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2020プレイヤーズツアー・オンライン

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「プレイヤーズツアー・オンライン2」2日目の注目の出来事

Corbin Hosler

2020年6月15日


 

(編訳注:埋め込み動画は英語実況のものです。)

 「プレイヤーズツアー・オンライン2」が決着のときを迎え、スタンダードの様相は定まった。「ティムール再生」デッキの支配。目覚ましい活躍を見せたローグ・デッキ。名だたるプレイヤー揃いのトップ8。そして、堂々たる王者、村栄 龍司の誕生。

 ここでは、今大会における注目の出来事をご紹介しよう。

「ティムール再生」によるメタゲーム支配

 スタンダードは新たに空飛ぶサメを従えた「ティムール再生」のものになり、この週末に行われた2つ目のプレイヤーズツアーにおいても最後の最後まで存在感を示し続けた。このデッキは今大会を迎えるにあたり「狙われる側」であったにも関わらず、初日の使用率30%から2日目は40%に迫る圧倒的な支配を見せ、マジックにおけるマナ生成の力を証明したのだった。爆発的なマナ加速の点で《荒野の再生》に匹敵するものはなく、生み出された莫大な量のマナから放たれる《発展+発破》はゲームを終わらせる火球と化した。詳しくは、「プレイヤーズツアー・オンライン 2日目メタゲームブレイクダウン」記事もご覧いただきたい(リンク先は英語)。

 だが《荒野の再生》の最大の強みは、必要に応じて環境に適応できることとも言えるだろう。大量のマナからスタンダード屈指のドロー呪文であり除去呪文でもある《発展+発破》につなげる動きは、クリーチャー除去であれ打ち消し呪文であれ、特定のマッチアップで必要なカードを引き込めることを意味する。この強力なコンビネーションの存在により、打倒「ティムール再生」を狙う側としては、他のデッキに対する相性を犠牲にせず対策を取ることが難しかったのだ。結果的に、今大会のトップ8には「ティムール再生」デッキが4つ入賞し、村栄 龍司とジャン=エマニュエル・ドゥプラ/Jean-Emmanuel Deprazを決勝の舞台まで導いたのだった。

村栄 龍司 - 「ティムール再生」
2020プレイヤーズツアー・オンライン2 優勝 / スタンダード (2020年6月13~14日)[MO] [ARENA]
2 《
2 《
1 《
4 《繁殖池
1 《神秘の神殿
3 《踏み鳴らされる地
4 《蒸気孔
4 《ケトリアのトライオーム
2 《ヴァントレス城
2 《爆発域
4 《寓話の小道

-土地(29)-

3 《自然の怒りのタイタン、ウーロ
1 《厚かましい借り手

-クリーチャー(4)-
4 《成長のらせん
3 《焦熱の竜火
2 《否認
1 《霊気の疾風
3 《神秘の論争
2 《中和
1 《炎の一掃
4 《荒野の再生
3 《サメ台風
4 《発展+発破

-呪文(27)-
2 《砕骨の巨人
1 《厚かましい借り手
3 《夜群れの伏兵
2 《否認
1 《霊気の疾風
1 《萎れ
1 《炎の一掃
1 《神秘の論争
2 《終局の始まり
1 《サメ台風

-サイドボード(15)-

 トップ8入賞者の各使用デッキは以下の通り。

  • 村栄 龍司(ティムール再生)
  • アリソン・ウォーフィールド/Allison Warfield(ティムール再生)
  • エドゥアルド・サイガリク/Eduardo Sajgalik(ジャンド・サクリファイス)
  • クリストファー・ラーセン/Christoffer Larsen(《湧き出る源、ジェガンサ》入りジャンド・サクリファイス)
  • イーライ・ラヴマン/Eli Loveman(ラクドス・サクリファイス)
  • ジャン=エマニュエル・ドゥプラ(ティムール再生)
  • ケヴィン・ペレス/Kevin Perez(スゥルタイ・ランプ)
  • エイブ・コリガン/Abe Corrigan(ティムール再生)

 トップ8には優れたプレイヤーが揃った。ラストチャンス予選優勝のケヴィン・ペレスにライバルズ・リーグ選手のアリソン・ウォーフィールドとイーライ・ラヴマン。そしてMPL選手のジャン=エマニュエル・ドゥプラ。全員がハイレベルな舞台でのトップ8入賞を経験しており、競技の最前線を走る者たちだった。

 エイブ・コリガンもまた、競技の舞台の新参者ではない。これまでもトップ8入賞をいくつも達成し、その素晴らしい才能を示し続けているプレイヤーだ。昨年のグランプリ・リッチモンド2019では優勝を果たしているコリガンだが、それでも今こそが競技人生最高の瞬間だと彼は言う。

players-tour-online-2-top-8-Abe_Corrigan.jpg

「プレイヤーズツアーでのトップ8入賞は、私のすべてです。ここ数年、本当に厳しい練習を重ねて力をつけてきました」

 その言葉は、コリガンのプレイが証明している。今大会において彼は、幾度となく「ティムール再生」の同系戦に挑み、接戦の中で数え切れないほどの窮地を乗り越えてきたのだ。

 さて、メタゲームの最上位は定まっていたものの、その下にはいくらかの驚きもあった。ラヴマンの「ラクドス・サクリファイス」もユニークな構成で目を引くが、もう1つ、殿堂顕彰者ズヴィ・モーショヴィッツ/Zvi Mowshowitzが2日目の後半まで戦い抜いた、魅力あふれる「緑単モンスター」をご紹介しよう。


 
Zvi Mowshowitz - 「緑単モンスター」
2020プレイヤーズツアー・オンライン2 / スタンダード (2020年6月13~14日)[MO] [ARENA]
21 《

-土地(21)-

4 《ジンジャーブルート
4 《生皮収集家
4 《樹皮革のトロール
4 《ヘンジの槌、ファレン卿
4 《恋煩いの野獣
4 《水晶壊し
4 《探索する獣
4 《石とぐろの海蛇

-クリーチャー(32)-
4 《巨大化
3 《剛力化

-呪文(7)-
4 《クロールの銛撃ち
3 《魂標ランタン
4 《強行突破
4 《強撃+脅威

-サイドボード(15)-
Eli Loveman - 「ラクドス・サクリファイス」
2020プレイヤーズツアー・オンライン2 トップ8 / スタンダード (2020年6月13~14日)[MO] [ARENA]
7 《
2 《
4 《血の墓所
2 《悪意の神殿
2 《踏み鳴らされる地
2 《ロークスワイン城
4 《寓話の小道

-土地(23)-

4 《大釜の使い魔
4 《どぶ骨
4 《忘れられた神々の僧侶
3 《悪魔の職工
1 《戦慄衆の解体者
1 《ラゾテプの肉裂き
4 《波乱の悪魔
4 《悲哀の徘徊者
3 《真夜中の死神

-クリーチャー(28)-
4 《初子さらい
4 《魔女のかまど
1 《死住まいの呼び声

-呪文(9)-
2 《エンバレスの盾割り
1 《荒廃甲虫
4 《朽ちゆくレギサウルス
3 《苦悶の悔恨
2 《無情な行動
1 《害悪な掌握
1 《焦熱の竜火
1 《反逆の行動

-サイドボード(15)-

プレイヤーズツアー・オンライン2決勝

 「プレイヤーズツアー・オンライン2決勝は、伝説に残る一戦であった」――巨大なサメが飛び交う試合を目の当たりにしては、こんな表現では物足りないかもしれない。

 村栄とドゥプラが「ティムール再生」の荒野を深く進んでいくにつれて、私たちはサメ同士の乱打戦に呑み込まれることになった。その中で放たれる《発展+発破》。勝負を左右する打ち消し呪文の嵐。両者は1ゲームずつ取り合ったが、どちらのゲームでも勝者は打ち消し合戦を制した方だった。しかし、この緊迫感でさえも、決着の最終ゲームの前触れにすぎなかった。

 最終ゲーム。両者はリソースで優位に立つべく競い合った。そしてドゥプラが、今後決して忘れられないであろう選択の瞬間を迎える。村栄は《発展+発破》でカードを4枚引いたところで、2マナが残っていた。ドゥプラも勝負を決められる《発展+発破》を握っていたが、《否認》を合わせられたら負けだ。村栄のターンに《サメ台風》をサイクリングすれば、次のターンに《否認》の憂いなく勝てるかもしれない。ここで勝負を決めるべきか? 《サメ台風》を構えるべきか?


 

 ドゥプラは、彼の勝利を阻む打ち消し呪文を村栄が持っていることに賭けて、安全な道を選んだ。だが威力を抑えて撃った《発展+発破》は、そのまま解決された――村栄は打ち消し呪文を持っていなかったのだ。そして村栄がターンを迎えると、ドゥプラはさらに追い詰められていった。


 

 こうして、村栄は頂点へ至る道を踏破した。決勝ラウンドの3マッチはすべて、最終ゲームまでもつれ込む激戦だった。彼は合計9ゲームを戦い抜き、プレイヤーズツアー王者に輝いたのだ。

「『ティムール再生』は現在のメタゲームにおけるベスト・デッキだったと思います。チームで取り組んだサイドボード・プランも完璧でした」と、村栄は優勝者インタビューに応える。「最高の気分です! でもこの勝利は僕1人だけのものではありません。このデッキはチーム『曲者』のみんなと作り上げたものです。本当に幸運に恵まれて、すごく嬉しいです!」

村栄 龍司選手(@era0405)、#PTArena2優勝おめでとうございます!

「最高の気分です! でもこの勝利は僕1人だけのものではありません。このデッキはチーム『曲者』のみんなと作り上げたものです。本当に幸運に恵まれて、すごく嬉しいです!」

 そして、決勝で村栄と対峙したドゥプラにも特筆すべきエピソードがある。彼は今大会に向けて、「《サメ台風》はサイドボードに採用すべき」という意見の正しさを証明することを目標としていた。最後に《サメ台風》メイン採用のデッキに負けて準優勝に終わったため、彼の目標が完璧に達せられたとは言えないかもしれないが、世界選手権2019では上位に入賞し、2019ミシックチャンピオンシップⅤ(MTGアリーナ)では準優勝を記録しているドゥプラにとって、また1つ弾みがつく結果であるのは間違いない。

 今大会における彼のすべり出しを見れば、なおさら悪くない結果と言えるだろう。

予選ラウンド全15回戦の大会で早々に1-2しても、続けようね、みんな;) #PTArena2

トップ8へ猛進するケヴィン・ペレス

 72時間ほど前、ケヴィン・ペレスはプレイヤーズツアーへの参加権利も有していなかった。グアテマラに住む彼にとって、参加権利を得るための旅路は過酷だ。だからペレスは、週末を通して競技マジックに打ち込むことになるとは思ってもいなかった。ラストチャンス予選で優勝した自分に、自分で驚いた。そこからは順調そのもので、彼はこの週末を通してトップ8入賞に至る道を進み続けたのだ。

 ワールド・マジック・カップに3度出場した経験がありながらも、ペレスは母国の代表としての役割を国際的な舞台で十分に果たせていないと感じていた。だがこの週末に、すべてが変わったのだった。

グアテマラ人初のPTトップ8だ! #PTArena2

準々決勝で@MythicMeeboに負け! 残りも頑張ってほしい。優勝を願っているよ

今日は、僕の人生で絶対に実現できないと思っていたことが果たせた。だから大満足の笑顔で会場を後にするよ! 応援してくれたみんな、ありがとう

ウォーフィールドが自身初のトップ8入賞

 この週末は彼女の代名詞である《戦争の犠牲》を使用しなかったものの、ライバルズ・リーグ選手のアリソン・ウォーフィールドは2019ミシックチャンピオンシップⅦ(MTGアリーナ)で巻き起こった評判に恥じず、今大会でも「ウォーフィールドの犠牲」を次々と生み出していった。ウォーフィールドはMTGアリーナで当たったスゥルタイ・デッキの数をもとに「ティムール再生」に変更を加え、デッキリストの完成にはセス・マンフィールド/Seth Manfieldも一役買った。そしてウォーフィールドは目覚ましい活躍を見せ、トップ8の試合も配信してファンを楽しませたのだった。


 

 

「マジックで今日みたいな日を迎えられるとは思ってもいませんでした。私が競技の舞台に挑戦し始めたのは2年前です。まさか自分が『プレイヤーズツアー』に参加できるとは、想像もしていませんでしたよ。トップ8入賞なんてなおさらです」と、彼女は自らが果たした偉業を振り返って言う。

「優れたプレイヤーとして認められるためにはプレイヤーズツアー・トップ8入賞が必須だとは決して思いません。ですが間違いなく、大きなレベルアップを実感しています。自分は優れたマジック・プレイヤーなんだと信じられるくらいに。たとえオンラインの大会でも、プレイヤーズツアーでトップ8に入れた。そのことが、私には何よりも大切なんです」

MC7-Day-1-Ally-Warfield.jpg

(Tr. Tetsuya Yabuki)

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