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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

とことん!スタンダー道!全知コンボの実態とは(スタンダード)

岩SHOW

完全無欠、全知全能ッ!

 やあやあ元気してたかい、今週もスタンダードについて熱く語るコーナーがやってきた!スタンダードは構築フォーマットの中で最も基礎的なもので、直近のセットのみを用いてデッキを構築する。現在は過去3年のカードが集結するもので、パイオニアやモダンなどと比べるとカードプールは狭い。しかしそれが=やれることが少ない、というわけでは決してない。それこそ全知全能のプレインズウォーカーになったが如くやりたい放題のゲーム体験を味わうことだって可能だ。

 

 たとえばその名も《全知》、このエンチャントをコントロールしていれば手札から呪文を唱える際にコストを支払わなくて済む。一体何マナの呪文であれどノーコストで唱えられるため、これを置くだけで一気に勝利に近づける。しかしまあ、そもそも10マナじゃん……唱えること自体が困難な最強エンチャント。これを使うにはどうすれば?スタンダードのデッキ情報を共有し皆でとことんスタンダードという道を突き進むことを目標とするとことん!スタンダー道!今週は《全知》デッキの登場だ!

SanPop - 「アゾリウス全知」
Magic Online Standard Showcase Challenge 10位 / スタンダード (2025年3月2日)[MO] [ARENA]
3 《アダーカー荒原
3 《金属海の沿岸
4 《フラッドファームの境界
4 《行き届いた書庫
2 《爆発域
3 《平地
5 《
-土地(24)-

4 《ファラジの考古学者
3 《錠前破りのいたずら屋
-クリーチャー(7)-
4 《決定的瞬間
3 《航路の作成
3 《困惑の謎掛け
3 《食糧補充
3 《エファラの分散
2 《一時的封鎖
4 《アブエロの覚醒
4 《全知
3 《アルケヴィオスへの侵攻
-呪文(29)-
2 《否認
2 《一時的封鎖
1 《悪魔祓い
2 《失せろ
2 《堂々たる撤廃者
1 《ジョハンの一時凌ぎ
1 《機織りの季節
1 《英雄的援軍
3 《激浪の機械巨人
-サイドボード(15)-
Magic Online より引用)

 

 

 このデッキはスタンダードのトーナメントなどでその姿を目にする《全知》コンボ!《全知》を真面目に唱えずに裏技で戦場に出し、手札から呪文を唱えまくって勝つことを狙うデッキだ。その裏技とは?《アブエロの覚醒》!このソーサリーはアーティファクトかエンチャントを墓地から吊り上げる変則的なリアニメイトだ。

 そしてこうして釣り上げられたパーマネントは本来のタイプに加えてスピリット・クリーチャーになる。Xマナを支払えばそのサイズを上げられるが、それはこのデッキにおいて重要じゃない。4マナで全知状態になれるということが何よりも大事なのだ。《決定的瞬間》《困惑の謎掛け》といった青い呪文で墓地に《全知》を落としてそれを釣り、以降は手札からあらゆる呪文のマナコストを踏み倒して唱えまくる!

回転

 そんな全知状態でどうやって勝つのか?勝利へのルートを解説しよう。実はこの勝ちパターンに関してはリスト毎に微妙に異なったりするのだが、今回は分かりやすい瞬殺パターンのものをご紹介。

 まずは《アルケヴィオスへの侵攻》をプレイ。これが戦場に出た時の能力でインスタントorソーサリーを手札に加えるのだが、まずはサイドボードから《機織りの季節》を引っ張てくる。そしてこれを唱えるわけだが、選ぶモードは肉球2つと3つのモード、クリーチャーのコピーと土地とトークン以外のパーマネントをバウンスという形だ。これによりクリーチャー化している《全知》がコピーされ、そしてそのコピーを含むトークン以外のパーマネントがそれぞれオーナーの手札に戻ることに。そして《全知》トークン(このコピーはクリーチャーではない)をコントロールしている状態なので再びアルケヴィオス、今度は墓地から機織りを回収。肉球1を2回と3を選んで2枚ドローとバウンスだ。戻ったアルケヴィオスでこの工程を繰り返し続ける。

 

 機織りのドローや他のライブラリーを掘り進む手段を用いて、アルケヴィオスが2枚揃えばいよいよ勝利へのムーブに入る。アルケヴィオスでサイドボードから《英雄的援軍》を持ってきてこれを唱え、もう1枚のアルケヴィオスで墓地の機織りを回収。機織りで援軍により生成された兵士をコピーしつつ、アルケヴィオス2枚を戻す。アルケヴィオスAで援軍、Bで機織りを拾って唱えてという動きを繰り返し、対戦相手のライフを0にするのに必要な速攻兵士軍団が整ったら攻撃してフィニッシュ!このソリティア感は全知系コンボならではのもので、それをスタンダードでも味わうことができるのだからやらない手はないって!

 他にも速攻兵士ではなく戦慄予示を並べて打ち消し呪文を構えるというルートを搭載したものなどもあり、また途中に《全知》トークンから《全知》を置いてという工程を挟んでクリーチャー除去への対策をするなど、コンボ始動も常に同じ動きをするというわけではない。アドリブ力も問われるため、使いこなすのは簡単なデッキではないとは思うが、一人回しで練習を重ねながらこの独特のプレイ感覚を味わってほしいところだ。

 

 スタンダードの環境の全知全能の存在となる!……ことは大変に困難な道のりだが、一瞬でも無敵感を味わえる全知コンボでその気分を味わってみよう。最後にこのデッキは『霊気走破』でコンボに関する部分は強化を受けてはいない。しかしサイドボードに見られる《激浪の機械巨人》はこのデッキの勝ちを支える重要な一手になり得る。《アブエロの覚醒》で《全知》を釣り上げる動きは、各種墓地追放カードで簡単に対策されてしまう。

 そういったものへの対策手段もサイドには用意されているが、それと共にこの機械巨人を投入。この巨人も墓地対策パーマネントをどかすことができるし、何より果敢と二段攻撃で打点に優れているため、コンボが妨害されている中でもこれで殴り勝つというルートを進むことも可能だ。コンボはこういった奥の手、別の勝ち手段が重要だね。奥深いスタンダード環境、とことん遊びまくっていこうぜ!

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