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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

岩SHOWの「デイリー・デッキ」:激情の母、ハゾレトの試練(スタンダード&レガシー)

岩SHOWの「デイリー・デッキ」:激情の母、ハゾレトの試練(スタンダード&レガシー)

by 岩SHOW

 《熱烈の神ハゾレト》の姿は『アモンケット』の情報の中でもかなり早い段階で明かされていた。彼女の顔を模した碑がキービジュアルに大きく描かれているのは皆さんもご存知のことかと。プレビューにおいても最初にそのカードが公開された神である。

 《熱烈の神ハゾレト》はその見た目とアグレッシブな能力から、多くのファンを惹きつけた。さすがは激情の母である。僕らは4つの試練を乗り越え、彼女に我が子と認知してもらった修練者のようなものだ(死亡フラグ)。

 実際、彼女を使用したデッキはそれほど目立っていないだけでそこそこの数がある。モダンの赤絡みのアグロデッキのサイドボードに採用されている姿を、グランプリ・神戸2017でも目にしたものである。今日はハゾレトデッキを2種類紹介しよう。まずはスタンダードから!

tantska - 「赤黒ハゾレト・アグロ」
Magic Online Competitive Standard Constructed League 5勝0敗 / スタンダード (2017年6月11日)[MO] [ARENA]
7 《
7 《
4 《燻る湿地
4 《凶兆の廃墟

-土地(22)-

4 《戦慄の放浪者
3 《ボーマットの急使
3 《炎刃の達人
4 《貪欲な求血者
4 《屑鉄場のたかり屋
4 《熱烈の神ハゾレト

-クリーチャー(22)-
4 《街の鍵
4 《血管の施し
4 《癇しゃく
4 《無許可の分解

-呪文(16)-
3 《マグマのしぶき
2 《致命的な一押し
3 《心臓露呈
3 《没収
2 《嵐の活用
2 《力ずく

-サイドボード(15)-

 「赤黒ハゾレト・アグロ」といったところか。《熱烈の神ハゾレト》の戦闘参加の条件である「手札1枚以下」を目指して、手札をバンバン切っていく超前のめりデッキだ。

 《貪欲な求血者》や《ボーマットの急使》で手札を捨てて、マッドネス呪文や《戦慄の放浪者》《屑鉄場のたかり屋》を捨ててこれらを唱えたり戦場に戻したりしながら《炎刃の達人》のパワーを爆発させてのワンショットを狙いたい。《街の鍵》でブロックされなくしてやりたいところだ。

 《血管の施し》《癇しゃく》とまとめて撃ち込んでライフ瞬間蒸発! 最後数点をハゾレトが自ら槍をブン投げてKO! 雑なデッキではあるが、綺麗に回ると気持ちの良いデッキであることには違いない。

 ボーマットに墓地から戻るクリーチャーに《街の鍵》にと、ただ手札を浪費するだけのデッキではなく息切れ対策となる要素もしっかりとあるため、安心して序盤に無茶するのが吉。理想は序盤に暴れてライフを十分削ってから《無許可の分解》2連発などで残り数点のライフを飛び道具で削り切るという動きだ。

Zergalicious - 「Big Red」
Magic Online Competitive Legacy Constructed League 5勝0敗 / レガシー (2017年6月19日)[MO] [ARENA]
11 《
4 《古えの墳墓
4 《裏切り者の都

-土地(19)-

4 《猿人の指導霊
4 《月の大魔術師
4 《罪を誘うもの
3 《熱烈の神ハゾレト
2 《速製職人の反逆者

-クリーチャー(17)-
4 《金属モックス
4 《血染めの月
4 《罠の橋
4 《焦熱の合流点
4 《虚空の杯
4 《反逆の先導者、チャンドラ

-呪文(24)-
3 《フェアリーの忌み者
2 《硫黄の精霊
4 《三なる宝球
3 《火山の流弾
3 《カラカス

-サイドボード(15)-

 今度はレガシーの「Big Red」!こちらも負けず劣らず腕白なデッキだ。《古えの墳墓》《裏切り者の都》の2マナ土地2種8枚+《金属モックス》《猿人の指導霊》によるマナブーストを背景に、《虚空の杯》《血染めの月》《月の大魔術師》といった対戦相手の自由な行動を奪うパーマネントや、あるいは《反逆の先導者、チャンドラ》などのゲームを決めるパワーカードを1~2ターン目に叩き付けて開幕圧殺を狙うデッキだ。

 赤単で猛スピードで手札を消費するので、トップデックしたハゾレトが走っていくのも容易というわけだ。速攻オンリーのデッキというものではなく、《罠の橋》を貼ってチャンドラや《速製職人の反逆者》で盤面をコントロールしたりライフを削ったり、《罪を誘うもの》でアドバンテージを得たりと、長期戦も戦える要素を持っている。

 その際もハゾレトはその状況で無駄なカードを槍として投げつけて対戦相手のライフを削ってくれる。頼もしいダメージ源であり、伝説とはいえ重ね引いてしまっても問題がないので3枚採用となっている。


 どちらも赤らしい、割と後のことは考えずに開幕ぶっ放す動きを持ったデッキだ。その性質上、常に安定した動きができるわけではなく、どちらかと言えば0勝5敗もあれ5勝0敗もある、そんなデッキたちだ。

 ギャンブル要素も強く、付け込まれやすくはあるのだが、「もし相手が対抗策を持っていなかったら」それすなわち勝利である、というぐらい強烈なアクションを持っている。中途半端なデッキに煮え切らない思いが芽生えたりしたら、その激情をこれらのデッキでぶちまけてみるのも良いだろう! すべては試練! 乗り越えた者は、英雄として名を残すのかもしれない。

 フィーチャーマッチで呼ばれたりしたら、絶大なインパクトを視聴者の脳裏に刻み付けることは間違いない。感情が赴くままに、無茶無茶してやれってぇ!

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