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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

ボロス召集:オレリアの参入、そしてまさかのあのカードも(スタンダード)

岩SHOW

 2024年最初のスタンダードセット『カルロフ邸殺人事件』!一つの出来事にフォーカスしたタイトルが個性的で良いね。人気次元であるラヴニカを舞台にしていながら、ラヴニカの特徴であるギルドをメインテーマにはしていないというこのセット……一体どのようなカードが含まれていて、それがマジックにどんな新体験をもたらしてくれるのか。世界中の期待が高まっている。当コラムを作成している時点で公開されているカードの中で、気になる1枚をピックアップするなら……

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 《法の超越者、オレリア》!オレリアもすっかりこのラヴニカ系セットの常連で、実に3度目のカード化だ。今回も赤白のギルド、ボロス軍のリーダーらしく赤白2色の天使として登場、5マナ4/4飛行・警戒・速攻とキーワード能力を多数持った攻撃的なデザイン!そしてクリーチャーが3体以上で攻撃すると1ドロー、5体以上で攻撃すると対戦相手に3点ダメージ&3点回復という、多数のクリーチャーでの攻めを後押しするデザインだ。

 この複数のクリーチャーでの攻撃というのはボロスのテーマとして設けられており、それを象徴するカードとして作られたというわけ……なのだが。今回のオレリアは「プレイヤー1人が〇体以上のクリーチャーが攻撃するたび」という条件に設定されている。つまり対戦相手が攻撃してきても誘発する能力であるということで、こちらの攻撃を大きく肯定し、対戦相手の複数体での攻撃を躊躇させるという、戦場を支配する能力の持ち主となっている。これはデッキの組みがいがある神話レアだと感じるね。というわけでスタンダードで新たなオレリアを使うデッキを組むなら……

Soh Weng Heng - 「ボロス召集」
Animart Open Championship / スタンダード (2023年12月3日)[MO] [ARENA]
4 《戦場の鍛冶場
4 《日没の道
2 《眠らずの露営
2 《皇国の地、永岩城
1 《反逆のるつぼ、霜剣山
2 《ミレックス
4 《平地
4 《
-土地(23)-

4 《内なる空の管理人
4 《ヴォルダーレンの美食家
4 《ヨーティアの前線兵
4 《威厳あるバニコーン
4 《毅然たる援軍
2 《太陽の執事長、インティ
4 《イモデーンの徴募兵
4 《血滾りの福音者
4 《イーオスの遍歴の騎士
-クリーチャー(34)-
3 《上機嫌の解体
-呪文(3)-
3 《粗暴な聖戦士
2 《失せろ
2 《ランタンのきらめき
2 《石術の連射
3 《スレイベンの守護者、サリア
3 《ゴバカーンへの侵攻
-サイドボード(15)-
MTGTop8 より引用)

 

 こちらはスタンダードの「ボロス召集」。召集を持った《イーオスの遍歴の騎士》を主役とし、これのポテンシャルを最大限に発揮させるため、即ち召集でコストを支払うためにトークンを中心とした軽量クリーチャーを並べる。そのクリーチャーで攻撃して勝つというシンプル極まりない戦法を用いて、マジック初心者でも迷いなくプレイできる内容が魅力的だ。何せメインデッキの土地以外の37枚はすべてクリーチャーとトークンで構成されているからね!

 この手のほぼ軽量クリーチャーデッキは単純明快であるが故に、弱点も明確。クリーチャーを捌き切られての後半戦がしんどい!1・2マナの軽いクリーチャーやトークンは、どうしても4マナ以上の重いクリーチャーと正面から戦闘をすると打ち負かされてしまう。そのため手数で勝負するわけだが、それらを対戦相手が除去やブロックでしのぎ切ってしまった場合……毎ターンのドローは相手よりも戦力が低いクリーチャーという運命が待っている。こうならないように、息切れを防ぐ手札補充を《イーオスの遍歴の騎士》が担っている。思い切って展開して召集→捌き切れない量のクリーチャーを確保と動きたいところだ。

 そしてそれらトークン含む小粒を大きな打点に引き上げる工夫ももちろん盛り込まれている。クリーチャーが並べば並ぶほどデカくなる《威厳あるバニコーン》は4マナ以上の大物でも止められないサイズに膨れ上がることもある頼れる一点突破役。そして並んだ小粒をスパイシーな一撃に引き上げる《イモデーンの徴募兵》!これがボロスの最大の武器である。一気にゲームを終わらせる全体強化&速攻付与で、対戦相手がやりたいことをする前に勝て!

 この「ボロス召集」にはアーティファクトの要素も含まれている。《ヴォルダーレンの美食家》《ヨーティアの前線兵》と軽量であり、かつ失っても損をしないアーティファクトを備えており、これらを《上機嫌の解体》で破壊する。これでほぼノーリスクでゴブリンを3体獲得し、イーオスの召集に充てたりイモデーンで強化して殴るというコンセプトである。

 パイオニアではこのアーティファクト絡みの要素がより強められたリストが組まれており、《スレイベンの検査官》が採用されるのが一般的だ。手掛かりは上機嫌の対象にして良し、本来の用途であるドローに使っても良しと万能で、こんなカードがスタンダードにも……来る!

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 まさかまさかの同型再版がやってくる!次期スタンダードでこのコンセプトを引き継いだデッキを組むなら《ひよっこ捜査員》を迎え入れない手はないぞ。まんまスレイベンと同性能で、タイプが探偵と異なる。この新タイプも様々な恩恵を受けるカードが同時にやってくるだろうから、活きてくるかもしれないな。

 《ひよっこ捜査員》との相性が激熱なのが《内なる空の管理人》だ。アーティファクトとクリーチャーの組み合わせで3つのパーマネントをタップすることで+1/+1カウンターを得て、さらに占術でドロー操作も行う。現スタンダードでも美食家との組み合わせで2ターン目から管理人をガンガンと育てていく動きが狙えるが、捜査員が加わって1マナでパーマネント2枚分になるカウントが計8枚と分厚くなり、管理人の強さがより高見に至ることになるだろう。3つ目のカウンターを得たら飛行と警戒も持ち、こうなればもう殴り負ける気がしないというものだ。

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 「ボロス召集」は低コストに寄せたデッキなので、これまで《法の超越者、オレリア》のような高コストのカードが採用されるケースは少なかった。4枚ガッツリ採用という形にすると手札でダブついて展開が思ったようにいかなくなる可能性はあるが、1,2枚アクセントで加えたりサイドボードで中長期戦対策として控えさせておくとデッキの幅が拡がる予感。沢山の仲間と攻撃出来れば強いのは勿論、単騎でも十分に強いカードなのが安心できるので、手に入れたら今回紹介したようなリストをベースに、アグレッシブなデッキで使ってあげて欲しいね。

 ボロスカラーには《稲妻のらせん》も再録されるので、スタンダードで存在感がグッと高まりそうだ。使うデッキに迷っていたら、ボロス軍のオレリアの導きに従ってみよう!

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