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岩SHOWの「デイリー・デッキ」

セフィロス・サクリファイス:勝利のための生け贄(スタンダード)
「FINAL FANTASY」シリーズと言えば?一体どのキャラクターを思い浮かべるだろうか。37年間にわたり続いているシリーズだ、世代によってどの作品が印象深いかも異なることだろう。筆者の世代としてはやはり「FINAL FANTASY Ⅶ」が直撃世代、それまで平面だったゲームが当時最新のハードのパワーで3Dに。キャラクターのビジュアルも、他に類を見ないファンタジー系の新境地という感じで……とにかく衝撃的だった。現在30代後半~40代の面々は、そんなFF7のあの男に憧れを抱いたことがあるのではないだろうか?
セフィロス!銀の長髪、黒のロングコートに肩アーマー、手にしているのは長刀《正宗》……とにかくビジュアルがイケている、カリスマ溢れる存在だ。主人公クラウドらも憧れていた圧倒的な強さ、そして物語を進めるうちに判明する彼の出自……兎に角何もかもが魅力的で、初登場からかなりの時を経てもその人気は衰え知らずだ。
そんなセフィロスをカード化したのが《威名のソルジャー、セフィロス》!彼が戦場に出るか攻撃すると能力が誘発、クリーチャーを生け贄に捧げてもよくそうしたなら1ドロー。そしてセフィロスはクリーチャーが死亡する度に、対戦相手のライフ1点をドレインする能力まで持っている。これは対戦相手のクリーチャーを死亡させても、自分のものをそうさせても誘発するため、彼の最初の能力で生け贄に捧げてカードを引きつつ、対戦相手のライフを吸い取るという動きが可能。そしてセフィロスのこのドレインが4回目の誘発をした時、彼は変身する。
完全な怪物へと変貌を遂げた《片翼の天使、セフィロス》、このクリーチャーに変身した時にはプレイヤーは紋章を獲得。これは変身前に持っていたクリーチャー死亡によるドレインを誘発させる紋章であり、セフィロスが戦場を離れてしまっても永続的に機能する。そして変身後は攻撃時に生け贄にするクリーチャーの数に制限がなくなり、複数生け贄からの大量ドロー&ドレインが狙えるようになる。この強力でありビジュアル面のパワーも高い1枚、キーになるのは生け贄となるクリーチャーをどう用意するかだ。ちょうどスタンダードにはおあつらえ向きのカード群が存在している。
4 《ブリーチボーンの境界》 2 《ブレイズマイアの境界》 2 《サンビロウの境界》 2 《魔晄都市、ミッドガル》 6 《平地》 4 《沼》 3 《山》 -土地(23)- 4 《狂信的扇動者》 4 《闘技場の花形》 4 《勝利の楽士》 3 《残忍な巡礼者、コー追われのエラス》 3 《バルトロメ・デル・プレシディオ》 4 《威名のソルジャー、セフィロス》 4 《倒れし者の報復者》 3 《アルベド族のサルベージャー》 -クリーチャー(29)- |
3 《塔の点火》 2 《苦痛ある選定》 1 《過去立たせ》 2 《衝撃の震え》 -呪文(8)- |
3 《エルズペスの強打》 2 《苦痛ある選定》 2 《失せろ》 3 《鋼と油の夢》 3 《強迫》 2 《真昼の決闘》 -サイドボード(15)- |
クリーチャーの攻撃により誘発、攻撃しているトークンを生成する応召。このトークンはターン終了時に生け贄になってしまうので戦場には残らないが、一時的な戦力とはいえ攻撃するだけでトークンを生成できる能力は貴重なものだ。『タルキール:龍嵐録』にて登場したこの能力、解決する順番を調整すれば応召でトークン生成→セフィロスの能力解決でこのトークンを生け贄にしてドロー、というテクいムーブが可能だ。無から生まれたトークンが手札になり、ついでにライフも吸収……こりゃ気分が良い。またセフィロスで生け贄にしきれなくとも、そもそも応召で出てトークンはオートで生け贄のため、彼の変身のための4回誘発も後押ししてくれることだろう。
というわけで《闘技場の花形》や《勝利の楽士》など軽量コストでトークンを生成できる応召クリーチャーとセフィロスを組み合わせたのがこのマルドゥ(赤白黒)カラーのクリーチャーデッキだ。
応召持ちの中でも特に派手なのは《倒れし者の報復者》。これが攻撃すると墓地にあるクリーチャーの数だけトークン生成、数が少なければ火力は低いが、しっかりと墓地を肥やしてから攻撃すると大量生成からの大ダメージに繋がる。こうして作りだしたトークンはセフィロスの餌にしても良し、あるいは他の方法で生け贄にするのもOK。《バルトロメ・デル・プレシディオ》はクリーチャーを食ってカウンターで強化されるため、彼に捧げるのもまた一興。小粒クリーチャーを喰い漁り、そこから報復者の応召をさらに完食……ここにセフィロスも絡めば対戦相手のライフも消し飛んでしまう。
攻撃を本体に通せずとも勝利できるのがこの手の生け贄デッキのセールスポイント。この手法をセフィロスのみで成立させるのは少々カードが足りないので、クリーチャーの死亡によりライフを攻めるカードをもう少し足しておきたいところ。
今回のリストでは《残忍な巡礼者、コー追われのエラス》や《アルベド族のサルベージャー》を投入し、これらで対戦相手のライフを失わせられる。あるいは《衝撃の震え》でクリーチャーを戦場に出すことでもダメージを飛ばし、チクチクと確実に詰めていく。そして最終的に《過去立たせ》、これで生け贄となったクリーチャーらを一気に戻してさらにムシャムシャと……倫理観は取っ払い、勝利のためにあらゆるクリーチャーを供物とするのだ。
クリーチャーを生け贄にすることをテーマとしたデッキは多岐にわたり存在するため、《威名のソルジャー、セフィロス》は様々な場所に出張して活躍を見せることだろう。この手のクリーチャーはファンが多いし、その上今回はあのセフィロスがその役割を担当しているのだから最高だ。セフィロスが好きな人がカードを手に入れ、どうせだったらデッキを組んでマジックを遊んでみよう……とプレイヤーが増えてくれることを大いに期待しているぞッ!
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