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市川ユウキの「プロツアー参戦記」
市川ユウキの「プロツアー参戦記」 プロツアー『ゲートウォッチの誓い』 後編
市川ユウキの「プロツアー参戦記」 プロツアー『ゲートウォッチの誓い』 後編
前回の記事:プロツアー『ゲートウォッチの誓い』 前編
こんにちは!Team Cygames所属の市川です。
今回は、前回の続きとしてプロツアーに向けての大会レポートを綴っていこうと思います。よろしくお願いします。
0.ドラフト所感
大会レポートの前に軽くドラフトについて雑感を。
合宿
今回は私が所属するプロチーム、Team Cygamesで合宿を行うことになりました。
ただ、所属メンバーはその時点では私を含めて3人と、ドラフトするにはいかんともしがたい人数でしたので助っ人を呼ぶことに。
プロツアー『戦乱のゼンディカー』で優勝し、一躍トップシーンに躍り出たBIG MAGIC所属の瀧村和幸さんや、
マジック・プロツアー殿堂で、前回のグランプリ・北京でチームを組んだ三原槙仁さんや、
後にTeam Cygamesのチームメイトとなる日本最強プレイヤー、渡辺雄也さんなど錚々たる顔ぶれ。
Team Cygamesとしては初めての試みでしたが、場所も広く快適で、非情に有意義な合宿が行えました。
また、参加者集めやスケジューリングなど合宿を取り仕切って頂いた中村肇さん・サラさん夫妻には、これの前身となる「菊名合宿」からお世話になりっぱなしで、頭が上がりません!この場を借りてお礼を申し上げます。
このような恵まれた環境で練習するとメキメキと成長の兆しが......。
見えず、なんと総合成績5勝16敗。勝率24%という合宿始まって以来の大負け。
途中1勝11敗まで成績が落ち込んだ時には「もしかして世界で自分が一番弱いんじゃないか......」と、考えるレベルでした。
ただ、これだけ負けると負け方に関しては人一倍(どころか3倍くらい)詳しくなります。
それが唯一の収穫と言えるでしょう。
コンセプトの無いデッキは負ける
普通、ドラフトと言う視点で見ると煮ても焼いてもデッキに入らない、所謂「アンプレイアブル」なカードがマジックには存在します。
例えば《天使の慈悲》のようなライフを回復するだけのカードだったり、《火山の隆起》のような土地破壊カードだったり。
そういう、メインデッキにはまず入らない、サイドカードとしても重宝しない13~14手目のようなカードが、今回のセット『ゲートウォッチの誓い』にはほとんど存在しないのです。
特に白のカードは圧巻で、コモンにアンプレイアブルなカードがなんとゼロ枚!アンコモン含めても《イオナの祝福》のみという強キャラっぷり。
ですので、今回のドラフトはピックに失敗したとしても、従来のドラフトであれば及第点に値するカードでデッキを構成することができるので、パッと見、
『デッキとしてのまとまりは無いけれど、入っているカードはそれなりだし、まぁ1勝2敗くらいするだろう』
みたいに思うことが多いです。しかし実際は、相手がプレイしてくるカードも当然従来のドラフトであれば及第点に値するカード、もしくはそれ以上ですから、コンセプトの無い、一見それなりなデッキを組むとまず間違いなく0勝3敗してしまう、リミテッド弱者には厳しい環境だったのです。
逆に勝ちパターンを自分で経験出来なかったわけですが、ここは幸いにもドラフト合宿。
《ゴブリンの自在駆け》や《ジュワー島の報復者》などの「怒濤」呪文を《骨の鋸》でバックアップする青赤怒濤や、
《コジレックの叫び手》などの無色マナを要求するカードと無色土地をフィーチャーした、黒単タッチαの黒欠色や
安く流れてくるカード《壌土の幼生》や、卓に居なければ一周もありうる《ベイロスの虚身》などを軸にして流れてくるパワーカードを使い倒す黒緑多色など、
これらが合宿では3勝0敗/2勝1敗ラインに多く、それらのアーキタイプのピックを得意としているプレイヤーにその指針などを根掘り葉掘り聞いて合宿を終了しました。
グランプリ・名古屋2016
今回の、プロツアー『ゲートウォッチの誓い』の1週間前にグランプリ・名古屋がありました。
忙しくはなりますが、競技レベルのトーナメントがプロツアー前にあると良い練習になりますし、単純な練習量が環境初期なら一般プレイヤーより合宿分多くなるので、勝利するパーセンテージアップで言うことなし!
......と思いきや、初日のシールドは6勝3敗で何とか2日目に行けましたが、そのファーストドラフトで貫禄の0勝3敗でドロップ。
デッキは《ゴブリンの自在駆け》3枚と《武器の教練者》が2枚取れたのは良かったんですが、《骨の鋸》が1枚も取れなかったあたりを筆頭にまとまりの無い赤白に。
合宿で何を学んだのか!と自己嫌悪になりながら帰路に......。
そんな五里霧中の私ですが、帰りの新幹線で世界選手権2011チャンピオンの彌永淳也さんに『ゲートウォッチの誓い』ドラフトの考えを聞けたのが転機となりました。
彌永さんはTeam Cygames合宿にも少し参加していましたが、合宿やグランプリなどの大衆的な「ビート優勢」「白最強」という流れに懐疑的らしく、まとめると、
白は確かに強いが、その分競合するし、2マナ域を1手目に取るようなピックはしたくない。
逆に青は過小評価されていて、特にディフェンシブなカードは安い。
赤の怒濤カードと組み合わせて守るデッキが強い。
ということを、グランプリ・名古屋2016で自身がピックされたデッキを見せながら説明してもらいました。
私としては合宿から負けに負けて、勝ちたいというより負けたくない=白が強いので白をやったら大幅に負け込むことは無いだろうという視野の狭い方向に走っていました。
また、青赤と言えば《ゴブリンの自在駆け》などのアグレッシブなカードを含む怒濤ビートダウンしか引き出しがなかったため、彌永さんの意見はここまでの私の視点とは真逆に近く、まさに目から鱗でした。
早速家に帰ってからプロツアーの出発日まで、空いている時間はMagic Onlineでドラフトの練習!
彌永さんの意見も取り入れ、今回のドラフトの方針を決めました。
青赤コントロール
上記の流れを汲んだ青赤のコントロール。
《紅蓮術師の突撃》は一周が期待でき来る安いカードではあるが、3手目以降だと単純な次の巡目を考えて一周を期待せずピックする。
《古代ガニ》は《コジレックの大口》と併せて優秀なブロッカー。環境がパワー3を支援してくる環境なのでタフネス5はそうそう突破されない。一周もほぼ確実でデッキ内に2~3枚くらい欲しい。
緑多色
合宿で学んだ緑多色。
《ベイロスの虚身》、《水脈の乱動》などが3~8手目程度でピックできて、かつ《壌土の幼生》がそこまでのパックで出ていたら舵を切っても良い。
『ゲートウォッチの誓い』の《森林の地溝》などのアンコモン2色土地サイクルは9手目前後などやや早目にピックする。
当然、出た重たいレアや《ヴァラクートの発動者》などのフィニッシャー足りうるカードは即ピック。
と、2つのアーキタイプを軸にピックすることに。
環境の最強色である白をあえて避ける決め打ちを敢行することにしました。
1.プロツアー
いよいよプロツアー本戦です。
前回のプロツアーは0勝5敗ドロップと、堂々たる最低スコアをマークしてしまったので、ここで汚名返上と行きたいところ。
1日目/ドラフト
1-1《巨岩投下》、1-2《思考刈り》とまずは単純なカードパワーでピック。
すると3手目に《紅蓮術師の突撃》が!予定通り青赤コントロールに一直線!
10 《島》 6 《山》 1 《抵抗者の居住地》 -土地(17)- 2 《歪みの預言者》 3 《古代ガニ》 1 《遺跡潜り、ジョリー・エン》 1 《ヴァラクートの発動者》 2 《形状の管理人》 1 《思考刈り》 2 《コジレックの先駆者》 -クリーチャー(12)- |
2 《予期》 1 《次元の歪曲》 1 《難解な干渉》 1 《乱動の握撃》 1 《掃き飛ばし》 1 《粗暴な排除》 1 《比較分析》 1 《面晶体の記録庫》 1 《紅蓮術師の突撃》 1 《巨岩投下》 -呪文(11)- |
......と出だしは良かったもののデッキの出来栄えは中の下。
2-6で《遺跡潜り、ジョリー・エン》、3-3で《粗暴な排除》が流れて来たことを考えると青赤自体は卓に居なかったように思えるんですが、違うカラーコンビネーションで青と赤を分け合ってしまったんでしょうか。
《遺跡潜り、ジョリー・エン》、《粗暴な排除》のように強いカードはあるものの、《形状の管理人》、《難解な干渉》などの弱いカードも入っていますし、無色土地が少なく《歪みの預言者》などの無色マナを要求するカードの安定性も不足......。
これは前回プロツアーの悪夢再来か......。
と頭を抱えていましたが結果は、
- 第1回戦 緑黒タッチ青 ××
- 第2回戦 白緑 ○○
- 第3回戦 白黒 ×○○
と、望外にも2-1。
1回戦の緑黒タッチ青は私が目指そうとする緑軸の多色デッキで、除去をダメージ除去に頼っているため相手の繰り出すデカブツに手を出せず。
タッチされている《水脈の乱動》も、この遅いデッキにはとても強力でコテンパンにされてしまいました。
2回戦と3回戦はこのデッキが想定しているビートダウン。
3回戦の白黒はデッキを構成しているカードは強力でしたが、マナカーブが5マナに寄っていた関係から《難解な干渉》がゲーム2、ゲーム3と刺さっての勝利。
さすがに《難解な干渉》も機能すると、さながら《神秘の蛇》のようでしたね!
1日目/構築
次は構築ラウンドです。
初日抜けの4勝4敗はもとより、2日目に弾みを付けるためにも1勝でも多く星を稼いでおきたいところ。
デッキは前回の調整録に記してあります「エムラシュート」です。
1 《島》 1 《沼》 1 《山》 1 《湿った墓》 1 《蒸気孔》 1 《血の墓所》 4 《汚染された三角州》 4 《沸騰する小湖》 2 《血染めのぬかるみ》 2 《忍び寄るタール坑》 1 《闇滑りの岸》 1 《黒割れの崖》 -土地(20)- 4 《ヴリンの神童、ジェイス》 4 《猿人の指導霊》 4 《引き裂かれし永劫、エムラクール》 4 《グリセルブランド》 -クリーチャー(16)- |
4 《信仰無き物あさり》 4 《血清の幻視》 3 《思考囲い》 1 《稲妻》 4 《御霊の復讐》 4 《イゼットの魔除け》 4 《裂け目の突破》 -呪文(24)- |
1 《すべてを護るもの、母聖樹》 4 《汚損破》 3 《稲妻》 2 《払拭》 1 《苦い真理》 4 《神聖の力線》 -サイドボード(15)- |
- 第4回戦 Antonino De Rosa トリコキキジキ ××
- 第5回戦 アブザンカンパニー ○×○
- 第6回戦 Eric Froehlich 4色キキジキ ○○
- 第7回戦 感染 ○××
- 第8回戦 バーン ×○○
3勝2敗。ドラフトラウンドと合わせて5勝3敗で2日目へ。
4回戦のトリコキキジキ戦は、相性的には《ヴリンの神童、ジェイス》や《思考囲い》が入っている関係からこちらから仕掛けやすく、相手よりキルターンが早いので概ね有利だと考えます。
メイン戦サイド戦、どちらもやりようがあったゲーム展開で、2日間通して一番の反省点でした。
7回戦の感染はこのデッキが想定しうる最悪のマッチアップ。
相手の方がキルターンが早く、またこちらの対応が《稲妻》や《イゼットの魔除け》など巨大化系呪文に弱い不確定除去。
サイド後も対戦相手はこちらを軽いマナで妨害できる《払拭》や《大始祖の遺産》が入ってくるのでサイド後も含めて不利が付きます。
2日目は感染に当たりたくないなあ......。などとぼんやり思いながら帰路に着きました。
2日目/ドラフト
初日は5勝3敗。
トップ8を目指すには負けは許されず、とにかく一戦一戦大事に行きたいところ。
初手はこの環境トップコモンの声もある《ザダの猛士》から。
赤い攻めるデッキでも強いですが、守るデッキでももちろん強力で、《ザダの猛士》を2枚並べるだけで相手は殴れなくなりこちらだけエンドに1点、というように2マナのクリーチャーとは思えない働きをします。
1パック目は《ザダの猛士》がもう1枚取れ、1日目のドラフトでは高かった《未知の岸》も2枚。
また1周目で確認していた《燃え殻の痩せ地》が2枚帰ってきたので赤軸のコントロールデッキを目論見つつ1パック目は終了。
2パック目の1手目が英断となりました。
《ザダの猛士》と《忘却の一撃》の2択から、卓で赤いカードが安く帰ってきていることからもしかした《ザダの猛士》が帰ってくるかもしれない......と考えタッチ候補の《忘却の一撃》からピック。
そして9手目、思惑通り《ザダの猛士》が一周!
3パック目は足りていない重たいマナ域を補完するようなピックで終了。
満足の良くコントロールデッキが組めました。
5 《島》 4 《山》 1 《沼》 1 《大草原の川》 2 《燃え殻の痩せ地》 1 《鋭い突端》 2 《未知の岸》 1 《崩壊する痕跡》 1 《抵抗者の居住地》 -土地(18)- 4 《ザダの猛士》 1 《目潰しドローン》 2 《アクームの炎探し》 1 《耕作ドローン》 1 《巡礼者の目》 1 《重力に逆らうもの》 1 《コジレックの大口》 1 《カラストリアの夜警》 1 《マラキールの占い師》 1 《波翼の精霊》 -クリーチャー(14)- |
1 《掴み掛かる水流》 1 《氷の猛進》 2 《次元の歪曲》 1 《手酷い失敗》 1 《歪める嘆き》 1 《忘却の一撃》 1 《荒廃の一掴み》 -呪文(8)- |
見よ!この豪華な土地の構成を!
《鋭い突端》と《大草原の川》はただテンションが上がって入れてしまったとかそういうわけではありません。
《平地》を入れなくても《鋭い突端》《崩壊する痕跡》を除く白マナ供給源が4枚と、ロングゲームになれば《鋭い突端》を起動することは十分にゲームプランに組み込めます。
また、《氷の猛進》と《掴み掛かる水流》という覚醒呪文は《鋭い突端》と相性抜群!5/4二段攻撃となればなかなか対処に困るパーマネントとなります。
- 第9回戦 青白 ○×○
- 第10回戦 青緑 ○×○
- 第11回戦 青白 ○○
デッキもしっかり回ってくれて3勝!
11回戦の対青白では、なかなかクリーチャーを展開してこない相手に対して、全体除去を手札に抱えてるのを読んで、ずっと《歪める嘆き》を構えていたら案の定相手の《次元の激高》にクリーンヒットして勝利。
頭も冴えてきました!
2日目/構築
- 第12回戦 Pascal Maynard 親和 ○××
- 第13回戦 David Ochoa 無色エルドラージ ○○
- 第14回戦 Reid Duke ジャンド ××
- 第15回戦 親和 ×○○
- 第16回戦 Mike Sigrist 無色エルドラージ ××
このまま流れに乗って......と思ったらあれー???
2日目は構築2勝3敗、トータル10勝6敗まで失速。
2日目の構築ラウンドは強豪ラッシュ。
今回トップ8に入ったパスカル・メイナード/Pascal Maynardから始まり、デイヴィッド・オチョア/David Ochoa、リード・デューク/Reid Duke、マイク・シグリスト/Mike Sigristとプロツアーの上位卓の醍醐味を味わいました。
勝った試合負けた試合どちらもすべて接戦で、とても面白かったです!
勝てたらもちろんもっと良かった訳なんですが(笑)
2日目の上位卓は無色エルドラージ、親和、感染とエムラシュートには相性がやや悪い~悪いデッキが多く、フィールドが良くなかったですね。
これは日本チームが課題としている点だと考えていて、初日の大衆的なメタゲームには強いデッキを持ち込めるんですが、2日目に入り弱いデッキが淘汰されてきたフィールドになると食われる側に回ってしまう。
ここを乗り越えるためには更に質の高い練習が必要になって来る訳なんですが......ブツブツブツ(長くなるので割愛)
特に《虚空の杯》入りの無色エルドラージは私たちの全く想定外のデッキでした。
エルドラージと言えば黒軸で《思考囲い》や《ヴェールのリリアナ》などを入れたミッドレンジ然とした構築を仮想敵としていたので、サイドの《神聖の力戦》がスカってしまい、無色エルドラージに入れられるサイドカードが申し訳程度の《汚損波》のみといった形に。
ビジュアルとディジタル
あとこれは個人的な構築の反省なんですが、サイドボードの《汚損波》は《粉砕の嵐》と散らして投入した方が良かったです。
私は理論的にデッキを構築することで有名(自分で言う)ですが、ことデッキ構築の最終段階になると
『デッキリストビジュアル理論主義』
に走ってしまう傾向にありまして......。
え?何を言ってるかわからない?安心してください、私もイマイチ何を言ってるか良くわかっていません。
つまり、デッキの細かいゲームプランや役割によるスロットが決まったら、あとは如何にリストが「キレイ」に見えるかを重視すると言うことです。
もしかしたら私のリストがプロツアーで優勝して後世に伝わり続けるかもしれませんし、そこに「美」は欲しいわけじゃないですか???
デッキリストビジュアル理論主義の私は。デッキを組んだら写真を撮るように指でフレームを作り、そこにデッキを収めて美しいか否かで使うかを決めます。 ※実話です。
ほら?だってサイドボードがこれより、
これの方が「キレイ」じゃないですか!!(暴走)
と、悪い癖によりサイドボードが《汚損波》4枚に。
それにより第11回戦のパスカル・メイナードの親和戦で対戦相手の《電結の荒廃者》が《溶接の壺》2枚に守られて敗北。
この手札にある《汚損波》2枚のどちらかが《粉砕の嵐》だったら勝っているのに!
しかもプロツアー前日に同じデッキを使う渡辺雄也さんに
『《汚損波》の方が用途が広いのはわかるけれど、親和には《粉砕の嵐》の方が劇的だから散らした方が良いよ』
と忠告されていたのにも関わらず......、この体たらく......!!
はーい、反省しまーす。《謙虚》になりまーす。
と、言うことで皆さんも『デッキリストビジュアル理論主義』にお気を付けください。
2.今回のベストデッキ
さて、今回の私的ベストデッキの紹介です。
今回栄えあるベストデッキに選ばれたのはこちら!
2 《荒地》 4 《エルドラージの寺院》 4 《ウギンの目》 4 《ちらつき蛾の生息地》 3 《変わり谷》 4 《幽霊街》 3 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》 -土地(24)- 4 《猿人の指導霊》 4 《エルドラージのミミック》 2 《呪文滑り》 4 《作り変えるもの》 4 《難題の予見者》 4 《現実を砕くもの》 4 《果てしなきもの》 -クリーチャー(26)- |
4 《虚空の杯》 2 《漸増爆弾》 4 《四肢切断》 -呪文(10)- |
1 《呪文滑り》 3 《忘却蒔き》 4 《大祖始の遺産》 3 《はらわた撃ち》 2 《真髄の針》 1 《漸増爆弾》 1 《歪める嘆き》 -サイドボード(15)- |
そう、今回のプロツアーでトップ8に3人を送り出した、「Face-to-Face Games & ChannelFireball」謹製の無色エルドラージです。
まず、驚くべき箇所はそのマナベースでしょう。
「エルドラージデッキは《エルドラージの寺院》と《ウギンの目》を4枚ずつ投入することからマナベースが安定しない。」
という固定観念を切り崩すまさかの無色デッキ。
それにより《ちらつき蛾の生息地》や《変わり谷》などのミシュラランドや、《幽霊街》などの土地を採用でき、一気にデッキ構築に幅が出ました。
また、「エルドラージデッキは親和及び感染などのデッキと速度勝負できない」問題を、この《虚空の杯》と《猿人の指導霊》でクリアー。
これが今大会のブレイクスルーでした。筆者自身、「グリセルシュート」をテストプレイしていて《猿人の指導霊》の強さには気づいていたんですが、それを《虚空の杯》とともにエルドラージデッキに入れるという発想には行き着きませんでした。お見事。
その他《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》さえ置いてあれば《四肢切断》がライフを支払わずに打てたり、などの細かいシナジーも見逃せません。
優勝したのは青赤エルドラージでしたが、今回はモダンという荒波に対して真っ向からぶつかっていき、まさに環境の全てのデッキに勝とうという意気込みを感じさせる無色エルドラージこそ、ベストデッキだったのではないかと考えています。
3.終わりに
今回のプロツアー参戦記は以上です。
今回は10勝6敗、49位で1500ドルと6プロポイントと、それなりな結果に終わりました。
前回0勝5敗だったことを考えると大躍進だったわけですが、来期もゴールドレベル以上でプレイすることを考えると、あと1勝くらいしたかったですね。
次のプロツアーでは今回よりもより良い結果を読者にお見せできるように頑張ろうと思います!
それではまた、次の記事でお会いしましょう!
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