READING

戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

今週のCool Deck:《月罠の試作品》、侮るなかれ? アーティファクト主体のデッキたち(ヒストリック)

岩SHOW

 さあ金曜日だよ、クールなデッキを紹介する当コーナーがやってきたぜ! 今回は開幕からデッキリストを見てもらおう。

Platinum-Mythic Rank Player - 「スゥルタイ・アーティファクト」
ヒストリック (2022年3月7日)[MO] [ARENA]
1 《
1 《
1 《
4 《草むした墓
1 《闇孔の小道
4 《湿った墓
2 《清水の小道
4 《繁殖池
1 《産業の塔
1 《宝物庫
2 《寓話の小道

-土地(22)-

4 《金のガチョウ
2 《石とぐろの海蛇
3 《湖に潜む者、エムリー
2 《茨橋の追跡者
3 《艱苦の伝令

-クリーチャー(14)-
4 《月罠の試作品
4 《血の泉
1 《鎮定工作機
1 《魂標ランタン
2 《致命的な一押し
2 《命取りの論争
1 《不憫な悲哀の行進
1 《精神迷わせの秘本
3 《金属の叱責
1 《テゼレットの計略
1 《影槍
2 《肉体の裏切者、テゼレット
1 《橋の主、テゼレット

-呪文(24)-
1 《秋の占い師
2 《夜の騎兵
4 《思考囲い
2 《致命的な一押し
1 《真髄の針
1 《魂標ランタン
2 《エレボスの介入
1 《金属の叱責
1 《橋の主、テゼレット

-サイドボード(15)-

 

このクールなデッキは?

 ヒストリックのスゥルタイ(青黒緑)カラー、そして中核を担うのはアーティファクトというデッキ。主役は……と存在感を放つカードを探ってみると、《艱苦の伝令》が輝きを放っているのがビシビシと伝わってくるね。

 このヘビー級のデーモン、書いていることはかなりパワフル。5/5飛行という戦闘向きのスペックに加えて、毎ターン手札を捨てさせる&アーティファクトを生け贄に捧げてクリーチャーをサイズダウンさせるというコントロール向けの能力をたっぷりと持っている。

 しかしながらそのコストは7マナ、ちょっとやそっとじゃ支払えない……そこで「即席」能力を駆使して展開することになる。アーティファクトをタップすることでマナの支払いの代わりにできるという能力であり、これを活かすために1マナのアーティファクトを各種用意。

 さらに《金のガチョウ》《血の泉》とアーティファクトのトークンを生成し、早いターンでの伝令降臨を狙った「攻めのコントロール」といったクールな構築が施されている。

 《金属の叱責》での打ち消しも{U}だけで行える場面が多いだろう。

 もう1つ注目するべきは《月罠の試作品》。

 これはクリーチャーかアーティファクトをタップして{C}を加える。この字面だけ見ると手間が必要なカードに見えるのだが、なんといってもその軽さが売りだ。たった1マナでマナを増やせるアーティファクトを出せるので、1ターン目に試作品→2ターン目に3マナ使用という高速展開が狙える。

 《ヤスペラの歩哨》があれだけ活躍しているのだから、この置き物に期待していたプレイヤーも少なくないはず。こういうリストが出てくると、実際にかなりのポテンシャルを秘めた1枚なんだなと。ゲーム終盤では魂力でパーマネント除去として機能するのが、またかゆいところに手が届く仕様で……さすが神河産、クールだね。

 このクールすぎるリストに感銘を受けて、自分でも《月罠の試作品》を使いたくなった。《肉体の裏切者、テゼレット》《橋の主、テゼレット》と新旧テゼレットの共演なのもたまらなくクールだなと……テゼファンである自分には深く響いたものだった。

 そんなわけで「試作品」をいろいろと作って遊んでみた。今日はそんなMyデッキも紹介させていただこう。クールに感じてもらえたら幸い、そこから皆のクールなデッキに繋げてもらえればクーレストな喜びだ。

岩SHOW - 「シミック・カーン&テズ」
ヒストリック (2022年3月)[MO] [ARENA]
3 《
4 《繁殖池
2 《植物の聖域
4 《樹皮路の小道
1 《産業の塔
2 《天上都市、大田原
1 《耐え抜くもの、母聖樹
4 《ちらつき蛾の生息地
1 《メカ格納庫
1 《宝物庫

-土地(23)-

4 《金のガチョウ
4 《継ぎ接ぎ自動機械
1 《玻璃池のミミック
3 《思考の監視者

-クリーチャー(12)-
4 《月罠の試作品
1 《ウォーターディープの黒杖
4 《攪乱プロトコル
3 《金属の叱責
1 《勢団の銀行破り
1 《精神連繋メカ
2 《A-エシカの戦車
4 《ウルザの後継、カーン
4 《大いなる創造者、カーン
2 《肉体の裏切者、テゼレット

-呪文(26)-
1 《収得のタコ
1 《金線の従者
1 《トーモッドの墓所
1 《上天の呪文爆弾
1 《墓掘りの檻
1 《真髄の針
1 《魂標ランタン
1 《旺盛な成長の池
1 《漸増爆弾
1 《影槍
1 《現実チップ
1 《精神連繋メカ
1 《電圧改竄メカ
1 《イラクサ嚢胞
1 《エシカの戦車

-サイドボード(15)-

 《月罠の試作品》を初めとするfrom神河のニューマシーンを積極的に詰め込んだ「シミック・カーン&テズ」だ。テズ(テゼレット)と同じく好きなプレインズウォーカーであるカーンを2種8枚! この8枚から始まるデッキをヒストリックでは好んで回している。

 《大いなる創造者、カーン》からサイドボードのアーティファクトにアクセスするのはいつだってクールなアクションだし、《ウルザの後継、カーン》も1枚でゲームに勝てるパワフルかつクールなカードで、文字通り愛用している。

 そんなカーンを中心としたアーティファクトデッキで、1ターン目というのはやることが本当に少ないタイミングでね。土地を置いて終わり、が基本になっていたところに《月罠の試作品》というマナ加速が降ってわいてきたのだから、これとも相性の良い同じ1マナのマナ加速《金のガチョウ》を併せて使わないとなってなわけで、青緑の2色である。

 後継カーンの生成する構築物と似たアーティファクトにより強化される《継ぎ接ぎ自動機械》。

 構築物とこれの二重の展開で重量級打線を作り出してパワーで押し切るのが最終的な狙いだ。

 他の構成要素もこれと相性の良いものを中心に採用している。トークンである構築物は《A-エシカの戦車》でコピーしてやることでお手軽に凄まじい盤面を作りだせる。このムーブに似通った新たな選択肢となるのが《精神連繋メカ》。

 これに構築物を搭乗させると、素のサイズが4/3な上にさらにアーティファクトの数だけの+1/+1修整が乗っかる。パワー10も夢じゃなく、それが飛行を持って殴りに行くのだからクールこの上なしだよな。

 これらの機体をクリーチャー化させ、また自動機械も構築物も基本サイズを底上げすることが可能な《肉体の裏切者、テゼレット》は、使ってみてイメージしていたよりもクールなカードだということが分かった。ストーリーでは敵対する関係ではあるけど、前々からこの人、カーンとの相性は抜群だよなぁと思ってたんだよな。

 他にも細かいところの解説もしていきたいが、誌面の都合で……最後に1枚、《撹乱プロトコル》について。

 月罠や、ガチョウのもたらす食物により、2ターン目から構えることが簡単な確定打ち消しだ。展開の速いヒストリックにおいて、遠慮なく積極的に唱えていくことで相手の序盤の攻めを足止めすることが重要になってくる。アーティファクトとプレインズウォーカーが並ぶとカードパワーで圧殺できるので、いかに序盤に押し込まれないか・差をつけられないかを重視しよう。《金属の叱責》と併用することで、気の抜けないデンジャラスなフォーマットでクールに立ち回れ。

クールなまとめ

 今回はヒストリックより、《艱苦の伝令》をフィニッシャーとしたクールなコントロールデッキ、そしてそれにインスパイアされた僕の自作デッキとを紹介させていただいた。

 《月罠の試作品》、地味なコモンに見えるかもしれないが本当に革新的な1枚で、アーティファクト主体デッキの多くがこれにより速度を増すことになるだろう。クールな発明がデッキを、そして環境を変える。それじゃあ今週はここまで。Stay cool! Let's make a prototype!!

  • この記事をシェアする

RANKING

NEWEST

CATEGORY

BACK NUMBER

サイト内検索