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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

今週のCool Deck:無謀突進レギサウルス!(ヒストリック)

岩SHOW

 巨大なるものと小兵との戦いというのは永遠のテーマである。

 巨躯が生み出すパワーで圧倒するか、小柄ゆえのスピードで翻弄するか。それぞれに持たぬものを武器としたぶつかり合い、だからこそいつでも人はその戦いに胸を熱くする。

 しかしながら、これは言ってしまえば巨体で超絶スピーディーに動けるものが出てしまえば、それが最強・最クールということになってしまう。

 というわけで今週もやってきましたクールなデッキを紹介するこのコーナー。今回はデカくて重くて強い一撃をとてつもない速さで繰り出してくるヤツが一番クールなんじゃないのか?という形でのクールの探求だ。

 デカいヤツよりも小さいヤツの方が速い、というのは我々人間の世界ではそうとも言えなくなってきている。結局のところスピードを生み出すのも筋肉であり、それが巨大であるほど高速での移動が可能となる。ボクシングのヘビー級でも絞り込まれた身体を持つ選手は軽量級に見劣らない超スピードでの攻防を披露するし、かの100メートル走記録保持者は身長195センチ体重94キロの筋肉の塊であった。

 そんなわけでデカくて速くてクールな存在は当たり前になりつつあるが、マジックというゲームにおいてはまだまだその2つは相反するものだったりする。

 マジック界での巨体とは言うまでもなくパワー/タフネスが大きいということ。で、速いとは速攻能力とマナ総量のこと。コストが軽くて速攻を持つクリーチャーというのはそのスピードで攻撃の機会をより多く得られる。対して6/6を超えるような超巨体で速攻を持つクリーチャーというのは限られてくる。それ相応のマナを支払えばそんな化け物にもお目にかかれるが、お手軽なコストでデカくて速攻持ちというのはなかなかいない。

 なんとかマナ総量は低めでサイズだけは立派というクリーチャーはいるにはいる。何らかのデメリットを抱えていたりするけどもね。そんな巨体を誇るクリーチャーに速攻を与えてスピードという武器も与える……これがクールなアンサーってことか。

 というわけで今週はパワーとスピードを兼ね備えたクールな戦術をご紹介!

Spartan_MTG - 「ジャンド・アグロ」
ヒストリック (2021年10月11日)[MO] [ARENA]
1 《
4 《踏み鳴らされる地
3 《岩山被りの小道
4 《血の墓所
1 《竜髑髏の山頂
4 《荒廃踏みの小道
4 《草むした墓
1 《バグベアの居住地
1 《ラムナプの遺跡
1 《目玉の暴君の住処
-土地(24)-

4 《無謀な首謀者
4 《炎樹族の使者
4 《義賊
3 《戦慄衆の解体者
3 《暴れ回るフェロキドン
3 《無謀な嵐探し
3 《朽ちゆくレギサウルス
2 《砕骨の巨人
1 《ゴブリンの鎖回し
1 《カザンドゥのマンモス
-クリーチャー(28)-
1 《死住まいの呼び声
4 《集合した中隊
3 《エンバレスの宝剣
-呪文(8)-
1 《ゴブリンの鎖回し
1 《運命の神、クローティス
1 《星山脈の業火
2 《致命的な一押し
2 《燃えがら蔦
2 《軍団の最期
1 《丸焼き
1 《乱動する渦
2 《魔女の復讐
2 《虚空の力線
-サイドボード(15)-
Spartan_MTG氏のTwitter より引用)

 

このクールなデッキは?

 ヒストリックの「ジャンド(黒赤緑)アグロ」だ。

 このカラーリングは昔からマジックの歴史的にもアグロに向いたカードが揃っている。特に緑はサイズに優れたものが多く、赤には低コストの速攻持ちがズラリ。で、ここに黒が加わるとどうなるのか。

 黒にはこちらにデメリットをもたらす能力を持つものの、本来そのマナ総量で得られないだろうという驚異的なサイズを持つクリーチャーがいくつか見られる。

 ヒストリックでは《朽ちゆくレギサウルス》。

 3マナで7/6、6マナでもあまりいないクラスの異次元のサイズを誇る、3マナ域最強と言える1枚だ。この恐竜は戦闘に関する能力は何ひとつ持ってはいない。そしてプレイヤーに毎ターン手札を捨てろと強制してくるリスキーなカードでもある。

 そんなレギサウルス、3マナなので序盤から出して殴っていけるスペックではあるが……カードを捨てた後に除去されたりすると悲惨である。弱点なく運用するにはやはり速攻!というのがこのデッキのクールなコンセプトだ。それでは詳しく見ていこう。

どこがどうクールなのか?

クールポイント:無謀であれ

 というわけでレギサウルスの活かし方として速攻を与える、そんなクールなカードの紹介だ。

 まずはスタンダードでも絶賛活躍中の《無謀な嵐探し》!

回転

 毎ターン、クリーチャーのパワーを上げつつ速攻を与えるクールなヤツだ。前もって嵐探しを出しておけば速攻レギサウルスを射出して一気に8点の大ダメージ。もし《嵐蓄積の斬鬼》に変身していればトランプルまで付与、適当なクリーチャーのブロックでしのがれるレギサウルスのもう1つの弱点もしっかりカバーだ。《集合した中隊》から嵐探しとレギサウルスが揃って出れば……対戦相手の苦痛に歪む顔が目に浮かぶ。

 さらにもう一つ、ヒストリックならではの速攻付与カード《無謀な首謀者》も忘れずに。

79379_Printed_RecklessRingleader.png

 1マナ1/1速攻で、かつ手札のクリーチャーにも速攻を与えるテクニカルな1枚だ。

 1ターン目にこれが走ってきて、あと2ターン後にパワー7が突然走ってくるとは対戦相手も思ってはいまい。レギサウルスに関係なく、適当にその他のクリーチャーに速攻をつけるのも強いので、臨機応変に。

 「永久に」与えるってところがポイントで、《砕骨の巨人》に与えれば《踏みつけ》として唱えて追放領域に行っても速攻を持っているので、素早い攻めをお見舞いできる。墓地に落ちても速攻は持ったままなので《死住まいの呼び声》で戻した場合は速攻と接死と威迫とかいうとんでもない能力を組み合わせたモンスターを生み出すことだって可能だ。

 どちらの速攻を与えるカードも、そのカード名に無謀と書かれているところがクールだ。時には無謀になることも大事ってことだな。

 これら無謀軍団と《エンバレスの宝剣》で大量のダメージを叩き込んでいち早く勝利する。これぞクールなアグロデッキのあるべき形だ。

クールテクニック!

 《無謀な首謀者》との相性の良さから採用されている除去対策《死住まいの呼び声》。これには実はもう1つの役目がある。

 これで戻す対象を《ゴブリンの鎖回し》にすると、ダメージを与えられた対戦相手のクリーチャーが、接死により全滅する!

 レギサウルスで鎖回しを捨てて、綺麗にコンボを決めたいところだ。対クリーチャーデッキ相手にはサイド後に鎖回しを増量して、このクールな超低コスト《疫病風》コンボと速攻で勝負を決めよう。

クールなまとめ

 全てを圧倒するサイズ、それはクール。相手を翻弄する圧倒的スピード、それもクール。これらが合わされば、最クール。《朽ちゆくレギサウルス》に《無謀な嵐探し》《無謀な首謀者》で速攻を付けて、そのすべてをいただく。この秋オススメのクールな勝ち方だ。

 レギサウルスのみならず、他の組み合わせも試してみたいね。それぞれにベストな構成を見つけてくれれば幸いだ。それでは今週はここまで。Stay cool! Be reckless!!

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