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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
「The Kami War」5色デッキでスタンを制する!(スタンダード)
『団結のドミナリア』環境が始まってはや1か月。スタンダードには《黙示録、シェオルドレッド》がもたらされ、ローテーション後に地力の高いカードが残ったのもあって、黒いデッキが圧倒的な存在感を示した。
どこを見ても黒一色と言っても決して誇張表現ではなかった環境初期。日々を重ね、幾千幾万ものゲームを経て、他のアプローチのデッキも組まれ始めてきた。
そして10月10日付の禁止改定もあって、アグロデッキが以前よりも勝ちやすくなりそうな流れもできてきた。
環境変化、それは毎日のようにマジックをプレイする者にとっては大変に喜ばしいものである。日々出逢うデッキが変化し、バリエーションが豊富になる。こんな楽しいことがあろうか。
そして環境がちょっと変わりそう、という時には今一度全カードプールを見回してみるのが吉。今まではチャンスを逃していたカードがスポットライトを浴びる可能性、そしてそのカードが隆盛したことでそれへの対策として火を噴きそうなもう一歩踏み込んだカード。埋もれたシークレットテクを探りつつ、おさらいしていくのは楽しい時間だ。
改めて眺めた現スタンダードのカードプール。その中から純粋に「最強」と呼べるカードを決めるとしたら……《神の乱》かな。
この英雄譚、Ⅰ章もⅡ章もパーマネントを除去するもので、かつⅢ章で変身すれば6/6飛行・トランプルと超高性能。さらに攻撃すると墓地回収&パワー上昇と、これぞ5色!これが5色!とテンションの上がる1枚だ。
では雰囲気が少々変わりそうなスタンダード、今回は今後要注目な5色デッキを2つ紹介しよう!
1 《山》 1 《森》 2 《ジアトラの試練場》 4 《ジェトミアの庭》 2 《スパーラの本部》 1 《ラフィーンの塔》 2 《ザンダーの居室》 3 《カープルーザンの森》 1 《日没の道》 1 《シヴの浅瀬》 1 《硫黄泉》 1 《憑依された峰》 1 《ヤヴィマヤの沿岸》 1 《夢根の滝》 1 《死天狗茸の林間地》 1 《アダーカー荒原》 1 《コイロスの洞窟》 1 《砕かれた聖域》 1 《難破船の湿地》 -土地(27)- 4 《産業のタイタン》 -クリーチャー(4)- |
4 《梓の幾多の旅》 4 《急使の手提げ鞄》 4 《鏡割りの寓話》 2 《白熱のアリア》 1 《セレスタス》 2 《巨竜戦争》 2 《家の焼き払い》 4 《力線の束縛》 4 《神の乱》 1 《世界呪文》 1 《焦熱の交渉人、ヤヤ》 -呪文(29)- |
こちらはBO1の《神の乱》デッキ。
カードパワーで叩きのめすことができれば良し、ダメならほなさいなら次のゲームへ。BO1は手軽なだけでなく精神衛生にも良い側面もあるかもしれないなと最近思うようになってきた(笑)。このデッキはそれを体現しているものと言える。
《神の乱》! 《産業のタイタン》! 1枚で盤面を吹っ飛ばせるパワフルなカードでサクッと勝とうぜ、という清々しさが非常に好ましい。
《白熱のアリア》《家の焼き払い》《巨竜戦争》でクリーチャーらをまとめて除去、《力線の束縛》でヤバいものをピンポイントで追放、そして2枚看板でフィニッシュ……ド派手ではあるが、デッキの動きは純然たるコントロールだ。
すさまじいまでの土地構成に目が奪われるが、ここまでやっても5色のマナを上手く得られない場合がある。こればっかりは運も絡むからね。
そんな問題を解決するのと同時に、マナ総量の重たいデッキの主役たちに繋げるため、マナ加速は超重要。このリストが出した結論は宝物。《急使の手提げ鞄》《鏡割りの寓話》とで宝物を確保。
宝物は生け贄に捧げる使い捨ての加速なので、手提げ鞄はマナとして使うと正直、手札1枚分損している。ただその分を帳消しするには十分すぎる、お釣りさえもらえるレベルのタイタンと乱のためなら惜しくはないね。
あと手提げ鞄は5色のマナを支払うことでドローにすることも可能だ。3枚引けるのはまさに破格。マナ加速と除去とドローとフィニッシャー、コントロールの求める要素がここにはギッシリ揃っている。
1 《平地》 1 《島》 2 《沼》 1 《山》 1 《森》 2 《スパーラの本部》 4 《ラフィーンの塔》 1 《ザンダーの居室》 4 《ジアトラの試練場》 4 《ジェトミアの庭》 1 《コイロスの洞窟》 2 《硫黄泉》 2 《カープルーザンの森》 -土地(26)- 4 《ラノワールの緑後家蜘蛛》 -クリーチャー(4)- |
4 《羅利骨灰》 4 《鏡割りの寓話》 4 《影の予言》 4 《底への引き込み》 2 《豪火を放て》 4 《力線の束縛》 4 《神の乱》 4 《群れの渡り》 -呪文(30)- |
1 《怒りの大天使》 1 《晴天のスフィンクス》 3 《強迫》 2 《削剥》 2 《軽蔑的な一撃》 2 《否認》 2 《黄昏の享楽》 2 《勢団の銀行破り》 -サイドボード(15)- |
一方こちらはBO3仕様のリスト。
土地・クリーチャー・その他の呪文の枚数のバランス自体は先ほどのリストと同様ながら、その趣はかなり異なるものになっているのが面白い。こちらは1本勝てたら終わり!というわけにはいかないので、より安定性を重視した作りになっているということだな。
こちらのリストは単に《神の乱》を使う5色デッキというわけではなくテーマがあり、それは版図――基本土地の種類を多く所有していればいるほどボーナスが得られる能力を持ったカードが多数採用されている。
版図カード代表の《力線の束縛》はもちろん、手札を満たす《影の予言》、破壊不能にも対処可能な全体除去《底への引き込み》、そして基本土地を得る手段でありながら7マナで3/3を5体も投下するブロック役兼フィニッシャーの《群れの渡り》!
これらのカードパワーを最大限に引き出すため、《ジェトミアの庭》のような複数の基本土地タイプを持った多色土地を最優先で採用している。
版図カードの中でも注目は《ラノワールの緑後家蜘蛛》!
3マナでパワー4の到達持ち、大抵の飛行クリーチャーは受け止めて討ち取れる武闘派だ。
そしてこの蜘蛛はしつこさがセールスポイント。計8マナで墓地から戦場に一度だけ戻ってくる、セルフ・リアニメイト能力持ち。この重いコストが版図で軽くなり、最軽量で3マナ! 破格のコストで戦場に戻ってくれるし、しかもこの手の能力にありがちな自分のターンにしか起動できないという縛りもない。相手のターン終了時に戻すことでソーサリー・タイミングの除去を避けつつ、続く自ターンで即攻撃という滑らかなムーブが決められるぞ。
トランプルを持っているのでトークンを突き抜けて各種プレインズウォーカーにダメージを叩き込めるのもGOOD。《底への引き込み》に巻き込むのをためらうな!
単純なカード1枚の強さで言えば現スタンダードではトップクラスなのは間違いない《神の乱》。5色で6マナという足枷をクリアできるデッキは限られてくるが、これをクリアした者には確かな報酬を与えてくれる。
末期に差し掛かる『団結のドミナリア』環境。今こそ5色デッキを組んでみてはどうかな。
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