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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

岩SHOWの「デイリー・デッキ」:Death Cloud~Curse of the Veil~(モダン)

岩SHOWの「デイリー・デッキ」:Death Cloud~Curse of the Veil~(モダン)

by 岩SHOW

 グランプリに行こうと思う。神戸には、仕事などの問題で行けなかった。やっぱり皆が楽しそうなのを見ると「マジックって良いなぁ」となる。国内はいろいろあって出られないことが多いので、ここは海外グランプリに行こう。というわけで、どれとは言わないがメガトン級の某グランプリに参戦を予定している。

 モダンのデッキは何にしようか、やはり「タイタン・シフト」が分かりやすくて、大好きな《原始のタイタン》でワッショイできてベストかなぁなんて考えていたのだが......モダンが始まったころに作って遊んでいたデッキの、キチンと調整されたものがMagic Onlineのリーグ5-0リストに出てきたもんで、やや心が揺らいでいる。

 良いよなぁこのデッキ......実に良い......カッコイイし、気持ちいいし......う~んどうしよっかなぁ~と迷っても答えが出ないので、自分一人で悩む前に、皆にこのデッキを見てもらってから考えようかなと。とにかく見てもらおう、「Death Cloud」!

MagicDevil666 - 「Death Cloud」
Magic Online Competitive Modern Constructed League 5勝0敗 / モダン (2017年5月28日)[MO] [ARENA]
3 《
2 《
3 《草むした墓
4 《新緑の地下墓地
3 《吹きさらしの荒野
1 《霧深い雨林
2 《黄昏のぬかるみ
4 《樹上の村
1 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ
1 《地盤の際

-土地(24)-

2 《台所の嫌がらせ屋
1 《永遠の証人
1 《墓所のタイタン

-クリーチャー(4)-
1 《殺戮の契約
4 《楽園の拡散
3 《コジレックの審問
3 《思考囲い
4 《大渦の脈動
4 《滅び
1 《闇の誓願
1 《残忍な切断
1 《原初の命令
2 《死の雲
3 《ヴェールのリリアナ
1 《最後の望み、リリアナ
3 《野生語りのガラク
1 《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス

-呪文(32)-
4 《大爆発の魔道士
4 《墓掘りの檻
1 《大祖始の遺産
2 《集団的蛮行
2 《失われた遺産
2 《魂の裏切りの夜

-サイドボード(15)-

 「デスクラウド」と表記しなかったのにはわけがある。「Death Cloud」の方がメタルっぽい......でしょ?いや、そんなわけわからんものを見る目で見ないで。《死の雲》というカードは僕が黒の中でもトップクラスで好きなカードで、まずイラストがメタルバンドのCDのジャケっぽいというのが大きい。やっぱりカードは見た目も相当大事、自分好みのイラストのものを使いたいじゃないかと。この汚染された邪悪極まる風景に、有害物質詰め合わせみたいな見た目の雲にその周囲を飛ぶ魚みたいなやつ......最高じゃないでしょうか。気分が高まりますね。ヘドバン、しても良いですよ。

 この《死の雲》は手札とクリーチャーと土地とライフを根こそぎかっさらう。自分にも被害が及ぶが、X呪文なためうまく調節できる点がミソ。このカードが登場して以来、さまざまなプレイヤーが実に黒らしい破滅をもたらすこのソーサリーを用いたデッキを創造してきた。その中でも、ベストな組み合わせは緑との2色。《壌土からの生命》で捨てたり生け贄にした土地を拾えたり、《死の雲》で対処できないエンチャントとアーティファクトに触れたり、相性抜群の《野生語りのガラク》がいたり......何度かデッキを作って、小さな大会に出たりしたものである。そんな黒緑《死の雲》デッキの最新版がコレ。

 《楽園の拡散》によりマナブースト、これが地味ぃながらに目の付け所が素晴らしい。基本土地につければ、メインからはなかなか手出しされないマナ加速として活躍してくれる。同じ1マナだと他にマナクリーチャーしか見当たらないが、このデッキは自分から除去されて損するクリーチャーを展開したくないからね。拡散があれば、2ターン目に各種リリアナを出していきなり蓋をするなんてこともできてしまう。モダンで勝つために必要なブン回り要素ってやつだね。

 マナ加速か手札破壊を1ターン目に行いたいところ。この手札破壊では軽いカードを抜こう。軽いところを落として、序盤の展開を防ぎつつ......土地を置きながら、《死の雲》を唱える準備を進める。ここで《野生語りのガラク》が欲しい、これがあるとないとじゃ動きの強さが段違いだ。

 ガラクで土地を起こして......可能であれば《楽園の拡散》がついた土地をアンタップして、マナを生み出したら《死の雲》! ライフに問題がなければ、全力で対戦相手の盤面と手札を奪いに行こう。土地・クリーチャー・手札が尽きた状態で、《野生語りのガラク》が2ターンに1回生み出してくる3/3ビーストに対抗するのは不可能と言ってもよく。《ヴェールのリリアナ》もいれば、手札もロック状態にもっていけて、も~滅茶苦茶。そんな地獄に付き合わずに投了するプレイヤーがほとんどでしょうな。

 今回コラムを書くにあたってこのデッキを回してみたが、久しぶりに特大《死の雲》唱えて大変気持ち良かった。ただ、《闇の誓願》くらいしかサーチがなくドローもないこのデッキでは、2枚しかない《死の雲》を引けない!という場面が多かったので、何らかの引き増し手段をとるか、いっそ《死の雲》4枚体制にするか。そういった工夫をした方が勝ちやすくなるなというのが使ってみての感想。

 《死の雲》とプレインズウォーカーの相性は抜群で、荒野にプレインズウォーカーが立っている状況を作り出す、そんな理想的な盤面を作り上げようとするコンボチックな要素を持ったコントロールデッキだ。除去呪文も中途半端なものは不要と言わんばかりの《滅び》4枚!

 《現実を砕くもの》なんかが跋扈する今のモダン環境に合ったチョイスであるし、その容赦のない構築がカッコイイ。《台所の嫌がらせ屋》で場とライフをもたせつつ、《死の雲》《滅び》で戦場を更地にしていこう、嫌がらせ屋はどうなっても構わないので気にせずに巻き込んで。《突然の衰微》よりも《大渦の脈動》を優先しているのも、確実にパーマネントに「絶対に」対処したいという意志の表れだろう。この徹底っぷりが良いね。

 《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス》はガラク4枚にすると被るし、戦場に出ればなんだかんだで強いから採用、だろうか。モダンではなかなか見ないカードなので面白い。個人的にはニクシリス、リリアナ、そしてガラクと、《鎖のヴェール》に関係のある人物が1つのデッキに集結しているのが面白いなと。ヴェールの呪いによってデーモンになったニクシリス、なりつつあるガラク、そして現ヴェールの所持者にしてガラクの変異の元凶であるリリアナ......この3人が好き!という人は、このデッキをぜひ一度使って夢の共演を果たしてほしい。

 土地を薙ぎ払えるので、モダンに多い各種土地コンボ系デッキとの相性も悪く......ないかな。ブン回りが来ないことを祈る必要があるが。さあ、盤面を汚染せよ!

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