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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

シッセイ・デック・ウィン~伝説を見届ける艦長~(ヒストリック)

岩SHOW

 僕がマジックを始めたばかりのころ、今はなきクリーチャー・タイプがあった。「レジェンド」である。

 今のような「伝説の」クリーチャーという特殊タイプはなく、タイプそのものが伝説を示すレジェンドであり、「クリーチャー ― レジェンド」と書かれていたのだ(始めた直後は「レジェンドの召喚」って表記だったな)。

 当時はこのレジェンドたちにとにかく憧れた。伝説の存在ってだけでカッコイイし強そうに見えたものだ。『テンペスト』や『ウルザズ・サーガ』などのセットの構築済みデッキには小さなブックレットがついてきて、そこには背景ストーリー、キャラクターや次元の紹介などが美麗なビジュアルとともに掲載されていた。指先でページをめくってはワクワクしていた。そこに出てくるレジェンドたち。それがカードとなったものが手に入った時には、それはもうエキサイティング。すかさずデッキを組んでいたあの日々が懐かしい。

 そんな当時のレジェンドの中で、親玉のような存在だったのがシッセイ。ウェザーライト号の艦長であり、ジェラードにカーンにターンガースにスクイーにとクセの強い面々をひとつにまとめるそのリーダーシップは背景世界屈指のもの。自ら剣を手に最前線で指揮を振るう姿も勇ましく、その当時の本当に多くのカードでその姿がイラストに描かれていた。

 そんなシッセイが『インベイジョン』でついにカード化、ファイレクシアの侵攻に立ち向かうレジェンドたちを率いる真のレジェンドに相応しい能力を与えられた《艦長シッセイ》だ。

 これがもうイラストがカッコイイしね、能力がレジェンドあるいは伝説のカード(当時の表記、今はまとめて「伝説の」だね)をサーチするという……アレですわ、レジェンド束ねてデッキにしろとおっしゃるんですわ。こんなもん、中学生がブチ上らないわけがないでしょうが。

 そんなわけで憧れの強い1枚だった。当時はパックを剥いても当たらなかったね……。彼女をフィーチャーしたデッキを当時作ることはできなかった。

 が、今ではそれも思い立った瞬間に気軽にできる。そう、MTGアリーナに彼女はいる。ヒストリック用に特別に再録されて、当時レジェンド・デッキを組みたくても組めなかった僕らを待ってくれている。大袈裟に言えば時を超えた邂逅である。

 このシッセイを使ったデッキが115名ものプレイヤーが参加した真剣勝負の場でトップ8に入賞している姿を見てしまったのだから、そりゃあもう昂らないわけがないでしょう。それじゃあリストを見てくれよな!

Chris Tran - 「5色ニヴ=ミゼット」
Week of Wings Entry Event Wednesday Flight 1 HISTORIC 6位 / ヒストリック (2020年10月21日)[MO] [ARENA]
2 《平地
2 《
2 《
2 《
2 《
1 《神聖なる泉
1 《氷河の城砦
1 《孤立した礼拝堂
1 《寺院の庭
1 《陽花弁の木立ち
1 《湿った墓
1 《水没した地下墓地
1 《蒸気孔
1 《硫黄の滝
1 《繁殖池
1 《竜髑髏の山頂
2 《草むした墓
1 《踏み鳴らされる地
1 《根縛りの岩山
2 《ケトリアのトライオーム
2 《インダサのトライオーム
1 《ラウグリンのトライオーム
2 《ゼイゴスのトライオーム
4 《寓話の小道
1 《進化する未開地

-土地(37)-

4 《水蓮のコブラ
3 《自然の怒りのタイタン、ウーロ
1 《運命の神、クローティス
3 《艦長シッセイ
1 《破滅の龍、ニコル・ボーラス
1 《鎮まらぬ大地、ヤシャーン
4 《ニヴ=ミゼット再誕
1 《不屈の巡礼者、ゴロス
1 《スカラベの神
1 《ハイドロイド混成体

-クリーチャー(20)-
4 《成長のらせん
4 《思考消去
3 《アングラスの暴力
2 《探検
2 《轟音のクラリオン
2 《ケイヤの誓い
1 《大渦の脈動
1 《陽光の輝き
1 《時の一掃
1 《夢を引き裂く者、アショク
1 《伝承の収集者、タミヨウ
1 《ゴルガリの女王、ヴラスカ

-呪文(23)-
1 《空を放浪するもの、ヨーリオン

-相棒(1)-

3 《秋の騎士
1 《拘留代理人
1 《運命の神、クローティス
1 《鎖を解かれしもの、ポルクラノス
3 《墓掘りの檻
2 《思考囲い
2 《ドビンの拒否権
1 《オルゾフの簒奪者、ケイヤ

-サイドボード(14)-
mtgmelee より引用)

 

 欲張りなデッキを組むときにそれを肯定する存在としてすっかりお馴染みの《空を放浪するもの、ヨーリオン》を相棒に。これで何も気にせず80枚、たっぷりレジェンドもとい伝説のカードを入れられる。

 シッセイのパワーをフルに使うのであれば、5色の伝説の方々に一同に会していただくのが手っ取り早い。5色の伝説で超強力な《ニヴ=ミゼット再誕》いるしな!

 ってことで5色ニヴコントロールの便利屋としてシッセイが採用されているリストである。シッセイ自身も緑白の2色のカードなので、ニヴの能力で手札に加えられるのが偉い。第二第三のニヴに繋げることだってできてしまう! アドバンテージ供給過多? いや得られるものは何でも得るの精神は大事だ! 手札を2色の伝説でパンパンにしていけ!

 《成長のらせん》《探検》《自然の怒りのタイタン、ウーロ》で土地を戦場に出し、《水蓮のコブラ》も絡めることでマナの色と数を確保し、強引に5色デッキを回していく。

 《思考消去》で相手のプランを確認し、キーカードを落として減速させ、豊富に取りそろえたクリーチャーおよびパーマネント除去で耐える。

 シッセイかニヴで手札を一気に得て、常に相手よりも勝る一手を叩きつけ続けて圧殺する。横綱相撲を体現したようなビューティフルなデッキある。

 では、肝心のシッセイから繋がるカードとその用途を以下にまとめる。参考になれば幸いだ。

ライフが危ない!:《自然の怒りのタイタン、ウーロ》《運命の神、クローティス》《ケイヤの誓い

ヤバいパーマネントがある!:《ゴルガリの女王、ヴラスカ》《ケイヤの誓い

相手の墓地がいっぱい!:《運命の神、クローティス》《夢を引き裂く者、アショク》《スカラベの神

自分の墓地がいっぱい!:《自然の怒りのタイタン、ウーロ》《伝承の収集者、タミヨウ》《スカラベの神

マナを増やしたい、出ない色がある!:《自然の怒りのタイタン、ウーロ》《不屈の巡礼者、ゴロス》《運命の神、クローティス》《鎮まらぬ大地、ヤシャーン

相手が生け贄をテーマにしたデッキ!:《鎮まらぬ大地、ヤシャーン

相手の手札1枚が怪しい、ヤバそう!:《破滅の龍、ニコル・ボーラス

転ばぬ先の杖、備えあれば憂いなし!:《艦長シッセイ

 シッセイから伝説を持ってくることがいかに有用で、そして楽しいゲーム展開を後押ししてくれるかが伝わっただろうか。《艦長シッセイ》、本当に良いカードなのでこれを機にひとりでも多くの人が伝説で満ち満ちたデッキを組んでみてほしい。

 あのころに組めなかったという人も、これまでシッセイのことを知らなかった人も、艦長の名のもとに集結せよ!

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