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プロツアー・名古屋11

読み物

Round 8: 藤田 剛史(大阪) vs. Gaudenis Vidugiris(アメリカ)

By Takamasa Sato  プロツアー名古屋、初日最終戦。  第1回戦でもフィーチャーされた「日本初の殿堂入り」藤田 剛史が6勝1敗でフィーチャーマッチに呼ばれた。 藤田 剛史
藤田 剛史
 対するはGaudenis Vidugiris(以下、ゴーデニス)。ミラディンの傷跡ブロックのリミテッドで行われたグランプリ・デンバー(リンク先は英語カバレージ)での優勝も記憶に新しい、アメリカの強豪である。  藤田はこの環境の練習回数はわずか2回と聞くが、果たしてどんなデッキを組み上げてきたのか。
Game 1
 先手、藤田は1マリガン。ゴーデニスは7枚の手札をキープ。  ゴーデニスは1ターン目にファイレクシア・マナをライフで支払いつつ、《大霊堂のスカージ》。  これに藤田は《突風掬い》で応じる。  藤田は白青の軽量ビート。ゴーデニスの土地は《》と《》で、ファイレクシア・マナを生かして軽い生物を並べ、赤と緑の除去を詰め込んだデッキのようだ。  さらにゴーデニスは《焼身の魂喰い》も追加して、殺意溢れるビートの構え。  対する藤田は、この2体によるアタックを《主の呼び声》からマイアトークンを産みだして止める。  次なるターンに《闊歩するものの装具》を得て、トークンと《突風掬い》とで殴る藤田だったが、ゴーデニスの《核への投入》でこれを処理されて苦い表情。
Gaudenis Vidugiris
Gaudenis Vidugiris
 藤田は強力な装備品である《地層の鎌》で《平地》を指定。  これにゴーデニスはスタンダードでも活躍する超強力カード《ファイレクシアの変形者》をプレイ。  《地層の鎌》をコピーして《》をリムーブする。  追い詰められつつある藤田は、ひとまず《ギタクシア派の調査》。  公開されたゴーデニスの手札は、《》《変異原性の成長》《感電破》。  ゴーデニスのクリーチャーは《大霊堂のスカージ》のみのため、これを処理すれば当分は安心できそうだ。  しかし、藤田にはそれができない。  ゴーデニスは《地層の鎌》を装備した《大霊堂のスカージ》でアタック。  藤田はこれを《きらめく鷹》ブロックからの《ファイレクシアの変形者》=《地層の鎌》コピーを《分散》を使ったバウンスで処理する。  ゴーデニスは《きらめく鷹》に対して《感電破》で処理し、《大霊堂のスカージ》を生き延びさせる。  ゴーデニスはさらに《ルーメングリッドのガーゴイル》を追加。  本来赤緑では得られないはずの大型飛行戦力も、アーティファクトはびこるこの環境ならば投入される。  そして、次のターンにゴーデニスが《ファイレクシアの変形者》で《ルーメングリッドのガーゴイル》をコピーすると、藤田は大人しく投了を選んだ。 藤田 0-1 ゴーデニス
Game 2
 再び先手を選んだ藤田だったが、先に動いたのはゴーデニス。  再びの1ターン目《大霊堂のスカージ》である。  藤田は《縫合の僧侶》でゲームの速度を遅くしようとするが、ゴーデニスはライフ損失も恐れず《脊柱の飛行機械》。  場に出ただけで3点のライフが削られる。なんというスーサイドだろう。  しかし、ゴーデニスはただの自殺志願者ではない。  《シルヴォクの生命杖》でライフ回復の手段を得てから、2体目の《大霊堂のスカージ》をプレイする。  藤田はゴーデニスのターンエンドに《主の呼び声》。さらに《ルーメングリッドのドレイク》と繋いで戦線を整えるとともにライフゲイン。  苦しくなったゴーデニスは《荒廃後家蜘蛛》に活路を見出そうとするのだが、藤田の《拘引》がこれを許さない。  さらに藤田は《ヴィリジアンの爪》をプレイし、《縫合の僧侶》でビート。既にゴーデニスのライフは半分だ。  2枚目の《縫合の僧侶》も追加して、じわじわとゴーデニスを追い詰める。  藤田は装備品の付け替えによってゴーデニスが容易にアタックできない状況を作り上げ、もはや逆転の目がないと悟ったゴーデニスは、カードを片付けた。 藤田 1-1 ゴーデニス
Game 3
Round 8  先手ゴーデニスは3度目となる《大霊堂のスカージ》スタート。  一体何枚入っているのだろうか。  さらに《マイアの種父》を追加したゴーデニスに対して、藤田も再びの《縫合の僧侶》。  ゴーデニスはアドバンテージカードであり、《マイアの種父》と相性のいい《選別の高座》を設置すると、早速藤田のターンエンドに起動して《マイアの種父》を生贄に。  藤田は《ヴィリジアンの爪》と《ルーメングリッドのドレイク》を手に入れると殴り始め、ファイレクシア・マナで厳しいゴーデニスのライフを詰める。  ゴーデニスは強力な生体武器である《皮羽根》で藤田の攻勢をかわそうとするが、藤田は満を持して《銀白のスフィンクス》を戦場に。
 さすがにゴーデニスは頭を抱え、長考。  《ファイレクシアの変形者》をプレイして《ルーメングリッドのドレイク》を指定すると、能力で《銀白のスフィンクス》をバウンス。わずかに時間を稼ぐ。  藤田はマナを立て、ハンドに《分散》を抱えたうえで《銀白のスフィンクス》を再召喚。あくまで隙を作らない。  これにゴーデニスができるのは《オーガの抵抗者》を召喚することだけだ。  藤田は《存在の破棄》で《皮羽根》を除去すると、《ヴィリジアンの爪》を装備した《銀白のスフィンクス》でアタック。  Game 2と同様に、装備を付け替えることで一方的に攻撃できる状況を作り出す。  打開策を探すゴーデニスは、《ヴィリジアンの爪》のついた《ルーメングリッドのドレイク》に対して《金屑化》。  藤田は《分散》で《ルーメングリッドのドレイク》をバウンスすることでこれを回避。アドバンテージロスを避ける。  ゴーデニスは、安心して攻撃できる数少ないターンであるため、《オーガの抵抗者》と《大霊堂のスカージ》でアタック。藤田のライフを9に落とし込む。  しかし、返しの藤田のアタックでライフは1に。  《縫合の僧侶》がいるため、もはやクリーチャーも戦場に出せなくなったゴーデニスは、ゆっくりと右手を差し出した。 藤田剛史 藤田 2-1 ゴーデニス  藤田剛史、7勝1敗(ドラフト3勝0敗)で、2日目に進出!  終了後、藤田がゴーデニスを質問攻めに。 藤田 「《大霊堂のスカージ》強いね。スル―してた。とってればもっと強かったな。何手目くらいで取るの?」 ゴーデニス 「わからないけど、6手目くらいかな」  藤田は、当初は赤白を目指していたが、パック2の3手目で《核への投入》を流しての《突風掬い》で青に参入したそうである。 藤田 「2手目で赤が枯れてたからヤバいと感じたし、青が不人気なのはわかっていたから」  実際、パック3で藤田は3手目《銀白のスフィンクス》、11手目《分散》を手にし、強力な青白デッキを作っている。 藤田 「練習が足りなかったから気楽だった」  と語る藤田であったが、的確な判断の裏には、積み上げられた経験があるのは間違いないだろう。
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RESULTS

対戦結果 順位
16 16
15 15
14 14
13 13
12 12
11 11
10 10
9 9
8 8
7 7
6 6
5 5
4 4
3 3
2 2
1 1

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