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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

オルゾフ・アグロ(スタンダード)

岩SHOW

 マジックあるある、似たような名前のカードがどっちがどっちかわらなくなりがち。

 これはね~あると思いますよ。というかあります。特に固有名詞+何かというパターンで起こりがち。土地とか次元、あるいはキャラクターに関係のある○○で、その○○の部分が似た言葉だとややこしくてごちゃ混ぜになってしまうことがある。

 個人的には今のスタンダードにわかっていても勘違いしてしまう2枚があるのよ。《スカイクレイブの亡霊》、そして《スカイクレイブの影》だ。

 かたや白のコー・スピリット、かたや黒のシェイド。全然違うカードなのだが、カード名のニュアンスがなんとも近くて……亡霊のことを××の影、みたいに言うじゃない。そのせいもあってか本当に勘違いしてしまう。

 どちらもコストの割に優れた能力を持っているのもあって、スタンダードやその他のフォーマットでも使われているのもあってよく目にする。デッキリストの字面のみを眺めていると「除去対策で墓地から何度も戻ってくるコイツを足してるのか……って亡霊ね、そうね亡霊ね」みたいなことが毎日のようにある。純粋に僕がもうおじいちゃんなだけかもしれないが、似てないようで似ている2枚と勝手に認識している。

 この勘違いが起きない最もありがたいパターンは、どちらも4枚デッキに採用されているという状況。これだと間違いようがない、どちらも4枚入っているのだからね。

 そんなデッキがそもそもあるのかって? それが見つかったんだなぁ。

Ashley of Forgotten Gods - 「オルゾフ・アグロ」
スタンダード (2020年11月6日)[MO] [ARENA]
6 《平地
4 《
4 《静寂の神殿
4 《陽光昇りの小道
1 《ロークスワイン城
-土地(19)-

2 《命の恵みのアルセイド
2 《無私の救助犬
4 《忘却の虚僧
4 《歴戦の神聖刃
4 《スカイクレイブの影
4 《スカイクレイブの亡霊
3 《悲哀の徘徊者
2 《光明の繁殖蛾
2 《悪ふざけの名人、ランクル
-クリーチャー(27)-
3 《血の長の渇き
2 《不吉な戦術
2 《セジーリの防護
3 《アガディームの覚醒
4 《スカイクレイブの大鎚
-呪文(14)-
2 《静寂をもたらすもの
2 《残忍な騎士
3 《塵へのしがみつき
1 《血の長の渇き
3 《苦悶の悔恨
2 《不吉な戦術
2 《ヘリオッドの介入
-サイドボード(15)-

 

 白黒の軽量クリーチャーを主体とした、いわゆるアグロと呼ばれるタイプのデッキだ。

 亡霊は相手のクリーチャーを追放し、こちらの攻撃が相手の本体へ通るように後押し。相手の強力な攻撃役を潰して殴り合い展開も安心だ。影の方は2マナでパワー3と優れた打点を持ち、上陸により墓地からも唱えられるその粘り強さで耐えるタイプのデッキをどこまでも追い詰め、《空飛ぶ思考盗み》などでライブラリーを切削してくる相手にも有効な手段となる。どちらも役割は違うが、アグロデッキを大きく支えるという点では思惑は一致する。

 白には同じくスカイクレイブと名のつく《スカイクレイブの大鎚》もあり、これも飛行を与えてクリーチャーの攻撃を通しやすくするイカした装備品だ。スカイクレイブと名のつくカードは実に優秀なものが揃っているな。

 それらを軸に、スタンダードの白と黒の良いところを寄せ集めてデッキに仕上げてある。オルゾフ(白黒)は《陽光昇りの小道》《恐怖昇りの小道》とあるおかげで組みやすいカラーリングでもあるね。

 1マナから3マナまで、毎ターンクリーチャー展開 or 相手のクリーチャーの除去、あるいはその両方を、マナを最も効率よく使って序盤から攻めていくデッキである。この手のデッキは、正直に組んでしまうと相手がクリーチャー除去に長けていた場合、苦戦を強いられる。そこでそれらに耐性のあるカードは不可欠な存在だ。白と黒で組まれたこのデッキにはそういった手段が多数ある。

 自身を生け贄とすることで他のクリーチャーにプロテクションや破壊不能を与える《命の恵みのアルセイド》《無私の救助犬》。

 不要な土地などを捨てて破壊不能を得る《歴戦の神聖刃》。

 一度死亡してもまた戦場へと舞い戻らせる《光明の繁殖蛾》、自力で墓地から戻ってくる《悲哀の徘徊者》。

 この2枚は徘徊者で自軍をすべて生け贄に捧げ、繁殖蛾で飛行を与えて一気に相手の頭上を飛び越えて勝つというコンボも狙える。

 そして他のデッキでは見かけない、注目すべき1枚が《忘却の虚僧》。

 まず名前がカッコイイ時点で勝ちだな。この2マナクリーチャーは、キッカー込みの計6マナで唱えると自分の墓地からクリーチャーを何でも戦場に戻すことができる。これで長期戦になっても手数を極力切らさずに勝負を続けられる。繁殖蛾あたりを戻せたら完璧だ。素のスペックもパワーが2あって絆魂に威迫とキーワード能力を2つも持っているのが強い。これが大鎚をかついで飛行を持つと飛行&威迫でかなりブロックされにくくなるので、ガンガン殴ってライフ差を大きく付けていきたいね。

 とりあえずこのデッキを使っていれば亡霊と影を「スカイクレイブ」という部分では認識しなくなるので、区別がつくようになる……かもしれない。この2体のスカイクレイブ関係者は本当にやり手なので、これからも長く目にすることになるだろう。

 しっかり区別がつくようになった頃には、次の似たものコンビに惑わされる。ここまでがテンプレ。

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