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グランプリ・静岡2018(スタンダード)

観戦記事

第8回戦: 二羽 恵太(福岡) vs. Liu Xuan(中国)

Moriyasu Genki

プレイヤー、デッキ紹介

 日本初開催となるダブルグランプリのグランプリ・静岡2018。

 先んじて開催されているレガシーグランプリは2日目のスイスラウンドを全て終え、トップ8メンバー発表がおこなわれた。普段レガシーを専門にプレイしているプレイヤーや、トップ・プロたちが入り混じるレガシーグランプリを象徴するような顔ぶれとなった。

 トップ8発表と時を同じくして、スタンダードグランプリの1日目、第8回戦がはじまる。

 構築グランプリの日程が変更され、1日目は8回戦までとなった。国内グランプリでは今回が初実施だ。

 1日目全勝をかけた戦いが繰り広げられる13卓のうち、1番卓に座るのは二羽 恵太とリュウ・シュアン/Liu Xuan。中国・上海からこのスタンダードにかけて来日したリュウと、こちらも福岡から遠征の二羽の対決となった。

 
(手前左 二羽、手前右 リュウ)

 リュウは「LAST X CALIBUR」というチームを結成し、競技マジックシーンで活動している。中国のマジック界が抱える情報戦の弱みなどをうれい、記事の執筆などを積極的におこなっているようだ。

 リュウのデッキは「セレズニア・トークン」。《軍団の上陸》や《協約の魂、イマーラ》といったカードで序盤から軽快に攻勢をしかけつつ、《敬慕されるロクソドン》や《不和のトロスターニ》といったカードでのサイズ補強も可能とする。また、《ビビアン・リード》《殺戮の暴君》といったキラーカードも仕込んでおり、オールレンジに対応したビートダウンデッキだ。

 
リュウ・シュアン

 対する二羽も持ち込んだデッキリストから、競技マジックに親しみ、活動していることが透けて見える。

 デッキタイプはディミーア・コントロール。《正気泥棒》という強烈なアドバンテージ・アタッカーを中心に、諜報でデッキを掘り下げつつ盤面をコントロールする。メインから採用されている《思考消去》や《黄金の死》は、二羽が見出した環境への回答のひとつだろう。

 
二羽 恵太

試合展開

 ディミーア・コントロールの軸である《正気泥棒》からゲームを始めた二羽に対し、リュウは《協約の魂、イマーラ》からの《ベナリア史》2連打でロケットスタートを切る。

 二羽のハンドには《黄金の死》があるため回答を用意できているようにも見えるが――それを上回る回答として、リュウは《敬慕されるロクソドン》を2枚引き込んでいた。

敬慕されるロクソドン》1枚は着地前に《思考消去》で弾くが、2枚目の《敬慕されるロクソドン》が育てた3/3の騎士・トークンをさばく手段が、二羽にはなかった。

 ゲーム1はリュウのセレズニア・トークンが一瞬にして駆けきった。

 続くゲーム2でも二羽は《正気泥棒》を信じ、ゲームを始める。そしてこの《正気泥棒》が「泥棒」してみせたカードが、強かった。

 リュウは《ビビアン・リード》までつなげたが、その脇を固めるいくらかのクリーチャーを《煤の儀式》で焼き払ったあと、二羽は「泥棒」した《殺戮の暴君》を戦場へ送り出した。

 コントロールに対して必殺の1枚となる《殺戮の暴君》だが、リュウ自身、これを出されてしまうと回答は少ない。(直接対処するカードはなく、状況的にはリュウにコントローラーを戻す《不和のトロスターニ》を引いて出した上で対策されないという状況しかない。)

 仕方なくブロッカーとして立てた《敬慕されるロクソドン》が《人質取り》で取り除かれると、《殺戮の暴君》の暴力を止める手立てを失ったリュウはゲーム2を落とした。

 ゲーム3は二羽が《思考消去》でリュウの《ベナリア史》を落としたことをきっかけに、ゲームスピードが格段に落ちることになった。

 リュウは《敬慕されるロクソドン》、《不和のトロスターニ》と続けるがどちらも《ヴラスカの侮辱》で対処される。

 さらに横に展開されたトークンも《黄金の死》でさばくものの、二羽も脅威を展開できているわけではない。

 二羽の《破滅を囁くもの》にはリュウの《議事会の裁き》を合わせられ、リュウの展開も二羽の除去でしのがれてゆく。

 しばらくドロー・ゴーの状況がつづいたが、先に回答にたどり着いたのは、リュウであった。

 《ビビアン・リード》。プラス能力で得たのは、《殺戮の暴君》。

 一気に、かつ早急に対処しなければならないカードが増えた二羽だったが、そこにたどり着くためのドロー呪文はすでに枯れていた。

二羽 1-2 リュウ

試合後

 現況のスタンダードを代表するカード《殺戮の暴君》。

 打ち消されず、呪禁にしてトランプル、6マナにして7/6。

 破格のマナレシオ(プレイするマナに対するコストパフォーマンス)を誇る恐竜が2つのゲームを決した。強すぎるがゆえにゲーム2では本来のオーナーであるリュウにも「噛みついた」が、ゲーム3では対コントロールの長期戦という本来の用途での活躍となった。

 リュウのチーム「LAST X CALIBUR」は今回のレガシーで好成績を残しているメンバーや、グランプリ・トップ8を輩出した経験もあるとのことだ。

レベルの高い練習環境を整えたうえで国を越え、海を越え、リュウ・シュアン初日全勝!

 

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