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津村健志の「先取り!」スタンダード・アナライズ
第103回:グランプリ・ミネアポリス トップ8デッキ特集
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津村健志の「先取り!」スタンダード・アナライズ
2012.05.24
第103回:グランプリ・ミネアポリス トップ8デッキ特集
こんにちはー。
プロツアー・アヴァシンの帰還の興奮も冷めやらぬ中、先週末にはアメリカでグランプリ・ミネアポリスが開催されました。
『アヴァシンの帰還』が加入してから初めての大型スタンダードイベントということで、今週はいつも以上にはりきっていきたいと思います。
それでは、まずはトップ8に残ったデッキをご覧ください。
~グランプリ・ミネアポリス トップ8デッキ~
(リンク先は英語カバレージ)
優勝 | 「青赤Delver」 |
準優勝 | 「青単《大建築家》(Spagnolo's Architect)」 |
3位 | 「青白Delver-Humans」 |
4位 | 「赤緑《ケッシグの狼の地》」 |
5位 | 「青白Delver」 |
6位 | 「Delver-Spirits(青白黒)」 |
7位 | 「青白Delver」 |
8位 | 「太陽拳(青白黒)」 |
《魂の洞窟》が登場したことにより、《秘密を掘り下げる者》を使ったデッキは大打撃を受けると思われていましたが、いざ蓋を開けてみれば《秘密を掘り下げる者》の一人勝ち状態に。
これにはいくつかの理由が考えられますが、《魂の洞窟》に関して言えば、まず第一に《魂の洞窟》を上手く使えるデッキが少なかったこと、そして《秘密を掘り下げる者》を使ったデッキがリストやプレイングに変化を加えることで、これを乗り越えられたことが挙げられると思います。
今週はそんな「Delver」デッキの変化を中心にお届けしていきましょう。
まずは見事に優勝をはたした「青赤Delver」から。
「青赤Delver」
12 《島》 7 《山》 3 《硫黄の滝》 1 《僻地の灯台》 -土地(23)- 4 《秘密を掘り下げる者》 4 《瞬唱の魔道士》 2 《不可視の忍び寄り》 1 《幻影の像》 1 《地下牢の霊》 -クリーチャー(12)- |
4 《ギタクシア派の調査》 4 《思案》 4 《思考掃き》 3 《蒸気の絡みつき》 3 《火柱》 1 《感電破》 1 《火葬》 1 《小悪魔の遊び》 2 《忌むべき者のかがり火》 2 《ルーン唱えの長槍》 -呪文(25)- |
1 《渋面の溶岩使い》 1 《幻影の像》 1 《士気溢れる徴集兵》 1 《聖別されたスフィンクス》 1 《霜のタイタン》 1 《業火のタイタン》 1 《はらわた撃ち》 1 《圧壊》 1 《焼却》 2 《マナ漏出》 1 《瞬間凍結》 1 《忌むべき者のかがり火》 1 《槌のコス》 1 《僻地の灯台》 -サイドボード(15)- |
ほぼ全てのカウンター呪文を拒絶する《魂の洞窟》の登場。『アヴァシンの帰還』がもたらしたこの強力なアンチテーゼに対し、「Delver」が出したひとつの答えはカウンター呪文を採用しない構築でした。
これは非常に分かりやすい《魂の洞窟》への対抗策ですが、この戦略の秀逸なところは、リストがばれるまでは《マナ漏出》が入っていないと対戦相手に悟られづらいことです。この手のデッキに《マナ漏出》が入っていない、というのは従来では考えられないため、対戦相手は入ってもいない《マナ漏出》を勝手に警戒してくれるというわけですね。
リストが知れ渡ってしまった今となっては、メインにカウンター呪文を搭載していないことがばれてしまっているので注意が必要ですが、この辺りはオリジナルデッキの持つ大きな強みと言えます。
そしてCalcanoさんのデッキは2色目に白ではなく赤を採用しています。赤を選ぶメリットは主に火力呪文にあるのですが、ここで採用されている火力呪文は『アヴァシンの帰還』がもたらした新カードが中心になっています。
《火柱》と《忌むべき者のかがり火》がそれにあたりますが、前者は「不死」クリーチャーにも効く軽量除去として、後者は小型クリーチャーを一掃できる全体除去兼フィニッシャーとして、実に幅広いデッキ相手に効果的です。
《忌むべき者のかがり火》は実際にキャストされてみてその強さに驚いた1枚で、今のところこれを「奇跡」でキャストされたゲームは概ね負けてしまっています。
特にマナクリーチャーから展開を始める「赤緑ビートダウン」や「《出産の殻》」デッキには「打てば勝ち」と言っても過言ではないほどで、個人的には《忌むべき者のかがり火》の使用率が高いのならば、それだけで上記のデッキを使いたくないと感じているくらいです。
「奇跡」コストでキャストした場合の強さがあまりにも凄まじいため、普通にキャストする際に地味に感じるかもしれませんが、多くのビートダウンデッキ相手にはX=1~2でキャストできれば十分で、仮に「奇跡」せずとも十分に強力なことも、《忌むべき者のかがり火》の強さの要因です。
これだけの火力が搭載されていれば、残りライフ10点ほどを一気に火力と《瞬唱の魔道士》の組み合わせで削り切ることもできますし、「青白Delver」と同じ感覚で対峙していると予想外の角度から負けてしまうことでしょう。
2色目を白ではなく赤にしてしまうと「ミラディンの傷跡」ランド(《金属海の沿岸》など)が使えないため、マナベースに若干の不安を抱えますが、Calcanoさんは土地の総数を23枚にし、その上でドローサポートを12枚投入することで改善を試みています。
それどころか《硫黄の滝》を3枚に削って1ターン目から動ける確率を上げていますし、長期戦に強い《僻地の灯台》までをも搭載しています。
色マナに関しては、ちょくちょく色事故を起こすことがあったので《島》か《山》1枚を4枚目の《硫黄の滝》にしてもいいかもしれませんが、《僻地の灯台》は土地とは思えないほどの強さを秘めているので、サイドボードに2枚目を積んでいるのも納得です。
基本的なデッキの動きは、「青白Delver」と同じく《秘密を掘り下げる者》を筆頭としたクリーチャー陣を優秀なソーサリー・インスタントでバックアップしていくことになりますが、火力呪文の採用のおかげで、《瞬唱の魔道士》には「青白Delver」のそれと同等、またはそれ以上に劇的な効果を期待できますね。
サイドボードは1枚差しが多くて個々の役割を理解するのが難しい構成になっていますが、メインデッキに採用されたカードの追加だったり、ある程度は《瞬唱の魔道士》+《思考掃き》のコンボ(参考:第95回)を狙っての採用でしょう。
それ以外のクリーチャーカードやプレインズウォーカーは普通に引く他ありませんが、メインデッキに採用されたドローサポートが多いことがここで生きてきますし、さらに長期戦になれば《僻地の灯台》の助けを借りてなおのこと引きやすくなります。
現在は強いデッキが多いゆえにメタらなければいけない相手が多いこと、それに加え新環境最初期でメタゲームが読みづらかったこともあり、このような形になったのだと思われますが、このように様々なデッキ相手にサイドインできるカードを散らす手法はモダンでも頻繁に見かけます。
僕はデッキリストに4枚差しが多ければ多いほど良いと考えているので、サイドボードも4、4、4、3枚の形が一番好きですが、そうしてしまうと予想外のデッキにあたった場合に入れるカードがないだとか、抜きたいカードが多い割に入れたいカードがない、という事態が起こりやすくなるというデメリットがあります。
そのためメタゲームが読みづらい状況であれば、Calcanoさんの手法を参考にしてみてもいいかもしれませんし、これはグランプリ横浜に向けても良い見本になるものかもしれません。
ただし、これを実行する際にはサイド後に重いカードを入れ過ぎてデッキのバランスが崩れたりしないようにだとか、あまりにも用途の限定されたカードの採用は慎重に行うように気を配りたいですね。
少し長くなってしまいましたが、残る5つの「Delver」デッキも見ていきましょう。
「青白Delver-Humans」
5 《島》 5 《平地》 4 《金属海の沿岸》 3 《氷河の城砦》 2 《魂の洞窟》 2 《ムーアランドの憑依地》 -土地(21)- 4 《教区の勇者》 4 《秘密を掘り下げる者》 2 《先兵の精鋭》 1 《ギデオンの法の番人》 4 《瞬唱の魔道士》 3 《聖トラフトの霊》 -クリーチャー(18)- |
2 《はらわた撃ち》 3 《変異原性の成長》 4 《思案》 4 《町民の結集》 4 《蒸気の絡みつき》 1 《否認》 1 《大衆への呼びかけ》 1 《ルーン唱えの長槍》 1 《戦争と平和の剣》 -呪文(21)- |
1 《精神的つまづき》 1 《送還》 3 《天界の粛清》 2 《神への捧げ物》 2 《瞬間凍結》 2 《否認》 3 《機を見た援軍》 1 《饗宴と飢餓の剣》 -サイドボード(15)- |
こちらは久々の登場となる「青白Delver-Humans」。1マナ域に《秘密を掘り下げる者》と《教区の勇者》を持つこのデッキは爆発力に長けていますが、1ターン目に青と白のクリーチャーを出そうとすると、必然的にマナベースには問題を抱えることになってしまいます。
ですがこのリストは《魂の洞窟》を加えることで序盤のクリーチャー展開を円滑にできる可能性を上げていますし、スペル枠にも《変異原性の成長》や《はらわた撃ち》のようなマナの不要なカードを多めに採用して動きやすさを追求しています。
このリストも優勝者の「青赤Delver」と同じく、メインデッキにはカウンター呪文をほとんど入れず、とにかく攻めることに重点を置いた作りになっていますね。
ここまでカウンター呪文の不採用には《魂の洞窟》が関連しているとお伝えしてきましたが、《魂の洞窟》を最も効果的に使うデッキが「赤緑《ケッシグの狼の地》」であるにも関わらず、サイドボードに積まれたカウンター呪文が《瞬間凍結》であることに違和感を覚えた方もいらっしゃるかと思います。
このデッキは最もカウンターしたい呪文が《金屑の嵐》であること、そして後述するプレイング面での変化も《瞬間凍結》を採用した一因であると考えられます。
それともうひとつの要因として、アメリカのメタゲームを想定する上で欠かすことのできない「StarCityGames.com オープントーナメント」において、直近のふたつの大会で「赤緑ビートダウン」が連覇をはたしていたことが挙げられます。
なかしゅー(中村 修平)さんの記事をご覧いただけると分かる通り、世界一の常勝軍団である「ChannelFireball」すらも「StarCityGames・オープントーナメント」の結果に目を光らせていますし、そんな中での「赤緑ビートダウン」の連覇は、このグランプリにおけるひとつの指針となっていたことは想像に難しくありません。
除去を多めに採用した優勝者のデッキを筆頭に、今回トップ8に残ったデッキの多くが対ビートダウンを強く意識していたことも、おそらくそれが原因だと思われます。
さて、ここまでで何回か「青白Delver」のプレイング面での変化、と書いてきましたが、トップ8に残った基本に忠実な形の「青白Delver」を見てそれを紐解いていきましょう。
「青白Delver」
9 《島》 1 《平地》 4 《金属海の沿岸》 4 《氷河の城砦》 3 《ムーアランドの憑依地》 -土地(21)- 4 《秘密を掘り下げる者》 4 《瞬唱の魔道士》 2 《マーフォークの物あさり》 4 《聖トラフトの霊》 3 《地下牢の霊》 -クリーチャー(17)- |
1 《ギタクシア派の調査》 1 《はらわた撃ち》 1 《変異原性の成長》 4 《思案》 3 《思考掃き》 4 《蒸気の絡みつき》 4 《マナ漏出》 1 《四肢切断》 3 《ルーン唱えの長槍》 -呪文(22)- |
2 《幻影の像》 1 《地下牢の霊》 1 《はらわた撃ち》 1 《鋼の妨害》 2 《瞬間凍結》 1 《否認》 1 《漸増爆弾》 2 《機を見た援軍》 1 《忘却の輪》 1 《腐食の突風》 1 《饗宴と飢餓の剣》 1 《戦争と平和の剣》 -サイドボード(15)- |
9 《島》 2 《平地》 4 《金属海の沿岸》 4 《氷河の城砦》 3 《ムーアランドの憑依地》 -土地(22)- 4 《秘密を掘り下げる者》 4 《瞬唱の魔道士》 4 《聖トラフトの霊》 2 《修復の天使》 -クリーチャー(14)- |
4 《ギタクシア派の調査》 2 《はらわた撃ち》 4 《蒸気の絡みつき》 4 《思案》 1 《思考掃き》 1 《信仰の盾》 4 《マナ漏出》 1 《四肢切断》 1 《饗宴と飢餓の剣》 2 《戦争と平和の剣》 -呪文(24)- |
2 《幻影の像》 2 《聖別されたスフィンクス》 2 《天界の粛清》 2 《神への捧げ物》 2 《雲散霧消》 3 《機を見た援軍》 1 《審判の日》 1 《殴打頭蓋》 -サイドボード(15)- |
どちらも比較的オーソドックスなリストと言って差し支えのない「青白Delver」。もちろん《マナ漏出》も4枚採用されているわけですが、ではこれらのリストでどのように《魂の洞窟》入りの「赤緑《ケッシグの狼の地》」に立ち向かうのでしょうか。
散々プレイング面での変化と銘打ってきて申し訳ないのですが、その変化とは「マナ加速を以前よりも積極的に打ち消す」という至極単純なものです。
《魂の洞窟》加入前であれば、《マナ漏出》+《瞬唱の魔道士》と揃っていれば《原始のタイタン》や《業火のタイタン》にカウンターを絞って悠々と勝つことができたのですが、現在ではそう簡単にはいきません。以前よりもマナ加速1枚1枚に対してしっかりと考えを巡らせる必要性が出てきているといえます。
ただし《秘密を掘り下げる者》や《聖トラフトの霊》のいる状況でマナ加速をカウンターしていけば十分に勝機はありますし、環境全体として《魂の洞窟》の使用率が低い現状が続くようであれば、このアプローチには依然として環境を支配するほどの力があると言えるでしょう。
「Delver-Spirits(青白黒、Honorable Delver)」
4 《島》 2 《平地》 1 《沼》 4 《金属海の沿岸》 4 《氷河の城砦》 4 《闇滑りの岸》 2 《進化する未開地》 -土地(21)- 4 《秘密を掘り下げる者》 4 《瞬唱の魔道士》 4 《聖トラフトの霊》 2 《刃砦の英雄》 -クリーチャー(14)- |
4 《ギタクシア派の調査》 2 《はらわた撃ち》 4 《思案》 4 《蒸気の絡みつき》 3 《マナ漏出》 3 《清浄の名誉》 1 《四肢切断》 4 《未練ある魂》 -呪文(25)- |
2 《幻影の像》 2 《虚無の呪文爆弾》 2 《存在の破棄》 2 《天界の粛清》 2 《機を見た援軍》 2 《饗宴と飢餓の剣》 2 《月の賢者タミヨウ》 1 《ムーアランドの憑依地》 -サイドボード(15)- |
「Delver」デッキの最後を飾るはJoshの操る「Delver-Spirits」です。
これまたオーソドックスなリストになっていますが、「赤緑」系のデッキの隆盛を受けてメインから《刃砦の英雄》が採用されていますね。
それと今のスタンダード環境には《清浄の名誉》系のカードが《ドラグスコルの隊長》《無形の美徳》《順風》と山ほどありますが、Joshは《清浄の名誉》を選んだようです。
おそらく、これは先に《聖トラフトの霊》、《刃砦の英雄》といった骨組みが決まったあとで《清浄の名誉》を選んだのだと思いますが、Magic Online(以下MO)上で《順風》の入ったリストもちらほら見かけますし、みなさんもぜひ自分なりのリストを追求してみてください。
「太陽拳(青白黒)」
4 《平地》 3 《島》 1 《沼》 4 《金属海の沿岸》 4 《氷河の城砦》 4 《孤立した礼拝堂》 2 《闇滑りの岸》 2 《進化する未開地》 2 《幽霊街》 -土地(26)- 3 《幻影の像》 3 《刃の接合者》 3 《太陽のタイタン》 1 《大修道士、エリシュ・ノーン》 -クリーチャー(10)- |
3 《思案》 3 《死の重み》 2 《漸増爆弾》 4 《禁忌の錬金術》 4 《未練ある魂》 2 《忘却の輪》 3 《審判の日》 1 《堀葬の儀式》 2 《ギデオン・ジュラ》 -呪文(24)- |
1 《聖別されたスフィンクス》 3 《虚無の呪文爆弾》 2 《否認》 2 《天界の粛清》 1 《漸増爆弾》 3 《機を見た援軍》 1 《審判の日》 1 《殴打頭蓋》 1 《解放された者、カーン》 -サイドボード(15)- |
ここ数週間MO界での活躍が目立つ「エスパーコントロール」が、現実世界でも結果を残しました。
「エスパーコントロール」にはプレインズウォーカーを多用したリスト(参考:第94回)と、上記のリストのように《幻影の像》+《太陽のタイタン》、そして《堀葬の儀式》を採用した「太陽拳」型の二通りありますが、近頃は「太陽拳」型が主流になっています。
これは「赤緑」系統のデッキに対して《幻影の像》+《太陽のタイタン》のギミックが非常に強力なことが主な要因だと思われます。
このリストには残念ながら『アヴァシンの帰還』のカードが採用されていませんが、メインから対ビートダウンで特に優秀な《刃の接合者》を採用していたり、サイドボードに3枚の《機を見た援軍》を積んでいたりと、メタゲームをしっかりと把握している様子が伺えますね。
まだ手に入っていないので試せていませんが、《月の賢者タミヨウ》と《終末》は非常に強力な新戦力なので、この辺りの使用感が分かれば今後追って報告させていただきたいと思います。
「青単《大建築家》(Spagnolo's Architect)」
17 《島》 4 《埋没した廃墟》 2 《幽霊街》 -土地(23)- 4 《瞬唱の魔道士》 4 《幻影の像》 3 《マーフォークの物あさり》 1 《呪文滑り》 4 《大建築家》 4 《ファイレクシアの変形者》 4 《ワームとぐろエンジン》 -クリーチャー(24)- |
4 《ギタクシア派の調査》 4 《思案》 4 《蒸気の絡みつき》 1 《殴打頭蓋》 -呪文(13)- |
1 《呪詛の寄生虫》 1 《呪文滑り》 1 《粗石の魔道士》 2 《地下牢の霊》 2 《精神的つまづき》 2 《外科的摘出》 1 《墓掘りの檻》 3 《漸増爆弾》 2 《記憶の熟達者、ジェイス》 -サイドボード(15)- |
今回のグランプリで優勝者のデッキに並ぶほどの注目を集めたのがNelsonの「青単《大建築家》」。デッキ名になっているSpagnoloは、このデッキの制作者の名前だそうです。
Nelsonがこのデッキを選んだ背景として、《ワームとぐろエンジン》が環境的に強いことが決め手となったようです。
それもそのはず、「赤緑《ケッシグの狼の地》」と「赤緑ビートダウン」の両デッキを筆頭に、《大建築家》から連打される《ワームとぐろエンジン》、そして《ワームとぐろエンジン》をコピーできる《幻影の像》と《ファイレクシアの変形者》に手を焼くデッキは多いです。
このグランプリと同時開催されていた「StarCityGames.com オープントーナメント・オーランド」でもこのデッキは3位に入賞しており、今後の活躍も楽しみなデッキですね。
Nelsonはトップ8インタビュー上で「《マーフォークの物あさり》とサイドボードの出来には満足していない」と言っていたので、《マーフォークの物あさり》は追加の《呪文滑り》と《幽霊街》あたりにするといいと思います。《ワームとぐろエンジン》を持ってこれる《宝物の魔道士》でもいいかもしれませんね。
「赤緑《ケッシグの狼の地》」
5 《森》 4 《山》 4 《銅線の地溝》 4 《根縛りの岩山》 4 《微光地》 3 《墨蛾の生息地》 2 《ケッシグの狼の地》 -土地(26)- 4 《真面目な身代わり》 3 《最後のトロール、スラーン》 4 《業火のタイタン》 4 《原始のタイタン》 -クリーチャー(15)- |
4 《不屈の自然》 4 《太陽の宝球》 3 《鞭打ち炎》 4 《金屑の嵐》 2 《内にいる獣》 2 《小悪魔の遊び》 -呪文(19)- |
2 《火柱》 1 《漸増爆弾》 2 《古えの遺恨》 2 《内にいる獣》 2 《殴打頭蓋》 1 《原初の狩人、ガラク》 2 《解放された者、カーン》 3 《魂の洞窟》 -サイドボード(15)- |
今回のグランプリにおいて、プロツアー・闇の隆盛以来の王座奪還が期待された「赤緑《ケッシグの狼の地》」ですが、トップ8に1人という少し物足りない結果に終わってしまいました。《士気溢れる徴集兵》というキラーカードの登場もあり、下馬評通りの活躍とはいかなかったようです。
メインデッキで《微光地》、サイドボードに《魂の洞窟》という布陣を取っているのも、そういった《士気溢れる徴集兵》の入ったデッキを意識してのチョイスでしょうし、土地構成だけで見てもまだまだ研究の余地があるデッキです。
また、《士気溢れる徴集兵》をほぼ確実に採用している「赤緑ビートダウン」のような赤絡みのビートダウンデッキに対しては、《最後のトロール、スラーン》や《殴打頭蓋》などにフィニッシャーの役割を任せてしまい、《業火のタイタン》や《原始のタイタン》をサイド後に減らしてしまうのもひとつの手だと思います。
《原始のタイタン》ならば、《微光地》を導くことである程度のライフを保てるのでまだキャストできるタイミングも多いですが、《業火のタイタン》はそうはいきません。
そのため、《最後のトロール、スラーン》や《墨蛾の生息地》をブロッカーとして用意してからキャストするか、思い切って全てサイドアウトしてもいいでしょう。
今週は以上になります。
新環境になっても相変わらずの好調を維持した「Delver」デッキですが、前環境の「青白Delver」ばかりの状況とは違い、様々なバリエーションが登場しています。
それには《魂の洞窟》の存在だったり、「赤緑ビートダウン」の隆盛などいくつかの要素がありますが、やはり新セットが加わると環境が大きく変わるものですね。
今週末には各地でゲームデー(今週の「WPN通信」もご覧ください)が開催されるので、みなさんもぜひご自身の力作を持ちよって新環境を満喫してみてください。
それでは、また来週ー!
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