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ReConstructed -デッキ再構築-
我、イロアスの英雄なり
我、イロアスの英雄なり
Gavin Verhey / Tr. Tetsuya Yabuki / TSV testing
2014年1月14日
『テーロス』の特色は、多くの強力なエンチャントやオーラだ――だが、それらを中心にデッキを組むには、まだパーツが足りない。
なるほど、確かに「英雄的」は悪くないね、それは認めよう。しかしオーラを直接支援するカードはないのだろうか? オーラ・デッキに心強い味方はいないのだろうか? 恐らく、オーラ・デッキで一番使われているのは《天上の鎧》だと思う――こいつは『ラヴニカへの回帰』ブロックのカードじゃないか!
確かにディナーにおいて、空腹は良い調味料だ。ちょうど『神々の軍勢』のコースでは、「前菜」が出始めている頃だしね(訳注:掲載時はプレビュー・ウィークでしたので、公開されているカードはわずかでした)。
現状は、『神々の軍勢』で大きく動き出す。君たちがアグレッシブなオーラ・デッキを組みたいと考えているなら、きっと今回私が持ってきたカードを気に入ってくれるだろう。
ついにオーラ・デッキを救う英雄の登場だ。〈イロアスの英雄〉をご覧あれ!
さあ、このカードを深く見てみよう。
見た目的には、2マナ2/2のクリーチャー。《タルモゴイフ》の打ち立てたサイズ記録を塗り替えるようなことは到底できないけれど、十分実用的だ――そのサイズに問題はない。2マナで得られるんだからね。
それから、「英雄的」で+1/+1カウンターが置かれる。オーケー、悪くないじゃないか。2ターン目に繰り出した2/2のクリーチャーをいとも簡単に3/3にできるぞ。(そこへさらに、こいつを対象に取った呪文の恩恵が加わるわけだ)。対象に取る手段が豊富なデッキでは、まあ期待通りの動きを見せてくれるだろう。
でもたぶんこれだけじゃ、デッキへ採用するに至らないかな。このカードの評価をガラリと変えて息を呑むほどのものにしてくれるのは、もうひとつの能力だ。
これだよ、そうこなくっちゃ!
この能力によって、〈イロアスの英雄〉にエンチャントされるものに限らず、すべてのオーラ呪文のコストが小さくなる! 君たちがクリーチャー全軍の足並みを揃えて強化していくにしても、あるいは〈イロアスの英雄〉をまさにただひとりの「英雄」に仕上げて戦いへ赴かせるとしても、オーラ呪文のコストを下げるという効果は役に立つだろう。
戦場に「英雄的」を持つクリーチャーが〈イロアスの英雄〉しかいないなら、こいつを対象に取ってやればサイズが上がる――そして「英雄的」を持つクリーチャーが他にいたり、あるいは単純に手持ちのオーラを1ヶ所に集中させたくなかったりする場合、戦線を横に広げるのも思いのままだ。
さらに、君たちみんなが気になっているであろう疑問にお答えしよう。そう、〈イロアスの英雄〉は「授与」のコストも軽減してくれるぞ!
ここ数ヶ月にわたって、私はたくさんの「授与」デッキを受け取ってきた。しかし、ひとつのデッキに「授与」を持つカードを詰め込むほどの、気概に溢れたものには出会えなかった。〈イロアスの英雄〉のおかげで状況は変わり、「授与」を持つクリーチャーでデッキを固めるというアイデアが実現しやすくなるはずだ。
さて、この新たなカードをうまく使えるデッキはどんなものだろう? 見てみよう!
英雄的イロアス信者
何はともあれ〈イロアスの英雄〉は「英雄的」を持っているから、それをテーマにしたデッキにぴったりだ。白を含む「英雄的」デッキの戦力を底上げし、また環境の最前線で戦える可能性を秘めたいくつかのオーラに、チャンスを与えてくれるだろう。このデッキの一例を見てみよう。
9 《平地》 3 《山》 4 《聖なる鋳造所》 4 《凱旋の神殿》 1 《ボロスのギルド門》 -土地(21)- 4 《万神殿の兵士》 3 《希望の幻霊》 4 《密集軍の指揮者》 4 《アナックスとサイミーディ》 4 《威名の英雄》 4 〈イロアスの英雄〉 -クリーチャー(23)- |
4 《統率の取れた突撃》 4 《ボロスの魔除け》 4 《向こう見ずな技術》 4 《パーフォロスの試練》 -呪文(16)- |
「英雄的」デッキに入るであろうカードを余すところなく備えたこのデッキだが、〈イロアスの英雄〉が加わったおかげで採用に現実味が増したものもある。
まずは、採用されているオーラに注目してくれ。これまでの「英雄的」デッキでは、《向こう見ずな技術》と《パーフォロスの試練》は採用基準からやや外れたものだっただろう。だが〈イロアスの英雄〉がそれらに検討の余地を与え、またこのカード自身がエンチャント先にもなるため、より採用しやすくなっているのだ。
それから、《希望の幻霊》の採用も意外に思うかもしれないね。このカードにとって構築での採用は遠く離れた希望に思えるけれど、「授与」コストが{2}{W}になるなら大いに期待が持てる。それでも、これ単体ではまだもの足りないと感じるかもしれない......そこへ《向こう見ずな技術》と《パーフォロスの試練》が――《希望の幻霊》やこれを「授与」したクリーチャーと相性抜群の2枚が――加わることで、《希望の幻霊》の魅力は引き上げられているのだ。
自身も積極的に攻撃へ向かいながら、自軍全体をエンチャントで強化する戦略を手助けする、というのがこのデッキでの〈イロアスの英雄〉の役目だ。「英雄的」デッキにとって、新たな方向性がひとつ開けたと言えるだろう。
イロアスの加護
赤白「英雄的」デッキも強力ではあるものの、〈イロアスの英雄〉の使い方としてはいたって普通だ。当然、この英雄が持つ力をすべて引き出したとは言えない。それなら次は、こんな形はどうだろう!
8 《平地》 6 《森》 4 《寺院の庭》 4 〈豊潤の神殿〉 2 《セレズニアのギルド門》 -土地(24)- 4 《希望の幻霊》 4 《葉冠のドライアド》 4 《加護のサテュロス》 3 《オーラ術師》 4 《アジャニに選ばれし者》 2 《天界の執政官》 4 〈イロアスの英雄〉 -クリーチャー(25)- |
4 《天上の鎧》 3 《平和な心》 4 《ひるまぬ勇気》 -呪文(11)- |
このデッキなら〈イロアスの英雄〉の力をより多く引き出してくれるはずだ。「授与」を持つクリーチャーに満ちたこのデッキは、アグレッシブなものでありながら極めて選択肢の多いものでもある。
《葉冠のドライアド》を2ターン目に繰り出すか、それとも「授与」まで取っておくか? 手札に〈イロアスの英雄〉がある場合、《希望の幻霊》を1ターン目に出すべきかどうか? 実に難しい問題だ。
いや、バカにしないでくれよ。確かにクリーチャーとしての基本性能ならもっと優れたものがあるだろう。それでも、このデッキは膨大なシナジーを活かしてゲームを有利に進めることができるのだ!「クリーチャー・エンチャント」のタイプを持つクリーチャーたちは《天上の鎧》の効果を上げ、わずか1マナでパワーとタフネスに強大な修整を得られる。《アジャニに選ばれし者》はこちらの繰り出すクリーチャーのほとんどに2/2のおまけを付けてくれるようになり、この上なく強烈だ。やや控えめな《オーラ術師》でさえも、ゲーム中盤の消耗戦に打ち勝てるようなカードを手札に戻せる、強力なカードへと変貌するのだ。
このデッキが擁するクリーチャー・エンチャントを次々と繰り出すも良し、どれか1体に――あるいは〈イロアスの英雄〉に――「授与」し、単騎で攻め込んでも良し。お好きにどうぞ!
おっと忘れていた。まだ具体的には言えないけれど、『神々の軍勢』ではこのデッキに素敵な仲間が加わると言っておこう。期待してくれていいよ。新たな「授与」持ちもクリーチャー・エンチャントも、たっぷり用意されているぞ。
すべてを英雄に
「授与」はオーラの優れた形のひとつではあるが、決して唯一絶対のものではない。〈イロアスの英雄〉をうまく使う方法は他にもあるぞ。こういうのはどうだろう。
7 《平地》 4 《森》 4 《寺院の庭》 4 〈豊潤の神殿〉 2 《セレズニアのギルド門》 -土地(21)- 3 《希望の幻霊》 4 《威名の英雄》 4 〈イロアスの英雄〉 -クリーチャー(11)- |
4 《天上の鎧》 4 《最上位権限》 4 《ヘリオッドの選抜》 4 《ヘリオッドの試練》 4 《ナイレアの試練》 1 《殺人の捜査》 4 《ひるまぬ勇気》 3 《オルゾヴァの贈り物》 -呪文(28)- |
同じ緑白でも、このデッキの方向性は「授与」デッキとはまるで違う。
このデッキはクリーチャー1体を素早く強化し、対戦相手を追い詰めるのが狙いだ。回避能力を与えたりパワーとタフネスを上げたり、あるいはキャントリップがついていたりするコストの軽いエンチャントを用いることで、あっという間に脅威を作り上げることができる。その後は膨大な量のライフを得て、ライフ・レースを勝ち取ることができるだろう。
このデッキで鍵となるのは、《最上位権限》だ! このカードをエンチャントすれば、強化したクリーチャーを単体除去から守ってくれる。《殺人の捜査》もこれと似た役割を持っていて、万が一のときに、鍛え上げたクリーチャーを少なくともトークンの群れに変えてくれるのだ。それから、《レインジャーの悪知恵》も検討すべきカードだろう。
このデッキではドローができるオーラとして《ヘリオッドの選抜》を採用しているが、色を変えてキャントリップ付きのオーラをより多く使う形もある。〈イロアスの英雄〉が戦場にいればわずか1マナでカードを持ってきてくれて、「英雄的」も誘発するのだ。《戦識の重装歩兵》のようなカードを(それに合わせて例えば《予記された運命》を)使えば、オーラ満載のデッキをものすごい勢いで掘り進めることだってできるだろう!
それから、オーラのエンチャント先として優秀な《林間隠れの斥候》や《魔女跡追い》を採用して、呪禁に力を入れたデッキへと変えることもできる。このデッキがとれる方針は実に様々だ――どの道を選んでも、〈イロアスの英雄〉は力になってくれるぞ!
(以下のデッキ募集部分は、原文・本日(1月28日)掲載分の記事から抜粋・収録しております。 この節の文責・編集 吉川)
真なる神啓
今回は初めて『神々の軍勢』後のスタンダードのデッキを見てみた――しかし、スタンダードに来たるべきものはまだまだ多くある。2週間後には(翻訳掲載は4週間後)、DailyMTG.comで「神啓」ウィークをお送りする――ということで、お気に入りの「神啓」カードに注目したデッキリストを送ってほしい!
フォーマット:スタンダード
デッキの制限:「神啓」メカニズムを持ったカードを少なくとも1枚含むこと。
締め切り:2月4日(火)午前11時(日本時間)
すべてのデッキリストを英語で、こちらのリンク先のフォームからメールでお送りください。デッキリストの提出時には、以下のようなフォーマットで入力してください。(必ずしも下記のような枚数通りのものでなくてもかまいません。あくまで一般的にデッキリスト記入のレイアウトを示すものです。)
あなたのローマ字氏名+'s+デッキ名(英語)
Standard(フォーマット)
20 Land(土地カード 枚数とカード名・英語で)
20 Land
4 Creature(クリーチャー・カード 枚数とカード名・英語で)
4 Creature
4 Other Spell(その他の呪文カード 枚数とカード名・英語で)
4 Other Spell
4 Planeswalker(プレインズウォーカー・カード 枚数とカード名・英語で)
どの「神啓」カードが皆さんに神なるひらめきを与えたか、見るのが楽しみでならない! 使えるクールなものはたくさんある。皆さんが思いついたことを見ていこう。
それまで、この記事についてのコメントがあれば、ぜひ聞かせてほしい。気軽にあなたの考えをフォーラムや私へのツイートで送ってほしい。読むことをお約束する。
また来週お会いしよう。プレリリースを楽しんでくれ!
Gavin / @GavinVerhey
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