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グランプリ・広島11

Round 9: 安部 元気(福岡) vs. 中村 修平(東京)
ところで、皆さんはインディ500という競技をご存知だろうか? これは米国のインディアナポリス・モーター・スピードウェイで毎年5月の第4週(メモリアルデー・ウィークエンド)に開催されるイベントで、アメリカンモータースポーツの代表的レース(*第一回大会は1911年に開催された)である。
なぜ唐突に別ジャンルのスポーツの話題になったか? それは、マジック:ザ・ギャザリングのグランプリというイベントが、このインディ500と非常に似通った予選形式をとっていることに起因する。
具体的には、予選ラウンドが複数日にまたがって開催され、参加選手は翌日のラウンドに勝ち進むために一定以内の順位に勝ち残らねばならないというシステムが共通しているのだ。
このインディ500では「一人でも自分よりいいスピードを出されると予選を通過できない崖っぷちの順位のドライバー」の状況をオン・ザ・バブル (on the bubble)と表現する。転じて、マジックのイベントでも初日最終戦で「負ければそこまで」という立場の選手のことをオン・ザ・バブルと形容することが一般的になったという。
そして、いつしか「薄氷を踏む状態の二人が直接対決を行う初日最終ラウンドの試合」のことを「バブルマッチ(Bubble Match)」と呼ぶことが、ここ日本でもマジック語として定着したのだ。
今からお届けする41番テーブルの試合も、まさにその好例なのだが、対峙した二人のうち、ひとりは勝者翌日のステージに勝ち上がり、もうひとりは敗者としてトーナメントから敗退することになる。ある意味、グランプリというイベントの初日のコンペティションを総括するかのような試合がバブルマッチなのである。
半数が散り、半数が生き残るという過酷な戦いに六十余名が挑む。
Game 1
「僕の試合にライターさんがついてくださるの、はじめてですよ」 と、はにかみながら試合開始の準備をしていた安部 元気。しかしながら安部は特に緊張した様子も見せず、堂々たるカードさばきでシャッフルを終え、後手7枚をキープ。 一方、おそらくカバレージライターとのやりとりには飽き飽きしているであろうワールドクラスのアークメイジが先手マリガンを宣言。数週間後のプロツアー殿堂入りが内定している中村 修平は、ポーカーフェイスと呼べなくもない微妙な表情を浮かべてから、結局6枚をキープした。
先手中村は開幕ターンに《アヴァシンの巡礼者》召喚という立ち上がりだが、安部がこれを見事にさばき、その上で見事な陣立てを完成させた。
安部はファイレクシアマナを活用しての《はらわた撃ち》で即座にマナクリーチャーを焼き払った上で、1ターン目の《流城の貴族》から2ターン目「狂喜」《嵐血の狂戦士》という好展開。速度と威力を兼ね備えたクロックを仕掛けた上で、さらに《燃え上がる憤怒の祭殿》を設置し、そこに《トゲ撃ちの古老》をも追加する盤石ぶりだった。
とりあえず中村も《ミラディンの十字軍》を出すだけ出しては見るものの、すでに建立されていた《燃え上がる憤怒の祭殿》がこれを始末する。そこから安部が全軍突撃を宣言しかかったところで、中村は何かを確認するようにうなずいた。直後、中村は投了を宣言した。
一方的な試合、そのものだった。
安部 1-0 中村
Game 2
![]() |
| 中村 修平 |
![]() | |
| 安部 元気 | |
RESULTS 本大会の対戦結果・順位
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