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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

岩SHOWの「デイリー・デッキ」:グルール・ランドロス(モダン)

岩SHOWの「デイリー・デッキ」:グルール・ランドロス(モダン)

by 岩SHOW

 「世紀末フォーマット」なるフレーズを時折耳にする。荒廃しきった世界での生き残りをかけて数個の傷を持つ男やイモータルなヤツがルール無用の戦いを繰り広げているような、そんな状況にあるフォーマットをこう表現することがある。プロツアー『ゲートウォッチの誓い』などはそう呼ばれてもしょうがないくらいのえげつなさだったね(参考:このコラム第1回)。

 このプロツアーや、ワールド・マジック・カップ2016での2ターンキルの応酬のイメージが大変強く、日ごろモダンをプレイしたり追いかけていない方には「モダンは世紀末」というイメージが定着しているのではないだろうか。

 実際のところ、今のモダンは猛烈なスピードゲームというわけでもなく、支配的な一強とその亜種しか勝っていないというわけでもない。世紀末の対義語が何かはちょっとわからなかったが、一時期に比べればどんなデッキにもチャンスが巡ってくる健全な環境となったと言えるのではないかな。

 昔はマジックをたしなんでいたけど最近のカードの複雑さについていけるか、自分のデッキを扱えるか不安で......という人も、今日紹介するようなデッキでも勝っている現モダンなら安心して飛び込めるんじゃないかな?

 そんなわけで今日のデッキは「グルール・ランドロス」だ!

Jeremy Peiffer - 「グルール・ランドロス」
プロツアー『イクサランの相克』地域予選 モンロービル 2位 / モダン (2017年11月19日)[MO]
7 《
1 《
3 《踏み鳴らされる地
4 《樹木茂る山麓
3 《新緑の地下墓地
2 《吹きさらしの荒野
1 《ケッシグの狼の地

-土地(21)-

4 《東屋のエルフ
2 《極楽鳥
3 《不屈の追跡者
2 《クルフィックスの狩猟者
2 《カメレオンの巨像
2 《嵐の息吹のドラゴン
3 《業火のタイタン

-クリーチャー(18)-
4 《楽園の拡散
4 《血染めの月
4 《石の雨
3 《ムウォンヴーリーの酸苔
1 《原初の命令
3 《忌むべき者のかがり火
2 《反逆の先導者、チャンドラ

-呪文(21)-
2 《強情なベイロス
1 《最後のトロール、スラーン
1 《墓掘りの檻
1 《大祖始の遺産
2 《削剥
2 《古えの遺恨
1 《突然のショック
3 《三なる宝球
2 《神々の憤怒

-サイドボード(15)-

 「ランドロス」というのは土地破壊デッキを意味する。エクステンデッドというフォーマットで緑単色の土地破壊戦を戦略の中心としたビートダウンデッキ「Legion Land Loss(略してLLL)」からランドロス魂を継承したデッキということになる。実は1年ほど前にもこのデッキを紹介しているのだが、その時には日本のプレイヤーに馴染みのある「ポンザ」というデッキ名で取り上げさせてもらった。

 個人的には「ランドロス」という響きが怪獣名っぽくて好きなので、今回はこの名前で。グルールはもちろん、ラヴニカのギルドの1つ・赤緑のグルール族のことで、すなわち赤緑土地破壊デッキというわけだ。

 マナ基盤の破壊は3マナより始まる。最も古い土地破壊の1つ《石の雨》か、モダンにて最も愛される土地対策《血染めの月》がそうだ。これを計8枚採用。

 同時に、《東屋のエルフ》《極楽鳥》に《楽園の拡散》と、1マナのマナ加速もたっぷり計10枚を採用、これにより2ターン目に3マナのアクションをしっかりと取れるようになっている。

 《血染めの月》はともかく、《石の雨》を3ターン目に撃ち込むのはちょっと間に合わないケースがある。なので、このロケットスタートはランドロスにおいては非常に重要なものとなっている。

 《東屋のエルフ》が《極楽鳥》よりも優先して採用されている理由は、《楽園の拡散》と組み合わさるとマナの生産量がたまらないことになるからだ。このエンジンを活かすために自ずと《》中心の土地構成となり、そのため《溶鉄の雨》のような追加効果はないものの、シングルシンボルで唱えやすい《石の雨》が優先されているというわけ。

 《ムウォンヴーリーの酸苔》や《原初の命令》も使ってある程度土地を攻めたら、今度は勝ちに行く番だ。《クルフィックスの狩猟者》&《不屈の追跡者》による、土地を出すだけのことがアドバンテージを生み、打点にもつながる驚異のエンジンを体感せよ!

 《樹木茂る山麓》らフェッチランドも絡んでくるので、手札が空で余ったマナの使い道がないなんてことはこのデッキにはないはずだ。

 《カメレオンの巨像》がメインから入っているのは熱いね。

 プロテクション(黒)が《死の影》を用いるタイプのデッキに強烈に突き刺さる。マナを払えば倍々ゲームで、一瞬でゲームを終わらせることも可能。

 流行りの「ジェスカイ・トラフト」のようなデッキ相手には《嵐の息吹のドラゴン》のプロテクション(白)もブッ刺さる。

 そしてありとあらゆるデッキに対して強烈なフィニッシャー《業火のタイタン》。

 土地が2~3枚割られてたり《血染めの月》によって満足に動けない対戦相手にこのカードを叩きつけてやれば、次の自分のターンを待たずして相手がさっさと諦めてくれることだろう。

 「グルール・ランドロス」には《稲妻》のようなモダンの赤いデッキの定番カードが採用されていないことも特徴的だ。相手の土地を攻めて展開を遅れさせているところに、《稲妻》のようなカードをトップデッキしても大して効果はない。同じクリーチャー除去をするのであれば、全体除去であり本体への大ダメージにもなり得る《忌むべき者のかがり火》とか、アドバンテージの塊でありフィニッシャーも務める《反逆の先導者、チャンドラ》のようなカードを採用しようぜ、という考えからだ。

 ただ《稲妻》の小回りの利くところが評価できるマッチアップなども存在するため、このあたりの構成は自分が参加するトーナメントについてあれこれ想定しながら各自調整してみてほしい。

 手元にこれを組むのに十分なカードがあるので、僕も年末のマジック納めにこのデッキで遊びに行こうかななんて思っているところだ。昔、《ラノワールのエルフ》から《石の雨》《アーナム・ジン》っていうゲームやってたんだよなぁ懐かしい~という方には、ぜひともこれで現モダンを遊んでみてほしい。昔にはなかった変な動きをするデッキ相手に、伝統の土地破壊で挑むというのも楽しいものだよ。

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