by Atsushi Ito 　ブロック構築ラウンド5回戦を終え、5-0ラインに名を連ねる日本人は3名。そのうちの1人が、プロツアー・パリでのトップ8が記憶に新しい「ライザ」こと石村である。 石村 信太朗、プロツアー・パリにて 　「デッキリストが毎回のように禍々しさを醸し出す」という意味では八十岡 翔太(東京)に匹敵する構築センスの持ち主であり、今日も《槌のコス》と《ボーラスの工作員、テゼレット》の両方をフル搭載した異色のプレインズウォーカー＋増殖コントロールで全勝街道を駆け抜けている。 　だが、ここからはドラフトラウンド。 　1番ポッドだった石村にデッキの評価を聞くと「60点ですね。これは0-3もありうる」と自信なさげ。 　とはいえ、石村のデッキは《覇者、ジョー･カディーン》《太陽破の天使》《勝利の伝令》とレアを豊富に擁している。要はこれらの引き具合にかかっているということなのだろう。 　石村のデッキは白赤、対戦相手であるThieleのデッキは黒赤である。

Game 1

　先手の石村が《縫合の僧侶》をプレイ、これにThieleが《浮上マイア》で応える立ち上がり。さらにThieleは《屍気を飛ばすもの》を展開、早くも飛行4点クロックを形成する。 　石村も《血まなこの練習生》《探知の接合者》と並べてダメージレースをしようとするが、Thieleも《貫く徘徊者》《盲目の盲信者》とこちらも立て続けに召喚し、《縫合の僧侶》の力があるとはいえ石村のライフはじわじわ削れていく。 　一刻も早く飛行のクロックを止めなければならないところだが、ここで石村のドローはデッキの3枚のレアの中で唯一この局面で役に立たない《覇者、ジョー･カディーン》。 　文句なしに初手ピックのイケメンも、金属術なしではただのちょっとコストパフォーマンスのいいデカブツに過ぎない。 　結局そのまま飛行のクロックを止められなかった石村は、《覇者、ジョー･カディーン》をチャンプブロックした《危険なマイア》の死に際の2点と、《電位の負荷》本体で削りきられてしまった。 　石村 0-1 Thiele

Game 2

　再び先手2ターン目《縫合の僧侶》でスタートする石村に対し、Thieleは《マイアの種父》《屍気を飛ばすもの》と展開。《マイアの種父》でアタックする。 　このまま1ゲーム目の再現かと思いきや、石村はエンド前に《主の呼び声》プレイから《微光角の鹿》で《屍気を飛ばすもの》をリムーブしての3点アタック。《屍気を飛ばすもの》が《縫合の僧侶》と合わせて4点ルーズとなっているので、先手4ターン目にしてThieleのライフは既に8というビッグプレイである。 　ドローゴーのThieleに対して石村はさらに《探知の接合者》を展開。3/3ゴーレムトークンは《不純の焼き払い》されるものの、《縫合の僧侶》だけ残してのアタックから《血まなこの練習生》を展開して攻め手を緩めない。 　Thieleも《炎生まれのバイロン》をプレイしてブロッカーとし、さらに石村の《覇者、ジョー･カディーン》を《隷属》して踏みとどまろうとするが、石村が《神への捧げ物》で《マイアの種父》の忘れ形見のトークンを除去してフルアタックすると、Thieleはカードを片付けた。 　石村 1-1 Thiele

Game 3

　Thieleが後手を選び、石村は《銅の甲殻》から三度《縫合の僧侶》というロケットスタート。が、Thieleは三度目の正直とばかりにこれを即座に《ゲスの評決》で葬る。 　石村はなおも《脊柱の飛行機械》で攻めの姿勢を見せるが、《屍気を飛ばすもの》が行く手を阻む。《銅の甲殻》の力を借りて両者が相打ちとなった後、石村は《起源の呪文爆弾》をプレイ。 　しかしThieleは返しで《貫く徘徊者》をキャスト。これにより攻守が入れ替わる形となる。 　石村は《起源の呪文爆弾》を起動してからトークンに《銅の甲殻》を纏わせるが、Thieleが《貫く徘徊者》でのアタック後に《浮上マイア》をプレイすると、ライフは石村13対Thiele17。ダメージレースで先行されてしまう。 　それでも石村は《オオアゴザウルス》に逆転の目を託すが、そこからThieleは《炎生まれのバイロン》を2ターン連続でプレイ、さらに《ギタクシア派の調査》で見えた手札には《電位の負荷》まで控えている。 　《主の呼び声》のチャンプブロックでひたすら《太陽破の天使》を待つ石村だが、ライブラリトップでその思いに応えるのは土地ばかりなのであった。 　石村 1-2 Thiele