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高橋優太の「このフォーマットを極めろ!」

第7回:「神戸への道」エクステンデッド攻略 その2?ヴァラクート・白青

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高橋優太の「このフォーマットを極めろ!」

2011.02.25

第7回:「神戸への道」エクステンデッド攻略 その2~ヴァラクート・白青

 「神戸への道」と題してお送りしているエクステンデッド攻略、第2回です。

 3月19-20日に開催されるグランプリ・神戸の詳細については、こちらをご参照ください。

 グランプリ・神戸 開催案内

 先週に引き続き、1月に行われたグランプリ・アトランタのトップ8解説を行っていきます。「ミラディン包囲戦」導入前の最後のまとめとなります。


赤緑ヴァラクート

Ben Stark
グランプリ・アトランタ2011 準優勝[MO] [ARENA]
10 《
5 《
1 《怒り狂う山峡
4 《溶鉄の尖峰、ヴァラクート
2 《新緑の地下墓地
3 《進化する未開地
3 《広漠なる変幻地

-土地(28)-

2 《ムル・ダヤの巫女
4 《原始のタイタン

-クリーチャー(6)-
4 《稲妻
4 《不屈の自然
4 《探検
4 《カルニの心臓の探検
3 《虹色の前兆
2 《耕作
1 《砕土
4 《風景の変容

-呪文(26)-
4 《大貂皮鹿
4 《強情なベイロス
2 《自然の要求
2 《焼却
2 《火山の流弾
1 《槌のコス

-サイドボード(15)-
Christian Valenti
グランプリ・アトランタ2011 4位[MO] [ARENA]
11 《
6 《
4 《溶鉄の尖峰、ヴァラクート
3 《進化する未開地
3 《広漠なる変幻地

-土地(27)-

4 《原始のタイタン
1 《ゼンディカーの報復者

-クリーチャー(5)-
3 《稲妻
4 《不屈の自然
4 《探検
4 《カルニの心臓の探検
1 《虹色の前兆
2 《耕作
3 《砕土
2 《火山の流弾
3 《風景の変容
2 《原初の命令

-呪文(28)-
4 《強情なベイロス
2 《呪文砕きのビヒモス
4 《耳障りな反応
1 《虹色の前兆
2 《火山の流弾
1 《風景の変容
1 《原初の命令

-サイドボード(15)-

 スタンダードのTier1であり続ける、赤緑ヴァラクート。

 2つともスタンダードからの変化があまりないリストですが、違いを挙げるなら、エクステンデッドの速度に対応するために《ゼンディカーの報復者》なしで《耕作》が少なめになり、《不屈の自然》など2マナ以下のカードが多数と軽めのデッキ構築をしているところでしょうか。もともと基盤が強いデッキなので、エクステンデッドでも十分通用するデッキです。

 ヴァラクートがエクステンデッドで得た武器は《虹色の前兆》《風景の変容》の2種類。


虹色の前兆

 《》《》《》《》《》《》→《原始のタイタン》→《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》×2は赤緑ヴァラクートの一般的なプレイですが、タイタンが除去されたり《地盤の際》などで「ヴァラクート達成」に遅れが出るのはよくあります。

 そんな状況でも《虹色の前兆》が張ってあれば《》も、そして《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》自身さえも《》とカウントすることができるようになり、速やかにゲームに勝てます。《原始のタイタン》なしの場合でも《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》《虹色の前兆》と揃えれば盤面は制圧できますし、フェッチランドが2回《稲妻》として機能したりもします。

 ただ、赤緑ヴァラクートの場合は《虹色の前兆》なしでも普通に動きますし、2枚目以降が弱いこともあって4枚入るカードではないですね。


風景の変容

 《原始のタイタン》は勝つまでに少しラグがありますが、それと違い《風景の変容》はまさしく「撃ったら勝ち」のカード。土地7枚なら《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》+《》×6で18点、土地8枚なら《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》×2+《》×6で36点です。《風景の変容》があるからこそ、スタンダードではレギュラーの《ゼンディカーの報復者》が抜けているとも言えます。


カウンター耐性

 赤緑ヴァラクートはキーカードが限られているデッキ。手札破壊やカウンターは苦手な部類です。しかしスタンダードのヴァラクートが《召喚の罠》で青に耐性をつけるのと同様に、エクステンデッドのヴァラクートもある程度青耐性を持っています。

 現環境で使用率の高いカウンターは《マナ漏出》《呪文づまりのスプライト》《謎めいた命令》の3種類ですが、赤緑ヴァラクートの《風景の変容》は土地7枚以上で撃つため《マナ漏出》が効かず、《呪文づまりのスプライト》では《原始のタイタン》を消せないことも多く、実質確定カウンターと呼べるのは《謎めいた命令》だけです。

 そしてその《謎めいた命令》もサイド後は《耳障りな反応》《呪文砕きのビヒモス》《難問の鎮め屋》で対策することも可能です。

 青側から見ると、対ヴァラクートのマッチでは待っているだけではヴァラクート側が有利なので、マナが伸びる前に《ヴェンディリオン三人衆》などで攻めながらカウンターを構える展開のほうが勝ちやすいですね。


サイドボード

大貂皮鹿

 先週のジャンドでは酷評した《大貂皮鹿》ですが、赤緑ヴァラクートがサイドインする場合は良い働きをします。

 フェアリーはヴァラクートに対してマナを構えますが、構えているターンに出てくる《大貂皮鹿》はターンが無駄になると共に、対処できないクロックになります。《思考囲い》《コジレックの審問》でないと間に合わず、サイド後の《大貂皮鹿》も考えるとフェアリーの手札破壊は4~5枚欲しいところ。


余韻

 赤緑ヴァラクートの同系対決は

  1. 先手/後手
  2. マナブーストの量
  3. 風景の変容》を持っているか

 でゲームが決まりますが、うち(2)と(3)を満たせるのがこの《余韻》というカード。

 《不屈の自然》《耕作》をコピーして追いつけますし、《原初の命令》も相殺できます。相手の《風景の変容》をコピーすれば、解決するのはこちらが先なので先に勝つことができます。相手だけでなく、ヴァラクート達成後に自分の《砕土》コピーができるのもポイント。

 赤緑ヴァラクート同系は他に比べて運の要素が強いマッチですが、《余韻》があれば克服できる・・・かもしれません。


青緑ヴァラクート《虹色の前兆
Jason Ford
グランプリ・アトランタ2011 優勝[MO] [ARENA]
5 《
4 《
1 《
4 《溶鉄の尖峰、ヴァラクート
4 《溢れかえる果樹園
4 《霧深い雨林
3 《ハリマーの深み
1 《沸騰する小湖
1 《地盤の際

-土地(27)-

3 《ムル・ダヤの巫女

-クリーチャー(3)-
4 《定業
3 《思案
4 《不屈の自然
4 《探検
2 《マナ漏出
4 《虹色の前兆
1 《炎渦竜巻
4 《謎めいた命令
3 《風景の変容
1 《精神を刻む者、ジェイス

-呪文(30)-
2 《ヴェンディリオン三人衆
2 《台所の嫌がらせ屋
1 《強情なベイロス
1 《ワームとぐろエンジン
1 《払拭
1 《呪文貫き
1 《乱動への突入
1 《マナ漏出
2 《炎渦竜巻
2 《原初の命令
1 《地盤の際

-サイドボード(15)-

 グランプリ・アトランタを制したのが、この青緑のヴァラクート。見た目はコンボデッキですが実際の動きはコントロールデッキに近く、《風景の変容》よりも土地を置き続けて勝つことのほうが多いです。

 《虹色の前兆》+《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》のコンボで盤面コントロールとフィニッシャーの役割を果たし、この2つが揃えば《不屈の自然》《ムル・ダヤの巫女》、そしてフェッチランドが相手を焼きつくします。

 赤緑ヴァラクートとの違いは、


引きムラを抑えている

 赤緑ヴァラクートを使った経験がある方ならと思いますが、ドロースペルがないデッキの場合は「マナブーストばかりでタイタンを引けない」などの引きムラは起こります。この青緑バージョンは《定業》《思案》《ハリマーの深み》によりその引きムラを緩和し、ライブラリートップ操作で《ムル・ダヤの巫女》の性能を引き上げる働きもしています。


謎めいた命令》の強さ

 ビート相手には確実に1ターンを稼げて、赤緑ヴァラクートなどには確定カウンターとして使える《謎めいた命令》は今のエクステンデッドを象徴するカードであり、青マナが出るほぼすべてのデッキに4枚搭載されています。

 ヴァラクートには「相手に干渉するカードが少ない」という弱点がありましたが、青緑は《謎めいた命令》で補っています。このカードのために青を使っているといっても過言では無いでしょう。

 実際、決勝戦では相手の《原始のタイタン》を《謎めいた命令》で打ち消しながら、《虹色の前兆》+《ムル・ダヤの巫女》で勝っています。


 また土地スロットに自由が利くので同系とフェアリー用に《地盤の際》が使える、サイド後に追加のカウンターや《ヴェンディリオン三人衆》が使えるメリットもあります。


デメリット

 ただそのぶん赤緑にはないデメリットも持っています。青緑は《虹色の前兆》+《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》のコンボ以外に攻め手を持たないデッキなので《虹色の前兆》を割られることを苦手としており、《地盤の際》もきついです。
 赤緑が後半のマナブーストや土地を《稲妻》に変換できるのに対し、青緑の《不屈の自然》や土地は後半の役に立たず、《虹色の前兆》なしだと《風景の変容》が意味のないカードになってしまう欠点もあります。


白青コントロール

Jody Keith
グランプリ・アトランタ2011 3位[MO] [ARENA]
5 《平地
4 《
4 《天界の列柱
3 《氷河の城砦
2 《秘教の門
2 《湿地の干潟
2 《霧深い雨林
4 《地盤の際

-土地(26)-

3 《前兆の壁
3 《台所の嫌がらせ屋
3 《ヴェンディリオン三人衆
3 《悪斬の天使
2 《太陽のタイタン

-クリーチャー(14)-
3 《流刑への道
4 《マナ漏出
3 《忘却の輪
4 《謎めいた命令
3 《審判の日
3 《精神を刻む者、ジェイス

-呪文(20)-
3 《薄れ馬
1 《台所の嫌がらせ屋
2 《呪文貫き
1 《流刑への道
3 《ルーンの光輪
2 《否認
1 《漸増爆弾
1 《審判の日
1 《ジェイス・ベレレン

-サイドボード(15)-


 去年の記事でコントロールデッキの一例として紹介したクイッケン・トースト。

 クイッケン・トーストはタップインの多さ・初動の遅さからエクステンデッドのスピードにはついていけず、受身のカード主体なので「ブン回り」が無いのが弱点でした。

 世界選手権以降、そんなクイッケントーストに取って代わる形で現れたのが青白コントロール。《台所の嫌がらせ屋》《前兆の壁》で序盤を固めて、除去されても《太陽のタイタン》でそれらを使いまわす。《悪斬の天使》含めて、特にビートダウンに有利なデッキです。

 スタンダードでは《精神を刻む者、ジェイス》《ギデオン・ジュラ》に弱いという理由から使用率の落ちている《悪斬の天使》ですが、エクステンデッドでは違った強さを見せます。《台所の嫌がらせ屋》《ヴェンディリオン三人衆》という先に除去しなければいけない対象があり、そもそも他のデッキリストを見ればわかるとおり除去が《稲妻》《見栄え損ない》などの軽いカードに偏っているため生き残りやすい。確定除去はフェアリーの《喉首狙い》、ジャンドの《大渦の脈動》《終止》で、どちらもそんなに枚数が多いわけではありません。

 青白がクイッケントーストより優れる点は、自分から攻めていくカードがあることです。例えば対赤緑ヴァラクート戦は、上で述べたように確定カウンターは《謎めいた命令》だけなので、ゲームを長引かせて相手に準備をさせてしまうよりも、《ヴェンディリオン三人衆》《台所の嫌がらせ屋》を展開して打ち消しながら攻める「クロック・パーミッション」的なほうが勝ちやすいと自分は考えます。

 《ヴェンディリオン三人衆》《精神を刻む者、ジェイス》で対コントロール、《台所の嫌がらせ屋》《前兆の壁》で対ビートダウンと、「すべてに均等に戦える」構築は青白の長所ですが、それはつまり相手にかみ合わない引きをすると負けるという短所でもあります。ビートダウン相手に《マナ漏出》《精神を刻む者、ジェイス》だったり、赤緑ヴァラクート相手に《前兆の壁》や《審判の日》ばかりだったりもありえることですからね。

 Jody Keithのデッキリストで3枚のカードが多いのも、そういった引きムラを抑えるためでしょう。除去やカウンターの枚数は個人の感覚によると思うので、自分の納得できる枚数を探してみてください。


マナ漏出》は本当に4枚必要か。

 納得できる枚数、ここでは《マナ漏出》について考えてみます。

 《マナ漏出》は軽いカードに対して弱く、《謎めいた命令》《原始のタイタン》などの4マナ以上のカードに強い特徴があります。スタンダードで《マナ漏出》が強いのはその「4マナ以上のカード」が多く使われているからです。

 では今のエクステンデッドの場合はどうか。環境は早く、お互いのデッキが序盤から脅威を展開しあうゲームが多いです。これまで紹介したデッキでも《苦花》《獣相のシャーマン》《虹色の前兆》と、ゲームの焦点となるカードは2マナ。

 特に後手のときだと《マナ漏出》はそれらを打ち消せず弱く感じるので、相手のカードにリアクションするカードよりも、自分から攻めるアクションカードのほうが強い環境だと自分は考えています。だからこそ自分の組むフェアリーは1マナ手札破壊5枚、《マナ漏出》2枚というバランスです。

 《稲妻》や《マナ漏出》のように軽くて便利なカードは枚数に疑問を持ちにくいスロットですが、デッキ構築をするときはそのカードが環境に合っているのか考えて、枚数を選択してみてください。


サイドボード

ルーンの光輪

 主な用途は《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》指定で、《神聖の力線》と違って初手に無くても後出しのコストが軽いのがメリット。

 受けの広いサイドカードであり、特にジャンド相手は《荒廃稲妻》《呪詛術士》を防ぐだけでなく、《獣相のシャーマン》からの《復讐の亜神》複数体にも対処できます。

薄れ馬

 《薄れ馬》は《苦花》《虹色の前兆》対策で、Jody Keithは《テューンの戦僧》よりも軽さを重視したのでしょう。

 ちなみに先週、フェアリーの紹介で《ウーナの末裔》が青白に強いと述べましたが、それはエンチャント破壊から《苦花》を守る働きもするからです。フェアリー対青白はサイド後《誘惑蒔き》をめぐる攻防もあるので、《流刑への道》は4枚目をサイドインしますね。



 世界選手権~ミラディン包囲戦前夜までの分析はここまで。

 来週はミラディン包囲戦導入以降のメタゲーム分析をしていきます。

 《暴走の先導》《饗宴と飢餓の剣》などがエクステンデッドにどう影響していくのか、各地の大会結果を見ていきます。

 では、また来週。

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