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グランプリ・静岡2018(レガシー)

観戦記事

第9回戦:廣澤 遊太(東京) vs. 渡邊 省伍(東京)

Hiroshi Okubo

渡邊「こういう感じ(フィーチャー)慣れないんで、緊張しますね……」

 グランプリ・静岡2018(レガシー)の2日目、その初戦となる第9回戦のフィーチャーマッチテーブルに着いた渡邊は、そう呟いた。

 だが、彼もまた初日全勝者の1人だ。「緊張している」という言葉に嘘はないかもしれないが、普段はHareruya Hopesに所属する強豪・鈴池 史康とともにその腕を磨いていると語る渡邊は、グランプリ2日目の緒戦のフィーチャーマッチテーブルに呼ばれるのに不足はない腕の持ち主と言えるだろう。

 そんな渡邊を尻目に、カバレージ班やジャッジ、あるいは渡邊をも巻き込んで軽快に雑談を仕掛けるのは古豪、廣澤 遊太だ。旧友・津村 健志とともに初日を全勝で終えたこの男は、緊張していると語る渡邊とは対照的な存在と言える。

 「どうなん? 最近プライベートは」「こっからだと黒田(正城)さん見えるな」「津村も全勝やねんな」「俺レガシーあんまやってなかったんやけど」などマジックに関係あることも関係ないことも矢継ぎ早に話し続ける。大観衆の見守るフィーチャーマッチテーブルと言えど持ち前のスタイルを崩さない話好きの廣澤がいると、場の空気がまるで居酒屋での飲み会のように和んでいく。「歩く磯○水産」と呼んでも過言ではないかもしれない。

 そんな廣澤につられて緊張が解けたのか、渡邊も笑みを浮かべながら対戦に臨む。これで精神的にもイーブン。2日目のスタートを最高の形で切るのはどちらになるのか?!

 
廣澤 遊太(東京) vs. 渡邊 省伍(東京)
ゲーム1

 「19――」

 廣澤が景気よく《汚染された三角州》を起動し、《思考囲い》をプレイする。「つらいなぁ」と漏らしたのは渡邊だ。明かされたその手札は《》と《呪文貫き》、《意志の力》、《瞬唱の魔道士》、そして2枚の《剣を鍬に》。

 ここから《呪文貫き》を抜くと、廣澤は続くターンに《トーラックへの賛歌》で苛烈に渡邊の手札を奪っていく。「グリクシス・コントロール」の必勝パターンが炸裂し、渡邊は苦々しく《トーラックへの賛歌》の解決を許す。

 
廣澤 遊太

 1マリガンに手札破壊戦略が重く響いている渡邊はなかなか思うように身動きが取れず、そのまま廣澤は続くターンのメインに《渦まく知識》をプレイ。さらに続けてフェッチランドを起動して手札を整え、《悪意の大梟》で1枚ドローを得つつ渡邊の《相殺》には《意志の力》で応じる。

 さらに《瞬唱の魔道士》で《思考囲い》を「フラッシュバック」し、渡邊の手札から《瞬唱の魔道士》を抜くと、いよいよ廣澤の強烈なマウンティングが開始される。

 4枚の土地をタップしてプレイされたのは《精神を刻む者、ジェイス》。この凶悪なプレインズウォーカーは渡邊と廣澤のリソース差を見る見るうちに拡大していく。かろうじて《終末》で廣澤のクロックだけは処理した渡邊だったが、毎ターン無料で《渦まく知識》を連打されてしまってはゲームにならない。

 やがて廣澤が《グルマグのアンコウ》を戦線に投入すると、渡邊のライフも見る見るうちに溶けてなくなっていった。

廣澤 1-0 渡邊

ゲーム2

 第2ゲームで後手を選択した渡邊。「白青奇跡」がフェアデッキ同士のマッチアップではよく見られる光景ではあるが、ここで後手を選択できるのは渡邊のやり込みが感じられる。

 第2ゲームは第1ゲームと異なり、ゲーム序盤から渡邊が廣澤をコントロールしていった。廣澤が《渦まく知識》をプレイすると、その《渦まく知識》に対して《外科的摘出》。廣澤がプレイした《精神を刻む者、ジェイス》には《呪文貫き》で応じ、早々に《相殺》を設置する。あとはこの《相殺》を軸にマウントを取っていきたいところだが……

 
渡邊 省伍

 だが、廣澤ももちろん楽はさせない。巧妙に《相殺》をかわしながら《稲妻》や《瞬唱の魔道士》、そして《コラガンの命令》で渡邊のライフを直接削っていく。廣澤の擁するクロックは長らく《悪意の大梟》のみだったが、火力のバックアップがあると渡邊のライフが溶けるのも早く、さらに《瞬唱の魔道士》と《グルマグのアンコウ》も追加して渡邊を攻め立て、あっという間に残りライフを3まで削っていく。

 渡邊も防戦に回りつつ《僧院の導師》を着地させ、《グルマグのアンコウ》とともに攻め立てる廣澤をモンク・トークンで押しとどめ、その間に得たドローで《グルマグのアンコウ》と《悪意の大梟》も除去。

 いよいよ渡邊が反撃を開始できるかというころ。廣澤はなおも強力な奥の手をその手に忍ばせていた。

 《毒の濁流》。これが渡邊の《僧院の導師》などを墓地へ押し流すと、盤面は・・・再びイーブンな状況へ突入。そして盤面がイーブンであるということは、ライフ・土地・手札枚数のいずれも対戦相手を凌ぐ廣澤のフィールドだった。

 《精神を刻む者、ジェイス》、そして2枚目の《グルマグのアンコウ》。ナチュラル《相殺》ではそうそう打ち消せないこれらの呪文がご多分に漏れず通ると、渡邊の戦績には本グランプリで初の土がつくこととなった。

廣澤 2-0 渡邊

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