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木曜マジック・バラエティ
行弘賢の「MOを遊びつくせ!」第9回:モミール・ベーシック実践編&新カードピックアップ!
読み物
木曜マジック・バラエティ
2012.09.27
行弘賢の「MOを遊びつくせ!」第9回:モミール・ベーシック実践編&新カードピックアップ!
著者紹介:行弘 賢(ゆくひろ・けん)
「deathsnow」の二つ名を持つ、気鋭のプレイヤー・デッキデザイナー。
マジック歴は時のらせんブロックからと短いながら、プロツアー・京都09での《ミストメドウの魔女》デッキ、プロツアー・アムステルダム10での「オリスチャント」など、特異なデッキデザイン能力は海外からも注目を集める。
高いレベルで安定した成績を残し続け、主な戦績にプロツアー・アヴァシンの帰還 4位、グランプリ・神戸2012 準優勝、The Finals 2011 トップ8などがある。
また、「ニコニコ生放送」で配信を行うなど、ネットを使った積極的な活動でも知られている。
皆さんこんにちは! 『ラヴニカへの回帰』もじき発売の中、MOでやることないなーと燻っているんじゃないですか?だれてはいませんか?MTGのモチベがあがらないんじゃないですか?
そこで僕がお勧めするフォーマット。
それが『モミール・ベーシック』です。
フォーマットの概要は前回のモミール記事を参考にしてください。
今回は実践編!ということで実際にたくさんモミモミしてみたので、その体験レポートと、『ラヴニカへの回帰』から参入するモミールで活躍しそうなクリーチャー特集をやっていこうかと思います。
世界のモミモミから~Part.1
僕が後手でスタート。お互い初動は2マナ起動で、
相手:《不可視の忍び寄り》
僕:《精力的なレインジャー》
マナクリではないですが、マナを毎ターン増やすコトのできるロケットスタートです。
3ターン目は、
相手:起動無し
僕:《マルコフの刃の達人》
なかなか噛み合ったクリーチャーが出続ける展開になります。
4ターン目は、
相手:《突撃隊》
これを即起動はせず、次のこちらの《マルコフの刃の達人》をブロックしてから《精力的なレインジャー》を焼きます。
こちらはマナを増やしているので、本来5マナ起動できるはずなのですが、何故か勘違いして4マナ起動で、
僕:《仮面の称賛者》
が出て、手札が1枚増える展開に。
次に5ターン目の起動ですが、
相手:《腐冠のグール》
というしょっぱい展開で、こちらは《精力的なレインジャー》で2回多く土地をセットできているので7マナ起動で
僕:《古代の軟泥》
が戦場に。中盤ながら僕だけファッティをプレイできている状態なので、非常に有利な場になりました。
6ターン目は
相手:《失われたアラーラの君主》
賛美は強いのですが、6マナ域としては若干物足りません。僕は一足早く8マナに到達したので、もちろん8起動で
僕:《大蛇の守護神》
いまいちかに思えますが、場だけ見ると十分です。なんせ8マナの生き物が出るだけで、《古代の軟泥》がすでに15/15という手の付けられないサイズに膨れ上がっていますので。
ここで《古代の軟泥》攻撃したところ、スルーされて相手のライフは24からいきなり9に。
返しの対戦相手の7マナ起動で、
相手:《山背骨のドラゴン》
飛行のクロックでワンチャンスを作りに行きます。僕は返しで《森》をトップデッキしたので、2枚の《森》、7枚のその他の土地で《大蛇の守護神》の能力を起動。
これで11マナをひねり出し、
僕:《無限に廻るもの、ウラモグ》
を見事引き当てることに成功!
《古代の軟泥》を攻撃させ、《腐冠のグール》をチャンプブロックさせてエンド。
ほぼ勝ちに見えた盤面ですが、対戦相手の8マナ起動が
相手:《ボロスの大天使、ラジア》!!
速攻で飛行2体と《不可視の忍び寄り》が殴ってきて残りライフ3まで追い詰められます。
これで《ボロスの大天使、ラジア》の能力で本体に3点打たれるとこちらの攻撃で相手のライフも無くなるので引き分け...と思っていたのですが、
{T}: あなたがコントロールするクリーチャー1体を対象とし、他のクリーチャー1体を対象とする。このターン、次にその前者に与えられるダメージを3点、代わりにその後者に与える。
よくよく読んでみると、《ボロスの大天使、ラジア》がダメージを跳ね返す対象はクリーチャーのみ。
全軍攻撃でどうブロックしても丁度ピッタリ相手のライフを削りきれて、無事勝利することができました。
もし対戦相手が《不可視の忍び寄り》をブロッカーに回していれば勝っていたので、対戦相手も能力を勘違いしたのかもしれませんね。
世界のモミモミから~Part.2
今度は僕が先手で、2マナ起動スタート。
僕:《遍歴の宿命語り》
相手:起動無し
という2マナ飛ばしのスタート。後手で2マナ域を飛ばすというのは、8マナ以上の高マナ域を目指す、ということになります。
3マナ起動は、
僕:起動無し
相手:《抜目ないガーゴイル》
《抜目ないガーゴイル》
クリーチャー -- ガーゴイル(Gargoyle)
飛行
{T}:抜目ないガーゴイルはターン終了時まで-2/+2の修整を受けるとともに飛行を失う。
2/2
4マナ起動は
僕:《空民の鏡守り》
と、なかなかクロックの高い飛行クリーチャーが出ますが、
相手:《Ifh-Biff Efreet》
《Ifh-Biff Efreet》
クリーチャー -- イフリート(Efreet)
Flying
{G}: Ifh-Biff Efreet deals 1 damage to each creature with flying and each player. Any player may activate this ability.
3/3
こちらの飛行への回答と、なんとも噛み合った展開にされてしまいます。
とりあえず飛行で殴った後に5マナで起動してみると、
僕:《影の悪鬼》
なかなか質の良い飛行クリーチャーが。何気に2ターン目に人間(《遍歴の宿命語り》)が出ているのもポイントです。
しかし相手も負けずに5マナ起動で、
相手:《鐘塔のスフィンクス》
またもや飛行が止まります。緑マナ源をどうやら引いていないようなので、《空民の鏡守り》はなんとか生き残りそうです。
次の6マナ起動は、
僕:《ジェスのゾンビ》
質の良いクリーチャーではありませんが、畏怖持ちなので回避能力に期待が持てるクリーチャーです。しかし相手の6起動で、
相手:《エナートゥのゴーレム》
が登場し、畏怖も止められてしまいます。
毎ターンこちらの出すクリーチャーの回答が出てきて、若干苦しいなと思いつつの7マナ起動。
僕:《溶岩獣のタイタン》
わりと当たりなクリーチャーを引き当てます。しかし相手も負けじと
相手:《鞭尾のワーム》
バニラ8/5ですが、こちらが殴ってもフルブロックされるため、いまいちおいしくない展開になります。
次の8起動で、
僕:《鉄のゴーレム、ボッシュ》
当たりクリーチャーを引き込んで喜んでいると、何故か相手の8起動で僕の《鉄のゴーレム、ボッシュ》が墓地に。
何が起きたかMOのログを確かめてみると、なんと対戦相手も《鉄のゴーレム、ボッシュ》を引き当て、対消滅するというなんとも奇妙な現象が起きたのでした。
すぐさま相手の《鞭尾のワーム》が殴ってきたので、《ジェスのゾンビ》と《空民の鏡守り》でダブルブロックして討ち取ります。
そして次の8マナ起動で、
僕:《殺戮の化身》
お互いのクリーチャー全てに二段攻撃、更に強制アタックを付ける効果を持つ、現在の盤面では非常に強そうなクリーチャーを出すことに成功しました。
ここのフルアタックで《Ifh-Biff Efreet》と《影の悪鬼》が相討ち、《溶岩獣のタイタン》の攻撃が通り、相手のライフを8にすることに成功したのですが、返しの相手の9起動で
相手:《コジレックの職工》
が登場。相手のクリーチャーも強制攻撃なので、全てスルーして僕のライフが10になりました。
僕の側には《遍歴の宿命語り》、《溶岩獣のタイタン》、《殺戮の化身》といるので、総攻撃したら二段攻撃で勝ち!
...と思っていたら、殺戮の化身を《コジレックの職工》でブロックされ、二段攻撃の最初のダメージで《コジレックの職工》により《殺戮の化身》が一方的に倒され、こちらのクリーチャーが二段攻撃を失ったため7点しか入らず、相手のライフが1残ってしまいます。
結局このミスが大きく響き、その後《コジレックの職工》の滅殺により逆転の目が摘まれてしまい、負けてしまいました。
《影の悪鬼》を《Ifh-Biff Efreet》と相討ちせずに、再生してさえいれば勝てていたゲームだけに惜しいことをしました。
モミールは運の要素も非常に高いゲームですが、しっかり盤面を管理さえすれば勝てるゲームも多々あります。できるだけカードをよく読み、僕のようなウッカリミスが無いように気を付けましょう。
『ラヴニカへの回帰』より出でしエース達
今回は僕が選ぶ『ラヴニカへの回帰・モミールランキングTOP10』ということで、ランキング形式で新しいクリーチャー達を紹介していきたいと思います。
10位:《暴動の長、ラクドス》
《暴動の長、ラクドス》はモミールの起動能力で戦場に出た場合、デメリットの無い6/6飛行トランプルと、凄まじいパフォーマンスを持っています。4マナ起動で場に出たならば、凄まじい勢いで対戦相手のライフを削ることができるでしょう。
9位:《竜英傑、ニヴ=ミゼット》
《オリヴィア・ヴォルダーレン》のような能力を持っていますが、プレイヤーも対象に取れます。
残念なことに起動に青マナが必要なので、《島》を山札にあまり枚数を入れないのが定石となりつつある今のモミールではそこまで複数回起動は望めなさそうなのが残念。
しかしながらプレイヤーに1点飛ばさなくても普通に攻撃を通すだけでも1枚引けるので、高マナ域まで相手を攻めながら土地を伸ばすことが可能です。
8位:《至高の審判者、イスペリア》
対戦相手に攻撃されたら1枚ドロー。モミールにおいて手札は非常に大事なリソースなので、この能力は非常に強いです。
マナをかけずに引けるので、淀みなくモミールの起動もできます。自身のサイズも6/4とアグレッシブなサイズで、ライフを詰める時にも頼りになります。
7位:《世界棘のワーム》
11マナ域といえば、《無限に廻るもの、ウラモグ》なんかに代表される、比較的当たりの多いマナ域ですが、さらにそこに『大当たり』が増えました。
15/15トランプル、という単純明快な能力は基本的に対戦相手も無視できないため、複数ブロックで打ち取らねばならない、さらにそこから5/5トランプル3体を対処しなければならない、となればほぼ勝ちは手中にあるようなものでしょう。
『滅殺』目当てに11マナ起動して《世界棘のワーム》が出ても文句は言わないようにしましょう。
6位:《旅する寺院》
モミールから生み出されるクリーチャーは全部『クリーチャートークン』なのです。ということは、『居住』という能力がモミールでどれだけ危険かは言わなくても分かると思います。
自分の一番強いクリーチャーが2体になるのだから、それは強い能力に違いないですが、そのコストとして何を支払うかで能力の強さが変わってくるのは当たり前の話ですよね。
この《旅する寺院》は『居住』の対価は対戦相手に攻撃を通すだけ。しかも攻撃を通したならばこの《旅する寺院》を『居住』することで2体に。さらに《旅する寺院》が増えたら・・・? 《ケデレクトのリバイアサン》が相手に出る前に勝ちそうですね。
ただし回避能力の無い《旅する寺院》が『対戦相手に攻撃を通す』というのは意外と難しいので、この順位になります。
5位:《ヴィトゥ=ガジーのギルド魔道士》
先程も言いましたが、『居住』は非常に強い能力です。この《ヴィトゥ=ガジーのギルド魔道士》はそれをたったの4マナでプレイできるのです。しかも起動にタップもいらないので複数回起動することも可能です。
歴代の2マナ域から考えても非常に優秀な部類に入ると思われます。
4位:《死滅都市の執政》
6マナ6/5飛行というクリーチャースペックが普通に優秀なのは言うまでもありませんが、それ以上に『通ったダメージの数だけそのクリーチャーを強化』するという能力が非常に優秀で、素早くゲームを終わらせることができます。
8マナ域が主戦場であるモミールでは、8マナまでにゲームを終わらせる可能性があるカードは強く、6マナ域のフィニッシャーとしては十分合格点だと思います。
3位:《三巨頭の執政官》
攻撃するたびに2体のクリーチャーを『留置』するということは、実質好きなクリーチャーを2体除去できるのと同じですよね。
対戦相手の一番強いクリーチャーを常に2体処理できるのは、流石の一言。
2位:《静穏の天使》
場に出ただけで対戦相手のクリーチャーを3体処理できるのは流石におかしな話ではないでしょうか?
素のサイズも5/6飛行とフィニッシャークラス。7マナ域のトップクラスのクリーチャーであることは疑い無いですね。
1位:《セレズニアの声、トロスターニ》
『居住』の弱点として、一向に飛行クリーチャーを引かずに『居住』しても相手の飛行が止まらなくて負け、というのが一番寒いですが、このトロスターニは一味違います。
戦場に出たクリーチャーのタフネス分ライフが回復するので、『居住』し続けたらライフで負けることはありません。しかも普通にモミールを起動し続けてもダメージレースで負けることはまず無いので、割と強いクリーチャーがでるまで粘ることもできます。
強いクリーチャーが出たら後は『居住』連打でも勝てるでしょうし、そうなれば余った土地はセットランドできるので、高マナ域を目指すこともできます。
何にしても、戦場に出て除去されなければ圧倒的パフォーマンスで勝利を導いてくれるでしょう。
最近の土地配分
最後に、現在僕が使っているモミールのデッキリストを貼って終わりたいと思います。
最近は《ゲトの血の長、カリタス》などの、起動に黒マナを多く使うクリーチャーが非常に強いと思って、少し黒マナを増やしてます。
《沼》は渡りが怖いので、5マナまではあまり置かないように気を付けましょう。
32 《山》 10 《沼》 6 《森》 6 《島》 6 《平地》 -土地(60)- -クリーチャー(0)- |
-呪文(0)- |
|
皆さん最後まで読んでいただきありがとうございます。それでは!
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