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プレインズウォーカーのための『ファイレクシア:完全なる統一』案内

2023年2月1日

 

 ファイレクシアの栄光に歓喜せよ! すべてはひとつに! 多元宇宙最古にして最恐の生物が統べる次元へようこそ。ファイレクシアの完璧な栄光を広める準備は良いだろうか?

ファイレクシアとは?

 ファイレクシアは、「完成」という人工的かつ無生物的な未来を達成しようとする機械生命の社会である。我々の寄生的文明は、遭遇したあらゆる次元に侵入しては貪り、他の存在を機械生命に変換することで戦力を拡大する。我々の感染(「ファイレクシア病」)は神聖なる賜物である。我々に仇なす者は導きを誤った、あるいは悪しき存在であり、その道の誤りを示してやらねばならない。

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偉大なる統一者、アトラクサ アート:Marta Nael

ファイレクシア病

 ファイレクシア人は生体槽と出産の殻を用いるか、ぎらつく油で他の存在を感染させることによって繁殖する。その油は変異原であり、まず感染者の精神をねじ曲げ、記憶喪失や人格の変化を誘発させる可能性をもつ。油は最終的に宿主体内のあらゆる体液に取って代わり、身体の有機組織を機械装置に置き換える外科的過程である「完成化」の準備を終える。この油は有機物と同様にアーティファクトを汚染させることもできる。

 完成化の施術は他のファイレクシア人によって監督される。この手順が致死的となった場合には、屍術も用いられる。宿主の身体が機械と完全に一体化した時、それらは真にファイレクシア化したとみなされる。変化及び知性の保持の度合は非常に様々である。高位のファイレクシア人であるほど、概してより高度の改造とより優れた知性を与えられる。

 ファイレクシア病を逆行させることは困難である。感染がある程度の段階を突破したなら、回復は不可能となる。回復の可能性は個人によって異なり、完成化の進行とともに困難となる。精神の治療は身体の治療とは異なる過程を必要とすることもある。しかしながら、光素のような幾つかの物質はぎらつく油の変質効果を食い止め、またメリーラのような少数の者は完全な免疫をもつ。

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スランの医師、ヨーグモス アート:Mark Winters

ヨーグモスと旧ファイレクシア

 ファイレクシア人は、現在では「旧ファイレクシア」と呼ばれる人工次元を起源としている。それはとある未知のプレインズウォーカーによって創造されたものである。ドミナリア出身の医学の天才、ヨーグモスが旧ファイレクシアに渡り、この次元の新たな支配者、「機械の父」としての地位を確立した。彼はファイレクシア人を用いて故郷の次元をたびたび侵略したが、最終的にゴーレムのカーンとその仲間たちによって殺害された。旧ファイレクシアは破壊されたが、カーンは無意識のうちに油の保有者となった。

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パノプティコン アート:John Avon

ミラディン

 カーンはひとつの独立した金属次元ミラディンを創造した。それは五つの太陽と、多様な独自の文化を持っていた。だが彼は偶然、次元の内核にぎらつく油の雫を落としてしまう。その油は風景や自然を内側からゆっくりと、徹底的に腐敗させていった。多くのミラディン人がファイレクシア人と化し、その中には伝説的な英雄たちも含まれていた。ファイレクシアが外層に達した時、ミラディン人の様々な文化は屈服した。

新ファイレクシア

 ミラディンの五色の太陽に影響を受け、ファイレクシア人たちは五つの派閥に分かれた。それらは各ひとりの法務官が率いている。彼らはマイコシンスを収穫し、自らの完璧な未来像に合わせてミラディンを再構築し、自分たちが統べる内部球層を作り上げた。最後に彼らはこの世界の元々の地表を新たな球層で覆い尽くし、自分たちの勝利を称える巨大で不気味な記念碑で飾り立てた。

新たな侵略

 ミラディンを征服して新ファイレクシアを確立させると、彼らは多元宇宙の他の次元に目を向けた。機械正典の指導者であるエリシュ・ノーンはプレインズウォーカーのテゼレットに、奉仕の対価として不滅のダークスティールの身体を約束した。彼は次元橋を用いて他の法務官たちの無機的な部位を様々な次元に送り込んだ。法務官たちはその地で再生し、エリシュ・ノーンに与えられた任務をこなした。

 最初にヴォリンクレックスがカルドハイムへ向かい、世界樹の精髄を盗み出した。次にジン=ギタクシアスが神河に現れ、プレインズウォーカーをファイレクシア化する手法を開発した。ウラブラスクは自らの目的を押し進めるため、命令を逃れてニューカペナへ赴いた。最後にシェオルドレッドが、立ち塞がるであろうあらゆるものを殲滅するため、かつてファイレクシアを打ち負かした次元であるドミナリアを訪れた。

 シェオルドレッドが破壊した物品のひとつが、大量破壊をもたらす「酒杯」と呼ばれる装置である。大いなる代価を伴い、プレインズウォーカーの一団が新たな酒杯を作り上げた。そして新ファイレクシアの中心部へとその武器を持ち込むための攻撃部隊を結成した。

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ファイレクシアの大地図 アート:Illustranesia

九つの球層

 新ファイレクシアは機械生命の次元であり、活動的で絶えず変化している。生者と死者と機械的生物の差はほとんど存在しないため、環境そのものも自ら変化する傾向にある。

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完全化記念碑 アート:Igor Kieryluk
記念ファサード

 ミラディンを征服した後、法務官たちは次元全体をひとつの外層で包み、記念碑で装飾することで統一された力を見せつけると決定した。これらの不吉な構造は人間の理解を超越したものであり、明確なパターンは一切持たない。時に何の前触れもなく塔が崩壊するが、不可解にもまた別の塔がどこかに立ち昇る。

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世界の導管 アート:Jokubas Uogintas
ミレックス

 ミレックスは元のミラディンの二層構造の外殻であったが、ファイレクシア人の侵略はその地を黙示録の如くに荒廃させた。ミラディンの様々なランドマークは取り壊され、それらの部品は下層に運ばれて新ファイレクシアの内部球層の建造に用いられた。太陽のマナから切り離されたミラディン人の生き残りたちは、より多くの物資を探し求めるファイレクシア人の物あさりによる絶え間ない襲撃を避けながら、かろうじて生き延びている。

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自律焼炉 アート:Muhammad Firdaus
自律焼炉

 「静かなる焼炉」の縄張りである自律焼炉は、ミラディンへの最初の襲撃に先駆けてファイレクシア人が確立した最初の層である。侵略の初期段階において、それは重要な役割を果たした。ここで作られた金属部品はミラディン人を完成化させてファイレクシア人の軍勢に加えるために用いられた。この球層全体がひとつの鋳造所として機能しているが、内部はより小さく独立した部門に分かれており、炉の親方がそれらを監督している。統率する法務官ウラブラスクは配下と距離を置いているため、彼らはしばしばやりたいことをやり、互いに衝突する。

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狩猟迷宮 アート:Alayna Danner
狩猟迷宮

 「悪意の大群」が棲まう狩猟迷宮はミラディンの絡み森の残骸を寄せ集めて作られた。かつてエルフの英雄であったグリッサは完成化された後、法務官ヴォリンクレックスと共に絡み森を解体して「適者生存」の戦場を作り上げた。巨大で極めて危険な獣たちが、広大で鬱蒼とした森で永遠に捕食し合っている。ほとんどの法務官は鉄の拳で統治しているが、ヴォリンクレックスとグリッサは後方に座して自分たちが作り出した美しい進化を堪能する方を好む。

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外科区画 アート:Sarah Finnigan
外科区画

 外科区画は「発展の動力源」の本拠地である。初期の侵略では簡素に「第四層」と呼ばれていたこの流動的な球層は、ミラディンの地表下にぎらつく油を広めるために作られた。ひとたびミラディン人たちが完成化されると、法務官のジン=ギタクシアスはミラディンの水銀海を第四層に吸収させて更に広大な油の貯蔵庫を作り上げた。ミラディン人の研究所も移設されてファイレクシアの実験施設へと改装された。海生生物を取り扱う施設である「深淵科」は、ミラディンの知識槽を満たしていたちらつき蛾の血清、その最後の残りと言われる瓶を保有している。

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ドロス窟 アート:Martin de Diego Sádaba
ドロス窟

 ドロス窟は「七人の鋼の族長」に率いられた闘争が永遠に続く地である。族長ロキシスが計画を開始して自らの球層を「肉の層」と名付けたが、族長シェオルドレッドが彼を騙して球層を自らのものとした。それをきっかけに他の族長たちも加わって自分たちの要塞を築き、戦争ゲームを再開した。彼らは武装した大軍を常に互いへと送り込んでいるが、今のところシェオルドレッドを法務官の座から退けた者はいない。

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美麗聖堂 アート:Marc Simonetti
美麗聖堂

 自分こそがファイレクシアすべての頂点に立つ法務官であると宣言した後、エリシュ・ノーンは「機械正典」のためにこの最高の場所を要求した。彼女の領域はミラディンのマイコシンスの「木々」を取り囲んでいる。新たな球層を構築するための重要な材料を管理することで、ノーンは他の法務官に対する支配力を維持している。美麗聖堂のあらゆる様相がノーンへの信念を象徴するものとして作られており、すべてのファイレクシア人に対する支配を強固なものとするために役立っている。

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マイコシンスの庭 アート:Andrew Mar
マイコシンスの庭

 このマイコシンスの庭が、ミラディンの元々の内核である。ファイレクシアの非生がざわめく他の球層とは対照的に、マイコシンスの庭は不気味なほど空虚に静まりかえっている。エリシュ・ノーンの許可なしにこの球層に入ってはならないとされている。

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種子中枢 アート:Kasia 'Kafis' Zielińska
種子中枢

 種子中枢はミラディンでも歴史上最も重要な場所から伸びている。この次元の最初の支配者であるメムナークは、マイコシンスの塔の中にパノプティコンと呼ばれる監視所を建て、その中に居住していた。それは後に謁見室と名を改められ、カーンの牢獄へと作り変えられた。カーンのいない玉座に、ノーンはカルドハイムの世界樹の精髄を植えた。彼女の新たな樹の枝は他の次元に触れ、侵略への道を開く。

ファイレクシアの派閥

 すべての派閥が多元宇宙を支配し、ファイレクシアの栄光を広めたがっている。だがそれぞれにそれぞれの未来像が、そして完成の表現が存在する。

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聖堂の導き手 アート:Allen Williams
機械正典

 ファイレクシア病はあらゆる生物を統合し、不必要な争いを終わらせる祝福である――機械正典はそうみなしている。秩序を維持するためには厳格かつ構造化された階層制度が必要であると彼らは信じており、そのためヨーグモスの全盛期を再びもたらすような指導者を求めた。法務官エリシュ・ノーンがこの探索を先導した。しかしながら、彼女が掲げた名目上の長であるカーンが逃亡すると、真の指導者はノーン自身であると明らかになった。今やノーンは「機械の母」を自称してその役割を受け入れ、自身の先任者たちを上回るであろう計画の途上にある――ファイレクシアの派閥すべてを統一し、多元宇宙へと教えを吹き込むであろうひとつの大軍団を立ち上げるのだ。

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機械の母、エリシュ・ノーン アート:Martina Fačková

機械の母、エリシュ・ノーン
 エリシュ・ノーンが機械正典を率いている。彼女は傲慢な熟達の操り手であり、自らの美辞麗句を心から信じ、疑問を挟まれることを嫌う。彼女は自らの姿の記念碑を設計する、独断的で神権的な独裁者である。他の法務官たちと協調してはいるものの、彼女は主導権を握りたがっている。エリシュ・ノーンはファイレクシアすべてのための壮大な計画を立案し、信者への聖書である「銀白の刻文」を記した。

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ぎらつく予見者 アート:Alix Branwyn
発展の動力源

 発展の動力源は、ひとつの社会としての新ファイレクシアには無関心である。全体の完成化こそが唯一にして真の最終目標であり、体系的な実験がより効率的なファイレクシア病の手法に繋がると彼らは信じている。ジン=ギタクシアスと発展の動力源は征服したヴィダルケンたちをひとつの生ける学術的蔵書へと変え、学問的構造を含む彼らの原則とデータの多くを取り入れた。ヴィダルケンたちのちらつき蛾を研究することで、発展の動力源は膨大に保有するぎらつく油を強化することが可能となった。彼らは油の毒性を高め、記録的な速度で有機物を介して増殖させられるようになった。

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青の太陽の黄昏 アート:Piotr Dura

核の占い師、ジン=ギタクシアス
 発展の動力源はジン=ギタクシアスによって運営されている。彼は冷たく残忍であり、自身こそが最も賢い法務官であると信じている。彼が立てる仮説は綿密かつ計算されたものであり、しばしば正しいと証明される。しかしながら、倫理は才能を制限するものと彼はみなしているため、その実験はしばしば被験体へと苦痛や精神的外傷をもたらし、死に至ることも珍しくはない。ジン=ギタクシアスはファイレクシアの聖書の最も正確な解釈を作成したと考えており、それを「大いなる合成」と呼んでいる。

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シェオルドレッドの首狩り アート:Andrey Kuzinskiy
七人の鋼の族長

 沼から出でた七人の鋼の族長は、自分たちこそがヨーグモスの旧ファイレクシアの直系であるとみなしている。彼らはヨーグモスが記したファイレクシアの聖書のみに従い、他の派閥を脅威とみている。特に指導者を信仰対象として掲げる機械正典を。族長たちは共に、シェオルドレッドが率いる緩い封建的派閥を形成している。族長のひとりひとりが権力を掌握できる時を伺っている。しかしながら、彼らは完成化の最善の方法には同意しており、すなわちファイレクシアの社会構造は単純にどれであろうと機能するのである。

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黒の太陽の黄昏 アート:Jonas De Ro

囁く者、シェオルドレッド
 シェオルドレッドは七人の鋼の族長を率いているが、その支配力は不十分である。彼女は優雅で冷酷、そして族長たちの中では最も利口である。彼女の策略は主として秘密裏に行われ、しばしば嘘や誤情報を利用する。彼女は他の族長たちを巧みに操って対立させ、法務官の地位を獲得した。彼女は自らの知識を、「星の小箱」という囁きかける入り組んだ細工箱に隠している。

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肉体からの解放 アート:Isis
静かなる焼炉

 ミラディンの赤の太陽はファイレクシア人へと思いがけない影響をもたらした。それは彼らに個人主義という感覚を、知性の高い者たちには共感のひらめきまでも呼び起こした。ほとんどの者たちはこの内なる葛藤を、金属を再鍛して欠陥である有機組織を焼却するという「大いなる行い」に専念することで押さえつけている。だが法務官ウラブラスクは熟考の結果、その多様性と奇抜さは静かなる焼炉がもつ強みであると結論付けた。新入りへと自分たちの設計思想を強制する他の法務官たちとは異なり、ウラブラスクは彼らが元々持つ最も強い部位を維持したまま、それらの資産をファイレクシアに貢献させる方を好んでいる。密かに、彼はファイレクシアへの参加を強制するのではなく自ら選ばせる方を好んでいるが、ファイレクシアへの参加に反対する者を滅ぼすことはためらわない。

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赤の太陽の黄昏 アート:Julian Kok Joon Wen

ウラブラスク
 ウラブラスクは静かなる焼炉を監督している。彼は癇癪持ちであり、他者と接している時は少しのきっかけで激怒する。ウラブラスクは他の派閥から溶鉱炉階層を閉ざし、強制されない限りそれらと接触はしない。それどころか彼は、自分と部下たちが大いなる行いに集中できるよう、ミラディン人レジスタンスは放置しろと宣言した。他の派閥は疑念を向けたが、多くの者はウラブラスクを栄光ある炉の管理者とみて追及には至っていない。しかしながら、ウラブラスクはエリシュ・ノーンの画一的な支配を、彼の個人主義的ファイレクシアという未来像に対する脅威とみなし、彼女に反旗を翻す準備を進めている。更にはノーンの宮殿への攻撃に備え、彼は自らの身体をアップグレードした。

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グリッサ・サンスレイヤー アート:Krharts
悪意の大群

 悪意の大群は、ファイレクシア人が持つ「偉大なる進化」の理念を生物学的レンズを通して解釈し、「適者生存」の観念形態を発達させた。法務官ヴォリンクレックスとその副官グリッサは、捕食者たちが互いを狩る闘技場のような環境を作り出すことで、自然淘汰を加速させられると信じている。最も弱きものは食われ、最も強きものは果てしなく成長する。怪物じみたヴォリンクレックスはしばしばグリッサに長期的な問題や他派閥の相手を任せ、これらの乱闘に身を投じて楽しむ。

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緑の太陽の黄昏 アート:Yeong-Hao Han

ヴォリンクレックス
 ヴォリンクレックスは頂点捕食者として悪意の大群を統べている。それなりの知性を持ちながらも、彼は本能で決断を下し、純粋な力と鋭い牙で問題を解決することを好む。あらゆる挑戦者を打ち負かしてその身体を食らい、自らの力とすることで今のところ彼は偉大なる進化の中における自らの支配権を維持している。ヴォリンクレックスは完成化したエルフのグリッサに責務のほとんどを任せている彼女は狩猟迷宮の設計においてなくてはならない存在であった。今やグリッサは悪意の大群の戦力の多くを支配し、他の法務官とのやり取りの際にはしばしばヴォリンクレックスの代言者として話す。

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謎のゴライアス、オヴィカ アート:Antonio José Manzanedo

無所属のファイレクシア人

 ファイレクシアが成長するにつれ、複数の派閥の影響下で、あるいは完全に派閥と関わることなく発達した生物も存在する。

ドミヌス

 ファイレクシア人がミラディンの大地を完成化させると、生と死と無生物の物体の境は曖昧になった。次元そのものの一部が次第に知性を得て、巨大で可動性をもつ生物に変化した。今や個々の動機と個性に駆り立てられ、これら謎めいて壮大な存在が複数の球層を放浪している。ドミヌスはしばしばそれらを完成化させた派閥と同様の特質を保持しているが、通常自分たちは政治や忠誠の及ばない存在であるとみなしている。とはいえ、目的が合致する場合には彼らは法務官たちと協力することも知られている。

ミラディン人

 ミラディン人はファイレクシア人の到来以前からミラディンに住んでいた者たちである。ミラディンの五つの太陽の下、彼らは次元の地表にて独自の生物圏を有する五つの異なる文化を発展させた。ファイレクシア人が攻撃を開始してもミラディン人たちは自分たちの文化的相違を脇にやることはできず、それは分断と征服を容易にしてしまった。モリオックが最初に陥落した。次にニューロックとヴィダルケンが、最後にシルヴォクとエルフが。オーリオックとヴァルショクだけがかろうじて持ちこたえたが、それでも彼らの数は著しく減ってしまった。

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レジスタンスの火、コス アート:Eric Wilkerson

 以来、生存者たちは学んできた。ヴァルショクのプレインズウォーカーであるコスの力強い指導力のもと、ミラディン人たちは互いの相違を脇にやって新たな放浪集団を幾つも形成した。常に脅威にさらされているため、子供や老人を含めた彼ら全員がゲリラ戦士としての訓練を受けている。彼らの戦略は工夫とチームワークに頼っている。今や結束したひとつの抵抗勢力として、共にあれば強くなれるとミラディン人たちは知っている。

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抵抗の咆哮 アート:Lie Setiawan

呪い金(まじないがね)

 呪い金は空僻地の板から精錬された金色の金属であり、ミラディン人はこれを用いて武器を製造している。身体に注入されたなら、これはファイレクシア病に対する幾らかの抵抗力を与える。黄金守護たちはミラディン人の居住地の安全を確保し、ファイレクシア人に対するゲリラ戦を指揮し、共同体の者たちを訓練する精鋭の戦士である。彼らはその身体に組み込まれた呪い金で見分けることができる。

おわりに

 プレインズウォーカーたちは生き延びることができるのだろうか? ファイレクシア人は多元宇宙を掌握するのだろうか? それを知りたければMagic Story -未踏世界の物語-に掲載の物語を読もう!

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