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EVENT COVERAGE
プロツアー『ゲートウォッチの誓い』
第16回戦:Frank Lepore(アメリカ) vs. Bart Lewandowski(ポーランド)
Jacob Van Lunen / Tr. Keiichi Kawazoe
2016年2月5日
フランク・ルポール/Frank Lepore(エルドラージ昇華者) vs. バート・レヴァンドフスキ/Bart Lewandowski(アブザン・カンパニー)
バート・レヴァンドフスキは、まだまだプロツアーにおいては新顔である。この若いポーランドのプレイヤーは、彼にとって初めての晴れ舞台となるプロツアー『マジック・オリジン』で11勝4敗1分という恐るべき成績を残したばかりであった。レヴァンドフスキはグランプリ・クラクフ2015でトップ4に残ったことによりシルバー・レベル・プロに到達し、今プロツアーへの参加権利を手にした。このラウンドに勝利すれば、彼の若いキャリアにプロツアートップ16という素晴らしい実績を加えることになるだろう。
彼の対戦相手、新顔のフランク・ルポールについては語るべきことが多い。ルポールは多くの視聴者を集めるマジックのオンライン放送において、パーソナリティとして知られている。今回が彼にとって初めてのプロツアーかもしれないが、しかしながら既に彼は実績を残しており、さらにこのラウンドでも勝利すれば初の大舞台でトップ8という見せ場にさえ道を繋げるだろう。
2人は引き分けを選択してトップ16を確定させるという選択肢について話し合ったが、その会話は長く続かなかった。ルポールは大きく息をつくと握手をし、「ここまで来たらやるだけだろう」と言った。「最後の1ラウンドを、ね?」
ゲーム展開
レヴァンドフスキは初手の7枚をキープする一方、ルポールはより良い手を探し、6枚でキープした。
レヴァンドフスキは《極楽鳥》で加速的なスタートを切る一方、ルポールは《ひっかき爪》で引っ掻き回す。レヴァンドフスキはカードを一瞥したあと、「何をするカードなんだ? 読んでもいい?」とたずねた。
ルポールは笑って「もちろん!」と答えた。
「ふむ......つまりガラクタかな」
「失礼だなぁ」
「失礼じゃないさ、本当のことだろう」
《復活の声》と《呪文滑り》がレヴァンドフスキの手元に現れた。ルポールは《不毛の地の絞殺者》で《極楽鳥》を処理しようとするが、その誘発型能力は《呪文滑り》へと向かい、盤面の伸びは止まらない。
ルポールが未だ《不毛の地の絞殺者》と《ひっかき爪》のみに終始している一方で、《台所の嫌がらせ屋》がレヴァンドフスキの軍勢に加わる。
さらに《シルヴォクののけ者、メリーラ》が現れ、レヴァンドフスキがコンボを完成させようとしていることが明らかになる。レヴァンドフスキは《不毛の地の絞殺者》を《台所の嫌がらせ屋》でブロックして戦場に戻そうとするが、その「頑強」能力に対応してルポールが《ひっかき爪》で追放する。
「おっと!」レヴァンドフスキが怯む。
追加された《台所の嫌がらせ屋》はルポールがまだ圧力に晒されていることを意味しており、彼は潮の変わり目を欲していた。彼は《ウギンの目》《エルドラージの寺院》なしでデッキを回すことを強いられており、意図した通りのスピーディなゲーム展開をできないままでいた。さらに悪いことに、レヴァンドフスキが《召喚の調べ》で生け贄に捧げる手段を探してコンボを完成させようとしたときのために、《ひっかき爪》を起動するためのマナを残さなければならなかった。
レヴァンドフスキは《召喚の調べ》を持っており、ルポールの《不毛の地の絞殺者》を《復活の声》でブロックしたあとX=2で唱えた。
このときルポールは《荒廃を招くもの》のためにタップアウトしており、レヴァンドフスキはコンボを決めるべく動いた。ルポールは《台所の嫌がらせ屋》の頑強能力に対応して《ひっかき爪》を起動する。しかし、レヴァンドフスキは2枚目の《召喚の調べ》を持っており、《残忍なレッドキャップ》を探してきて《臓物の予見者》と《シルヴォクののけ者、メリーラ》で使い回し、致死量のダメージを与えたのだった。
「《台所の嫌がらせ屋》を犬死にさせてしまったよ」とレヴァンドフスキは残念がった。「《ひっかき爪》を生け贄に捧げる必要があると思ったんだけど」
ルポールはゆっくりと頷いた。
第2ゲーム、ルポールはまず《大祖始の遺産》を置いた。
レヴァンドフスキは《根の壁》で加速し、《鷺群れのシガルダ》を4ターン目に呼び出した。
ルポールは《作り変えるもの》と《現実を砕くもの》をコントロールしており、ダメージレースが展開された。その2体は地上で足を止められていたが、ルポールは《希望を溺れさせるもの》で均衡を破り勝利を確かなものにした。レヴァンドフスキのブロッカーを全てタップさせ、十分なダメージを叩き込んだのだ。
第3ゲーム、両者は初手をキープし、レヴァンドフスキは《極楽鳥》で加速した。さらに次のターンには《復活の声》と《貴族の教主》を追加した。彼は3ターン目にして5マナを用意したのだ。
ルポールが《エルドラージのミミック》を出した一方、レヴァンドフスキは――このカードを前提としたアブザンデッキとしては極めて稀なことに――《集合した中隊》を空振った。ルポールは《外科的摘出》を《集合した中隊》に対して使い、レヴァンドフスキはさらにもう1枚を手札に抱えていたことを見せた。今や、ルポールの勝利への道を塞ぐのは、ライブラリーのトップから現れた2体の《復活の声》だけだった。
《不毛の地の絞殺者》は次のターンに《極楽鳥》を始末し、さらに《エルドラージのミミック》のサイズを上げて《復活の声》と相打ちをとった。ルポールは《難題の予見者》を唱え、2ターン目に唱えていた《エルドラージのミミック》で攻撃を加える。さらに《作り変えるもの》が加えられたが、レヴァンドフスキは《大爆発の魔道士》を呼び出すのが精一杯だった。
レヴァンドフスキの《復活の声》トークンは5/5になっているおり、そのうちの1体でアタックしたが、これをルポールは《難題の予見者》と《作り変えるもの》でダブルブロックする。
《不毛の地の絞殺者》は《貴族の教主》を除去し、ルポールがさらにレヴァンドフスキのライフにプレッシャーをかける。すでに次のターンには致命的なだけのクロックが展開されており、レヴァンドフスキが生き延びるためにはチャンプブロックをするしかなかった。
《大爆発の魔道士》は《不毛の地の絞殺者》と相打ちを取れたが、彼はライフ残り3という風前の灯の状態でターンを返さざるを得なかった。
そして再び、《希望を溺れさせるもの》が登場する。ブロッカーをタップさせ、最後の3点を削るには十分だった。
ルポール 2-1 レヴァンドフスキ
4 《魂の洞窟》 4 《廃集落》 4 《エルドラージの寺院》 4 《ウギンの目》 4 《幽霊街》 3 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》 1 《島》 1 《沼》 -土地(25)- 4 《エルドラージのミミック》 4 《作り変えるもの》 4 《不毛の地の絞殺者》 4 《難題の予見者》 4 《荒廃を招くもの》 4 《現実を砕くもの》 4 《希望を溺れさせるもの》 1 《世界を壊すもの》 -クリーチャー(29)- |
4 《大祖始の遺産》 2 《ひっかき爪》 -呪文(6)- |
2 《外科的摘出》 4 《次元の歪曲》 3 《太陽のしずく》 2 《漸増爆弾》 2 《呪文滑り》 2 《歪める嘆き》 -サイドボード(15)- |
4 《新緑の地下墓地》 4 《吹きさらしの荒野》 3 《剃刀境の茂み》 2 《森》 1 《ガヴォニーの居住区》 1 《幽霊街》 1 《神無き祭殿》 1 《地平線の梢》 1 《孤立した礼拝堂》 1 《草むした墓》 1 《平地》 1 《踏み鳴らされる地》 1 《沼》 1 《寺院の庭》 -土地(23)- 4 《極楽鳥》 2 《臓物の予見者》 1 《貴族の教主》 3 《復活の声》 2 《族樹の精霊、アナフェンザ》 2 《根の壁》 1 《シルヴォクののけ者、メリーラ》 1 《クァーサルの群れ魔道士》 1 《漁る軟泥》 1 《呪文滑り》 4 《台所の嫌がらせ屋》 2 《永遠の証人》 1 《エイヴンの思考検閲者》 1 《悪鬼の狩人》 1 《異端の癒し手、リリアナ》 1 《オルゾフの司教》 1 《残忍なレッドキャップ》 -クリーチャー(29)- |
2 《流刑への道》 4 《集合した中隊》 3 《召喚の調べ》 -呪文(9)- |
1 《殺戮の契約》 2 《流刑への道》 1 《ブレンタンの炉の世話人》 2 《石のような静寂》 1 《戦争の報い、禍汰奇》 4 《大爆発の魔道士》 1 《弁論の幻霊》 1 《罪の収集者》 1 《塵への崩壊》 1 《鷺群れのシガルダ》 -サイドボード(15)- |
RESULTS 本大会の対戦結果・順位
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