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行弘賢のよくわかる!リミテッド講座
行弘賢のよくわかる!リミテッド講座 第22回:『破滅の刻』ドラフト 答え合わせ編
行弘賢のよくわかる!リミテッド講座 第22回:『破滅の刻』ドラフト 答え合わせ編
皆さんこんにちは! 今回は前回から続いての後編ということで、いつも同様に「新環境リミテッド:プロツアー後の振り返り」をしていきましょう。
今回もプロツアーに参戦してきたので、プロツアー後の振り返り、しっかりやらせていただきます。
1.プロツアーを終えて環境のまとめ
前回の記事でも書いた通り、僕が感じた最初の印象がこちら。
- 『アモンケット』のみの環境よりも低マナのクリーチャーの質が落ちた。
- 攻撃的なカードが弱体化し、環境が遅くなりそう。
- 砂漠がキーとなるカードが全体的に強いので、砂漠の優先度が高そう。
そして、その後の実際の練習過程やプロツアー『破滅の刻』で感じた環境の印象とファーストインプレッションの差、つまり「的中度」を点数にすると、以下のようになりました。
60点:『アモンケット』のみの環境よりも低マナのクリーチャーの質が落ちた。
全体的な低マナのクリーチャーの質は落ちてはいるものの、《オケチラの報復者》や《呪文織りの永遠衆》等、2マナからビートダウンは可能なクリーチャーは多数存在しており、ゲームプランへの影響も少なくありませんでした。
60点:攻撃的なカードが弱体化し、環境が遅くなりそう。
督励に関しては全体的に弱くなっているのですが、青と赤と白に関してはビートダウンの性能がそこまで変わらず、攻撃的なカードは十分に強いです。
特に青と赤を組み合わせた、《火付け射手》と《呪文織りの永遠衆》の呪文シナジーを取り入れた攻撃的アーキタイプは環境最強のアーキタイプとなっています。
ですが、緑と黒については、明確に攻撃的なカードは弱体化しているため、『アモンケット』のみの環境に比べると少しだけ環境は遅くなってはいます。
70点:砂漠がキーとなるカードが全体的に強いので、砂漠の優先度が高そう。
砂漠が無いと機能しないカードがプールに複数存在するため、砂漠はできるだけある程度枚数を確保しておきたいです。
ですが、あえて砂漠関連のカードを高めに取らないことで、ピック手順を土地以外のカードだけに回すこともできます。
その際は土地以外のカードの質が砂漠を取らない時よりも向上するため、砂漠関連のシナジーを諦めるのもひとつの手ではあります。
2.新・環境のまとめ
以上の点を加え、前回のファーストインプレッションと統合した環境のまとめは以下のとおりです。
- ビートダウンを組む際は2マナ域の攻撃的クリーチャーの質に注意しよう
- 攻撃的なアーキタイプを組む際は赤・青・白の3色を中心に組むようにしよう
- 砂漠はできるだけ枚数を確保すると受けは広がるものの、ピック手順を多く使うため、アーキタイプドラフトをしている時などはまったくピックしないこともある
皆さんもぜひ、これらの要素を意識しながらピックしてみてください。
さて、次はこの環境で実際にどのようなアーキタイプが活躍しているか、代表カードとともに解説していきます。前回紹介しなかったアーキタイプを中心に紹介していきますね。
3.各種注目アーキタイプ
注目のアーキタイプその1:赤白督励
赤白督励は、督励のロード的立ち位置である《毅然たる生き残り》を中心とした、督励クリーチャーで攻撃し続ける攻撃的アーキタイプです。
《信義の侍臣》か《毅然たる生き残り》どちらかを初手付近でピックできたら狙ってみる価値はあります。どちらもアンコモンなので優先度高くピックしましょう。
注目のアーキタイプその2:青緑多色
青緑多色は、《オアシスの祭儀師》や《マナリス》などのマナサポートから重いカードや多色のパワーカードを叩きつけるアーキタイプです。
マナサポートも重要ですが、ライフゲインが頼もしい《川ヤツガシラ》と《選別ワーム》をピックしておくとビートダウンに対してしっかり巻き返すことができます。
注目のアーキタイプその3:青白飛行
ダメージレースをひっくり返す飛行クリーチャーである《尽きぬ希望のエイヴン》をマナカーブの頂点とした、飛行クリーチャー中心で攻めるアーキタイプです。
ピックの際は飛行クリーチャーを中心にピックしていくのはもちろんのこと、《抑え難い渇き》と《孤高のラクダ》は除去が薄くダメージレースをする青白としては非常に重要な役割を担っているため、他のアーキタイプよりも砂漠を優先的にピックするようにしましょう。
以上、3つの注目のアーキタイプでした。
他にも「緑黒-1/-1カウンター」など、まだまだたくさんのアーキタイプがありますので、ぜひ皆さんで新たなるアーキタイプを見つけてみてください。
4.『破滅の刻』のトップコモン&アンコモン
前回も『破滅の刻』の各色トップ3を挙げましたが、今回はその改訂版です。
前回から評価が変わってトップ3から抜けたカードと入ったカードを解説していきますので、前回の記事を読んでいない方はぜひそちらも確認していただけたらと思います。
白・アンコモン
トップ3(変更なし) |
---|
《砂漠の拘留》 |
《陽光鞭の勇者》 |
《信義の侍臣》 |
白・コモン
今回のトップ3 | 前回のトップ3 |
---|---|
《不屈のエイヴン》 | 《不屈のエイヴン》 |
《オケチラの報復者》 | 《オケチラの報復者》 |
《尽きぬ希望のエイヴン》 | 《砂爆破》 |
in
《尽きぬ希望のエイヴン》:ライフゲインがダメージレースをする飛行クリーチャーの性質とマッチしている、強力な飛行クリーチャーです。
out
《砂爆破》:強力な除去ですが、相対的に評価を下げました。
青・アンコモン
今回のトップ3 | 前回のトップ3 |
---|---|
《選定の侍臣》 | 《選定の侍臣》 |
《謎変化》 | 《しなやかな打撃者》 |
《不吉なスフィンクス》 | 《不吉なスフィンクス》 |
in
《謎変化》:使えるアーキタイプこそ限られるものの、短期戦・長期戦ともに強い強力な飛行クリーチャーです。
out
《しなやかな打撃者》:「永遠」前が相討ち要員でしかなく、役割が乏しいため評価を下げました。
青・コモン
今回のトップ3 | 前回のトップ3 |
---|---|
《抑え難い渇き》 | 《抑え難い渇き》 |
《空からの導き手》 | 《空からの導き手》 |
《呪文織りの永遠衆》 | 《狡猾な生き残り》 |
in
《呪文織りの永遠衆》:加虐と果敢どちらも強力な能力で、非常に優秀な攻撃的2マナクリーチャーです。
out
《狡猾な生き残り》:強力な2マナ域ではあるものの、使用できるデッキは選ぶので評価を下げました。
黒・アンコモン
今回のトップ3 | 前回のトップ3 |
---|---|
《禍鞭の懲罰者》 | 《禍鞭の懲罰者》 |
《不快の顕現》 | 《スカラベの責め苦》 |
《無慈悲な永遠衆》 | 《無慈悲な永遠衆》 |
in
《不快の顕現》:専用カードにはなるものの、アーキタイプを組めた際の期待値が高いので評価を上げました。
out
《スカラベの責め苦》:黒の攻撃的アーキタイプでないと採用するのが難しく、黒は攻めるデッキにならないことが多いため評価を下げました。
黒・コモン
トップ3(変更なし) |
---|
《致死の一刺し》 |
《毒の責め苦》 |
《無法の斬骨鬼》 |
赤・アンコモン
トップ3(変更なし) |
---|
《砂かけ獣》 |
《削剥》 |
《燃え拳のミノタウルス》 |
赤・コモン
今回のトップ3 | 前回のトップ3 |
---|---|
《ケンラの潰し屋》 | 《ケンラの潰し屋》 |
《穿刺の一撃》 | 《穿刺の一撃》 |
《火付け射手》 | 《金色のセロドン》 |
in
《火付け射手》:クリーチャーでない呪文を唱えるたびにダメージを与えることで、攻撃的デッキの攻めのバリエーションを増やす重要な2マナクリーチャーです。
out
《金色のセロドン》:依然として非常に強力なクリーチャーですが、5マナ域であることと、砂漠をピックしないと使えないことを考慮して評価を下げました。
緑・アンコモン
今回のトップ3 | 前回のトップ3 |
---|---|
《強靭な狩り手》 | 《強靭な狩り手》 |
《希望守り》 | 《活力の信奉者》 |
《選別ワーム》 | 《超克》 |
in
《希望守り》:2マナの貴重なマナクリーチャーとして評価を上げました。
《選別ワーム》:アンコモン以下の緑のフィニッシャーとして一番信頼を置ける性能なため、評価を上げました。
out
《活力の信奉者》:緑は攻撃的アーキタイプになりにくいため、評価を下げました。
《超克》:緑が横並びする攻撃的アーキタイプになりにくいため、評価を下げました。
緑・コモン
今回のトップ3 | 前回のトップ3 |
---|---|
《待ち伏せ》 | 《待ち伏せ》 |
《オアシスの祭儀師》 | 《侵略ナーガ》 |
《ロナスの重鎮》 | 《ロナスの重鎮》 |
in
《オアシスの祭儀師》:緑多色のキーとなる、極めて強力なマナクリーチャーです。
out
《侵略ナーガ》:攻撃的アーキタイプになりにくい緑にとってはマナカーブ埋めの役割しかなりませんでした。
以上、各色トップ3でした。皆さんと評価が違う部分ももちろんあると思いますので、ぜひ比較してみてください。
5.最後に
『アモンケット』に引き続き前編・後編とやらせていただきましたが、いかがでしたか? 感想いただけましたら今後の参考とさせていただきますので、ぜひTwitterなどでお送りください。
今回のプロツアーは個人成績こそ振るいませんでしたが、チームシリーズは所属している「武蔵」が単独1位、そして僕は世界選手権の出場が確定と、シーズンの終わりとしては非常に満足がいくものとなりました。
世界選手権では次回環境の『イクサラン』のドラフトが、チームシリーズでは『イクサラン』のチームリミテッドが視聴できると思いますので、こちらもぜひ応援していただけますと幸いです。
では次回も新セット発売直前にお会いしましょう。それでは!
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