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2019ミシックチャンピオンシップⅥ(リッチモンド)

観戦記事

第8回戦:熊谷 陸(宮城) vs. Ashwin Ugale(アメリカ) ~王者が王者たる所以~

伊藤 敦

 

 王者が王者たる所以とは何か。

 多くの日本人プレイヤーたちが苦戦する中、7回戦終了時点で5勝2敗と、ひとり気を吐く男がいた。

 先週開催されたグランプリ・名古屋2019で見事優勝を飾った、王者・熊谷 陸だ。

 熊谷のデッキは先週と同様、この環境における王者のデッキ・シミックフード……なのだが、後ほどデッキテクで取り上げる予定のかなり独特のチューンを施したレシピを、数名のプロプレイヤーたちとシェアしている。

 初日最終戦の対戦相手は、ティムール再生デッキを駆るアシュウィン・ウガーレ/Ashwin Ugale

 ここで勝てば6勝2敗と、トップ8の可能性が現実的に見えるラインで2日目に望みをつなぐことができる。

 日本の大会だけでなく世界の大会でも王者となるべく、熊谷はウガーレとの戦いに臨む。

 

ゲーム 1

 2ターン目《楽園のドルイド》→3ターン目《探索する獣という、ティムール再生というデッキに対してはこれ以上ないブン回りを見せる熊谷に対し、ウガーレは《厚かましい借り手》の呪文側(《些細な盗み》)で1ターンだけ攻撃を防ぐものの、続くターンも熊谷はアンタップインの土地から《探索する獣》を出し直し、一挙6点ものダメージを叩き込む。

 ウガーレも《成長のらせん》から《選択》へとつなげ、ライブラリーを掘り進むのだが、4ターン目に5枚目の土地をタップインで置きつつも、フルオープンでターンを返す。それはすなわち、「あのカード」が引けていないということ。

 ティムール再生というデッキは、その名の通り荒野の再生によってインスタントタイミングで倍増したマナを《発展 // 発破》に注ぎ込むことで莫大なアドバンテージを得るデッキだ。

 だがそれはすなわち、荒野の再生》を引けなければいつまでも土地の枚数に縛られた動きしかできないということを意味している。

 そしてお互いのマナが土地の枚数に縛られたままなら、シミックフードというデッキは環境における最高のマナカーブを体現したデッキなのだ。

 返すターン、5枚目の土地を置いた熊谷がキャストしたのは世界を揺るがす者、ニッサ》!

 
アシュウィン・ウガーレ

 他方、このターン9点を受けたウガーレのライフは土地からのダメージもありすでに残り3点。どうにか解答を求めてエンド前に《薬術師の眼識》を打ってみるものの、《荒野の再生》はまだ見つからない。

 やむなく次のターン、熊谷がフルアタックに来たタイミングで《炎の一掃》を《発展 // 発破》でコピーして一旦盤面をリセットしようと試みるのだが、そこに熊谷の神秘の論争》が突き刺さったのだった。

熊谷 1-0 ウガーレ

ゲーム 2

 後手ながら《金のガチョウ》→《楽園のドルイド》と並べた熊谷の盤面を、ウガーレが《成長のらせん》からの《炎の一掃》でリセットする立ち上がり。

 だが熊谷はめげずに王冠泥棒、オーコを送り出すと、即座に食物・トークンを[+1]で3/3の大鹿にして最速でライフを詰めにかかる。

 返すウガーレはセットランド後、メインで《成長のらせん》を唱えてから、《繁殖池》をショックイン。だが4マナオープンでターンを返したところを見ると、またしても《荒野の再生》を引けていない様子。

 
熊谷 陸

 熊谷は3点アタック後に《金のガチョウ》を送り出し、生成した食物・トークンを即座に3/3としておきつつ、マナを構えてターンを終える。ウガーレはエンド前に《薬術師の眼識》を唱え、熊谷はノータイムでこれをスルー。

 なおも《荒野の再生》が引けていないウガーレは占術土地を置きつつ《薬術師の眼識》を「再活」して最大枚数を掘るのだが、いつまで経っても目当てのエンチャントに巡り合うことができない。

 そして返すターンに熊谷が大鹿2体で6点を叩き込むと、ギルドランドの度重なるアンタップインもありウガーレのライフは気づけば残り4点。

 王者が王者たる所以。それは、何物にも依存しない独立不羈の精神を持つことだ。

 返すターンにもウガーレのアクションはない。そして熊谷が再び2体の大鹿をレッドゾーンに向かわせたとき……右手を差し出しながらウガーレが公開した手札には、なおも大量の土地が余っていたのだった。

熊谷 2-0 ウガーレ

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RESULTS

対戦結果 順位
16 16
15 15
14 14
13 13
12 12
11 11
10 10
9 9
8 8
7 7
6 6
5 5
4 4
3 3
2 2
1 1

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