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店舗の皆さまへ
第78回:誘発型能力の扱い
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ウィザーズプレイネットワーク通信
ご注意:本記事は掲載当時の情報をもとに制作されたものです。現在の制度・プログラムと異なる場合がありますので、最新の情報は ウィザーズプレイネットワーク 公式サイト を必ずご確認ください。
2011.11.29
WPN通信 #78:誘発型能力の扱い
こんにちは。ウィザーズプレイネットワーク日本担当の宮坂です。
めっきり寒くなりまして、鍋物が美味しい季節となりました。すでに忘年会にお呼ばれするような時期となり、年の瀬がすぐそこへ迫っていることを実感しています。今年一年間いろんな方にお目にかかって、お世話になった感謝の気持ちをお伝えする場として、忘年会という風習はいい物かもしれません。
わたしはといえば、寒かったサンフランシスコから持ち帰ったのか、咳と鼻水が止まらなくてややつらい昨今です。声がかすれてしまって、電話口の向こう側から体調を心配される始末でした。みなさまもお身体には気をつけてお過ごしください。
Finals 地区トーナメントは今週末で終了です
先日から Finals チャンピオンシップの出場権をかけた地区トーナメントが、WPN コア店舗主催により全国各地で開催されています。各地区トーナメントで出場権を獲得した選手が、12 月末に開催されるチャンピオンシップ本戦へ出場することができます。
チャンピオンシップ、地区トーナメントに関する案内、ゲートウェイでのバイ獲得の有無については、ファクトシートで各自ご確認ください。
Finals 地区トーナメントは、レギュラー、スペシャルの 2 種類があり、それぞれ参加人数に応じた通過枠が定められています。スペシャル地区トーナメントはアドバンス店舗で開催されます。どちらの地区トーナメントでも、ゲートウェイ予選で獲得したバイは使用することができます。ファクトシートで自分の名前が掲載されていることを確認したうえで、トーナメントに参加する際にバイを所持していることを主催者に伝えてください。
Finals 地区トーナメントは、イベント倍率 2 倍、ルール適用度が競技レベルで開催されるイベントです。競技レベルのイベントでは、デッキ登録用紙を試合開始前に提出する必要があり、ラウンド進行中に随時使用しているデッキが適正かどうかデッキチェックを受けることがあります。リストの内容が正しくない場合は、警告の対象となりますので、提出するリストは、きれいな字で、見やすく、正確に、記載しましょう。
デッキ登録用紙は、リミテッドのチェック用紙やルール文書と同様に、ウィザーズプレイネットワークの公式サイトに掲載されています。あらかじめ印刷しておいて記入済みのリストを店舗へ持って行くのもいい考えですね。
自宅の近所で地区トーナメントが開催される店舗を知りたい人は、イベント検索をご利用ください。下のバナーをクリックすると、Limits/Finals 関連イベントの開催予定が表示されますので、お近くのイベントを探すのにご利用ください。
【アドバンス店舗】グランプリ神戸、クアラルンプール、メルボルンの各トライアル申請を受付中です
WPN アドバンス店舗の権利として、グランプリトライアルの開催が各店舗に認められています。グランプリトライアル(GPT)とは、競技レベルのトーナメントへの架け橋となるイベントで、該当するグランプリの不戦勝を選出するトーナメントです。プレインズウォーカーポイントのイベント倍率は 3 倍です。
2012 年を通して、日本国内の WPN アドバンス店舗で開催いただける GPT は、日本国内を含むアジア地域のグランプリに関するトライアルとなります。現在発表されている予定では、神戸(2/18~19・シールドデッキ)、クアラルンプール(マレーシア・3/24~25・スタンダード)、メルボルン(オーストラリア・3/31~4/1・シールドデッキ)の各トライアルを各店舗ごとに一回ずつ開催することができます。
GPT のフォーマットは、シールドデッキ、スタンダード、エクステンデッド、モダン、ブロック構築のいずれかで開催することができます。また、GPT を開催するに当たっては、Limits/Finals 地区トーナメントと同様に DCI 認定ジャッジがヘッドジャッジを務める必要があります。
GPT は、WPN プログラムやその他イベントの都合により、申請が許可されない日程があります。プレリリース、発売記念パーティ、ゲームデーなどが開催される週末に、GPT を開催することはできません。
GPT 開催を希望する店舗は、開催希望日、開催ロケーション、フォーマット、当日のヘッドジャッジを明記のうえ、締切日までに wpnjapan@wizards.com へご連絡ください。
それぞれのグランプリトライアルを申請できるシーズンについては、このコラムの最後にまとめてありますので、ご確認をよろしくお願いいたします。
誘発型能力の扱い
例題
スタックにある誘発型能力は呪文ではない。
◯か×か?
答: ○
誘発型能力の書式
誘発型能力は条件を満たせば勝手に誘発してスタックに積まれ、解決時に何かをするものです。
マジックには様々な誘発型能力が存在しますが、書式は全て以下の3つで表されます。
「......とき/when」「......たび/whenever」「......時に/at」
|
誘発条件と効果に関しては語順が逆になる場合がありますが、概ね上記の表記通りになります。
誘発型能力の誘発
誘発型能力はゲームやイベントがその誘発条件を満たすたび、自動的に誘発します。例えば、《酸のスライム》ならば「それ自身が戦場に出た」という条件を満たせば、その誘発型能力が誘発します。しかし、能力はこの時点では何もしません。後述するように、誘発した能力がスタックに置かれ、それが解決されると能力に書かれていることが実行されます。
定型文として、フェイズやステップの「開始時に/at the beginning of」誘発する能力は、該当するフェイズやステップの開始時に全て誘発します。
誘発型能力は、その誘発イベントが発生するたびに一度だけ誘発します。しかし、そのイベントが複数の出来事を含んでいる場合、複数回誘発することもあります。
「になる/becomes」という語で表されている誘発条件は、それに該当するイベントが発生したときにのみに誘発します。元々その状態であった場合に誘発することはありません。
誘発型能力は唱えられることも起動されることもないので、呪文を唱えたり能力を起動できないときでも誘発します。《金輪際》や《ファイレクシアの破棄者》では指定したカードの誘発型能力を止めることはできません。
誘発型能力をスタックに置く
能力が誘発すると、次にいずれかのプレイヤーが優先権を得る時点で、コントローラーが誘発した能力をスタックに置きます。誘発型能力のコントローラーは、一部の遅延誘発型能力を除き、誘発した時点でその発生源をコントロールしていたプレイヤーがそのコントローラーになります。スタックにある誘発型能力は、元の能力の文章を持ちますが、それ以外の特性を持ちません。能力は打ち消されるか解決されるか、もしくは何らかの理由によってスタックから取り除かれたり他の領域に移動するまでスタックに留まります。
複数の誘発型能力が誘発し、それらが同時にスタックに置かれる場合、APNAP順でプレイヤーがコントロールする誘発型能力をスタックに置きます。
誘発型能力がモードを持つ場合、コントローラーは能力をスタックに置く時点で選択するモードを宣言します。適正でないモードは選択できません。どのモードも適正でない場合、その能力はスタックから取り除かれます。
これ以降は、前々回の記事「呪文を唱えるとき」の手順と全く同じになります。誘発型能力をスタックに置くときに「対象を取る」などの選択が必要で、その選択が適正に選べない場合、その誘発型能力は単にスタックから取り除かれます。
例を出しましょう。《グレイブディガー》が戦場に出て、その誘発型能力をスタックに置くときに、コントローラーの墓地にクリーチャー・カードが1枚もない場合を考えます。この場合、《グレイブディガー》の誘発型能力は一旦スタックに置かれますが、対象を適正に選択できないので、能力はスタックから取り除かれることになります。
「"if"節のルール」
定型文として誘発イベントのすぐ後に条件が書かれている誘発型能力があります。総合ルールの表記は少しややこしいので、カードの例を挙げながら説明します。
《モークラットのバンシー》の誘発型能力を誘発イベント、条件、効果に分けると以下のようになります。
誘発イベント:モークラットのバンシーが戦場に出たとき
条件:このターンにいずれかのクリーチャーが死亡していた場合、
効果:クリーチャー1体を対象とする。それはターン終了時まで-4/-4の修整を受ける。
誘発型能力が誘発条件を満たしているかどうかのチェックとして、条件が真であるかどうかを見ます。《モークラットのバンシー》の場合、「このターンにいずれかのクリーチャーが死亡している」かどうかを見ます。条件が真である場合、誘発型能力は誘発しますが、条件が真でない場合、能力は誘発しません。
また、《モークラットのバンシー》ではこのようなことはありえませんが、能力が誘発しスタックに置かれた後で、解決時にも条件が真であるかどうかを再びチェックします。条件が真である場合、能力はそのまま解決されますが、条件が真でない場合、能力は何もしません。(打ち消されるわけではありません。単に能力は何もしないだけです)
英語では条件の部分は ", if a creature died this turn," と、"if"節の形で書かれます。このため、このルールは「"if"節のルール」と呼ばれます。
次回も誘発型能力についての解説を行います。
それでは、今回の出題です。
問 1
次のうち、正しい事柄が書かれている文章を選べ。(複数回答可)
a) 誘発型能力には起動コストがある。
b) 誘発型能力はスタックに置かれた後で解決を待つ。
c) 誘発型能力のコントローラーはその発生源と同一である。
d) 複数の誘発型能力が同時にスタックに置かれる場合、アクティブ・プレイヤーが積む順番を全てについて決める。
e) スタックに置かれた誘発型能力が、解決時に何もしないことがある。
問 2
A と B がゲームをしている。
A のライフは41点で、《フェリダーの君主》をコントロールしている。
A のターンのアップキープ・ステップの開始時に、《フェリダーの君主》の能力が誘発しスタックに置かれた。これの解決前に、B は A を対象に《稲妻》を唱え、これは打ち消されもせずに解決された。
さて、《フェリダーの君主》由来の誘発型能力が解決されると、どうなるか?
問 3
店舗でのフライデー・ナイト・マジックでのこと。
あるテーブルのプレイヤーが、ラウンドが始まったにも関わらず姿が見えない。開始から15分たって、ようやく姿を見せて席についた。
さて、ヘッドジャッジであるあなたは、このプレイヤーに対してどうすべきか?
問 4
プレイヤー P と Q がゲームをしている。
Q は《イクスリッドの看守》をコントロールしている。
P のターン、P は《真実の解体者、コジレック》を唱えた。
Q はそれに対して《取り消し》を唱え、《真実の解体者、コジレック》を打ち消した。
さて、P のライブラリーは切り直されるだろうか?
ライター:testing愛知在住のレベル 2 ジャッジ。ルールに造詣が深い氏のブログ closet belief 2 では、おもにルールにまつわる役立つコラムが掲載されることが多く、毎週金曜日に掲載される Friday Magic Quiz を毎週楽しみにしているファンも多い。
本コラム Formal Magic Quiz は、氏のブログで連載されている Friday Magic Quiz への氏によるオマージュであることは疑いようがない。どちらも略称 FMQ としてお楽しみいただければ。
WPN からのお知らせ
11/29 現在、以下の WPN プログラムならびにイベントが申請できます。イベントの申請は、ウィザーズイベントレポーターからかんたんに操作できます。ウィザーズイベントレポーターはWPNサイトからダウンロードしてください。
全主催者
- Magic (競技イベント/個人戦・双頭巨人戦・チーム戦)
- ブースタードラフト
- レガシー
- エクステンデッド
- ヴィンテージ
- スタンダード
- シールドデッキ
- ブロック構築
- Modern
- 3 スタンダード(3人チーム構築)
- 3 シールドデッキ(3人チームリミテッド)
- 2HG(双頭巨人戦は 2HG で始まるそれぞれのフォーマットをご利用ください)
- Casual Magic Event(カジュアル/8人未満で開催したイベントやフリープレイ会の報告に)
- カジュアル構築
- カジュアルリミテッド
- Casual Multi-Player(カジュアル多人数戦)
- アーチエネミー/Archenemy
- 次元マジック戦/Planechase
- 統率者戦/Commander
- 皇帝戦/Emperor
- バトルロイヤル/Free-for-all
- 大乱闘戦/Grand Melee
- その他/Other
ゲートウェイ店舗
ゲートウェイ店舗は、全主催者向けイベントが申請できます。くわえて、以下のプログラムが申請できます。
- Magic League(リーグ戦の参加者報告に)
- Launch Party - Dark Ascension
- Launch League Play - Dark Ascension
コア店舗
コア店舗は、ゲートウェイ店舗のプログラムをすべて申請できます。くわえて、以下のプログラムが申請できます。
- Friday Night Magic - January 2012
- Prerelease - Dark Adcension
- Magic Game Day - Dark Adcension
アドバンス店舗
アドバンス店舗は、コア店舗のプログラムを 2 回ずつ申請できます。
WPNマテリアル
店舗レベルに関係なく、サポートキットは一店舗一回限り申請できます。
- Gateway Support Kit - Fall 2011(店舗関係者用)
- Membership Card Request(新規メンバーカードの請求)
WPN プログラムの申請方法については、WPN 通信 第47回に詳しく記載がありますので、ご一読ください。それでもわからないことがありましたら wpnjapan@wizards.com へ気軽にご相談ください。
グランプリトライアル(アドバンス店舗)
グランプリトライアル(GPT)とは、競技レベルのトーナメントへの架け橋となるイベントで、該当するグランプリの不戦勝を選出するトーナメントです。プレインズウォーカーポイントのイベント倍率は 3 倍です。
GPT 開催に際しては、十分な席数を持つ会場と、イベント当日の運営を担う DCI 認定ジャッジが最低一人は必要です。また、イベントの申請に際しては遅くとも開催予定日の 3 週間前までに申請を済ませてください。
現在トライアルの開催申請を受け付けているグランプリは次の通りです。
グランプリ | グランプリ開催日 | 本戦のフォーマット | トライアル開催時期 | 申請締切 |
神戸 | 2/18~19 | シールドデッキ | 11/20~2/3 | 12/5 |
クアラルンプール(マレーシア) | 3/24~25 | スタンダード | 12/25~3/9 | 1/9 |
メルボルン(オーストラリア) | 3/31~4/1 | シールドデッキ | 1/1~3/16 | 1/16 |
申請された日付によっては GPT 開催が許可されないことがあります。上記の各トライアルの場合は、闇の隆盛プレリリース(1/28~29)、闇の隆盛発売記念パーティ(2/3~6)、グランプリ神戸(2/18~19)、闇の隆盛ゲームデー(2/25~26)の開催日には、GPT を開催することはできません。
GPT のフォーマットは、シールドデッキ、スタンダード、エクステンデッド、モダン、ブロック構築のいずれかで開催することができます。GPT 開催を希望する店舗は、開催希望日、開催ロケーション、フォーマット、当日のヘッドジャッジを明記のうえ、締切日までに wpnjapan@wizards.com へご連絡ください。
各 WPN プログラムの申請スケジュールおよび大会日程、ならびに国内プレミアイベントの大会日程は Google カレンダーにまとめてありますので、よろしかったらご利用ください。
公開されている Google カレンダーは、各自が利用しているスケジューラにインポートすることができます。
Google アカウントを利用して自身のカレンダーに表示させたり、スマートフォンのスケジューラへインポートすることで、自分の予定表とリンクさせることができるようになります。「今週の大会はどうだったっけ?」と悩んでいるような方にお勧めです。
それでは、また来週。
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- Latest Developments -デベロップ最先端-
- ReConstructed -デッキ再構築-
- Daily Deck -今日のデッキ-
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- 射場本正巳の「統率者(2014年版)のススメ」
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