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グランプリ・京都2016

戦略記事

チーム 行弘/北原/山本の2日目チームシールドデッキ構築

by Hiroshi Okubo

(この記事は第10回戦開始前に取材されたものとなります)

 初日全勝という好成績を残した行弘 賢/山本 賢太郎/北原 寛章の3名。


山本 賢太郎(奥)/行弘 賢(中央)/北原 寛章(手前)

デッキ構築

 まず行弘が渡されたカードプールからレアを抜いていくと、さっそく《実地研究者、タミヨウ》が現れ、続いて出てきたのは《精神壊しの悪魔》や《呪文捕らえ》、《老いたる深海鬼》といった強力なレアの数々。

行弘「アンプレイアブルは《見事な再生》と《再度の収穫》くらいかな、あとは全部入りそう」

北原「《蔓延するもの》は?」

行弘「そこそこやってくれるよ」

 チームのリーダーはリミテッド巧者の行弘だ。3人で手分けしてカラーソートを行い、続けて行弘が想定されるシナジーごとにカードを分けてテーブルにカードを広げてゆく。昂揚、現出、軽量クリーチャー、除去、装備品やオーラ、青赤系の呪文......

 行弘がカードプールを広げ終わるとディスカッションが開始される。

行弘「狼男は全部で7枚あるけど、シナジーが薄いかも? 《忘れられていた家宝》があるけど、それだけかな。緑黒昂揚は組めないから切っていい......昂揚やるなら白黒だね、《精神壊しの悪魔》は使いたいし。《実地研究者、タミヨウ》は絶対に使うから、とりあえず1つはバントで確定」

 まるで講義のように的確に情報を共有していく行弘に対して、北原と山本は同意を示しつつ昨日の実戦での経験を踏まえてそれぞれの疑問や課題を口にする。それを受けて行弘がさらに厳密な言葉を返し、3人の意見が刷り合わされてゆく。

team_yamamoto_deck2.jpg

 15分ほどみっちりと話し込んだところで、構築が開始される。山本が赤緑狼男、行弘が白黒昂揚を担当し、デッキ構築を2人に任せた北原は注意深く2人の構築の様子を見守る。

 2人の構築が完了したところでいったん、山本の赤緑狼男について3人で再びディスカッションが行われる。クリーチャーが少ないかも、と不安を口にする山本に、

行弘「《首絞め》入れて『マッドネス』に寄せてもいいかも」

 とアドバイス。それを受けて、広げてあるカードプールからあれでもないこれでもないと調整が開始される。行弘は今回のチームリミテッドのために相当な練習を積んできたという。

 その努力に裏打ちされた的確なロジックで見る見るうちに赤緑狼男が強化されていき、最終的には山本も「これはすごくよさそう、デッキ強いね」と唸るほどのデッキになっていた。

 続いて白黒を北原とともに調整し、最後に残ったカードから自分用のデッキ、青緑現出に《呪文捕らえ》と《実地研究者、タミヨウ》をタッチした形を試していく。だが、どうにも出来栄えはパッとしない。余り物で作っているだけに仕方がないかと思われたが、「これなら青白飛行ビートの方がよくない?」と山本が声をかけて行弘がさっそく組み直す。

 最終的にはかなり完成度の高い青白飛行ビートが組みあがり、「《実地研究者、タミヨウ》をより強く使えるデッキになった」と3人とも満足のデッキができあがった。

team_yamamoto_deck3.jpg

 すばやくサイドボードカードを割り振り、大急ぎでデッキリストの記入を終えた行弘は席次にも秘策があるのだと語った。

行弘「今日のために『PWC』や『晴れる屋』で練習してきたんですが、そこでいろいろなチームを見て気付いたことがあるんです。B卓は実力者が座ることが多いので緑白人間や白黒コントロールのような盤面が複雑になりやすいミッドレンジ系のデッキが多く、C卓はプレイングに自信がない方がいることが多い≒赤いアグロ系のデッキを使用していることが多いんです」

 つまり、戦う前から相手のデッキタイプが透けるということか。行弘のいるA卓はどのような特徴があるのだろうか?

行弘「A卓は余り物が多いので結構ランダムなんですが、赤はカードが余りにくいので少ないです。なので、A卓のプレイヤーは赤に弱いデッキでも安心して渡すことができます。逆にC卓の人には対赤用のサイドボードカードを渡しておいたり......」

 山本は行弘の言葉に「ジンクスみたいなものですけど、これを根拠に今回直前に席次を変更したんですよ。たぶん今回の勝率の5%くらいはその理屈で稼いでますね」と付け足した。

 そんな行弘はタフネス1の多い(赤に弱い)青白飛行ビートでA卓へ乗り込む。行弘のデータの正否は、スイスラウンドでのこのチームの戦績を見れば明らかになるだろう。

行弘 賢
グランプリ・京都2016 2日目 / 『異界月』『イニストラードを覆う影』チームシールド (2016年9月11日)[MO] [ARENA]
8 《
7 《平地
2 《

-土地(17)-

1 《霧歩き
1 《巡礼者の守護霊
1 《ムーアランドの流れ者
1 《ぼろぼろの憑依者
1 《歓喜する信者
1 《書庫の霊
1 《巧妙なスカーブ
1 《ネベルガストの伝令
1 《薄暮のニブリス
1 《呪文捕らえ
1 《鼓舞する隊長
1 《不憫なグリフ
1 《老いたる深海鬼
1 《溺墓のビヒモス

-クリーチャー(14)-
1 《取り繕い
1 《信者の杖
1 《回答の強要
1 《恩寵借用
1 《謎の石の断片
1 《引きずり込み
2 《霊体の予備兵
1 《実地研究者、タミヨウ

-呪文(9)-
1 《岐路の聖別者
1 《蔓延するもの
1 《捕食
1 《突発的変化
1 《テラリオン
1 《スレイベンの軍旗手
1 《取り繕い
1 《有事対策
1 《詮索好きのホムンクルス
1 《耕地這い
1 《過去との取り組み
1 《月皇の外套
1 《安らぎ
1 《原初のドルイド
1 《忌の一掃
1 《血茨
1 《巻き込み
1 《相変位
1 《邪悪の使者
1 《鉄大工の浄化
1 《処刑者の大包丁
2 《春の賢者の儀式
1 《身分泥棒
1 《研究室の粗暴者
1 《敏捷な巣紡ぎ
1 《忌まわしい群れの存在

-サイドボード(27)-
北原 寛章
グランプリ・京都2016 2日目 / 『異界月』『イニストラードを覆う影』チームシールド (2016年9月11日)[MO] [ARENA]
9 《
8 《平地

-土地(17)-

1 《スレイベンの検査官
2 《嘆きのグール
1 《墓ネズミ
1 《シガルダ教の僧侶
1 《捨て身の歩哨
1 《リリアナの精鋭
1 《スレイベンの異血種
1 《呪われた魔女
1 《精神壊しの悪魔
1 《近野の司祭
1 《信仰持ちの聖騎士
1 《夜深の死体あさり
1 《ヴォルダーレンの下層民

-クリーチャー(14)-
1 《神聖な協力
1 《墓地からの徴用
1 《天使の粛清
1 《エムラクールの加護
1 《絞首束縛
1 《闇の救済
1 《殺害
1 《ギサの召集
1 《生命の危機

-呪文(9)-
2 《邪悪借用
1 《奇妙な増強
1 《月皇の外套
1 《オリヴィアの竜騎兵
1 《不動の聖戦士
1 《エムラクールの囁き
1 《夜明けのグリフ
1 《スカースダグの嘆願者
1 《勇敢な先導
1 《悪鬼を縛る者
1 《不気味な吸血鬼
1 《復讐作戦

-サイドボード(13)-
山本 賢太郎
グランプリ・京都2016 2日目 / 『異界月』『イニストラードを覆う影』チームシールド (2016年9月11日)[MO] [ARENA]
9 《
8 《

-土地(17)-

1 《薄暮見の徴募兵
1 《首絞め
1 《災いの狼
1 《ウルヴェンワルドに囚われしもの
1 《猛々しい狼
1 《既決殺人犯
1 《けたたましく吠えるもの
1 《流城の密教信者
1 《辺境林の生存者
1 《茨橋の巡回兵
1 《強欲な過食者
1 《くすぶる狼男
1 《上弦の月の教団
1 《ソンバーワルドの雄鹿
1 《ヴィルディン群れの除けもの

-クリーチャー(15)-
1 《稲妻の斧
1 《忘れられていた家宝
1 《焼夷流
1 《狂気の一咬み
1 《苦しめる声
1 《癇しゃく
1 《木こりの気概
1 《錬金術師の挨拶

-呪文(8)-
1 《聖戦士の盾
1 《大胆な刺突者
1 《敵意借用
1 《流電砲撃
1 《傲慢な新生子
1 《異世界の発露
1 《予言的妄語
1 《狙いは高く
1 《血の不穏
1 《ファルケンラスの肉裂き
1 《無差別な怒り
1 《突沸の器
2 《ステンシアの晩餐
1 《自暴自棄
1 《悪戯
1 《根から絶つ
1 《正気の欠片
1 《ステンシア仮面舞踏会
1 《森林の巡回者
1 《再度の収穫
1 《見事な再生
1 《ステンシアの亭主
1 《灰と化す
1 《狼族の絆
1 《炎の散布

-サイドボード(26)-
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RESULTS

対戦結果 順位
14 14
13 13
12 12
11 11
10 10
9 9
8 8
7 7
6 6
5 5
4 4
3 3
2 2
1 1

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