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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

戦争門スペシャル:万能サーチは色あせない(モダン)

岩SHOW

 毎日のように3色のカードが飛び出す『ニューカペナの街角』プレビュー期間。豪華絢爛なカラーリングと派手な能力や、都会の闇夜を暗躍するいぶし銀な性能のカードの数々……早くプレイしたいなぁ。

 やっぱり3色のカードというのは、1色でも2色でもできないことが可能な、それぞれの色の特色を寄せ集めたデザインになるのが面白いよね。3つの個性がぶつかり合うことで、その3色にしかない、その3色だからこその個性が確立されているのが不思議であり、デザインの妙技なのかなと。

 3色を取り上げるセットはたびたびリリースされているのに、今回の『ニューカペナの街角』は過去のセットのカードを思い起こさせるものから、全く新しいものまで取り揃えられているのが凄いなぁと。

 たとえば『アラーラ』ブロック。今回のニューカペナと同じ3色の組み合わせ、5つの勢力とそれに属するカードが収録されている3つのセットだ。このセット、初見の時にはかなり攻めているなというか、これ以上ないくらい3色の可能性を掘り下げているなと思ったものだが…あれから約14年、まだまだ3色の底知れなさを感じるね!

 というわけで新しいカードを眺めながら、アラーラなど過去の3色のカードも思い浮かべてしまう日々だ。

 たとえば斡旋屋一家(白青緑)のカードを見ていると、お気に入りのカードを思い出す……《戦争門》を。

 まずアートが良いね、緑の波紋に青白い裂け目、そこから侵入してくるスフィンクス……物語性はバッチリだ。これがまた金色の枠にマッチしていてインパクトがあるんだよなぁ。

 パーマネントを種類問わずライブラリーから戦場に出せるカードであり、序盤はX=0で唱えて土地をサーチして使えるマナを増やし、十分なマナが揃ったらプレインズウォーカーなどの激強パーマネントを引っ張ってきてフィニッシュと。デザインもこれに完全にとってかわるものはまだ登場していないのもあって、モダンなどではマニア向けのデッキにて存在感を発揮している。

 今回紹介するデッキも、この《戦争門》の魅力を余すことなく体感できるものだ。それじゃあご覧いただこう!

Kevin Fieber - 「戦争門」
Ohio Valley MTG Inv. Qualifier @ Clutch Gaming (Wheeling, WV) / モダン (2022年4月10日)[MO] [ARENA]
1 《冠雪の森
1 《冠雪の平地
1 《冠雪の島
1 《寺院の庭
1 《繁殖池
1 《神聖なる泉
1 《踏み鳴らされる地
1 《聖なる鋳造所
1 《ケトリアのトライオーム
1 《ラウグリンのトライオーム
3 《吹きさらしの荒野
4 《霧深い雨林
4 《溢れかえる岸辺
2 《耐え抜くもの、母聖樹
2 《天上都市、大田原
-土地(25)-

4 《敏捷なこそ泥、ラガバン
1 《ゴブリンの技師
4 《現実の設計者、タメシ
1 《スカイクレイブの亡霊
1 《創造の座、オムナス
3 《耕作する巨躯
-クリーチャー(14)-
4 《睡蓮の花
4 《エラダムリーの呼び声
1 《仕組まれた爆薬
2 《虹色の終焉
2 《破滅の終焉
4 《戦争門
4 《時を解す者、テフェリー
-呪文(21)-
3 《ブレンタンの炉の世話人
1 《霧の呼び手
1 《アゾリウスの造反者、ラヴィニア
1 《翻弄する魔道士
1 《秋の騎士
1 《約束された終末、エムラクール
3 《夏の帳
2 《呪文貫き
2 《流刑への道
-サイドボード(15)-
mtgtop8 より引用)

 

 《戦争門》カラー、通称バントに赤を足した構成のモダンのデッキだ。登録されていたデッキ名も「Wargate」であり、《戦争門》を使いたくて組んだぞという声が聞こえてきそうでニンマリしてしまう。

 このデッキの挙動はかなり特殊で、言ってしまえばコンボデッキではあるのだが、オンリーワンの動きを見せてくれる。以下にそれを可能な限り簡潔に解説しよう。

1.ある程度の枚数(5枚以上が望ましい)の土地と《現実の設計者、タメシ》《睡蓮の花》を戦場に揃える。

2.《睡蓮の花》を生け贄に捧げて{W}{W}{W}を加える。そのうち{W}を使って《現実の設計者、タメシ》の能力を起動。X=0で対象は《睡蓮の花》。これを再び生け贄に捧げて{G}か{U}を加える。

3.上記を3回繰り返し、3回目の睡蓮を生け贄に捧げてまた{W}{W}{W}を加えることで4回以上の能力の起動を目指す。土地があるだけこの工程を重ねて可能な限り大量の3色のマナを得る。

4.《耕作する巨躯》を唱える、あるいは《戦争門》《破滅の終焉》で戦場に出す。タメシにより手札に戻した土地を戦場に出してはドロー、出してはドローを全て吐き出すまで続ける。

5.土地を出し直したことで再度タメシと睡蓮のループを起動することが可能になる。2~4を繰り返す。

6.文字通りの巨躯となった《耕作する巨躯》が戦場に居並ぶ状況下、有り余るマナを注いで《破滅の終焉》をX=10以上で唱える。すべてのクリーチャーを強化したうえで速攻を与え、攻撃して勝つ。

 この勝ち方はすごい! 素直にカッコイイと思ったね。《現実の設計者、タメシ》という土地を戻すことをコストとする能力持ちと、手札の土地を戦場に出せる《耕作する巨躯》という素晴らしい組み合わせ! これぞアメージングなデッキだな。

 《睡蓮の花》《現実の設計者、タメシ》《耕作する巨躯》……コンボパーツはすべて《戦争門》から揃えられる。それらのカードが純粋に4枚増しでライブラリーの中にあるようなものだな。《エラダムリーの呼び声》なども含めればもっとたくさん採用しているとカウントできるので、コンボパーツを揃えることは難しいことではないのだ。

 コンボで勝つというのは不具合が生じるものである。さまざまな手段で干渉されてしまう。《時を解す者、テフェリー》でインスタントの妨害に牽制はできるが、それでもコンボで勝てないゲーム展開というものは訪れる。

 そこで赤を足して《敏捷なこそ泥、ラガバン》《創造の座、オムナス》など赤絡みのパワーカードを取り揃えることで、これらで戦場を作るという勝ち筋も用意されている。

 夢にあふれたコンボであるほど、その裏には現実主義的な構築が求められるもの。このデッキはそのあたりも抜かりないのがグレートだぜ。

 赤を入れれば《ゴブリンの技師》も使えるのが嬉しい。これで《睡蓮の花》を墓地に置いてタメシで拾うというルートがあるわけだね。

 初出から長い時間が経過したが、未だに色あせない《戦争門》。これと同じカラーリング、または別の組み合わせも含めて、『ニューカペナの街角』の3色カードにも、長く語られ愛されるようなカードが収録されていることを願わずにはいられないね。ビバ、3色セット! プレリリースや発売、オンラインリリースが本当に楽しみだ。

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