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2019ミシックチャンピオンシップⅦ(MTGアリーナ)
2019ミシックチャンピオンシップⅦ(MTGアリーナ)メタゲームブレイクダウン
2019年12月4日
《王冠泥棒、オーコ》、《むかしむかし》、《夏の帳》の禁止を受けてスタンダードは再び活気を取り戻し、メタゲームのバランスも改善された。そして間もなく、MPL選手32名と挑戦者35名(参考記事:英語)による賞金総額750,000ドルを懸けた戦い、「2019ミシックチャンピオンシップⅦ(MTGアリーナ)」が始まる。12月6日(現地時間)から3日間にわたって行われるこの大会の模様は、 Twitch.tv/magic にて完全生放送でお届けする。(編訳より:日本語の放送情報はイベントカバレージ・トップページをご覧ください。)
本大会の参加全67選手のデッキリストも公開され、いよいよ舞台は整った。以下に、メタゲーム分析と最も多く採用されているカードの解説、それからすでに2日目進出を確定させているMPL選手(参考記事:英語)のデッキリストもお届けする。早速メタゲームから見ていこう。
メタゲーム分析
この画像は3人以上の使用者を集めたアーキタイプをまとめたものであり、メタゲームの86.6%を示している。MPL選手の中では「ジャンド・サクリファイス」が最も人気を集め、全体では「ジェスカイ・ファイアーズ」が最多勢力となった。サンプルリストとして、前回のミシックチャンピオンシップで準優勝の成績を収めたパウロ・ヴィター・ダモ・ダ・ロサ/Paulo Vitor Damo Da Rosaのデッキを見てみよう。
2 《島》 2 《山》 1 《平地》 4 《蒸気孔》 3 《天啓の神殿》 4 《神聖なる泉》 2 《聖なる鋳造所》 3 《凱旋の神殿》 3 《ヴァントレス城》 3 《寓話の小道》 -土地(27)- 2 《砕骨の巨人》 4 《予見のスフィンクス》 4 《炎の騎兵》 3 《風の騎兵》 2 《帰還した王、ケンリス》 -クリーチャー(15)- |
3 《可能性の揺らぎ》 2 《霊気の疾風》 1 《裁きの一撃》 4 《轟音のクラリオン》 4 《創案の火》 4 《時を解す者、テフェリー》 -呪文(18)- |
2 《砕骨の巨人》 1 《帰還した王、ケンリス》 2 《敬虔な命令》 2 《解呪》 2 《裁きの一撃》 1 《霊気の疾風》 4 《神秘の論争》 1 《抽象からの抽出》 -サイドボード(15)- |
現在のスタンダードを概説するために、本大会に3人以上が登録したすべてのアーキタイプについて、簡単な紹介と分析をお送りする。
ジェスカイ・ファイアーズ――17.9%
このデッキの理想の動きは、3ターン目《轟音のクラリオン》で身の安全を確保し、4ターン目に《創案の火》を設置し、そして5ターン目に《炎の騎兵》と《風の騎兵》を唱える(さらに浮いたマナで速攻を与える)というものだ。
《王冠泥棒、オーコ》によって「騎兵」が大鹿に変えられなくなったことでこの戦略は相対的に強化され、「ジェスカイ・ファイアーズ」を使うプレイヤーたちは全員「騎兵」を主な勝ち手段として頼ることになった。《主無き者、サルカン》を採用する者はおらず、《願いのフェイ》を採用する者も2名に留まった。また、「ジェスカイ・ファイアーズ」の使用者12名は全員《予見のスフィンクス》を採用しているが、これは以前のミシックチャンピオンシップとは異なる点であろう。当時の大会では、全デッキリストを見回しても《予見のスフィンクス》の姿は2枚しか見受けられなかった。しかしグジェゴジェ・コワルスキ/Grzegorz Kowalskiが《予見のスフィンクス》によって《創案の火》を安定して探せることを示すと、標準装備として広まったのだ。
ジャンド・サクリファイス――13.4%
このデッキのシナジーは、《魔女のかまど》と《大釜の使い魔》による生け贄エンジンで一気に加速する。
この2枚コンボは《波乱の悪魔》や《パンくずの道標》の能力を誘発させ、得られるアドバンテージはターンを重ねるたびに増えていく。「ジャンド・サクリファイス」の場合は《金のガチョウ》によってさらに食物・テーマを推し進め、《フェイに呪われた王、コルヴォルド》は戦場に出たターンにカードを3枚引ける7/7の飛行持ちくらいの性能になる。
ゴルガリ・出来事――11.9%
「ゴルガリ・出来事」は、《穢れ沼の騎士》や《残忍な騎士》といった黒の出来事持ちのカードとともに《エッジウォールの亭主》を駆使するデッキだ。
このアーキタイプにはさまざまな形がある。(アリー・ウォーフィールド/Ally Warfield、オータム・バーチェット/Autumn Burchett、ミミ・アーサー/Mimi Arthur、リード・デューク/Reid Dukeの)4名が《幸運のクローバー》と《豆の木の巨人》を採用し、(クリス・カヴァルテク/Chris Kvartek、ジョーダン・ケアンズ/Jordan Cairnsの)2名は《朽ちゆくレギサウルス》から《グレートヘンジ》へつなげる動きを盛り込み、(アリソン・マイノ/Allison Maino、アイザック・クルト/Isaak Krutの)2名はよりミッドレンジ的な形に仕上げている。
ゴルガリ・サクリファイス――10.4%
デッキの核となる部分は「ジャンド・サクリファイス」と共通しているものの、このデッキは《波乱の悪魔》を廃してマナ基盤を安定させている。他にも赤のカードが抜けた枠には、大半の「ゴルガリ・サクリファイス」が《戦争の犠牲》や《残忍な騎士》、《真夜中の死神》、《虐殺少女》、《ゴルガリの女王、ヴラスカ》を追加している。とりわけ《戦争の犠牲》は、《夏の帳》が禁止された現在の環境においてその威力を大いに増している。
イゼット・フラッシュ――9.0%
戦場に繰り出された《塩水生まれの殺し屋》は、《イオン化》や《ラルの発露》などを唱えているとあっという間に手に負えない大きさになるだろう。「イゼット・フラッシュ」はまた、《老いたる者、ガドウィック》と《厚かましい借り手》の組み合わせも存分に活かしている。
《老いたる者、ガドウィック》が戦場にいる状態で対戦相手のターンに《些細な盗み》と《厚かましい借り手》を両方唱えれば、相手のクリーチャーを2体タップさせることができ、あらゆるダメージ・レースで優位に立てるだろう。
シミック・フラッシュ――6.0%
「イゼット・フラッシュ」との対戦も困難だが、「シミック・フラッシュ」に対するプレイの選択はさらに複雑だ。対戦相手が構えているのが《夜群れの伏兵》なのか、《エリマキ神秘家》なのか、それとも両方なのか、知るすべがないのだから。
少々驚いたが、「シミック・フラッシュ」を選択した4名の中で《塩水生まれの殺し屋》を採用しているのは1人だけだった。また、《送還》や《幽体の船乗り》、《僻境生まれの保護者》を採用している者はいなかった。代わりに4人全員が、《成長のらせん》と《世界を揺るがす者、ニッサ》を採用しているのだ。そのため、このデッキは「シミック・フラッシュ・ランプ」とも呼べるかもしれない。
ラクドス・サクリファイス――4.5%
《魔女のかまど》に《大釜の使い魔》、そして《波乱の悪魔》に加えて、このデッキでは《忘れられた神々の僧侶》と《初子さらい》による、対戦相手の盤面を壊滅させる強力なコンボも搭載している。
「ラクドス・サクリファイス」を選択した3名のうちの1人――覚前 輝也は、最もユニークかつアグレッシブな構成に仕上げている。彼のリストには、《嵐拳の聖戦士》や《リックス・マーディの歓楽者》、《悪ふざけの名人、ランクル》が採用されているのだ。
ティムール・再生――4.5%
このアーキタイプは、『ラヴニカの献身』から環境に存在し続けている。主軸となるのは、《荒野の再生》から生み出される大量のマナを用いて、ターン終了時に一撃必殺の《発破》を放つことだ。
シミック・ランプ――4.5%
このアーキタイプはどの形も《発現する浅瀬》と《枝葉族のドルイド》、《茨の騎兵》を採用しているため、「シミック・エレメンタル」に分類することもできた。
このデッキが持つ相互作用の中でも、《茨の騎兵》で《模写》を墓地に落とす動きは特に美しい。それでも私がこのデッキを「シミック・ランプ」としたのは、全員が10枚以上のマナ加速呪文と《世界を揺るがす者、ニッサ》を採用しており、さらにマナの使い道として《ハイドロイド混成体》の姿があるからだ。
アゾリウス・コントロール――4.5%
このデッキは《吸収》で呪文に「No」を突きつけ、《次元の浄化》でパーマネントにも「No」を突きつけ、最終的には《厚かましい借り手》や《老いたる者、ガドウィック》の攻撃で勝利する。主な全体除去手段が《時の一掃》ではなく《次元の浄化》になっている点は特筆すべきだろう。
この選択は、《パンくずの道標》と《創案の火》というクリーチャーを一掃するだけでは不十分な戦略が二大巨頭となっている現環境において、極めて効果的であると言えるだろう。《次元の浄化》は、白い《戦争の犠牲》とみなせるかもしれない。
こちらの画像は、使用者数2人以下のアーキタイプをまとめたものだ。残りの13.4%を分析に加えて、スタンダードの競技環境にスパイスを加えよう。
5色ファイアーズ――3.0%
《創案の火》は強力なマナ加速手段であるだけでなく、要求されるマナの色をも無視する。《創案の火》をマナ・フィルターとして用いることができるなら、5色にしない理由はないだろう? それを実現したのが八十岡 翔太と行弘 賢のデッキなのだ。八十岡は《不屈の巡礼者、ゴロス》を採用し、一方の行弘は《ニヴ=ミゼット再誕》を採用している。いずれにせよ、両者とも《帰還した王、ケンリス》の5つの能力をすべて駆使できるだろう。
スゥルタイ・ランプ――3.0%
ダニエル・ヴェガ/Daniel Vegaとルイス・サルヴァット/Luis Salvattoは、典型的な「シミック・ランプ」に黒をタッチして《戦争の犠牲》を採用したデッキを本大会に登録した。ダブル・シンボルのカードをタッチするのは行き過ぎた考えに見えるが、《パンくずの道標》や《創案の火》がどこにでもいる環境ではあらゆるパーマネント・タイプが戦場に広がるため、《戦争の犠牲》は最高の回答となるのだ。そのためのマナ基盤を作るべく、「スゥルタイ・ランプ」には《迂回路》も採用されている。
ティムール・出来事――1.5%
《幸運のクローバー》を信じるジャン=エマニュエル・ドゥプラ/Jean-Emmanuel Deprazは、幸運を実感しているかもしれない。このアーティファクトの力をもってすれば、《肥沃な足跡》2回から《踏みつけ》や《些細な盗み》2回といった爆発的な初動を、3ターン目に実現できるのだ。
《僻境への脱出》や《ハイドロイド混成体》は、出来事の進行を続ける助けとなる。そしてドゥプラはさらに、おしゃれな勝ち手段も有している。巨大な《豆の木の巨人》を作り上げたら《願いのフェイ》でサイドボードから《投げ飛ばし》を持ってきて、致死量のダメージを与えるのだ。
グルール・出来事――1.5%
エステル・トルヒーヨ/Esther Trujilloは、同郷のハビエル・ドミンゲス/Javier Dominguezが2019ミシックチャンピオンシップⅥ(リッチモンド)で成功を収めた《エッジウォールの亭主》と《エンバレスの宝剣》のデッキを選択した。《むかしむかし》を失ったことで色の安定性が損なわれたため、《楽園のドルイド》で補う必要に迫られているものの、この戦略はいまだ健在であり、積極的な攻めを可能としている。
ラクドス・ファイアーズ――1.5%
ジョン・ロルフ/John Rolfは、本大会で最も魅力的なデッキの1つを登録した。ベン・ウェイツ/Ben Weitz作だというこのデッキは、「サクリファイス」デッキのパーツ(《魔女のかまど》、《大釜の使い魔》、《波乱の悪魔》、《真夜中の死神》)と「ファイアーズ」のパーツ(《創案の火》、《炎の騎兵》、《永遠神バントゥ》)を合体させたものだ。
これにより、《魔女のかまど》で《炎の騎兵》を生け贄に捧げたり、《永遠神バントゥ》と《波乱の悪魔》のコンボを解き放ったりと、デッキ間を越えたゲームエンド級のシナジーを存分に扱えるようになっている。先ほど挙げた動きはどちらも、一撃で対戦相手を打ち倒す強烈なものだ。それから、《欲深い衝動》のために赤黒のデッキに《蒸気孔》を採用しているのも実に新しい。ロルフが使うこのデッキは、素晴らしいと言うほかない。
エスパー・コントロール――1.5%
アレクサンダー・ヘイン/Alexander Hayneは、《夏の帳》の禁止によって再び《思考消去》や《ドビンの拒否権》の道が開けたと感じたに違いない。だから彼は、それらの呪文を搭載した「エスパー・コントロール」を本大会に登録したのだ。
彼のリストには《ケイヤの怒り》が採用されておらず、代わりに単体除去が多めの構成になっている。勝ち手段はマナの代わりにライフを支払って呪文を唱えられる《ボーラスの城塞》と、マナを支払ってライフを回復できる《帰還した王、ケンリス》だ。これらが揃えば、対戦相手は瞬く間にカード・アドバンテージの海に沈むことだろう。
ジャンド・ファイアーズ――1.5%
エリザベス・ライス/Elizabeth Riceは、《創案の火》と《戦争の犠牲》を組み合わせた。《繁茂の絆》は《創案の火》を見つける助けになり、《肉儀場の叫び》は《大釜の使い魔》や《真夜中の死神》に対するスムーズな回答になる。
だがこのデッキが持つ夢はもちろん、1ターン中に《戦争の犠牲》を2連打し、10個のパーマネントを破壊することだろう。
最も採用されたカード
以下の表は、全67デッキリストにおける合計採用枚数上位30カードを示している。
カード名 | メインデッキ採用枚数 | サイドボード採用枚数 | 合計 |
---|---|---|---|
《森》 | 254 | 0 | 254 |
《島》 | 162 | 0 | 162 |
《沼》 | 160 | 0 | 160 |
《寓話の小道》 | 152 | 0 | 152 |
《神秘の論争》 | 12 | 99 | 111 |
《草むした墓》 | 111 | 0 | 111 |
《山》 | 100 | 0 | 100 |
《蒸気孔》 | 93 | 0 | 93 |
《戦争の犠牲》 | 80 | 12 | 92 |
《強迫》 | 2 | 86 | 88 |
《砕骨の巨人》 | 78 | 7 | 85 |
《恋煩いの野獣》 | 36 | 47 | 83 |
《魔女のかまど》 | 80 | 0 | 80 |
《天啓の神殿》 | 78 | 0 | 78 |
《金のガチョウ》 | 77 | 0 | 77 |
《ヴァントレス城》 | 77 | 0 | 77 |
《大釜の使い魔》 | 76 | 0 | 76 |
《楽園のドルイド》 | 73 | 0 | 73 |
《時を解す者、テフェリー》 | 71 | 1 | 72 |
《残忍な騎士》 | 68 | 3 | 71 |
《変容するケラトプス》 | 0 | 69 | 69 |
《厚かましい借り手》 | 66 | 0 | 66 |
《神聖なる泉》 | 66 | 0 | 66 |
《踏み鳴らされる地》 | 65 | 0 | 65 |
《霊気の疾風》 | 20 | 45 | 65 |
《創案の火》 | 64 | 0 | 64 |
《パンくずの道標》 | 64 | 0 | 64 |
《繁殖池》 | 57 | 0 | 57 |
《成長のらせん》 | 56 | 0 | 56 |
《血の墓所》 | 56 | 0 | 56 |
《炎の騎兵》 | 55 | 0 | 55 |
特筆すべきは以下の通りだ。
- 他の基本土地と比べて《平地》の採用枚数がかなり少ないことを見るに、白は人気を集めているとは言い難い。(全デッキリストを見ても、《平地》は合わせて28枚しか採用されていない。)ちなみに、基本土地以外で最も多く採用されているのは《寓話の小道》だ。
- 土地以外では、大半がサイドボードとはいえ《神秘の論争》が最も多く採用されている。やはりと言うべきか、1マナの干渉手段は重宝されているようだ。サイドカードとして2番目に多く採用されているのが《強迫》であることも、それを物語っている。
- メインデッキでは、現環境でその力を存分に振るう《戦争の犠牲》が最も多く採用されている。本大会の参加者は、《魔女のかまど》、《波乱の悪魔》、《パンくずの道標》、《ロークスワイン城》、《ゴルガリの女王、ヴラスカ》の「5枚抜き」を夢見ているようだ。あるいは《時を解す者、テフェリー》、《創案の火》、《炎の騎兵》、《ヴァントレス城》の4枚でも良い。このカードは今、実に良いポジションを得ている。
- 《時を解す者、テフェリー》の姿も再び多く見受けられるようになった。「ティムール・再生」を使うプレイヤーにとっては逆風と言えそうだ。
- 《砕骨の巨人》はメインデッキで2番目に採用が多く、今週末はこのカードを用いた素晴らしいプレイも期待できるだろう。例えば、4/3の《塩水生まれの殺し屋》をブロックした《変容するケラトプス》が、《踏みつけ》によってダメージの軽減を阻害されると死亡することをご存知だろうか? もしかしたら、自身のクリーチャーに《踏みつけ》を撃つプレイも見られるかもしれない――対戦相手の《踏みつけ》を対象不適正で打ち消し、その後《砕骨の巨人》を出させないために。
2日目進出者のデッキ
MPLエルドレイン・スプリットの各ディビジョンの優勝者は、すでに2日目進出が確定している。彼らのデッキを以下に掲載しよう。
1 《平地》 1 《島》 1 《沼》 1 《山》 1 《森》 2 《神聖なる泉》 1 《静寂の神殿》 1 《聖なる鋳造所》 1 《凱旋の神殿》 2 《寺院の庭》 1 《蒸気孔》 1 《天啓の神殿》 3 《繁殖池》 3 《神秘の神殿》 1 《疾病の神殿》 1 《血の墓所》 2 《踏み鳴らされる地》 1 《ヴァントレス城》 3 《寓話の小道》 -土地(28)- 4 《不屈の巡礼者、ゴロス》 2 《帰還した王、ケンリス》 3 《豆の木の巨人》 2 《裏切りの工作員》 3 《ハイドロイド混成体》 -クリーチャー(14)- |
4 《成長のらせん》 4 《創案の火》 2 《時の一掃》 4 《戦争の犠牲》 4 《時を解す者、テフェリー》 -呪文(18)- |
2 《狼の友、トルシミール》 2 《霊気の疾風》 2 《敬虔な命令》 2 《否認》 2 《自然への回帰》 3 《神秘の論争》 2 《炎の一掃》 -サイドボード(15)- |
9 《島》 4 《山》 4 《蒸気孔》 4 《天啓の神殿》 2 《ヴァントレス城》 2 《寓話の小道》 1 《爆発域》 -土地(26)- 4 《塩水生まれの殺し屋》 4 《砕骨の巨人》 4 《厚かましい借り手》 4 《老いたる者、ガドウィック》 -クリーチャー(16)- |
4 《選択》 3 《火消し》 2 《否認》 2 《焦熱の竜火》 4 《イオン化》 3 《ラルの発露》 -呪文(18)- |
2 《スカルガンのヘルカイト》 2 《溶岩コイル》 1 《霊気の疾風》 1 《否認》 1 《焦熱の竜火》 4 《神秘の論争》 3 《炎の一掃》 1 《エンバレスの宝剣》 -サイドボード(15)- |
5 《森》 2 《沼》 1 《山》 4 《草むした墓》 4 《踏み鳴らされる地》 4 《血の墓所》 1 《ロークスワイン城》 4 《寓話の小道》 -土地(25)- 4 《大釜の使い魔》 4 《金のガチョウ》 4 《波乱の悪魔》 2 《管区の案内人》 2 《真夜中の死神》 2 《打ち壊すブロントドン》 3 《意地悪な狼》 2 《フェイに呪われた王、コルヴォルド》 -クリーチャー(23)- |
4 《魔女のかまど》 4 《パンくずの道標》 3 《戦争の犠牲》 1 《ゴルガリの女王、ヴラスカ》 -呪文(12)- |
1 《打ち壊すブロントドン》 3 《変容するケラトプス》 1 《虐殺少女》 3 《強迫》 3 《害悪な掌握》 2 《壮大な破滅》 2 《軍団の最期》 -サイドボード(15)- |
5 《森》 2 《沼》 1 《山》 4 《草むした墓》 4 《踏み鳴らされる地》 4 《血の墓所》 2 《ロークスワイン城》 3 《寓話の小道》 -土地(25)- 4 《大釜の使い魔》 4 《金のガチョウ》 4 《波乱の悪魔》 2 《残忍な騎士》 2 《打ち壊すブロントドン》 2 《フェイに呪われた王、コルヴォルド》 2 《虐殺少女》 3 《豆の木の巨人》 -クリーチャー(23)- |
4 《魔女のかまど》 4 《パンくずの道標》 4 《戦争の犠牲》 -呪文(12)- |
3 《恋煩いの野獣》 1 《残忍な騎士》 1 《打ち壊すブロントドン》 2 《不死の騎士》 2 《意地悪な狼》 1 《フェイに呪われた王、コルヴォルド》 1 《虐殺少女》 4 《強迫》 -サイドボード(15)- |
マルシオ・カルヴァリョ/Márcio Carvalhoとピオトル・グロゴウスキ/Piotr Głogowskiの2名が「ジャンド・サクリファイス」を選択したことは注目に値するだろう。彼らの構築は核となる部分は共通しているものの、仕上げの部分に差異が見受けられる。カルヴァリョのデッキは《打ち壊すブロントドン》や《意地悪な狼》、《管区の案内人》を少量採用する、「ジャンド・サクリファイス」としてはより一般的な形だ。
一方、グロゴウスキは《残忍な騎士》や《豆の木の巨人》、《虐殺少女》を採用し、常道からはやや外れた構成を取った。小さな違いに見えるかもしれないが、生け贄エンジンが回り始めた段階で《パンくずの道標》で探せるものの選択は大きな影響を与えるのだ。
姿を消したアグロ・デッキ
驚くべきことに、「ラクドス・騎士」や「赤単」を登録した選手は1人もいなかった。メインデッキに《エンバレスの宝剣》を採用した者もわずか1人だ。スペインの調整チームの一員でありグランプリ・ヘント2019を制したエステル・トルヒーヨが唯一、世界中のアグロ・ファンの琴線に触れるデッキを持ち込んでいる。彼女のデッキ選択が正しかったことをぜひ証明してもらいたい。
9 《森》 8 《山》 4 《踏み鳴らされる地》 2 《寓話の小道》 -土地(23)- 4 《エッジウォールの亭主》 4 《生皮収集家》 4 《楽園のドルイド》 4 《リムロックの騎士》 4 《砕骨の巨人》 4 《グルールの呪文砕き》 4 《恋煩いの野獣》 4 《探索する獣》 -クリーチャー(32)- |
2 《ドムリの待ち伏せ》 3 《エンバレスの宝剣》 -呪文(5)- |
3 《エンバレスの盾割り》 2 《打ち壊すブロントドン》 3 《変容するケラトプス》 2 《燃えがら蔦》 1 《ドムリの待ち伏せ》 1 《溶岩コイル》 1 《自然への回帰》 1 《炎の一掃》 1 《グレートヘンジ》 -サイドボード(15)- |
今はアグロ・デッキは厳しいというのが一般的な見解だ。序盤からクリーチャーで猛攻を仕掛ける戦略は《轟音のクラリオン》に弱く、大型のクリーチャーによる攻撃も《大釜の使い魔》のチャンプ・ブロックに防がれ続け、そして食物・トークンの存在が火力呪文で止めを刺すのを難しくしているためだ。だが《グルールの呪文砕き》や《探索する獣》、そして《エンバレスの宝剣》は、どれも《轟音のクラリオン》を回避しつつ《大釜の使い魔》を突破できる。現環境をアグロ戦略で打ち破るなら、「グルール」が最適だというわけだ。
私自身《エンバレスの宝剣》を用いる戦略のファンなので、個人的にエステルの活躍には期待している。だが現在のスタンダード環境には、アグロ、ミッドレンジ、コントロール、どの戦略が好きなプレイヤーにとっても適したデッキが存在し、その中で頂点に登り詰めるものを見るのが待ち切れない。アメリカ・ロングビーチを舞台とする2019ミシックチャンピオンシップⅦ(MTGアリーナ)の模様は、12月6日午前9時(PST)より twitch.tv/magic にて生放送でお届けする。参加67選手の全デッキリストも確認し、優勝のゆくえを見守ろう。
(Tr. Tetsuya Yabuki)
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