上位4名のプレーオフとなるのですが、初日ラウンドはデジタル・マジック通信でこれまで取り上げてきたフォーマット、キューブ・ドラフトから始まります。

 第31回:Magic Onlineの「キューブ・ドラフト」をリプレイ!(旧カードプール)

 今回のカードプールはこちらで確認できます!

 面白フォーマットとしてオンラインで楽しまれていたはずが、プレイヤー選手権の最初の種目として実現してしまいました。
 実際のカードを使った参加選手達のガチ練習で、大量のカードをシャッフルしている様は非常にシュールなものでした(第49回で少しだけ触れました)。

 デッキの構築まではブースタードラフトそのものなのですが、問われているのは「即興で構築デッキを組む能力」なので、各プレイヤーのデッキリストがどうなるのか非常に興味がありますね。


 トーナメント・スケジュールは明日の「ウィザーズプレイネットワーク通信」で詳しく書かれるそうなので触れませんが、残るM13ドラフトにモダン構築も、いったいどんなデッキが待っているのでしょう。

 ウォームアップのために先週末よりアメリカ入りした八十岡は、マジック2013リミテッドで行われた1800人を超えのグランプリ・ボストン(リンク先は英語カバレージ)でもTop8に残ったりと、いいニュースも入ってきていますし、参加する日本人の活躍はどうなるのか、皆さんお見逃しなく!


☆今週のイベント・インフォメーション!

MO Logo

 Magic Onlineの最新情報・イベント結果・デッキリストがわかる公式情報ページはこちら!(リンク先は英語)
 What's Happening?

 ※以下の時刻はすべて日本時間です。


Magic Online Championship Series(MOCS) - シーズン 9

 プレイヤー選手権への道も一歩から! MOCSはシーズン 9が進行中です!

MOCS-QP-9

QP獲得期間:8/15~9/12(ダウンタイムまで)
プロモカード:《Thawing Glaciers》(新イラスト)
チャンピオンシップ 開催日時:9/15(日) PM11:00
チャンピオンシップ 形式:マジック基本セット2013シールド


 詳しくは、英語記事「2012 Magic Online Championship Series」をご覧ください。

 それではまた来週!

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