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プレインチェイスって何? その魅力は?
2023年03月29日
『機械兵団の進軍』は、実に刺激的なマジックのセットだ。
このセットでは、多元宇宙すべてを征服せんとするファイレクシアに多元宇宙中の英雄たちが立ち向かうという壮大な決戦が描かれる。そこで私たちは、そのことを全力で表現したかった。各ブースター製品には伝説のカードが特別な仕様で再録される。新たなカード・タイプ「バトル」は、この戦いのスケールの大きさを伝えてくれる。ちょっと変わったカードだから、ぜひこちらの記事で確認してくれ!
そしてもちろん、これで全部じゃない。イーサン・フライシャー/Ethan Fleischerが『機械兵団の進軍』統率者デッキに取り組んでいたときに、ここで再び出すのにうってつけなピースに気づいたんだ。それが「プレインチェイス」だ。
最初の『Planechase』が発売されたのは、2009年まで遡る。2012年には2作目を発売したが、それ以来、新しい次元カードは増えなかった――もう11年も前のことだ。長年にわたり、ファンに求められてきたのだ……
さて、前回プレインチェイスが出てから11年も経っているということで……
それから、動画で観たい方のために、この記事の内容を収めた「Good Morning Magic」も用意しておいたよ。
それじゃあ……
プレインチェイス開始!
マジックでは、君たちは多元宇宙を渡り歩くプレインズウォーカーだ。プレインチェイスでは、実際に次元を渡れるんだ!
そのためには、「次元カード」と呼ばれるこの大判カード(通常のカードのおよそ2倍のサイズ)を使う。
次元カードはある次元の特定の場所を示している。例えばこのカードは、アラーラ次元のジャンドだ。次元カードはどれも、全体に影響を与えるエンチャントのような常在型能力を持っている。どの能力も、その次元をよく表現したものだ。例えば《ジャンド》――アラーラ次元の緑と黒と赤を表し、「貪食」メカニズムをもたらしたこの場所は、全員の緑と黒と赤のクリーチャーに「貪食」を与える。まさにジャンドらしいね!
次元カードにはもう1つ能力があり、こんなシンボルに続いてカオスが起こった場合について書かれている。詳しくはあとで教えよう。
さて君が青白のデッキを使っているなら、ジャンドは最高の場所じゃないだろう。この次元カードで恩恵を得られるのは、緑と黒と赤だけだからね。じゃあどうする?そう、プレインズウォーカーなら次元を切り替えられる。そこにプレインチェイスの面白さがあるんだ。
プレイヤーはそれぞれ10枚の次元で構成されたデッキを用意し、ゲーム開始時にシャッフルする。(ハウスルールの1つとして、全員の次元カードを混ぜ合わせて使うという遊び方もよく採用されている。お好みでやってみてくれ。)まずは開始プレイヤーが、次元デッキから開始時の次元を公開する。その後は君がプレインズウォークするたびに、次元デッキの一番上のカードを公開し、現在の次元と置き換えていく。では《ジャンド》から移動しよう……
おー! 青白のプレイヤーにぐっと有利になったね!ではプレインズウォークはどうやってするんだろう?靴を鳴らして、何度か「エスパー」とつぶやくだけではできない。あるものを使うんだ……
ずいぶん変わったダイスだね。6面のうち4面が空白だ。そして1面にはプレインズウォーカー・シンボルが、もう1面には先ほど紹介した変わったシンボル()が描かれている。
次元ダイスは、君のターン中にソーサリーとして(つまりメイン・フェイズ中で、スタックが空であるとき)振ることができる。プレインズウォーカー・シンボルが出れば、次の次元にプレインズウォークするんだ!
そしてもう1つのシンボル、私たちはこれを「カオス・シンボル」と呼んでいる!各次元はカオスが起こったときに発揮される効果を持っている。シンプルなものからちょっと凝ったものまでさまざまだが、1つ目の能力と関連しているものが多い。例えば《ジャンド》はゴブリンに貪食を与え、《都和市》はカウンターを配って君のクリーチャーを改善してくれるんだ!次元ダイスを振ってカオスを起こせれば大きな恩恵を得られるかもしれないが、他の望ましくない次元に移動してしまう可能性もあるから、難しいところだね。
では1ターン中に何度も次元ダイスを振りたい場合はどうすればいいんだろう?次元ダイスは毎ターン、最初の1回はコストなしで振ることができる。その後は1回振るごとにコストが1マナ増えていく。2回目は1マナ、3回目は2マナ……という風にね。どうしても今いる次元から脱出したいなら、たくさん振って次元を渡ろう!
ゲームを通して、君はさまざまな次元を飛び回り、多種多様なカオス効果を目にすることになるだろう。さらにときおり、「現象」に遭遇することもあるだろう!
次元をエンチャントのようなものと表現するなら、現象はソーサリーのようなものだ。現象が公開されたら、そこに書かれた効果が発揮され、その後次の次元へ移動する。ちなみに、ゲーム開始時の最初の次元公開のときは現象に遭遇できないぞ。それじゃあ面白くないからね。
《空間の接合》に遭遇すれば、2つの次元に一度にプレインズウォークできる!現象カードはどれもすごい効果を持っているけれど、次元デッキにはごくわずかしか入れられないから、あまり心配し過ぎなくても大丈夫だ。
プレインチェイスについては、もう1つ伝えたいことがある。大判のアートが本当にすごいんだ。ニクスのような場所が横に広く表現されているのは感嘆ものだね。なんて豪華なアートだろう。
というわけで、プレインチェイスの概要は以上だ。クールな全体効果に刺激的なカオス能力を持っていて、それらを使うためには次元ダイスを振るんだ!
次元を統率せよ
『機械兵団の進軍』統率者デッキには何が入っているんだろう?
各デッキとも、カード10枚入りの次元デッキが同梱されている。10枚のうち5枚は新たな次元カード、4枚は再録カード、そして1枚は現象カードになっている。それらはマジックのあらゆる次元や時代に広がっているから、現在はもうない場所が取り挙げられていることもある。
各統率者デッキには、新たな次元カード5枚と再録の次元カード4枚と、現象カード1枚が同梱されている。
次元を渡る旅が大好きな私と伝承師たるイーサンで、本当にディープな場面を切り出せたよ。みんなに見てもらえる日が待ち遠しい!
それから、各統率者デッキには次元ダイスも同梱される。新しいダイスで次元を飛び回ってくれ!
プレインチェイスを使うゲームはどうなるだろう?
プレインチェイス戦は最高に楽しくて、戦況は大きく変わる。ゲームの流れがいつ変わるか読めないから、カオスが起こるときには少し備えておいた方がいいかもね。プレインチェイス統率者戦のゲームは、ダイスを振ったり一風変わった効果を処理したりすることが加わり、時間がかかるかもしれない。普段よりも少し長い時間居られるようにしておくといいだろう。とはいえ新しい次元カードには攻撃を促しゲームを進めるものもあるから、プレインチェイス統率者戦に慣れた方ならそうでもないかもね!
あとは、ダイスを振ることを忘れないように!特に序盤は忘れられがちだから、次元ダイスを準備しておこう。私は基本的に、今いる次元が最高の場所でない限り毎ターン無料分は振るべきだと思う。マナが余ったときも、追加のダイス・ロールに使おう!次元が変わっても大きく不利になることはないだろうし、素敵なカオス能力が使える可能性もあるからね!
それから、次元ダイスを戦闘の前に振るか後に振るかは考えておこう。さまざまな形で戦闘を変える次元がいくつもあるからね。基本的には攻撃側が有利だけれど、いつもそうとは限らない。戦闘がすでに有利な見通しなら、戦闘後に次元ダイスを振るのが良いだろう。
どこも攻撃できないとか、十分な攻撃を仕掛けられない状況なら、戦闘前に次元ダイスを振って結果を見てみよう。戦闘前に次元ダイスを振ればより多くの情報を得られるから、その後の動きも判断しやすいはずだ。何が起こるかはわからないけれど、自分のターンで次元ダイスを振るタイミングを考えることで、プレインチェイスを活かしたプレイができるようになるだろう。
とはいえ、戦闘前や戦闘後を気にし過ぎる必要もない。プレインチェイス統率者戦なら、新しい次元を探す時間はたっぷりあるよ。
勝利を求めてプレインチェイス
私はセットとうまく結びつくものを復活させられる瞬間が大好きだ。プレインチェイスは、まさに完璧にフィットした。
『機械兵団の進軍』プレリリースは4月14~20日開催と迫っている。このセットを狙っているなら、お近くのゲーム店やAmazonなどのオンラインストアを訪れ、欲しいものを予約しておこう!
いつも通り、みんなの意見や質問は喜んで受け取るよ。プレインチェイスをもっと頻繁に出してほしい?ぜひその話を聞かせてほしい!以下に連絡先を載せておくから、(英語で)話かけてくれ。
それでは、引き続きプレビューを楽しんでくれ(統率者デッキの情報が公開されたら、他の次元カードもお披露目されるだろう。プレビューの予定はこちらの記事を確認してくれ)。君たちが行きたい次元が見つかりますように。
Gavin
Email: BeyondBasicsMagic@gmail.com
Instagram: GavinVerhey
TikTok: @GavinVerhey
Tumblr: GavInsight
Twitter: @GavinVerhey
YouTube: Good Morning Magic
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