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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

ウィンドグレイス降臨! ジャンドのカードがさらにパワーアップ!?(モダン)

岩SHOW

 ドミナリアは二度目のファイレクシアによる大規模侵略を受けている。

 一度目は『インベイジョン』の時。この大侵略を迎え撃つために長い長い年月をかけてウルザたちは兵器の開発や血統実験などを繰り返して準備した。にもかかわらずドミナリアは大きな被害を受け、勝利こそしたものの数えきれないほどの命が失われた。

 『団結のドミナリア』現在は潜伏工作員があふれかえっており、スクイーの統治するゴブリンの群れなどは彼と1匹を除いて全ゴブリンがファイレクシア化していたり、確実にドミナリアの風景が新ファイレクシアの手に染め上げられている。

 『インベイジョン』期の侵略に対抗したのはウルザ率いる「ナイン・タイタンズ」。9人のプレインズウォーカーによる連合だ。

 プレインズウォーカーとひとくちに言っても、現在のそれとは本質が大きく異なる。不老不死の如く長寿であり、悠久の時を生きながら高められた桁違いの魔術を駆使して戦闘を行う。得意ジャンルはあるものの、5色全ての魔法を使いこなす。

 この旧世代が5色を扱えることをカードを通じて教えてくれたのはウィンドグレイス卿だ。ドミナリアはアーボーグを守護する黒豹の戦士であり、二刀流の剣を担ぐ姿が印象的だ。彼は『プレーンシフト』にてイラストに初登場。《足縄》《プレインズウォーカーの憤激》で白と赤の呪文を扱う姿が描かれ、後に《照射》《不屈の自然》などの呪文を唱える姿も描かれた。

 カードとしては《ウィンドグレイス卿》として黒赤緑の3色のプレインズウォーカーになり、今ではこの3色が彼のメインカラーとして定着しているようだ。

 ウィンドグレイス卿は荒廃した沼地であるアーボーグがかつての姿を取り戻すために命そのものも捧げ、死後はその魂が彼の愛した土地を守護している。その姿が《ウィンドグレイスの魂》としてカード化!

 死をも超越した気高い魂は、墓地から土地を戦場に戻すという形でウィンドグレイスの信念を再現しており、フレイバーと強さを非常にバランスよく両立している。

 この魂、墓地から土地を戦場に出せるのであれば、その対象が強ければ強いほどその威力も増すわけで、つまり……

Adam Sarvana - 「ジャンド・サガバン」
Abra Roberts Modern Memorial - Powered by Dice City Games / モダン (2022年10月2日)[MO] [ARENA]
1 《
1 《
1 《
1 《ジアトラの試練場
2 《血の墓所
2 《草むした墓
1 《踏み鳴らされる地
3 《血染めのぬかるみ
4 《新緑の地下墓地
2 《樹木茂る山麓
1 《反逆のるつぼ、霜剣山
1 《耐え抜くもの、母聖樹
4 《ウルザの物語
-土地(24)-

4 《敏捷なこそ泥、ラガバン
4 《タルモゴイフ
1 《ダウスィーの虚空歩き
3 《不屈の追跡者
3 《ウィンドグレイスの魂
-クリーチャー(15)-
3 《思考囲い
2 《コジレックの審問
3 《致命的な一押し
2 《稲妻
2 《虚無の呪文爆弾
1 《石なる知識
1 《終止
1 《コラガンの命令
1 《影槍
3 《レンと六番
2 《ヴェールのリリアナ
-呪文(21)-
1 《耐え抜くもの、母聖樹
2 《戦慄の朗詠者、トーラック
2 《高山の月
2 《墓掘りの檻
2 《黄鉄の呪文爆弾
1 《真髄の針
1 《魂標ランタン
2 《虚空の鏡
1 《集団的蛮行
1 《未認可霊柩車
-サイドボード(15)-
Melee より)

 

 モダンなんかだととんでもないことになる!

 この環境にはそれ自身の能力で能動的に墓地に置かれ、さらに何度も使いまわしても嬉しい土地《新緑の地下墓地》などのフェッチランドがある。

 何度もフェッチを起動して戦場のマナを色と良ともに安定供給しつつ、ライブラリーを圧縮してゲーム後半の有効カードを引ける確率をほんの少しでも上昇させることの強さは、《レンと六番》との組み合わせがすでに証明しているね。

 というわけでウィンドグレイスの3色、通称ジャンドカラーのモダンデッキ「ジャンド・サガバン」を紹介だ。

 なぜこのような名がついているのか? 「バン」は《敏捷なこそ泥、ラガバン》。

 モダンの1マナ圏最強クリーチャーの称号をほしいままにする狂暴なお猿さんだ。これでアドバンテージの獲得と宝物によるマナ加速を行い、ウィンドグレイスの登場に繋げるカードパワー重視のリストだ。

 さらに「サガ」の部分はモダンを代表する土地の姿をした決戦兵器《ウルザの物語》のこと。

 サーガ(物語)とラガバンをかけたダジャレってことだね。今は亡きウルザの歴史をスピリット化したウィンドグレイスが語り継ぐ……フレイバー的にもたまらんね。

 ただでさえ最強の土地、英雄譚なので墓地に勝手に落ちたところを喜んで拾って使いまわす! 美味しいものは骨の髄までしゃぶりつくすべし! 無駄なく味わい尽くしてこそ、カードパワーを重視するモダンのジャンドの流儀だ。

 物語が何度も使いまわされると構築物・トークンが多数並ぶのはもちろんのこと、Ⅲ章能力で《虚無の呪文爆弾》などの軽量アーティファクトをサーチする機会が増えるということ。普通のデッキと違って、《レンと六番》と《ウィンドグレイスの魂》のタッグで使いまわすことでこの最終章を迎える場面も多くなる。カードの持つポテンシャルを最大限に発揮するため、サーチしてくるアーティファクトも気持ち多めに用意してあるところがニクイね!

 その枠で投入されている《石なる知識》は手札の不要なカードをライブラリーに押し込める。

 ウィンドグレイスで拾ったフェッチでシャッフルすることで、戻したカードを引いてしまうことを避けられる。上手く使いこなして質の高い手札をキープし続けるべし。

 ラガバンや《タルモゴイフ》など単独で強いもの、ウィンドグレイスと絡むと凄いことになる《不屈の追跡者》などなど、とにかくデッキの動きがいちいち強い。

 圧倒的な力でねじ伏せる、《ウィンドグレイスの魂》をフィーチャーしたモダンのジャンド。過去最強クラスのプレインズウォーカーの実力、その片鱗をこのデッキで味わい尽くそう!

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