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日本選手権11

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準々決勝: 高尾 翔太(長崎) vs. 石田 龍一郎(愛知)

By 窪内 直樹 準々決勝4  予選ラウンド3位で通過した高尾とは、日本選手権2011において3度目の対戦だと語る予選ラウンド6位の石田。  これまでのスコアは1-1で、互いに一方的な試合展開での勝負だったとのことです。  日本代表を決める戦いの舞台まで残り1つという、運命めいた何かを感じさせるタイミングで相見えた両者。  マジックの神様はどちらを選ぶのでしょうか?
Game 1
石田 龍一郎
石田 龍一郎
石田 「これで決着がつけられますね」  ダイスを両手に握りこめ祈るように放った石田のダイスロールは「6」&「6」のゾロ目で、今大会での勝負強さを際立たせる《鍛えられた鋼》デッキにおいては何においても大事な先攻を得ることに成功します。  さらに開かれた石田の手札は、《メムナイト》《メムナイト》《大霊堂のスカージ》《羽ばたき飛行機械》《平地》《平地》《激戦の戦域》の7枚。  既にデッキリストが公開されている決勝ラウンドで、高尾のメインボードに搭載されている《黒の太陽の頂点》2枚&《漸増爆弾》3枚という全体除去が突き刺さるラインナップではありますが、臆することなく全てのクリーチャーを展開し先攻のアドバンテージで乗り越えることができると判断したか、石田はキープを宣言します。  対する高尾は《マナ漏出》&土地6枚という手札で、問答無用のマリガン。新たな6枚の手札で試合をスタートさせます。  石田の1ターン目。前述のとおり《平地》プレイからの《大霊堂のスカージ》《羽ばたき飛行機械》《メムナイト》《メムナイト》を戦場に全展開しターンエンド。  一方の高尾は、これらのクリーチャー群に対処できるカードを求め《定業》をキャストし、ターンを終了します。  そして、続くターンの石田のドローはなんと《鋼の監視者》!!  手札にあった2枚目の《平地》をプレイし、《鋼の監視者》をキャスト。残る石田の手札は《激戦の戦域》1枚のみという、超高速で「全ツッパ」な戦場が完成します。  この先攻2ターン目に《メムナイト》2体と《大霊堂のスカージ》から受けた3点の初ダメージは、次の石田のターンには最大11点まで膨れ上がるという、早くもクライマックスな状況となってしまった高尾の後攻2ターン目。  《鋼の監視者》への高尾のリアクションにギャラリーの注目が集まる中、高尾がキャストしたカードは《漸増爆弾》。  この雪崩れてくるアーティファクト群を止めることができるか?  そんなことを筆者が考えている中、続く先攻3ターンの石田のドローはなんとなんとの《鍛えられた鋼》!!!!
 試合開始から間もないこの時間帯で、最上のカードをデッキから与えられた石田は予想外のドローで戸惑いを隠せません。  手札の《激戦の戦域》プレイから、3マナで《鍛えられた鋼》をキャスト。  《漸増爆弾》の能力が起動され、X=0でマナ・コスト0の3/3構築物・アーティファクトクリーチャー2体と2/4飛行機械・アーティファクトクリーチャーが戦場から退場し、爆弾から逃れたマナ・コスト2の《鋼の監視者》と《大霊堂のスカージ》によって6点のダメージを受ける高尾(ライフ:17⇒11)。  手札で出番を待っている《真面目な身代わり》からの解決策にわずかな希望を託し、高尾は少しでも時間を稼ぐべく3ターン目にX=1で《黒の太陽の頂点》をキャストしターンエンド。  しかし、ゲーム開始から一切余裕を与えない石田は、このターンにドローした《きらめく鷹の偶像》を戦場に送り込んだ後、《鋼の監視者》の能力を起動し、3/3へと元に戻った《大霊堂のスカージ》で高尾を攻撃します。  5/5の飛行を持つアーティファクトクリーチャーと3/3が2体戦場に立ち並び、弱まるどころか、ますます強さを増す雪崩れ。  しかも、先程の3点でライフが8しかない状況の高尾は、5/5の《きらめく鷹の偶像》を除去したとしても《激戦の戦域》の能力によってぴったり8点のダメージが見えているため、4ターン目のドロー後に《真面目な身代わり》を場に送り出すも、手札と場の状況を再確認しカードを片付け、次のゲームへ。 高尾 0-1 石田  3連続トップデッキで一気に1本目を先取したのは石田は、冷めやらぬ興奮を抑えるため、自分に言い聞かせるようにポツリと一言。 石田 「出来すぎですね」  果たして、類い稀なるこの勢いがどこまで続くのか?
Game 2
高尾 翔太
高尾 翔太
 先攻の高尾。最初の手札に《黒の太陽の頂点》はあるものの、土地の色が足りなく、再びのマリガン。  マリガン後は《コジレックの審問》《呪文滑り》《ジェイス・ベレレン》《忍び寄るタール坑》《闇滑りの岸》《地盤の際》という6枚で、高尾はわずかにうなずきキープを宣言。  一方、後攻の石田の手札は《羽ばたき飛行機械》《忠実な軍勢の祭殿》《きらめく鷹の偶像》《オパールのモックス》《平地》《平地》《平地》。  後攻の石田はキープを即答することなく、この手札を眺め慎重にゲームプランを検討します。そして、少し間を置いてゲームスタート。  高尾は《コジレックの審問》をキャストし、《きらめく鷹の偶像》を指定。何はともあれ、インスタントタイミングでしか対処できないこの偶像を、祭殿よりも優先して葬り去ります。  そして石田の手札を確認した高尾は、盤面をコントロールするべく3ターン目に《ジェイス・ベレレン》をキャストし、-1の能力を起動。  対する石田は1ターン目《羽ばたき飛行機械》、2ターン目《忠実な軍勢の祭殿》、3ターン目《鋼の監視者》、4ターン目《磁器の軍団兵》と順調に攻め手を戦場に展開していきます。  先攻4ターン目に高尾も上記のクリーチャー群に対応するため、《ジェイス・ベレレン》+2の能力を起動し忠誠度を4に増やしつつ、ブロッカーとなる《呪文滑り》を戦場に送り出し、その後の《ジェイス・ベレレン》による追加のドロー。  それらをもってしても石田の《鋼の監視者》に対して解決策が得られないまま、迎えた高尾の先攻6ターン目のドロー。  石田の場には《鋼の監視者》の能力によって+1/+1カウンターが2個乗ったアーティファクト軍団「3/3《鋼の監視者》」「2/4《羽ばたき飛行機械》」「5/3《磁器の軍団兵》」という布陣。  これに対し《黒の太陽の頂点》が打てれば、という状況ではあるものの、その願いを込めたドローは成就せず。  ここで《鍛えられた鋼》への打ち消し呪文を構えることができない高尾は、全てのマナを注ぎ込み《墓所のタイタン》を戦場に出します。  そして、クリーチャー除去呪文を引き当てることができなかった高尾を尻目に、直前で石田が引き当てていたのは、あの《鍛えられた鋼》。  返す石田のターンに《鍛えられた鋼》が戦場に設置され、《忠実な軍勢の祭殿》からのマイア・クリーチャー・トークンと、さらに石田の手札で出番を待つ《きらめく鷹の偶像》が控えている状況では、除去呪文の代わって引いていた土地だらけの高尾の手札では成す術もなく。 高尾 0-2 石田
Game 3
準々決勝4  崖っぷちの状況となった高尾。  今度はようやく《コジレックの審問》《見栄え損ない》《ジェイス・ベレレン》と土地が4枚という上々の7枚でキープを宣言。  後攻1ターン目に石田がキャストした《信号の邪魔者》の返しに、高尾がキャストした《コジレックの審問》で公開された手札は、  Game 1&Game 2で苦戦を強いられている元凶の1つでもある《鋼の監視者》が控えるが、今回は《見栄え損ない》があるため、高尾が指定したのは《きらめく鷹の偶像》。  返すターン、石田は片割れの《きらめく鷹の偶像》を設置し、高尾は《ジェイス・ベレレン》プレイからの+2能力を起動する試合展開となります。  その後、《鋼の監視者》は《見栄え損ない》で対処されるも、《激戦の戦域》&《信号の邪魔者》によってバックアップされた《きらめく鷹の偶像》《きらめく鷹》《羽ばたき飛行機械》とテンポ良く展開された航空戦力が高尾の《ジェイス・ベレレン》を沈めると、今度は高尾本体へとその矛先が向けられます。  そして、高尾はまたしても解決策となる《黒の太陽の頂点》や《漸増爆弾》を引き当てることができず、《信号の邪魔者》《きらめく鷹》《きらめく鷹の偶像》によってライフは17⇒8へと削られ、奇しくも1本目の状況と同じく《真面目な身代わり》キャストするのみの高尾を、がちがちに鍛えられた鋼の軍団が蹂躙する形で勝負が決することとなりました。 高尾 0-3 石田 高尾 「うまく除去を引けなかったですね。九州に日本選手権を持っていくことができなくて残念です」  そう言って、去っていた高尾。また、プレミアイベントの大舞台へと帰ってくる日もそう遠くないでしょう。  そして、あっという間に準々決勝を駆け抜けた石田。 石田 「メインは《漸増爆弾》が3枚と、かなり対策されている形だったんですが、サイドから追加されるのが《見栄え損ない》のみで、決定打になる《弱者の消耗》が取られていなかったのは大きかったですね」  内容的にはブン回りの石田、除去の引けなかった事故の高尾という見え方がするものの、ブン回り前提の戦い方が可能だったために、石田はこの結果をしっかりとものにできたのではないかと筆者は感じさせられました。  この後に控える準決勝戦、そして決勝戦と3位決定戦。本物の勢いを纏った石田は、果たしてどんな試合を魅せてくれるのでしょうか!?  石田 龍一郎 Wins!! Advanced to Semi-Finals!!
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