EVENT COVERAGE

マジックフェスト・名古屋2020#1

インタビュー

青赤にこだわり、感謝し続けた王者 石附 拓也

Yuichi Horikawa
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 1673名。

 このグランプリ・名古屋2020#1に参加したプレイヤーの総数だ。

 1673のデッキ、それぞれの想いを胸に、全てのプレイヤーがたった1人しか至れない頂点へと挑戦した。

 新設されたこのフォーマットはまだまだ未知の部分も多く、プレイヤーたちは、まさにマジックの開拓者(パイオニア)だ。

 そして、自らのこだわりを貫き通し、頑なに青赤のデッキを使い続けた男、石附 拓也が頂点に君臨した。

 石附は、マジックフェスト・横浜2019でも以下の記事で登場している。

デッキテク:石附 拓也の「青赤ウィザード」〜デルバーとともに歩んだ6年間の集大成〜

3日間のミシックチャンピオンシップ予選、優勝者インタビュー

 そして今回も、デッキテクの記事で彼は取り挙げられている。

デッキテク:石附 拓也の「青赤ウィザード」 〜同窓会に呼ばれない奴〜

 驚くべきことに、彼はどの大会においても青赤のデッキを使用していた。

 青赤にこだわり続け、ついに優勝の栄冠を手にしたのだ。

 そんな優勝直後の彼にお話をうかがった。

マジックとの出会い

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――優勝おめでとうございます!

石附「ありがとうございます」

――今回のグランプリ参加者全ての頂点に立たれましたが、マジックを始められたのはいつ頃だったんでしょうか?

石附「マジックをはじめたのは、小学校5年生のときですね。家電量販店に『メルカディアン・マスクス』を買いに行ったのを今でも覚えてます」

――きっかけは、何だったんでしょうか?

石附「当時コロコロコミックで漫画をやっていて、完全にそれの影響ですね」

――そのときは、カジュアルに楽しむ感じだったんでしょうか?

石附「そうですね。友だちと遊ぶ感じでした。そこから高校2年生までマジックをやっていたんですが、みんな受験でカードショップにも友だちが来なくなったので、おれも受験勉強するかって感じで、一旦辞めてしまいましたね」

――その後はどういうきっかけで、マジックに復帰したんでしょうか?

石附「大学院生のときに大学のマジックのサークルがあって、そこに所属するようになって復帰しましたね。それから、競技マジックも少しやるようになりました」

競技マジックへの道

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――はじめて出場したグランプリはいつだったんでしょうか?

石附「神戸のモダンのグランプリでしたね」

――神戸のモダンと言うと、

グランプリ・神戸2014ですかね? 覚前(輝也)さんが勝った?

石附「そうです、そうです。『ハサミタルモ親和バーン』がいたときですね(使用者は準優勝の後藤 祐征)」

――そのときもデッキは……?

石附「もちろん、『青赤デルバー』でしたね。めっちゃ弱くてぜんぜん勝てませんでしたけどね……。ヤンパイなんか入れてる場合じゃなかったですね」

通称ヤンパイ

競技マジックへの道

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――パイオニアでは、ヤンパイはダメでしたか?

石附「ダメでしたね。やっぱり、タフネス1がどうしてもすぐやられてしまうんですよ。《ゴブリンの鎖回し》とかね」

――かなり、青赤のデッキを調整されてきたんですね。最初から、この『青赤ウィザード』デッキだったんですか?

石附「いえ、違います。もともと青赤のデッキ以外は使うつもりなかったんですが、『イゼットフラッシュ』のデッキを使ってました。《厚かましい借り手》とか入ってるタイプのデッキですね」

――結果はどうだったんでしょうか?

石附「ぜんぜんダメでしたね。それで、MO(Magic Online)で勝ってるリストがあって、そのデッキがウィザードに寄ってたんですよ。それで、それを調整していまに至る形ですね」

イゼットカラーへのこだわりについて

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――石附さんというと、《秘密を掘り下げる者》(通称デルバー)。そして、青赤への強いこだわりのイメージがありますが、なぜ青赤にこだわるのでしょうか?

石附「(パイオニアに)デルバーが居ればよかったんですけどねぇ。青赤のデッキは自分のプレイングに合っていて、成長のスピードが自分でも早いと感じるんです。それで、練習時間のあまりとれない自分には、色を絞って徹底的に練習する方が効率的だと思って、このカラーにこだわってますね」

――ちなみに、今回のデッキへの思い入れはありますか。

石附「このデッキに入っているカードは、どれも1度は使ったことあるカードばかりなんですよ。スタンダードで《熱烈の神ハゾレト》も使ってましたし。昔に感謝できるデッキだなぁと思ってます」

マジックへの感謝と恩返し

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――感謝ですか?

石附「僕はマジックにほんとうに感謝してるんです。去年、子どもが産まれて、競技マジックから身を引くつもりだったんです。ですけど、勤めていた会社が倒産してしまって、それで途方にくれていたのですが、ミシックチャンピオンシップへの参加権利があったので、時間もあるしせっかくだからと行ったところ、そこでの出会いがきっかけで今新しい仕事に就くことができました」

――それはいい話ですね。そこで出会った方に仕事を紹介してもらったのですか?

石附「そうですね。ほんとうにありがたいです。それで、去年の12月31日に1年を振り返ってみて、いろいろあったけど、今年よかったなって思えたんです。それはマジックをやっていたからで、『マジックやっててよかったな』って思ったんです。マジックを通じて多くの友人もできました。だから、マジックに恩返ししたいなって思うようになったんですよね」

――恩返しですか?

石附「そうです。それで、自分になにができるんだろう?って考えたときに、マジックをプレイすることが、マジックへの一番の恩返しになるって思ったんですよね。だから今回のグランプリも出ようと思ったんです」

――プレイすることが、恩返し。確かにそうですね! では、このイベントに向けてかなり練習はしてきたんでしょうか?

石附「いや、それほど練習はできてないですね。子どもが小さいのもあって、毎日18時から1時間だけ欠かさずやってました」

――なんとか時間を作って、マジックへの恩返しをしていたのですね。素晴らしいことです。

石附「でも、このデッキには長い間使っていたカードがたくさんあって、そのカードたちのおかげで勝てたんだなって思ってます。ずっと使ってきたカードたちにも『感謝』ですね」

――感謝の心、素晴らしいと思います。では、最後に、優勝した感想をもう一度お願いします。

石附「なんだろうな、これ……『マジックありがとう! これのおかげで今の人生があります!』かな?」

――ありがとうございます。素晴らしいと思います!


 優勝の嬉しさよりも、感謝の気持ちを強く語ってくれた石附。

 子どもが生まれ、これからというときに職を失った不安は計り知れないものだっただろう。

 それをマジックが、マジックからの繋がりが変えてくれたと語る石附からは、ほんとうに強いマジックへの感謝の念が感じとれた。

 彼が感謝し、恩返しをした分、カードたちは彼の気持ちに応え、このグランプリの頂上へ彼を連れていったのだと感じた。

 ただ、その陰には、彼のたゆまぬ努力と、日々の分析があったからに他ならない。

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 今、彼の周りには多くの友人たちが居る。そして、マジックがある。

 彼は、これからもマジックへ恩返しを続けていくだろう、その先に、もっと大きな舞台の頂上に立つ彼の姿が、私には容易に想像できた。

 最後にもう一度、この言葉を贈ろう!

 優勝おめでとう!グランプリ・名古屋2020の覇者、石附 拓也選手!

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RESULTS

対戦結果 順位
15 15
14 14
13 13
12 12
11 11
10 10
9 9
8 8
7 7
6 6
5 5
4 4
3 3
2 2
1 1

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