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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
とことん!スタンダー道!環境終盤のコントロールとドレイクへの期待(スタンダード)
押忍!スタンダードを愛する諸君、最近やってないけど興味はあるという方、そしてプレイしてみようか悩んでいるそこの君!スタンダードをとことん追い求める木曜日、当コーナーにようこそ!
スタンダードのデッキを取り上げて、このフォーマットを鍬になってもらうことを目標にやっている「とことん!スタンダー道!」。スタンダードという険しく楽しい奥深い道を共に歩んでいこうというのがモットーの道場だ。2024年1月、タイミングとしてはイクサラン環境が始まって丸2ヶ月、環境末期・最終盤と呼べるタイミングだ。熟成されたデッキたちがぶつかり合う世界へ、さあ挑戦だ!
環境末期はとことんコントロール!
スタンダードの環境最終盤。どんなデッキが強いかが判明した中で、本領を発揮するのがコントロール。コントロールはその名の通りゲームを支配することを目論んでおり、対戦相手が何をしてくるか?それを把握していなくてはその支配を完遂することは難しい。いつでも予想外のデッキというものは飛び出てくるものだが、環境初期と環境末期ではその確立も変わってくるというものだ。概ね想定内の相手とマッチする環境で、どんなコントロールを使うと良いか?コントロールを愛する人、挑戦してみたい人に向けてサンプルになりそうなリストを見つけたので紹介しよう。
4 《スパーラの本部》 3 《ラフィーンの塔》 2 《ジェトミアの庭》 3 《ヤヴィマヤの沿岸》 2 《夢根の滝》 2 《ミレックス》 1 《皇国の地、永岩城》 1 《天上都市、大田原》 1 《耐え抜くもの、母聖樹》 6 《平地》 1 《島》 -土地(26)- 2 《有角の湖鯨》 -クリーチャー(2)- |
1 《セレスタス》 4 《軍備放棄》 4 《太陽降下》 4 《失せろ》 2 《冥途灯りの行進》 4 《力線の束縛》 3 《中略》 4 《豆の木をのぼれ》 1 《銀の精査》 3 《放浪皇》 1 《完成化した精神、ジェイス》 1 《向上した精霊信者、ニッサ》 -呪文(32)- |
3 《金属の徒党の種子鮫》 1 《機械の母、エリシュ・ノーン》 1 《船砕きの怪物》 1 《星界の再誕》 2 《強情なベイロス》 2 《軽蔑的な一撃》 2 《エルズペスの強打》 1 《痛烈な一撃》 2 《一時的封鎖》 -サイドボード(15)- |
ご覧いただいているのは「バント(緑白青)コントロール」、3色の中でも中心となっているのは白だ。《失せろ》や《太陽降下》などパーマネント除去が優れているカラーなので、やはりスタンダードのコントロールは白をメインにすることが無難である。《放浪皇》のような除去兼フィニッシャーとなるカードもあるしね。
そんな白を軸として、青と緑のエッセンスを加えたバントカラーのコントロール。緑を使う最大の理由は……《豆の木をのぼれ》!これは2023年を代表するカードの一つとして、各フォーマットで活躍しまくっていた。2024年のスタンダードでもこのエンチャントと5マナ以上のカードを組み合わせたデッキを目にし続けることになるんじゃないかな。《力線の束縛》との組み合わせはまさしく究極、《スパーラの本部》《ラフィーンの塔》などの3種の基本の土地タイプを持った土地との組み合わせで、3色デッキながら極限まで束縛のコストを軽減させ、低コストでの追放除去とドローで対戦相手のプランを崩壊させ、ゲームの支配を手繰り寄せていく!
このコントロールの特徴として、X呪文を採用しているところに注目してみよう。マナコストにXを含む呪文は、基本的には低コストで唱えた際にはマナ効率が悪くなるように設計されている。柔軟性の代償というわけだ。序盤は使い勝手が良いとは言えないカードを手札に持つリスクを背負うことになるのだが、これも豆の木デッキでは5マナ以上で唱えられる中盤以降のためのカードを序盤にもなんとか運用可能という、ポジティブな要素として捉えられる。
効率が悪いと言っても《冥途灯りの行進》は代替コストで支払えるし、狙いすました《中略》は《かき消し》よりも強い場面も。《銀の精査》も隙のないドローであり、各々豆の木抜きでもカード1枚分の活躍はしてくれる期待値を持っている。マナが十分に得られるようになった終盤、Xをありったけ支払いつつ豆の木でドローすれば対戦相手の心も折れるというもの。特に行進との相性は◎で、3マナ払いつつ手札1枚追放してX=4で唱えて除去しつつ、減った手札は豆の木で即補充という動きは実にスマートだ。
他にもマナをライフで支払える完成化プレインズウォーカーに出来事クリーチャーにと、ちりばめられた工夫に豆の木でドロー出来て4マナ以下でも動けるコントロールが成立している。テクニカルな立ち振る舞いを披露しよう!
とことん!新環境考察!
これを書いているのはまだ『カルロフ邸殺人事件』のプレビューが本格始動する前。未だファーストルックの情報しかない段階だが、それでも調査能力、即ち手掛かり・トークンの再録は判明している。スタンダードにおけるアーティファクトを要求する各種カードの評価が、ググっと上昇するのは判明していると断言しちゃって良いだろう!この《推理》にハズレなし……?
新セットにもそもそも手掛かりと好相性のカードがたっぷり盛り込まれているようだ。《煌く機械ドレイク》何かはその典型だな。アーティファクトを生け贄にすることでサイズアップする飛行クリーチャーで、自身で生け贄にできる手掛かりを一つ生成する。即除去されてしまっても損しない作りなのは嬉しいし、うっかり生き延びると航空戦力として非常に頼もしい存在になる……良いカードじゃないか。入手しやすいアンコモンってのも有難いね。
現スタンダードのアーティファクトを生け贄に捧げるカードとなると……赤には《大食い戦争》がある。どんなアーティファクトでも生け贄に捧げられるようになり、しかも何でも対象に取ってダメージを与えられる除去でありライフを攻める手段だ。面白いカードではあるが活躍するという段階には至っていないこのエンチャント、手掛かりやドレイクとの組み合わせで新デッキが誕生するか?《霜剣山の製錬者》も手掛かりをよりダイレクトな戦力に変換しつつドレイクを育ててくれるナイスサポートになれるか。地味ながらコピーを最後には生け贄にする《太陽の高揚、サヒーリ》も色がマッチしていて同じデッキに組み込めるかもしれない。とりあえずドレイクをコピーしておけば手掛かりでカードを引ける。《カラデシュへの侵攻》や《金線使い、サヒーリ》といった面々でトークンを生成し、数の勝負とドレイクでの一点突破を両方狙う青赤のアーティファクトデッキ……面白いんじゃないか?
また黒を足せばアーティファクトの生け贄の幅は一気に広がる。やっぱり最強は《鬼流の金床》で、これで地盤を固めつつライフを削りながらドレイクで空から……これは個人的に大好物なデッキに仕上がる予感しかしないッ!《タリアンの日誌》は手掛かりのマナの支払いを省略してスムーズにドローさせてくれるし、《アクロゾズの墓所》に変身させて除去されたドレイクを再利用するのも賢いやり方だ。《蘇りし悪夢、ブレイズ》でさらに生け贄を強要して締め上げて……あぁ、早くプレイしたいぞ《煌く機械ドレイク》!これと他の新カードを使ったデッキ案、当コラムでも追求していきたいね。
今週の鍛錬は以上だ!名残惜しいイクサラン環境を最後まで遊び抜き、新たな刺激を求めてカルロフ邸へと進む準備をする。変化し続けるスタンダードを追いかけて、冬本番も熱く乗り切ろう。それじゃあスタンダード、寝る前にもうワンマッチだけ……いや、1回じゃ済まないか……。
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