EVENT COVERAGE

マジックフェスト・横浜2019

インタビュー

3日間のミシックチャンピオンシップ予選、優勝者インタビュー

Yuichi Horikawa
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 ミシックチャンピオンシップ予選(以下MCQと省略)は、以前のプロツアー予選に代わるイベント、ミシックチャンピオンシップへの参加権利をかけた競技レベルの大会です。

 マジックフェストになる以前は、ほぼ日曜日だけ開催されていたプロツアー予選ですが、それに代わるMCQは3回の開催と、単純にチャンスが3倍になりました。

 また、今回のMCQはモダンで開催され、グランプリ本戦と同フォーマットだったため、たくさんの参加者がありました。

 それぞれの曜日の参加者は以下の通りです。

  • 金曜日 317名
  • 土曜日 122名(ただし、今回は決勝ラウンドのみ日曜日開催)
  • 日曜日 400名

 土曜日がかなり少ないのですが、これはグランプリ本戦との兼ね合いや、まだ、土曜日にMCQが開催されていることが知れ渡っていないためだろうと、会場では言われていました。要するに、土曜日はねらい目ってことですね。

 ちなみに、このMCQを抜けられるのは各イベントの優勝者1名のみ。

 ラウンド数は、参加者に応じて変化しますが、スイスラウンド(勝つと3ポイント、引き分けで1ポイントのマッチ・ポイントを競い合うトーナメント)5~6回戦でトップ8のプレイヤーを確定します。

 例えば、日曜日の400名の参加であれば、例え最終マッチまで全勝していたとしても、最後のラウンドでID(合意の上の引き分け)することはできず、全勝して、やっとトップ8に残ることができます。

 
日曜日のスイスラウンド終了時のトップ8プレイヤー

 その後トップ8によるシングルエリミネーション(勝ち抜きトーナメント)を行い、優勝者を選出します。

 ということは、日曜日であれば、スイス6回戦、決勝の3回戦すべてのマッチを取ったプレイヤーのみが優勝できるのです。

 この狭き門を潜り抜け、見事MCQの優勝者に輝いたプレイヤーたちにインタビューをおこないましたので、開催日順に紹介していきましょう。

金曜日の優勝者:石附 拓也

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お住まい:東京

年齢:31歳

マジック歴:小学校5年生~高校2年生まで、その後2012年から現在まで。

よく行くお店:あずまや、東京MTG

――優勝おめでとうございます。さっそくですが、今回使用したデッキについてお聞かせください。

石附「今回は『青赤ウィザード』デッキを使用しました。このデッキは《秘密を掘り下げる者》が好きで使っているデッキですね」

――確かに、《秘密を掘り下げる者》はレガシーを筆頭に活躍しているカードですが、モダンではあまり勝てるイメージがなかったんですが、どうやって勝てるデッキに仕上げたんでしょうか?

石附「そうですね、このカードはずっと使い続けてるんですがまだまだ知らないことの多いカードで、もっとこのカードのことが知りたいって思うんですよね。それで、モダンでは、勝てるイメージから探すことからスタートしましたね。モダンのデッキだとスペル(インスタントとソーサリー)が少なくて、《秘密を掘り下げる者》がひっくり返ることは少ないです。1点のクロックが重要でそれを積み重ねて勝つって感じですね。もちろん、裏返ってくれよっとイラっとするときもあるんですけどね(笑)でも、思い入れのあるカードですね」

――なるほど、フォーマットによって役割が異なるカードなんですね、奥が深い。もともと、ミシックチャンピオンシップや以前のプロツアーを目指してマジックはプレイされていたのですか?

石附「いえいえ。プロツアー予備予選には出てたんですが、それも友人が出てるから出たって感じですね。今回のMCQも友人が出るから、出よっかな?ぐらいの感じで出ましたね。そしたら、勝っちゃったって感じでびっくりしています。グランプリ本戦も、もちろん出てるんですが二日目に行くのが目標ってレベルだったので……」

――いやいや、実力のなせる業ですよ。ちなみに、今回のグランプリ本戦に向けて何か特別な練習などはしましたか?

石附「今回初めてデータを取りましたね。今まで何となく調整したのですが、今回はMagic Onlineでどのデッキに勝ててどのデッキに負けるのか? そういったものを数字に落とし込んでこのデッキの調整を行いました。サイドボードについても、真剣に考えたのは今回がはじめてだったんじゃないですかね?」

 
スマホに入れた精巧なデータ

――かなり精巧なデータと、すごい数の対戦数に驚きました。最後にミシックチャンピオンシップへの意気込みをお願いします。

石附「実はこれに勝てると思っていなくて意気込みって言えるものが無い状態なんですよ。さっき言った通り、グランプリ本戦2日目が目標だったので、まさか勝てるとはって感じなんで、今はまだ何も考えてないですね。でも、《秘密を掘り下げる者》のデッキでも、ここまでできるんだぞって証明できたのは良かったかなって思っていますね」

 そう語ってくれた石附さん、自分の好きなカードを使ったデッキで大きな大会で勝つことは、すべてのマジックプレイヤーの1つの夢だと思います、それを体現した彼のこれからの活躍にも期待ですね。

 彼のデッキテクについては、こちらをご覧ください。

土曜日の優勝者:ファン・ユンミン/Huang, Yung-Ming

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お住まい:台湾

年齢:37歳

マジック歴:20年ぐらい

――優勝おめでとうございます。今回は「黒緑ジャンク」のデッキを使われていましたが、なぜこのデッキだったのでしょうか?

 
決勝戦の様子

ファン「ありがとうございます。このデッキは強いカードと好きなカードが多くてこのデッキにしましたね」

 
ジャンクのメインパーツたち

――確かに、カードパワーの高いものが多いデッキですね。今回のイベントに向けて、何か調節はしましたか?

ファン「《暗殺者の戦利品》を4枚入れたこと。あと、《廃墟の地》を4枚入れましたね。トロンがとても多いと思っていたので、それに合わせた調整ですね」

――このイベントの中でもトロンには多くあたりましたか?

ファン「ラッキーなことに1回しか当たらなかったですね。でも、トーナメントの中にはトロンはたくさんいましたね」

――調整は間違っていなかったわけですね。すばらしい!ミシックチャンピオンシップに向けて何か意気込みはありますか?

ファン「3年ぶりの舞台なので、とっても嬉しいですね」

――3年ぶり? ということは過去にもプロツアーに?

ファン「プロツアーには7回出てますね。あと、ワールド・マジック・カップにも2回出てます」

――それはすごい!! 今度のミシックチャンピオンシップでの活躍も楽しみにしています。

ファン「ありがとうございます。楽しんで、そして勝ちたいと思います」

 
友人との1枚

 ご友人とともににこやかに語ってくれたファンさん、プロツアー経験も豊富な彼がミシックチャンピオンシップで頭角を現すのも、遠い未来の話ではないかもしれません。

日曜日の優勝者:マエノソノ ケンタ

 
写真中央がマエノソノさん

お住まい:鹿児島

年齢:32歳

マジック歴:6年

よく行くお店:トレカの店、カゴシマモルテンレイン、宮崎 Big Red

――マッチ全勝での優勝おめでとうございます。9-0は素晴らしい成績です! 最終戦を観戦していましたが、なぜ「フェアリー」デッキだったんでしょう?

マエノソノ「ありがとうございます。『フェアリー』はすごい好きなデッキで、それでこのデッキにしました」

――フェアリーは使って長いのですか?

マエノソノ「3か月ぐらいですね」

――え?

マエノソノ「3か月ぐらいです」

――なるほど、なるほど。私のイメージなんですが、フェアリーが好きな人はずっとフェアリーのデッキを使っているイメージでしたので、ちょっとびっくりしてしまいました。

マエノソノ「もともと友人が《ヴェンディリオン三人衆》を使っているのを見て、いいなぁ、使ってみたいなぁ~って思っていたんですよ。Magic Onlineで、時々フェアリーを使ったりしては0-5してしょんぼりしてたんです。で、最近高橋優太さんがフェアリーで結果を出されて、今のモダンのメタゲーム的にこのデッキが使えるようになったので本格的に使い始めた感じですね」

――なるほど、今フェアリーが良い立ち位置になっているんですね。ちなみに、それを使われるまでは何をモダンで使っていたのですか?

マエノソノ「『グリクシス死の影』を使っていました。どっちでマジックフェストに行くか迷ったのですが、前日のMagic Onlineで『フェアリー』を使って5-0できたのでこのデッキにしました」

――二択に打ち勝ち、MCQにも打ち勝ったんですね。プロツアーやミシックチャンピオンシップを目標にマジックをされていた感じですか?

マエノソノ「あまりそういう思いはなかったんですが、鹿児島の友人がグランプリ・神戸2014をきっかけにプロツアーに行ったんです。多分、鹿児島でプロツアーに行ったのは彼だけなんじゃないかな? だから、彼に続こうって友人たちと地元でチームを作って、なんとなく目指すようになりましたね」

 
優勝を決めた瞬間のマエノソノさん

――ついに、鹿児島からの2人目として続いたってことですね。ミシックチャンピオンシップへの意気込みはなにかありますか?

マエノソノ「いつも画面で眺めていた憧れの人たち出会える舞台なので楽しみたいと思います。チームのみんながいたから、こうやってインタビューを取ってもらうことができて、チームのことを少しでも知ってもらうことが夢だったので、こうやってとってもらってありがとうございます」

 
チームTシャツ

 チームメンバーとともに九州の地から、マジックフェストに参加されていたマエノソノさん。彼のMCQの裏側には友人たちとのチームワークがあったことは間違いありません。友だちとともに夢の舞台を目指す、そして、それを叶えた彼の勇姿をチームが一つになって喜び合う姿は、マジックっていいなと改めて思い出させてくれるシーンでした。


 以上が今回のミシックチャンピオンシップへの切符を手に入れた3名のプレイヤーでした。

 それぞれが、それぞれの思いを胸に挑んだMCQ。

 多くのプレイヤーにとって憧れの舞台への切符を手に、今何を思っているのでしょうか?

 新たな戦いの舞台へ胸を躍らせるのか? それとも、今の喜びをかみしめているのか?

 彼らが最高峰のマジックの戦場で、どんな戦いをするのか? 今から楽しみです。

 次回のMCQは、マジックフェストの会場ではなく、5月から全国のカードショップが主体で開催されます。

 あなたも、最高峰の戦場を目指してみませんか?

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