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岩SHOWの「デイリー・デッキ」

2016.12.15

岩SHOWの「デイリー・デッキ」:バーン(モダン)

by 岩SHOW

 シンプルなアグロデッキ。ライフを詰めることに極度に特化したデッキというものは、引いてきたカードをすべて対戦相手本体めがけて叩き付ける、いわゆる「脳味噌筋肉」なイメージを与えがちである。ただ、使わずにそう思っている人はぜひそういったデッキを手に取って、一度回してみてほしい。これが案外、思っていたよりも難しかったりする。

 特に「バーン」、一見火力呪文を投げつけているだけに見えるし、実際にそういうゲーム展開もあったりするんだけども......火力というものは即効性がありクリーチャー除去を受けないが、使い捨てのカードである。限られた資源を用いて、対戦相手のライフを速やかに削り切る。何も考えずにプレイすると、息切れを起こしてしまうことだろう。《稲妻》は対戦相手本体に撃ち込むべきか、それともブロッカーを除去するのに使うべきか。ライブラリーに残っているカードを引く確率を計算しながら、最適解を叩き出さねばならない。サイド後には対戦相手が露骨なサイドカードを用いてくるかもしれない。「バーン」で勝つのは、決して簡単なことではないのだ。

 今日は、先日開催されたプロツアー『霊気紛争』地域予選において、現在確認できる限りでは日本の東京大会とオーストラリアのメルボルン大会で合計3名のプレイヤーをプロツアーへと導いたバーン系のデッキを紹介しよう。日本では赤単タイプが2名抜けていたが、オーストラリアでは《野生のナカティル》を用いたタイプが勝利している。

Benjamin Kee - 「ナヤ・バーン」
プロツアー『霊気紛争』地域予選 メルボルン 権利獲得 / モダン (2016年12月4日)
2 《山》
3 《踏み鳴らされる地》
3 《聖なる鋳造所》
4 《樹木茂る山麓》
4 《乾燥台地》
2 《吹きさらしの荒野》
1 《銅線の地溝》

-土地(19)-

4 《野生のナカティル》
4 《ゴブリンの先達》
4 《僧院の速槍》
1 《渋面の溶岩使い》
4 《大歓楽の幻霊》

-クリーチャー(17)-
4 《溶岩の撃ち込み》
4 《稲妻》
1 《欠片の飛来》
4 《アタルカの命令》
4 《ボロスの魔除け》
4 《焼尽の猛火》
3 《裂け目の稲妻》

-呪文(24)-
2 《コーの火歩き》
3 《流刑への道》
2 《墓掘りの檻》
3 《破壊的な享楽》
2 《跳ね返す掌》
2 《頭蓋割り》
1 《石のような静寂》

-サイドボード(15)-
gameslaboratory.com.au より引用、一部編集による修正)

 《野生のナカティル》を1マナ3/3として運用するのは、モダンにおいてはイージー極まる。《山》であり《平地》である《聖なる鋳造所》を1枚コントロールしていればOK。この通称ギルドランドを、《樹木茂る山麓》のようなフェッチランドでライブラリーからサクッとサーチするだけで最高のダメージ源を獲得できる。先述のように使い捨てのダメージ源を主体としてデッキが構成されているバーン系デッキにとって、1マナ以下で高い打点を持ったクリーチャーというものは頼もしくってしょうがない。

 このナカティルをはじめとして、果敢持ちの《僧院の速槍》、速攻パワー2で能力も対戦相手のデッキを知る上で助けとなる《ゴブリンの先達》、墓地を活用しクリーチャーの除去や最後の一押しを務める《渋面の溶岩使い》と、良いスタッフが揃っている。少々話はそれたが、今のバーンデッキにおいてナカティルは使い得!と思ってもらって問題なし。

 もう1体、バーンを代表するクリーチャーをピックアップ。《大歓楽の幻霊》だ。

 3マナ以下の呪文を唱えたプレイヤーにペナルティとして2点ダメージを与える能力を備えた2マナ2/2、まず軽くて最低限殴りに行けるスペックを持っているのが使いやすくて素晴らしい。モダンは低マナ域のカードのみで構成されたデッキも少なくなく、これ1枚が出ることで今後すべての行動に痛みが伴うようになるデッキも多数。それはバーン自身も同じなのだが、多少ダメージを受けようがそれより早く対戦相手のライフが削り取られることになるので問題なし。

 1ターン目ナカティル、2ターン目大歓楽と動いて3ターン目以降火力を構え続けるという動きはお手軽で強力なハメ技だ。実際には、そんなに長生きして対戦相手の身体を焦がし続けるわけではない。即除去されても2点ダメージ、1回でも殴ることができれば4点。2マナカードにしちゃ上出来だ。

 モダン環境でも選りすぐりのものが揃っている火力には、1つ特徴がある。《溶岩の撃ち込み》《焼尽の猛火》《ボロスの魔除け》《アタルカの命令》......

 正解は、《呪文滑り》の能力で対象を変更されない火力である、ということ。「感染」がブームの現モダンにおいては、メインから《呪文滑り》を投入しているデッキも少なくない。これにより肝心の火力を吸い込まれてしまって思うようにライフが減らせない、ということがあったりするのだが、これらの火力はクリーチャーを対象に取るわけではないので一安心(《焼尽の猛火》はクリーチャーとプレイヤー両方を対象としている)。《アタルカの命令》に至っては《神聖の力線》で護られたプレイヤーにさえ打ち込むことができる。サイド後は特に頼もしい1枚となりそうだ。クリーチャーも強化して、一気に決着ゥゥ!

 サイドボードには《跳ね返す掌》《破壊的な享楽》《流刑への道》の姿が。この3種類は少なくとも確定サイドボードと見て良い。これらの枚数を、仮想敵の割合を予想して調整しよう。

 「感染」が多いなと思ったのであればさらに《渋面の溶岩使い》を、「親和」がわんさかいる地域なら《石のような静寂》、「ドレッジ」など墓地利用デッキが怖いなら《安らかなる眠り》《墓堀りの檻》、そして同型戦で勝ちたいなら《コーの火歩き》といった具合に、自身が参加するトーナメントのデッキ分布をしっかりと予測して準備しよう。

 個人的にはサイドボードの入れ替えが慣れないうちは難しいデッキの筆頭であると思っている。何を抜いて対策カードを入れるのか? わからないことは、バーンを使っている人に聴いたり記事を読むのがベストだ。「バーン」はキャリアが勝率を跳ね上げるデッキ、先人の知恵に学んで君も熱く勝ちまくろう!

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