プレイヤー紹介、デッキ紹介

　１日目、６勝０敗２分と「無敗」を記録した河村 雄作(写真、左）。

　所在地は石川県としたが、練習はMagic Onlineによるものだったという。

　残念ながら今回のドラフトでは既に２敗を喫したようだが、デッキの手ごたえ自体は感じているようだ。《英雄的援軍》という《ラッパの一吹き》系列でも最上位のスペルを擁し、赤白トークンという環境でも有数の優秀なアーキタイプを組み上げた。

　対する、中島 主税（写真、右）。

　数年前から活動の場所を東京から大阪に移しているとのことだ。プロツアー・サンデー（トップ８）経験者とあって構築はもちろん、リミテッド巧者としても評判だ。１日目、７勝１敗からの今回のドラフトは１勝１敗で２敗ラインで留まっている。トップ８進出の目を残す、最終ラインだ。

　中島のデッキはドラフトピック記事でも取り挙げたように《狂気の一咬み》３枚を含む青緑ビートダウン。《空乗りの巡回兵》も２枚で、安定感のあるデッキリストだ。初手から徹底した色主張で、自らが望む理想形に近い40枚を用意できている。

　互いにデッキには自信がある。そうしたなかでも負けるのがマジックだ。

　既に２人は卓内でも２敗と１敗であり、これからのマッチアップでさらにどちらかに負けの記録がつく。

　互いの矜持を懸け、日本選手権2018、最後のドラフト・ラウンドが今始まる。

試合展開

　先手の河村が毎ターン、攻め手となるクリーチャーを展開していくゲーム１。《ヴィーアシーノの紅蓮術師》からの《ボガートの粗暴者》、《凛々しい騎兵隊》と赤白トークンらしいクリーチャーを連打する。

　中島も《ケンタウルスの狩猟者》、《空乗りの巡回兵》を展開するが、横並びに間に合わない。すると河村が《錆色翼の隼》と《英雄的援軍》を同じターンに繰り出して、最序盤からの優位を守ってのゲームエンドとなった。

 

河村 雄作

　続くゲーム２では中島が《英雄的援軍》による奇襲を徹底的にケアしてダメージ量をコントロールし続け、《空乗りの巡回兵》で飛行をつけたアタッカーで少しずつライフを削ってゲームを奪い返した。

 

中島 主税

　ターン数自体はそう多くなかったが、互いに悩み抜いた結果あまり時間が残されていない中で迎えた最終第３ゲーム、河村がここにきて一番の爆発力を見せた。

　先手《ゴブリンの激励者》から《ヴィーアシーノの紅蓮術師》、《ペガサスの駿馬》、《ボガートの粗暴者》！

　そして中島がブロッカーとして用意した《野生林の鉤爪》つきの《空乗りの巡回兵》を《感電》で落とすと、一瞬にして中島のライフは溶けることとなった。

河村 2-1 中島

試合後

中島「《狂気の一咬み》１回も見なかった！」

河村「入ってたんですか？」

中島「入ってるよ、３枚！（笑）」

　３ゲームを通して１度も引かなかった３枚の《狂気の一咬み》。

　確率的にありえることだと中島自身納得しながらも、引けていれば覆せた盤面は多く、不完全燃焼の感はあるようだ。

河村「ドラフトの練習はMOでしました。赤白（トークン）の練習だけしてきました。昨日も赤白で３勝できてますね」

　河村も今回のドラフトは１勝２敗という記録となったが、少なくともこの試合においては素晴らしい回りをみせていた。ドラフトとして一番の目標であるべき「強いデッキ」を組むという点で、しっかりとその結果を見せつけた。

　日本選手権2018は昨日から続くドラフト・ラウンド６戦を終え、これからスタンダード・ラウンドに舞い戻る。

　中島も河村も残る２戦を勝ち抜くことを改めて表明し、席を離れた。