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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

とことん!スタンダー道!変化の時来る、白単アグロとニクシリス・コンボ(スタンダード)

岩SHOW

やるっきゃないな、スタンダード。今こそ、今こそッ!

 はい、というわけでスタンダードというマジックの構築フォーマットにおけるド定番な遊び方をひたすらに追求していく当コーナーのお時間だ。はい、ストレートに行こう。スタンダードで禁止カードが出てしまったなぁ。使えなくなるカードが出ること自体は悲劇だが、“使えなくなってしまっている”カードが日の目を見ることになることは良いことだ。特に《絶望招来》により簡単に潰されてしまっていたエンチャントやプレインズウォーカーにとっては朗報だ。

回転

 ○○があるからこのカードは……と敬遠されていたカード達が表舞台に躍り出て渾沌の戦況へとなれば、スタンダードはさらに最高にエキサイティングでファンタスティックなフォーマットとなるだろう。一体この長く険しく、そして楽しい道はどうなっていくのか?今週もスタンダー道を共に駆けていこう。

とことん!ウィニー道!
itstime - 「白単アグロ」
Magic Online Standard Challenge トップ4 / スタンダード (2023年5月27日)[MO] [ARENA]
16 《平地
2 《皇国の地、永岩城
4 《ミシュラの鋳造所
-土地(22)-

4 《徴兵士官
4 《ヨーティアの前線兵
4 《雄々しい古参兵
4 《銅纏いの先兵
4 《毅然たる援軍
4 《スレイベンの守護者、サリア
4 《粗暴な聖戦士
4 《輝かしい聖戦士、エーデリン
-クリーチャー(32)-
3 《骨化
3 《ゴバカーンへの侵攻
-呪文(6)-
4 《婚礼の発表
4 《軍備放棄
2 《邪悪を打ち砕く
1 《骨化
2 《救済の波濤
1 《ファイレクシアの立証者
1 《ゴバカーンへの侵攻
-サイドボード(15)-
Magic Online より引用)

 

 変化が訪れる前のイベントにて勝利したリストなので、その強さは折り紙付き?「白単アグロ」の登場だ。どんなことがあっても白いウィニー(軽量クリーチャーを大量に詰め込んだデッキ)は絶滅しないという過去の格言通り、白単がまた再浮上してくる可能性もありそうだ。皆がデッキを模索している中で、単純だけどもスピーディーにゲームを終わらせる単色アグロというのは大いに追い風を受けるポジション。殴って勝ちたいならとりあえず白単、組んでみてはどうかな。

 この白単は現スタンダードでプッシュされている2大タイプをフィーチャーしている。兵士と人間だ。兵士は『団結のドミナリア』『兄弟戦争』で一気に部族デッキを組むのに必要なカードがリリースされ、以降白系アグロの定番となっている。《雄々しい古参兵》で兵士らをまとめて強化する動きがシンプルにして強力。

 そして『機械兵団の進軍:決戦の後に』から《銅纏いの先兵》が参入。人間のパワーを上昇させ護法も与えるナイスガイ。同時にこの人間は兵士でもあるので、古参兵による強化を受けられる。人間と兵士を同時に持つカードは他にも多いので、これら2種8枚のロード(強化役)でズラリと並べた3マナ以下のクリーチャーを鍛え上げ、真っすぐにぶん殴る!細かいテクニックやコンボはないが、ハマった時の圧勝ぶりはシンプルなウィニーならではのもの。

回転

 白いアグロデッキの定番となるであろう《ゴバカーンへの侵攻》はこのリストにもしっかり採用されている。《兄弟仲の終焉》のような致命的なカードも、唱えられるターンをずらして間に合わなくさせれば問題なし。さらにこれを攻撃して《光盾の陣列》にすればカッチカチな盤面が我がものに!このエンチャントが出てしまうとマジで逆転するのが難しくなるんだよな……対象を取らず、かつ破壊不能を無視出来る類の除去をサイドボードにでもしっかり準備しておかないとな。

 また、このバトルを使う際の注意も記しておこう。《スレイベンの守護者、サリア》に気を付けろ!この人間であり兵士である2マナクリーチャーは、先制攻撃を持ち戦闘面でも優れる上に非クリーチャー呪文のコストを引き上げることで対戦相手をガクッと減速させる。ほぼクリーチャーで構成されるこのリストでは自身が被害を受けることは少ないが……その数少ないシチュエーションが《ゴバカーンへの侵攻》攻撃時。しっかり1マナ使えるように残しておくように!侵攻の守備値を0にすると陣列としてマナを支払わずに唱えられるが、これは非クリーチャー呪文なのでサリアはここにも追加コストを要求する!この追加で要求されるマナだけはきちんと支払わないと、侵攻が追放されてそれで終了となってしまうので気を付けよう。とくに1ターン目から1マナクリーチャー→サリア→ゴバカーンと流れるように動いた時には思わずやらかしてしまうタイプのミスなので、皆はやらかさないように!(もちろん私はバッチリやりました)

今週のラダーチャレンジ!

 先週のCool Deckで紹介させていただいた、ラダー(MTGアリーナのランク戦)で使用していた愛機が……そのままのリストでは使えないものになってしまった。まあ、デッキとしての根本が崩壊したわけじゃあない。悲観的になることなんて、何もない!むしろ抜けたカードの穴を何で埋めるか、あれこれ試しながらラダーを駆け上っていくという肯定を体験できるのであれば、個人的には儲けものとさえ思っている。デッキを微調整する時こそが最も楽しい時間だからな!

 とりあえずアーティファクトを主役とした《再鍛されたレガシー、カーン》デッキなので、《鏡割りの寓話》には大変お世話になった。全てが噛み合っていたもんな。とりあえずこの枠を似たようなもの……3マナでクリーチャーであり、4ターン目にカーンなど5マナのアーティファクトを唱える助けになるマナ加速、という条件に当てはまると言うことで《スランの蜘蛛》に置き換えてみたのだが……蜘蛛自体は楽しいカードだが、これを採用するならもうちょい全体を煮詰めないとスムーズに動くデッキにはならないなと、現実を思い知らされた。また一から組みなおすとしよう!

 カーンデッキと同じく黒赤2色で、《鬼流の金床》など構成要素がほぼ同じなデッキをもう一つ使っていた。そちらは《囚われの黒幕、オブ・ニクシリス》と《完全なる統一》のコンボを内蔵。とは言ってもコンボにオールイン!というわけではなく、金床とアーティファクトをグルグルやって粘り強く戦った果てにコンボが決まることもあれば、特にそうでなくと勝てるというようなふんわりめな構築を施しており、これが手にしっくりと馴染んでいた。

 《鏡割りの寓話》の損失はカーン型よりも軽微なもので済んだように感じる。というわけでこの枠を置き換えるカードを、なんとなく同キャラだからという理由で《敵対するもの、オブ・ニクシリス》にして回してみたところ、これがビンゴ!

岩SHOW - 「ニクシリス・コンボ」
スタンダード (2023年6月1日)[MO] [ARENA]
4 《黒割れの崖
4 《憑依された峰
4 《硫黄泉
1 《血溜まりの洞窟
1 《見捨てられたぬかるみ、竹沼
1 《反逆のるつぼ、霜剣山
2 《ミレックス
2 《
4 《
-土地(23)-

4 《ヴォルダーレンの美食家
4 《税血の収穫者
2 《剃刀鞭の人体改造機
3 《囚われの黒幕、オブ・ニクシリス
-クリーチャー(13)-
3 《電圧のうねり
3 《喉首狙い
1 《不死なる悪意
4 《鬼流の金床
4 《実験統合機
2 《人体改造機の冠
2 《ウラブラスクの溶鉱炉
2 《完全なる統一
3 《敵対するもの、オブ・ニクシリス
-呪文(24)-
3 《強迫
2 《未認可霊柩車
1 《剃刀鞭の人体改造機
2 《石術の連射
2 《ぎらつく氾濫
1 《喉首狙い
1 《削剥
1 《兄弟仲の終焉
1 《家の焼き払い
1 《敵対するもの、オブ・ニクシリス
-サイドボード(15)-

 《敵対するもの、オブ・ニクシリス》はプレインズウォーカー故に継続してカウンターを置くことができるパーマネントで、《完全なる統一》でのダメージを発生させることができる。また[-2]能力で生成するデビルも死亡時に1点ダメージを与えられるので、《囚われの黒幕、オブ・ニクシリス》とも好相性。ニクシリス統一コンボのパーツ両者と噛み合っているので、これを3マナ域に採用することは理にかなっていた。《剃刀鞭の人体改造機》を生け贄に捧げて犠牲で唱える動きも強いね。改造機を2マナで戻せる相手だと、この組み合わせはまさしく天下無敵。

 金床の構築物とニクシリスのデビルとで、戦場に使い捨てブロック用の壁役を常に並べ、相手の攻撃を極力通さない鉄壁を築く。ジワジワと相手のライフや手札を攻め、気付けばこちらが有利になっているというゲーム展開を脳内に描きながらプレイしてほしいね!

 6月に入ってラダーもリセット、環境の変化と重なって、これは良いタイミングじゃないか。スタンダードは一日にしてならず、コツコツと毎日積み重ねて、君にとっての目標を叶えてくれる良いデッキと出会えたら、それが勝利だ。さてと、一息ついたら……またスタンダード、遊ぼかな。

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