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スタンダード・ネクステージ ~サイドボードでガラッと変化!?ボロス・ハツカネズミ~
スタンダード・ネクステージへようこそ!本稿では先週末に開催された「ジャパンスタンダードカップ:『霊気走破』 Supported by 楽天ブックス」(以下、ジャパンスタンダードカップ)から、最新セット『霊気走破』のカードを採用したスタンダードデッキを紹介していきます。
2月14日に公式発売日を控えた『霊気走破』、その活躍を一足先にみていこうではありませんか。
さあ、次のスタンダード環境へ向けて徐々に速度を上げていきましょう!
ギアを1速から2速へと入れ替えて、速度は上昇。スタンダード・ネクステージスタートです!
今回はジャパンスタンダードカップでトップ8入賞を果たしたボロス・ハツカネズミをご紹介します。
スタンダード・ネクステージ:ボロス・ハツカネズミ
4 《平地》 5 《山》 4 《感動的な眺望所》 4 《戦場の鍛冶場》 1 《魂の洞窟》 4 《サンビロウの境界》 -土地(22)- 4 《花足の剣豪》 4 《小癪な家ネズミ》 4 《心火の英雄》 4 《熾火心の挑戦者》 4 《多様な鼠》 3 《岩山炎の後継者、メイブル》 -クリーチャー(23)- |
2 《ボロスの魔除け》 4 《噴出の稲妻》 4 《巨怪の怒り》 4 《幽霊による庇護》 1 《凶獣化》 -呪文(15)- |
2 《ボロスの魔除け》 3 《邪悪を打ち砕く》 1 《安らかなる眠り》 3 《灯を追う者、チャンドラ》 4 《ガスタルの激ヤバ車》 2 《稲妻のらせん》 -サイドボード(15)- |
ボロス・ハツカネズミは最序盤から小型のクリーチャーを並べてライフを攻めていくアグロデッキの一種です。クリーチャーを展開しつつ、邪魔なブロッカーは《噴出の稲妻》や《幽霊による庇護》で対処し、ビートダウン完遂を目指します。ほかの赤いデッキと同じくスピードと手数の多さに特化しているため中長期戦は苦手の様にみえますが、出来事や新生など1枚で複数枚分の役割を果たすカードを採用することで、戦える仕様となっています。
クリーチャーの中でも特に強力なのが《心火の英雄》と《熾火心の挑戦者》の2種類です。どちらのクリーチャーも自分のカードや能力で対象となるたび、雄姿によりボーナス効果を誘発します。前者はサイズ面で、後者はカードアドバンテージをもたらします。《多様な鼠》は継続的に、《幽霊による庇護》は相手のパーマネントを対処する、いずれもビートダウンをサポートしつつ雄姿を誘発させてくれる優れたカードたちです。
デッキ内のクリーチャーは統一されているため、ハツカネズミを強化するカードとの相性は良好です。《岩山炎の後継者、メイブル》は戦場のハツカネズミ全体に+1/+1の修正を与えてくれますし、《花足の剣豪》は雄姿によりパワーのみですが+1の修正を与えてくれます。攻撃力を上昇させるバフ効果はライフを攻めるのみならず、クリーチャー同士の接触戦闘も有利にすすめてくれます。クリーチャーの頭数を揃えて、全体強化を狙いましょう。
さて、ここまで以前のボロス・ハツカネズミと同様の、言わばデッキの根幹について解説してきました。ここからはボロス・ハツカネズミのネクステージ、『霊気走破』により得た新カードについてみていきましょう!
待望のアンタップ状態で戦場へ出る多色土地の加入。《サンビロウの境界》こそ、全国のボロスファンが待ち望んでいたカードにほかなりません。条件付きとはいえ2色の色マナを供給しつつ、マナカーブに沿った展開をサポートしてくれます。
『霊気走破』加入以前のスタンダードにもボロス・ハツカネズミは存在していましたが、赤単アグロやグルールアグロと比較して少数でした。その原因こそ、マナベースの弱さだったのです。グルールに《ソーンスパイアの境界》があったのに対し、ボロスは《騒々しい移動遊園地》や《眠らずの露営》といったタップ状態で戦場に出る土地を採用せざるを得ませんでした。最序盤からクリーチャーを展開していくボロス・ハツカネズミにとって、このテンポロスは時として致命的な遅れとなってしまっていたのです。
しかし、《サンビロウの境界》を手に入れたことで、ボロス・ハツカネズミは序盤の出遅れとは無縁となります。《サンビロウの境界》単体では白マナしか供給できませんが、1マナ域には《小癪な家ネズミ》と《花足の剣豪》という2種類の白いクリーチャーを採用しているため問題ありません。
このデッキの最大の特徴はサイドボードにあります。メインプランは小型のクリーチャーによるビートダウンですが、サイドボード後はガラッと姿を変えます。サイドボードから《ガスタルの激ヤバ車》と《灯を追う者、チャンドラ》という2種類の脅威を追加してきます。
《ガスタルの激ヤバ車》は戦場に出たターンのみ自動でクリーチャー化し、速攻によるヒットアンドアウェイを狙ってきます。黒の定番カードである《切り崩し》と《喉首狙い》で対処されず、機体であるため《ギックスの命令》や《太陽降下》などのソーサリータイミングの全体除去に引っかかることもありません。仮にクリーチャーと相打つなどしても心配ご無用。手札1枚と交換することで、再度戦場へ舞い戻ります。最終カウンターこそ置かれてしまいますが、黒いデッキにとっては対処困難なカードに違いありません。
《灯を追う者、チャンドラ》はプレインズウォーカーであるため、戦場にいるターンが長ければ長いほどアドバンテージを稼いでくれます。相手が除去を構えて守勢へ回っている場面でもっともプレイしたいカードです。[0]の忠誠度能力を起動することで毎ターン機体・トークンを生成し、戦線を横へ横へと広げてくれます。ハツカネズミたちはパイロットとしてうってつけであり、《灯を追う者、チャンドラ》自体を対処しない限りこの攻勢はが止まりません。
仮にクリーチャーがいない場合もご安心を、[+2]の忠誠度能力を起動して不要なカードを入れかえることができます。仮にそれでクリーチャーが引けなくとも、戦闘開始時の誘発型能力により機体最大1体をクリーチャー化してくれます。自己完結したデザインとなっています。《灯を追う者、チャンドラ》は単体で自己完結したデザインとなっているのです。
特に効果的なのは黒+αのミッドレンジデッキに対してです。最序盤から《切り崩し》や《喉首狙い》といたちごっこをしている間に相手は反撃の準備を整え、《ギックスの命令》などで戦況をひっくり返してきます。そんなクリーチャー除去過多のデッキに対して別の攻撃手段を用意する、いわゆる軸をずらした脅威の採用は理にかなっています。
安定性と新たな脅威を手に入れたボロス・ハツカネズミ、ぜひお試しあれ。
おわりに
今回は《サンビロウの境界》により安定したマナベースと、《ガスタルの激ヤバ車》《灯を追う者、チャンドラ》という軸をずらした脅威を獲得したボロス・ハツカネズミをご紹介しました。機体とプレインズウォーカーの投入によりサイドボード後はゲーム展開が変化するため、対戦相手に対処を迫り続けることが可能です。これによりアグロデッキにもかかわらず、序盤から終盤まで粘り強く戦える構築となっています。これらのカードはジャパンスタンダードカップでも大活躍だったのではないでしょうか。
次回のスタンダード・ネクステージでも最新のスタンダード情報をお届けしたいと思います。それでは!