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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

白単アグロ:その信徒、将来有望につき(スタンダード)

岩SHOW

 前回に引き続き、環境最初期にして最大級のトーナメントである「Red Bull Untapped 2021 International Stop IV」の結果から『イニストラード:真紅の契り』のスタンダード環境を解析してみよう!

 前回はアグロと言えばの緑単だったが、今回も単色のアグロデッキを紹介する。前評判も高く、トーナメントでもワンツーフィニッシュを飾った白単の登場だ! いってみよう!

Simón Arboleda Escobar - 「白単アグロ」
Red Bull Untapped 2021 International Stop IV 準優勝 / スタンダード (2021年11月14日)[MO] [ARENA]
19 《冠雪の平地
4 《不詳の安息地
-土地(23)-

4 《有望な信徒
4 《素拳のモンク
4 《堕ちたる者の案内者
4 《クラリオンのスピリット
4 《光輝王の野心家
3 《スレイベンの守護者、サリア
2 《剛胆な敵対者
3 《輝かしい聖戦士、エーデリン
3 《粗暴な聖戦士
2 《傑士の神、レーデイン
-クリーチャー(33)-
3 《パラディン・クラス
1 《カビーラの叩き伏せ
-呪文(4)-
1 《スレイベンの守護者、サリア
3 《精鋭呪文縛り
3 《スカイクレイブの亡霊
1 《粗暴な聖戦士
1 《傑士の神、レーデイン
3 《ポータブル・ホール
3 《勇敢な姿勢
-サイドボード(15)-
MTGMelee より引用)

 

 白単色のアグロは前環境のリストそのままでもかなり完成度が高く、事実、同トーナメントにも新カードを1枚も採用していない白単を持ち込んだプレイヤーも少なくなかった。調整時間の少なさから、強いのかどうか・何枚採用するのが適正かわからないカードをお試し的に採用するよりも、大会で勝つには手堅い選択肢である。

 しかしながら同時に、新カードをたっぷりと用いた上記のようなリストが準優勝しているので、短い時間を活かした調整と構築センスがあれば新カードで結果は残せるということ! 皆もガンガン新しいカードを使って環境のスタートダッシュを楽しむ姿勢でやっていってほしいね(僕にとってネタが増えてありがたいという意味もある)。

 新カードは新環境予想の回でも取り上げた《スレイベンの守護者、サリア》は予想通りというところ。

 そりゃあ強いわな。除去をはじめ、非クリーチャー呪文が1ターンズレることで対戦相手に反撃の姿勢を取らせずこちらのペースのままゲームを終わらせる、2マナにしてなんとも無慈悲過ぎるクリーチャーだ。

 彼女の能力でこちらも被害を受けてはしょうがないので、メインデッキは極力クリーチャー・カードのみに近い構成に。《パラディン・クラス》のような1マナの呪文であればコストが上がってもまあ許容範囲というところだな。

 これでサリアや大量の1マナクリーチャー、《堕ちたる者の案内者》や《クラリオンのスピリット》に《輝かしい聖戦士、エーデリン》が生成するトークンと、展開されたクリーチャーをまとめて強化して一気に叩き斬る。

 《剛胆な敵対者》《光輝王の野心家》による強化も、もちろん引き続きめちゃ強。

 サリアとの相性も考えて、クリーチャー除去として《粗暴な聖戦士》は前まで以上にお呼びがかかることになるだろう。

回転

 そしてサリアに加えてこの白単に参入した新クリーチャーが《有望な信徒》!

 新能力「訓練」を持った1マナ1/2のお出ましだ。これを大胆にも4枚採用しているのがこのリストの最大の特徴であり、他の白単と差別化を図った部分である。

 単体だと1マナ相当のスペックではあるが、パワー2以上のクリーチャーと一緒に攻撃することで2/3と2マナ級のサイズに。《堕ちたる者の案内者》《素拳のモンク》など1マナパワー2以上にカウントできるクリーチャーの評価は相対的に上がるね。

 そしてこの信徒のすごいところは、訓練で得た+1/+1カウンターを取り除くことで、エンチャントかアーティファクトを破壊できる《解呪》……その英名Disenchantを縮めた通称「ディッチャ」系能力を持っていること。

 これ、地味ながら強い能力だよねぇ。《ポータブル・ホール》《レインジャー・クラス》《エシカの戦車》《セレスタス》《食肉鉤虐殺事件》……などなど、現スタンダードには強いエンチャントやアーティファクトがいっぱい。特に《エシカの戦車》に対して、手札を使わずに対処できるという点は高く評価できる。

 そしてこのディッチャ能力、信徒本人だけでなく他のクリーチャーからもカウンターを取り除いてもOKで、しかも別のクリーチャー2体からあわせて2つという形でも支払えるという、柔軟なコストなのには驚いた。《光輝王の野心家》でばら撒いたり《素拳のモンク》を育てたりして得たカウンターを、打点以外のことに用いることができるということ。ただ真っすぐなデッキに見えて、多くのパーマネントの勝利が上手な柔軟なデッキへと進化したと、そう認識して間違いない。

 サイドボードの《勇敢な姿勢》にも注目。

 クリーチャーに破壊不能をつけることで除去に対する打ち消しのように機能し、無理やりな戦闘を行って戦場を一方的なものにすることも可能な便利呪文。

 また、タフネス4以上のクリーチャーを破壊できるので、《エシカの戦車》《老樹林のトロール》《黄金架のドラゴン》など、環境に蔓延る高タフネス生物を2マナでサクッと処理しよう。除去と打ち消しをカード1枚分の枠でサイドボードに用意しているようなもので、今後はかなりお呼びがかかる1枚になるに違いない。メインに採用しても問題なく良い仕事っぷりを見せてくれるので、迷ったらまずはお試しあれ。

 そんなわけで「白単アグロ」、この『イニストラード:真紅の契り』環境でもその勢力をかなり伸ばすことは想像に全く難くないので、今後のスタンダードではこのデッキへの解答をなるべく用意しておきたい。テクニックは増えてもデッキ自体はシンプルなのがアグロの宿命ではあるので、諦める前にしっかりと効くカードを見つけ出そう。個人的には《蝕むもの、トクスリル》で継続的に締めあげていく形で対策してみようと考えている。皆のアイディアも教えてね!

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