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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

今週のCool Deck:ビルボはどれだけ強いのか?制限カードを使いまわせ!(ヴィンテージ)

岩SHOW


 マジックというたまらなくクールなカードゲーム、そのクールさをどこまでも追い求めて……今週もやってきましたよ、Cool Deckのお時間が。今回のお題は、最新セット『マジック:ザ・ギャザリング | ホビット』よりこのカード……

 

 《真夜中の盗人、ビルボ》!『マジック:ザ・ギャザリング | ホビット』の原作小説である「ホビットの冒険」における主人公をカード化したものである。この青いクリーチャーは、リリース前、そして直後もずっと話題の中心にある。書いてあることを読むと……強い。文句なく強い。攻撃すると墓地から呪文を唱えられる。インスタント、ソーサリー、そしてアーティファクトまで……また手札以外から呪文を唱えるならそのコストは軽減されるという能力も持ち合わせているので、自己完結しているクールなデザインだ。

 攻撃をすればアドバンテージが約束されるこの2マナのクリーチャーは、《戦慄衆の秘儀術師》を思い起こさせる。それとの違いは、色・パワー/タフネス・トランプルの有無・伝説であること……などなどあるが、やはりアーティファクトを拾えることが決定的な両者の差である。《戦慄衆の秘儀術師》はレガシーで禁止となったカードだ。これで《渦まく知識》《思案》《稲妻》といったカードを拾っては投げ、アドバンテージを稼ぎながら殴るデッキは無茶苦茶強かったからな……。

 で、それと比べてビルボはどうなのかと。そこがずっと話題になっている。ハマれば強い!ハマらなかったら青い《灰色熊》!と、議論が交わされている……個人的にはこうして話題の中心にある時点で、もうクールなカードなんだよなと。やはりクリーチャーとして、自身を除去から守ったり相手のブロックをすり抜けるなどの能力を自前で持っていないことが、マイナスに移りがちであるが……冷静に考えてみよう。単色2マナのクリーチャーが、殴ったら概ね得をする。それがパワーもタフネスも2あって、これ以上何かを望むなら……望み過ぎではないかと!

 定着すれば強い、それは事実であることは間違いない……各種トーナメント結果がそれを示しているわけだが、とりわけ8月末に東京にて開催されたBMOレガシーとヴィンテージでは、多くの参加者を集めた大会の上位入賞リストにしっかりとビルボが採用されているデッキが残った。これによりビルボは「ハマった時の強さ」を信じる価値があると……エターナル・フォーマットにおいてはそうであるということが、証明されたと言っても良いんじゃないかな?

 

 というわけで今回は同イベントよりヴインテージでトップ8入賞を果たしたリストをご紹介しよう。まずヴィンテージの大会ってだけで、もうたまらなくクールだよな……レガシー同様のカードプールながら、禁止以外に制限カードが設けられている。デッキに1枚だけ採用が許されるという制限の元、マジックの歴史上の全カードの中からとびきりクールでデンジャラスなカードがひしめき合っている……《ブラック・ロータス》や各種「Mox」いった超軽量のマナ加速、《祖先の回想》に《悪魔の教示者》といったレベルの違う費用対効果の呪文……こういったカードが1枚ずつ並ぶヴインテージのデッキリストは、他のフォーマットと趣が異なりまくっていて最高にクールだ。

 そして上述の制限カード達を……ビルボは墓地から唱えられる!1マナ3ドローや2マナの万能サーチは、ゲーム中1回だけだから許されているのに、ビルボは制限をあざ笑うかのようにそれらを使いまわす!ヤバすぎるぜ!《ブラック・ロータス》に至っては、アーティファクトなので墓地から唱えても追放されるというデメリットが付与されない。そのため、毎ターンこれを砕いて3マナを得ることが可能なのだ。ヴィンテージのビルボ、たまらなさすぎ!十分に昂ぶったところで、それじゃリストをCheck it out!!

中村和博 - 「ルールス・コントロール」
BIG MAGIC OPEN ヴィンテージ トップ8 / ヴィンテージ (2026年8月23日)[MO] [ARENA]
4 《汚染された三角州
1 《霧深い雨林
4 《Underground Sea
1 《地底街の下水道
4 《不毛の大地
1 《露天鉱床
1 《ウルザの物語
1 《
1 《
-土地(18)-

4 《超能力蛙
3 《真夜中の盗人、ビルボ
2 《オークの弓使い
-クリーチャー(9)-
1 《祖先の回想
1 《渦まく知識
1 《ギタクシア派の調査
2 《思案
4 《没頭
3 《ロリアンの発見
4 《意志の力
3 《否定の力
1 《精神的つまづき
1 《呪文貫き
3 《致命的な一押し
1 《Time Walk
1 《悪魔の教示者
1 《ブラック・ロータス
1 《Mox Pearl
1 《Mox Sapphire
1 《Mox Jet
2 《虚無の呪文爆弾
1 《無のロッド
-呪文(33)-
1 《夢の巣のルールス
1 《The Tabernacle at Pendrell Vale
3 《記憶への放逐
1 《無効
1 《狼狽の嵐
1 《致命的な一押し
1 《大群への給餌
1 《シェオルドレッドの勅令
2 《墓掘りの檻
1 《虚無の呪文爆弾
1 《真髄の針
1 《無のロッド
-サイドボード(15)-
BIG WEB より引用)

 

 

 ヴィンテージならではのデッキ、《夢の巣のルールス》!相棒という、構築段階でデッキに制限をかけることで採用できる存在。ゲーム開始時に公開され、{3}支払うとサイドボードから手札に加えられる。無からカードが手に入るクールな能力なわけだが、そんな相棒クリーチャーの中でもルールスはぶっちぎりで強い!各ターン、墓地から2マナ以下のパーマネント呪文を1回唱えられるという、ビルボと同じく墓地利用の能力を所持している。

 これの何がすごいかって、攻撃したりといった条件なく、毎ターン1回このボーナスを得られるという……つまりだ。《ブラック・ロータス》→生け贄に捧げて3マナ加えてルールス→ルールスで《ブラック・ロータス》再利用…という超えげつないクールなムーブが決められる!毎ターン3マナ加え続ければ、相手との差を大きくつけられる…このルールスによりビルボやその他のクリーチャーも使いまわせるようになっているのがこのディミーア(青黒)カラーのルールスデッキだ!

 

 このデッキの主役はルールスとビルボ、そして……4枚採用された蛙!《超能力蛙》!この蛙は対戦相手に戦闘ダメージを与えることで、カードを1枚引ける。殴れば殴るほどアドバンテージを稼げるという点ではビルボと共通するクリーチャーだな。この蛙は手札を捨てることで、+1/+1カウンターを得てサイズアップ!これ、つまり……手札を一旦蛙に食わせて、その後ビルボやルールスで捨てたカードを拾えれば……フリーサイズアップというクールな結果になるわけだ。この蛙やビルボ、《オークの弓使い》といったクリーチャーで攻めつつ、《意志の力》《否定の力》などで相手のアクションは打ち消して妨害。これらの打ち消しは代替コストで手札を追放するが、その損失はデッキの各種カードで十分に回収してお釣りが出るレベルということは……ここまで散々語ってきたね。クリーチャーのプレッシャーを高めつつ《Time Walk》で追加ターンを得てフィニッシュ、というのが必殺ムーブ。この2マナのソーサリーをビルボでおかわりするのはヤバいよな……使用者のトップ8プロフィールでも「ビルボで《Time Walk》、《祖先の回想》、《ブロック・ロータス》、《悪魔の教示者》を墓地から唱えむちゃくちゃにした」というコメントが……あかん!めちゃくちゃや!!そんなクールすぎるムーブを決めれば、その夜はぐっすり安眠間違いなしだな。

 カードが強すぎるヴインテージで《真夜中の盗人、ビルボ》の強さは証明された……この鮮烈なデビューは、次なる議論を呼ぶだろう。他のフォーマットではどうか?拾える呪文が強いヴインテージで強いのは当然として、別のフォーマットでこのカードのポテンシャルをどこまで引き出せるのか?レガシーはもとより、モダン、パイオニア、スタンダードではどうか……もうしばらくビルボに関して、クールな時間が送れそうだ。それじゃ今週はここまで。Stay cool! Let’s try Bilbo!!

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