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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:掘葬の儀式(モダン)
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:掘葬の儀式(モダン)
by 岩SHOW
「死は労働をやめる理由にはならん。」
さて、何のカードのフレイバーテキストでしょう? カッカッカッカッ チーンッ
中学生の時にこのカードと出会い、そのパンチの効いたイラスト(死体を蘇らせてるヤツの見た目、どないなってんの)とフレイバーテキストが焼き付いて......ものすごく好きになった1枚。2マナと2点のライフでクリーチャーを延々回収できるという能力も、使ってみればなかなかに強力。当時はエコー持ちが数多く、特に《骨砕き》《ギトゥの投石戦士》という強力な誘発型能力を持ったものが存在したというのも大きい。これらの戦場に出た時の能力でクリーチャーを捌きながら、エコーコストは払わずに墓地に落として再利用......これが僕のアドバンテージの原点。クリーチャーをとことん使いまわす!
その後、より強い《繰り返す悪夢》とかそういうカードを手に入れ、今日に至るまでとにかくクリーチャーの達に戦場と墓地の反復横跳びをさせてきた。強いクリーチャーにはいつまでも側にいてほしい、万人共通の思いでしょう?
最近はこの手の墓地回収およびリアニメイト系のカードは、昔に比べて弱めとなっている。《末永く》が限界か。あれも《犠牲》を使っていた身としてはやや物足りないが、スタンダード環境のことを考えればしょうがないか。近年のこういったカードで、個人的に最高だと思った1枚は《掘葬の儀式》だ。
普通に唱えれば1マナ重い《ゾンビ化》、それに「フラッシュバック」の一文が添えられるだけで......化けるものよ。墓地からクリーチャーを釣り上げるという動きは、打ち消しなり墓地対策なりで一度は妨害されるもの。それは織り込み済みだといわんばかりの二段構え。しかもフラッシュバックの際のコストは4マナと安くなるというサプライズもアリ。ただ、白マナを要求する点だけが難点っちゃ難点だが......些細なこと。多色土地使えば解決よ。
さらには白マナで唱えられることをむしろ長所とし、青白のデッキが《けちな贈り物》からこれと大物2枚だけをサーチし、即座に釣り上げるなんてコンボも成立させたり。とにかく、ここ数年間でもベストに近いリアニメイト呪文だと個人的には思っている。そりゃ『モダンマスターズ 2017年版』にも収録されるよ。本日紹介するのはこの《掘葬の儀式》をアドバンテージ源とした中速デッキ。個人的には、満漢全席にさえ映る豪華絢爛なものだ!
1 《森》 1 《沼》 1 《山》 1 《平地》 1 《草むした墓》 1 《踏み鳴らされる地》 2 《寺院の庭》 2 《血の墓所》 1 《神無き祭殿》 1 《聖なる鋳造所》 2 《新緑の地下墓地》 3 《湿地の干潟》 1 《血染めのぬかるみ》 1 《森林の墓地》 1 《根縛りの岩山》 1 《陽花弁の木立ち》 1 《竜髑髏の山頂》 1 《大天使の霊堂》 -土地(23)- 4 《タルモゴイフ》 2 《サテュロスの道探し》 2 《台所の嫌がらせ屋》 2 《包囲サイ》 2 《スラーグ牙》 1 《墓所のタイタン》 1 《ワームとぐろエンジン》 1 《大修道士、エリシュ・ノーン》 -クリーチャー(15)- |
4 《信仰無き物あさり》 3 《流刑への道》 2 《思考囲い》 2 《突然の衰微》 4 《未練ある魂》 1 《滅び》 3 《堀葬の儀式》 2 《残忍な切断》 1 《最後の望み、リリアナ》 -呪文(22)- |
1 《鷺群れのシガルダ》 1 《自由なる者ルーリク・サー》 1 《大修道士、エリシュ・ノーン》 2 《集団的蛮行》 1 《古えの遺恨》 1 《ラクドスの魔除け》 2 《機を見た援軍》 1 《神々の憤怒》 1 《ジャンドの魔除け》 1 《大渦の脈動》 3 《殺戮遊戯》 -サイドボード(15)- |
青以外の4色の良いとこどりな......《掘葬の儀式》デッキってことで良いんじゃないかもう。他に形容する類のアーキタイプ名がない。強いて言うならばリアニメイトってことになるのかもしれないが、それに全力投球したコンボデッキというわけでもないのがね。モダンでは「御霊の復讐」が海外で「Instant Reanimator」と呼ばれていたりするね。
デッキの基本的な動きは一口に「BG(黒緑)系」と呼ばれるものをベースにしている。「ジャンド」や「アブザン」なんかがそれにあたり、要は手札破壊と除去で相手のやりたいことをさせず、こっちは優秀なクリーチャーで殴る類のデッキだ。最近は「死の影ジャンド」というよりスピーディーなものも仲間入りしたね。これらのデッキのように手札破壊と除去と《タルモゴイフ》で攻めるゲームプランも用意しつつ、自分のやりたいこと=墓を掘り返すことも狙っていくという、このカラーらしい貪欲な作りだ。
《信仰無き物あさり》でカードを引いて捨てる。あるいは《サテュロスの道探し》でライブラリーから墓地に落とす。こうやってマナ基盤を安定させつつ(何せ4色デッキ)、墓地を肥やすということをゲーム序盤から行っていく。
その過程で、このデッキが誇る「僕たちの好きな怪物」と《掘葬の儀式》がセットで落ちれば万々歳。4ターン目に《大修道士、エリシュ・ノーン》を釣り上げたりすれば小さなクリーチャーで頑張ろうというデッキ、例えば「親和」なんかは完封できる。「バーン」は《スラーグ牙》《ワームとぐろエンジン》でボコボコ、対処できなければ死につながる《墓所のタイタン》......これらうっとりするようなメンツを墓地に落とし、釣り上げる。とにかく、キーとなるのは4ターン目だ。ここで掘葬できているか否かは勝負の分かれ目となりそう。
ただ、これらのクリーチャーは無理に釣り上げようとしなければならないものでもない。土地を集める手段を用いて普通にマナを伸ばして戦場に叩き付けることもできる。それが《終止》なんかで除去されてしまったら掘葬の出番という訳だ。ゲームスピードに余裕がありそうなマッチアップであれば、無理せずこういう勝ち方もある。何が何でも釣らないことには始まらないリアニメイトデッキとの差はここである。ゲーム展開次第じゃ《タルモゴイフ》を掘葬し続けるということもあるだろう。気楽に使っていこう。何度も言うが、コンボリアニじゃないからね。墓地を肥やせば《未練ある魂》で戦線が一気に強くなることも。スピリット展開からのエリシュ・ノーンは実にフェイタリティ。
《墓堀りの檻》《虚空の力線》などを置かれても、まあなんとかなってしまうというのがこういったデッキの強みだ。《残忍な剥ぎ取り》《集団的蛮行》をガッツリ積んでより墓地シナジーに寄せる形も面白いが、これらの対策カードが効きやすくなってしまうのだけが難点。『アモンケット』にも墓地に関するカードが多数あるので、これらを活用してみるってのもアリだね......ゴルガリ団員として、こういうデッキを使っている人を温かいまなざしで見守りたいものである。
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