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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

冬を乗り切る赤単アグロ&バーンデッキ!(スタンダード&レガシー)

岩SHOW

 今のところ……2023年は比較的暖かい方かな?昨年末は一部地域で大雪だったりと、かなり寒く感じたものだが、今年のスタートは未だ過ごしやすい感じに思えるね……少なくとも大阪に住む限りでは。

 寒い時には温かいもの。こたつや電気カーペットはもちろん、マイストーブや暖炉、囲炉裏なんかも憧れる。コーヒーに紅茶、スープやお鍋で胃の中からしっかり温まろう。そして、マジック。マジック?そう、知らない人もいるかもしれないがマジックもまた防寒作用があるのだ。ホットなデッキで対戦を続けていると、身体がだんだん温まってくる!下手すりゃ汗までかいてしまうかもしれないッ!この効果には個人差があるのでご了承ください(ただの気持ちの問題だ)。

 まあエキサイトする、テンションを上げるというのは寒さを乗り切るには大事なことであるとは思う。そうだよな?そんなわけで、むっちゃ寒いというわけではないけどもやっぱり朝夕は冷え込むことがあるこの1、2月。一年で最も寒い期間を乗り切るための、アチアチなデッキを紹介だ!

Yushi Uzuki - 「赤単アグロ」
The Pizza Box Open: Standard 4位 / スタンダード (2022年12月10日)[MO] [ARENA]
18 《
4 《ミシュラの鋳造所
2 《反逆のるつぼ、霜剣山
-土地(24)-

4 《僧院の速槍
4 《血に飢えた敵対者
3 《ロノムの発掘家、フェルドン
1 《シヴの壊滅者

-クリーチャー(12)-
4 《火遊び
4 《稲妻の一撃
2 《引き裂く炎
4 《熊野と渇苛斬の対峙
4 《鏡割りの寓話
1 《ファイレクシアの幻視
2 《勝負服纏い、チャンドラ
3 《焦熱の交渉人、ヤヤ
-呪文(24)-
3 《抹消する稲妻
2 《引き裂く炎
2 《削剥
1 《兄弟仲の終焉
2 《巨大焦がし大口
2 《墓所の門番
1 《勝負服纏い、チャンドラ
1 《ファイレクシアの幻視
1 《未認可霊柩車
-サイドボード(15)-
Melee より引用)

 

 こちらはスタンダードの赤単色のアグロデッキだ。クリーチャーは12枚と多くはないように見えて、《熊野と渇苛斬の対峙》《鏡割りの寓話》などのクリーチャーカウントになる英雄譚、さらに《ミシュラの鋳造所》《反逆のるつぼ、霜剣山》と攻め手を途切れさせない土地も搭載すれば攻撃役は十分というところ。これらでゴリゴリと1ターン目から攻め続ける、対戦相手のライフをいち早く削り取ろうとする真っすぐなデッキだ。

回転

 《僧院の速槍》などクリーチャーは速攻を持つもので構成されているので、対戦相手が盤面を整える前に攻撃を仕掛けていけるのが赤の強み。サイズでは他の色に劣るとしても、1ターン早く攻撃できるということの意味は非常に大きいのだ。

 また、カードに印刷された純粋なサイズでは大した打点でないにしても、赤単の打点を侮ってはいけない。《僧院の速槍》は果敢を持つので、非クリーチャー呪文を唱えればどんどんとサイズアップ。基本2/3、3/4で攻撃できるターンも多く1マナのクリーチャーとしては破格の性能だ。

 果敢はターン終了時までの強化であるが、恒久的にサイズを上昇させるカウンターを与えるのは《熊野と渇苛斬の対峙》。

回転

 Ⅰ章能力で1点、Ⅱ章能力で+1/+1カウンターを乗せ、Ⅲ章能力でクリーチャー化して攻撃が1回通れば、計4点分の働き。1マナが叩き出す打点として見れば十分すぎるものだ。Ⅱ章能力を上手く活かすため、1ターン目に出さないなどのプレイングが結果的に高打点に結びつくこともあるだろうね。

 同じくカウンターでサイズアップするのが《血に飢えた敵対者》。戦場に出た際にマナを払った回数につきデカくなる。

 2マナ2/2速攻でも十分なスペックで、2ターン目に走らせるには悪くない。マナが伸びてから引いたのであればこの能力で打点を上昇させつつ、墓地からインスタントかソーサリーを再利用!

 赤単の売りは通称「火力」にもある。ダメージを与える呪文の総称で、特に対戦相手本体にダメージを与えられるものをこう呼ぶ。《火遊び》《稲妻の一撃》とクリーチャーに撃ち込んで除去としつつ、隙あらば対戦相手本体に投げつけて焼いていく。

 これら火力を使いまわす敵対者は赤単には嬉しい資源の再利用。この能力を意識しつつ、もったいぶらずに2/2で走らせるか否かを判断するのがスタンダードの赤単ではプレイングのキーになってくるね。

 そして赤単アグロというものは伝統的に、アドバンテージを取るのは苦手だ。スピード重視の軽いカードを採用しているためにこれはしょうがない部分。これまでのデッキもこれを割り切りつつ、カードを引いたり攻め手を繋げたりと稼げるカードがあればそれを積極的に採用して何とかやりくりしてきたものだ。

 ただ、現スタンダードはこの点に関しては優れたカードが多数用意されている。《鏡割りの寓話》、これ自身も不要なカードを入れ替えてトークンを作ってと大きく勝利に貢献するカードではあるが、ゴブリンが宝物を作り出す。これが大きいね。自然にマナ加速を搭載できることで4マナ以上のカードも採用しやすくなる。このおかげでアドバンテージ稼ぎ出すパーマネントを扱える赤いアグロが成立するってわけだな。

 《焦熱の交渉人、ヤヤ》は果敢持ちのモンクを展開、追放したカードを唱え、クリーチャー除去も可能となんでもござれのパワーカード。彼女こそ赤単の最終兵器だ。忠誠度が高いのも安心感があり、有利な状況に蓋をして攻めの姿勢を継続させてくれること間違いなし。

 このヤヤを4枚採用するのが安定というところではあるが、このリストは4枚目を《ファイレクシアの幻視》に置き換えているね。

 この幻視は毎ターンライブラリーを追放して、実質的な追加ドローのような働きをしてくれる。この追放したカードを唱えなかった場合、ターン終了時にパワーストーンが手に入る。アーティファクトデッキではないので使い道がなさそうに見えるのだが、《ミシュラの鋳造所》などの能力起動や《血に飢えた敵対者》のマナの支払いには充てられるのを忘れずに。捲れたカードをあえて使用せずパワーストーンを選んで使えるマナを増やすことで勝利に繋げられたら……むちゃくちゃホットな満足感で満たされそうだ。

Alessandro Costa - 「赤単バーン」
Legacy League Pavia - Tappa 4 3-0-1 / レガシー (2023年1月7日)[MO] [ARENA]
9 《冠雪の山
9 《
-土地(18)-

4 《ゴブリンの先達
4 《僧院の速槍
4 《大歓楽の幻霊

-クリーチャー(12)-
4 《稲妻
4 《稲妻の連鎖
4 《溶岩の撃ち込み
4 《裂け目の稲妻
4 《批判家刺殺
4 《火炎破
4 《発展の代価
2 《乱動する渦
-呪文(30)-
4 《フェアリーの忌み者
3 《紅蓮地獄
3 《粉々
2 《極上の炎技
2 《乱動する渦
1 《赤霊破
-サイドボード(15)-
Melee より引用)

 

 おまけでレガシーの赤単も紹介しておこう。赤いアグロの中でも火力に偏重した構成のものを特にバーンと呼ぶ。久しぶりにここまで潔いバーンデッキをみつけたので、そのほこほこ具合にたまらず取り上げさせていただいたよ。

 これは《稲妻》《稲妻の連鎖》《火炎破》とマナ効率に優れた火力をドカ積みし、一気にライフをもぎ取る修羅のデッキである。

 ライフ回復や《神聖の力線》のようなカード出対策されやすいものでもあるのだが、近年はマッチする確率もかなり低くなったのでノーガードの相手を切り伏せたリストがトーナメントで上位に浮上してくることもあったりするものだ。

 レガシーのバーンの魅力はやっぱり《発展の代価》を使えること、これだねぇ~。基本でない土地1枚につき2点ダメージ、4点弾き出せればマナ効率は十分。6点超えれば相手も悶絶だ。基本土地の少ない環境で、対戦相手にその代価を払わせろ!

 《乱動する渦》も各フォーマットで強いものだが、レガシーだとマナを払わない呪文に5点ダメージのペナルティを与える能力が文字通り火を噴く。《目くらまし》?《意志の力》?《否定の力》?マナ払ってないんだったら、ライフ差し出せって!

 赤いデッキはいつでも熱い。冬には赤単が必要だ。さあ、君も赤いデッキを組んで炎や溶岩、蛮族やシャーマンの熱気で温まろう!

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