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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

ドゥームズデイ:ホラーアートの極み(レガシー)

岩SHOW

 やべぇだろ! そういうことをさらっとやってくるのがマジックというコンテンツ。1998年からの付き合いだ、君がサプライズ好きなのはよく知っているよ。

 でも今回ばかりは心底驚いたな。既存のカードの再録を中心とした特殊セット「Secret Lair」シリーズ。(リンク先は英語販売サイト)通常のセットでは見られないような特殊なイラストを与えられたカードが手に入る、期間限定・受注生産形式のスペシャルな存在だ。(編注:楽天ブックスでは販売期間・販売方式が異なります)

 他のコンテンツとのコラボも盛り込まれており、血を揺るがすあの大怪獣、ゾンビに満ちた世界を活きるドラマの主人公たちなどがマジックのカードとなったりして我々ファンをたまらなくワクワクさせてくれた。

 その最新作『October Superdrop 2022』に含まれているのが……「Special Guest: Junji Ito」。

secretlair_junjiito.png

 オイオイオイ、マジかよと。ホラー漫画の巨匠、伊藤潤二先生がマジックのアートを手掛けることに!こればっかりは我が目をしても読めなかった……マジックすごい、伊藤先生すごい。「首吊り気球」のようにえげつなく恐ろしい、でも何か妙に惹きつけられるイラストはマジックの世界観にもピッタリなはず!

 期待しながら収録カードをチェックすると……どれもこれも最高にクール! 《思考囲い》も収録されていたり、きちんと日本語版も用意されているのがコレクションとしても実用性としても最高だね。

 その中でもイラストの雰囲気も抜群で、これぞカード名通りと唸ってしまうのが《最後の審判》! この世の終わりとしか表現できない光景は、このカードに相応しいことこの上ない。

 《最後の審判》はマジック界でも稀有なアクションを引き起こすソーサリーでもある。今回は新たなアートでよりデッキをプレイする楽しみが増すこと請け合いの、「ドゥームズデイ(最後の審判)」デッキを紹介しよう!

Derrick Davis - 「ドゥームズデイ」
NRG Series $10,000 Trial - Newark, Ohio (Team Constructed) 優勝 / レガシー (2022年10月22日)[MO] [ARENA]
1 《
1 《
4 《Underground Sea
4 《汚染された三角州
2 《溢れかえる岸辺
1 《湿地の干潟
1 《霧深い雨林
1 《沸騰する小湖
1 《魂の洞窟
-土地(16)-

2 《タッサの神託者
3 《通りの悪霊
-クリーチャー(5)-
3 《水蓮の花びら
1 《ライオンの瞳のダイアモンド
4 《暗黒の儀式
4 《親身の教示者
4 《渦まく知識
4 《思案
1 《考慮
3 《強迫
1 《思考囲い
2 《陰謀団の儀式
2 《秋の際
1 《目くらまし
4 《最後の審判
1 《綿密な分析
4 《意志の力
-呪文(39)-
1 《神秘の聖域
2 《敵対工作員
1 《厚かましい借り手
2 《黙示録、シェオルドレッド
1 《蒸気の連鎖
1 《強迫
1 《大祖始の遺産
1 《ハーキルの召還術
4 《否定の力
1 《虚空の力線
-サイドボード(15)-
Melee より)

 

 《最後の審判》は自身の残りのライブラリーをたった5枚にしてしまう。すぐにもライブラリー切れを起こしてしまう、最後のその時までカウントダウンが始まるわけだ。

 そしてその5枚のカードは、唱えた時点でのライブラリーと墓地から自身で選ぶことが可能だ。必勝の5枚を残し、あとは審判の下される時を待つだけ……

 ただ、レガシーのこれを使ったコンボデッキは悠長に5枚引き切るのを待つつもりはない。唱えたらさっさと勝つのが信条だ。

 残り5枚のライブラリーで勝利する、最も手っ取り早いカードは《タッサの神託者》。

 これの持つ青の信心未満、つまりライブラリーが1枚以下であれば問答無用でゲーム終了となる勝利条件カードだ。審判で仕込んだこの神託者で勝利するというのはコンボの中でも成立させやすいものだ。フレイバー的にも最後に神を信じて裁きの時を生き延びるというのがたまらないな。

 この神託者に辿り着き、かつライブラリーの枚数を1枚以下にするために各種ドローも5枚のうちに一緒に仕込んでおきたい。中でも《通りの悪霊》はマナを使わずにドローできるので、これを複数積んで一気に勝つというのがド定番。

 《親身の教示者》というチョイスもまたこのコンボならではのチョイス。

 たったの1マナで《最後の審判》をトップに置き、悪霊などのドローで引き込んで一気にコンボ始動へと持ち込む。他のデッキでは手札を1枚消費してソーサリーを探して、しかもそれが手札に入らないというのはあまり嬉しいことではないのだが、唱えればそのまま一気に勝利まで持っていける《最後の審判》なら話は別ということ。

 さらにこの教示者+ドローのコンボ始動を大きく後押しするのが《ライオンの瞳のダイアモンド》。手札を全て捨てて3マナ加える、いろいろ豪快なアーティファクトだ。

 各種ドローを解決するその前に、ダイアモンドを起動して3マナ得る→引いたカードを即唱えるのは基本テクニックだ。特に《最後の審判》は黒のトリプルシンボルなのでこのダイアモンドで唱えるにはうってつけ。あるいは審判の5枚の中に仕込むのにも良い候補だ。《暗黒の儀式》《水蓮の花びら》も併用して、1ターン目にして地球最後の日を呼び起こすことだって可能! 狙っていけ!

 もともとカッコいいコンボデッキ「ドゥームズデイ」が伊藤潤二先生の《最後の審判》を得てえげつないほどに美しいビジュアルにアップグレード! この夢のコラボを機会に、それぞれのコンテンツのファンが互いに興味を持って……プレイヤーも読者も増えるというシナジーを引き起こしてくれることは間違いない。禍々しいイラストが拡げるマジックの世界、こんなん最高じゃないですか。

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