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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

ワイルド・ティムール(スタンダード)

岩SHOW

 お客様、デッキはお決まりですか? まだ迷っていらっしゃる、それではここからは私がお力になりましょう。どのようなデッキを使いたい気分ですか? ガラス細工のように繊細なものから、丸太を振り回す暴力的な魅力にあふれたものまで取り揃えておりますよ。

 なるほど、「ワイルドな気分」ですか。野性味があって、かつただ粗野なものではなくエレガントさも兼ね備えたもの、なんていかがでしょうか。

 現スタンダード環境におけるワイルドなカラーリングと言えばグルール、赤と緑でございます。そのグルールのワイルドさを保ちつつ、理知的なデッキを追求するために青を主軸にしてみましょう……イゼット(青赤)とシミック(緑青)の要素も合わさり、一気に知的で優雅な雰囲気に。この3色、通称ティムールでございますね。カラーリングに問題はなし、では進めてまいりましょう。

 ちょうど、まだ産声をあげて日は浅いですが、十分なコクとキレを誇るデッキを仕入れておりましてね……。

Kitchen_Finks - 「ワイルド・ティムール」
Magic Online Standard Finals #11787261 13位 / スタンダード (2019年2月2日)[MO] [ARENA]
2 《
2 《
4 《蒸気孔
4 《硫黄の滝
4 《繁殖池
4 《内陸の湾港
2 《踏み鳴らされる地
4 《根縛りの岩山
-土地(26)-

2 《パルン、ニヴ=ミゼット
-クリーチャー(2)-
4 《成長のらせん
2 《予期
2 《稲妻の一撃
2 《アズカンタの探索
1 《否認
4 《悪意ある妨害
2 《焦熱の連続砲撃
4 《薬術師の眼識
4 《荒野の再生
2 《絶滅の星
2 《中略
3 《発展 // 発破
-呪文(32)-
1 《眩惑する水底種
1 《パルン、ニヴ=ミゼット
1 《ハイドロイド混成体
1 《ショック
2 《溶岩コイル
2 《否認
4 《楽園の贈り物
2 《押し潰す梢
1 《発展 // 発破
-サイドボード(15)-
 

 インスタントで固められたこのデッキ、キーカードは《荒野の再生》でございます。

 そこから名を取って「ワイルド・ティムール」なんて呼ばせていただいておりますが、まあ名前の方は皆さまのご自由に。このエンチャントで使えるマナの量を倍、2枚以上設置してさらに増やして、その溢れんばかりのマナで勝とうというデッキでございます。

 《荒野の再生》といえば《運命のきずな》と組み合わせるのが流行りですが、このデッキではもっとダイレクトな勝利手段を用意しております。それでは順を追って見ていきましょう。

 まず最序盤は、ドローして土地を置くことがすべてです。早いデッキ相手には打ち消しや火力での除去でライフが危険域に落ちないようにしましょう。《成長のらせん》はこのデッキの速度を上げてくれるアクセルで、これを2ターン目に唱えられるとその後が随分楽になります。

 きちんと土地を置いて、らせんが絡めば3ターン目・そうでなくても4ターン目に《荒野の再生》を設置するのが理想でございます。かつ、アンタップした4枚の土地から得たマナで《薬術師の眼識》などで手札を補充できれば完璧ですね。

 後は自分のメインにドロー、土地がアンタップして相手のターンに打ち消しか除去、さして脅威でないアクションであればスルーしてドロー……という具合に、相手の倍以上使えるマナを利用して両方のターンで複数回行動してアドバンテージを得ていきます。危ない盤面は《絶滅の星》でリセットしましょう。

 そして勝負所で《パルン、ニヴ=ミゼット》を。ワイルドかつエレガント、打点とドローを兼ね備えたドラゴンの芳醇さを味わいましょう。《薬術師の眼識》と併せれば、相手のクリーチャーやプレイヤー本体を瞬く間に焼き尽くすでしょうね。

 このデッキのフィニッシャーは一応このニヴにはなりますが、実は彼自身もまた奥の手のための囮です。ゲームを進めていけば《荒野の再生》が複数枚重なり、土地も10枚前後となるでしょう。そうなればこちらのターン終了時に、唐突にゲームが幕を下ろします。

 《荒野の再生》の能力がその枚数分誘発し、スタックに置かれます。1つ目の解決前に土地をすべてタップしてマナを得ましょう。これらがすべてアンタップ。さらに2つ目の能力を解決する前にも同様に。3つ目……と、ここまでくれば十分なマナを得ているでしょう。そのマナを《発展 // 発破》の《発破》に注ぎ込んで、対戦相手のライフを0にすればフィナーレでございます。

 《発破》は途中で除去兼ドローとして用いても良いですし、《発展》の方を使って臨機応変に状況を打開していくのもよろしいかと。ターンエンドがゲームエンド、というなかなか珍しくそして美しいフィニッシュを売りにしております。後味は爽快そのものでしょう。

 お気に召されましたでしょうか? それは結構でございます。またデッキソムリエとして、お客様のさまざまなマジック欲を満たす逸品をご用意しておきます。それでは、素敵な週末を。

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